研究テーマ->着メロ・着うた->音量と音色と音色の調整〜携帯電話での鳴りを良くする
オリジナルの着信メロディの作成と使用についての情報を提供します。
着メロ、着うたに関する各項目への目次は、携帯電話用着信音楽ファイル・携帯ムービーの索引ページにあります。
 
 
 

 

 
 
携帯電話での鳴りが悪いとは?
作成した着メロを携帯電話で鳴らしてみると、思ったよりもショボイ音でなることがあります。携帯電話は、スピーカーも小さいですし、共鳴のためのボディも小さいですから、当然、音はシュボクなります。しかし、データの工夫によって、ある程度改善することが可能です。
改善方法
実際に業務用で配信されている着メロデータでは、下記の工夫がなされています。
(1)全体の音量を上げる
(2)メロディの音量を上げる
(3)メロディのトラックをコピーして音に厚みをつける
(4)オリジナル音色を使用する
全体の音量を上げるには?
携帯電話で着メロを鳴らしてみて、一番ガッカリするのは、音量が小さいことです。これは、変換に使用する元々のMIDIファイルの音量を上げておくことで解決できます。
MIDIファイルの音量を上げるには、3つの方法があります。
(1)曲全体のボリュームを上げる
これは、マスターボリュームというデータの数値を上げる(最高で127)ことにより行います。とにかく127に設定すればOKです。
(2)各チャネルのボリュームを上げる
これは、チャネルボリュームというデータの数値を上げる(最高で127)ことにより行います。ただし、なんでもかんでも、127に設定してしまうと、チャネル間の音量バランスが狂いますので、このバランスが崩れないようにする必要があります。
たとえば、チャネル1のボリュームが64、チャネル2のボリュームが32、チャネル3のボリュームが32の場合、チャネル1のボリュームを127、チャネル2のボリュームを64、チャネル3のボリュームを64というように比率を保って変更する必要があります。
(3)各チャネルのエクスプレッションを上げる
MIDIには、チャネル・ボリュームとほぼ同じ働きをするエクスプレッション(最高で127)というデータがあります。これも、チャネル・ボリュームと同様に、比率を保って、底上げをします。
(4)各音符のベロシティをあげる
各音符には、ベロシティ(最高で127)という、音の大きさのデータがついています。この数値をあげれば音が大きくなるわけですが、なんでもかんでも、127に設定してしまうと、音符間の音量バランスが狂いますので、比率を保って底上げをする必要があります。
このサイトからダウンロードできる自動作曲システムACSを使用すると、比率を保った音量調節を自動で行うことができます。
メロディの音量を上げるには?
全体の音量が大きくなっても、メロディの音量が小さいと、何の曲か分かりずらく、やはりショボイ着メロになってしまいます。元MIDIデータは、PCでの再生バランスで調整されているはずですから、着メロ用に、メロディの音量をすこし上げておくと携帯電話での鳴りがよくなります。
に厚みをつけるには?
PC用に作成するMIDIデータで、ディレイトラックを作成するために使用するテクニックですが、あるトラックをコピーし、コピーしたトラック全体の発音時間を、数チック後ろにずらすこと、ディレイトラックを作成することができます。これを、たとえば、メロディのトラックに対して行うと、メロディの音圧があがり、また、ディレイによる深みがでます。ただし、数チック、ズラさないとかえって音が変になります。また、可能であれば、セント単位でチューニングもズラすようにしておくと良いです。(着メロの場合、ピッチベンドで可能と思います。)
トラックをコピーするということから、和音数の多い携帯電話のほうが有利といえます。
オリジナル音色を使用するには?
PC用で作成したMIDIデータをそのまま変換ツールで変換すると、デフォルトの音色が使用されます。たいていの場合、デフォルトの音色はショボイです。デフォルトの音色を自分で作成した音色に差し替えることができます。たとえば、ギターの音色を、デフォルトのギターの音色ではなく、自分で作成したギターの音色に差し替えるということが可能になります。
オリジナル音色の使用は、システムエクスクルーシブという形で作成した音色データを、着メロデータに流し込むことにより可能になります。オリジナル音色の作成方法、流し込みの方法は、変換ツールごとに異なっています。
FM音色の場合、2オペレータのものと、4オペレータの音色があります。4オペレータの音色のほうが、音の厚みがあります。ただし、使用できるオペレータの数には制限があるので、全部4オペレータの音色にすると、全部2オペレータの音色にした場合の半分の音色しか使用することができなくなります。