あのね
あのね、夢を見たの。 そう言ったら貴方はいつものように少しだけ笑って振り向いた。 眩しい太陽を背に首を傾げながら、どんな夢を見たんだ?と貴方は優しく笑う。 昨日見た夢はとても楽しくて、嬉しい夢だったのよ。 以前の私だったらきっと、そんな風に笑って貴方と話す事もなかっただろうけど 今の私は違う。貴方の優しさに触れて…そして、ほんの少しの勇気で私は変わった。 だから、私は笑って言ったの。 貴方が笑って隣に居てくれたの。 そう言うと貴方は少しだけ驚いた後、そっかと言って頷くとまた笑って、 私へと手を伸ばした。伸ばされた手にそっと手を重ねると貴方の温もりがそこにある。 夢と同じ、幸せがそこにある。 少しだけ繋いだ手に力を込めると貴方の名前を呼ぶ。 気の抜けたような…ううん、リラックスした貴方の横顔を少しだけ見つめると 笑って頬に口付けた。突然の事に驚いた貴方は目を大きく見開いて、頬を真っ赤に 染めると、何?と戸惑ったように口を開く。 あのね、誕生日おめでとう。 その言葉を聞いた貴方はますます頬を染めると照れたように自分の髪の毛を混ぜ返した。 ぎゅっと手を握ると貴方も握り返してくれる。もちろん、手加減した優しい力。 ありがとうと笑った貴方が眩しくて少しだけ俯いてしまったけど、すぐに顔を上げて とびきりの笑顔を向けた。 あのね、知ってる? 私が一番に笑顔を向けたいのは貴方なの。 貴方が私に笑顔を向けた分だけ、私も返したいの。 だからね、一杯、一杯返すね。 優しく笑いながら力をくれた貴方に。 今日はとびきりの笑顔で貴方の誕生日を祝うの。 だって、私が一番好きな貴方の誕生日だもの。 あのね、知ってた? 私、言葉では言い表せない程…貴方が大好きだって。 <あとがき> トップバッターからポエムですね。一応緑の二人を意識しているつもりですが、 あまり変わりはないかもしれません(汗)ともかく誕生日おめでとう、という事で。 |