パイロット




夜9時頃、舞が小隊長室に入ってきた。踵を鳴らすように歩く舞に
書類を読んでいた善行が顔を上げる。
「ああ、芝村さんですか。」
善行の声に舞は頷いて見せるだけだ。デスクに乱雑に並ぶ書類に
ちらりと目をやる。無造作に一枚の書類を取りだすと目を通しだした。
「…貴女方のシミュレーション結果ですね。」
舞の行動を気にしたわけでもなく、自分の手元にある書類を持ち直す。
「壬生屋の射撃能力は…やはり低いな。接近戦であれば倍以上の力を
示しているが…ふむ。」
舞もまた善行の言葉が耳に入っている訳ではなさそうだ。ただ興味
深そうにシミュレーション結果を見ている。そしてある場所で舞の
瞳の動きが止まった。
「…これは何だ。」
舞の声で仕事にかかろうとしていた善行が顔を上げる。眉を寄せながら
何度も同じ場所を繰り返し確認するように見ているようだ。
「どうかしましたか、芝村さん。」
「滝川の数値だ。これは一体どうなっている。」
「ああ、滝川くんの場合は少し特殊ですね。」
善行は少しだけ笑みを見せると手元にあった書類をデスクに置く。
「実際の戦闘での数値とシミュレーションとの数値に大きく違いが
あるんですよ。私も初めてシミュレーション結果を見た時は
驚きました。そして初陣の時の彼の戦果と合わせて見れば
わかりますが…。」
「シミュレーター自体が壊れていたのではあるまいな。」
舞の言葉に善行は静かに首を左右に振る。
「貴女方と同じ条件ですよ。私も不思議に思ったので彼にはもう一度
シミュレーションをしてもらいました。結果は前回のシミュレーション
結果と同じでしたがね。」
「ではどういう事だ。」
「その数字の通りですよ。彼は精神に酷く左右されやすい。」
「では戦闘中とシミュレーションでは精神状態が全く異なると
言うのか。」
ただ頷く善行にますます眉を顰めると手にしていた書類をデスクに
置く。そして踵を返す舞に笑みを浮かべた。恐らく彼女はこれから
滝川の元へ赴くのだろう。そして喝を入れるに違いない。そんな
想像をしながら笑うと少しだけ楽しそうに書類を手に取った…。

─────────────────────語りへ───


自分で考えたお題の癖にそれに準じたミニSSを考えるのが難しくて(笑)
毎度毎度付けるつもりはなかったのですが、これはこれで楽しいので
多分毎回付けていくと思います。

さて、今回のお題はパイロットですが、滝川のパイロットとしての
腕はまぁ平均的だと思われます。射撃が少々得意な事だけが一応
特色になるのかな。
我が家のデータでは大抵NPC滝川は優秀です。よく色んなプレイ日記を
読むと撤退線間際に居るだけで全然戦わないと書かれているのですが、
そんな彼は見たことがありません。もしかして管理人の熱い想い(笑)が
ソフトに届いているんでしょうか。弟との共同プレイ時には熊本城で
彼によーくお世話になってました。多分機体を交換していたのは
壬生屋さんと速水たちだけだったのでは…(汗)滝川が前線を支えて
ましたからねぇ…。
まだ私がそんなに「滝川、滝川」と連呼していなかった頃でも
こんな感じで優秀なパイロットでしたね。確か120機以上は撃墜
していたと思います。

やっぱり夢はエースパイロットなので(笑)彼でSランクを狙おうと新規
データを作ったのですが…実は弟にスタート時を任せた所為か
Sランククリア時のデータをコンバートしたようで…しかも
凶悪なバグつきで妨害されています。(ゲーム最終日に陳情したものが
コンバート後に届くというバグです。今回は大量の士魂号とNEPが
来ました(泣))
いつか滝川でSランクをとる!は私の目標です(笑)