研究テーマ->メディアアート->オリジナル・プロジェクト->風鈴の楽器
ここでは、メディアアートの作品を紹介します。  
試作7号(2011/5/30)

アルミを新しく削りなおして重りの部分を軽量化した。左が軽量化前で、右が軽量化後。ロボットの軽量化でよく行う手法だが、アルミに丸い穴をたくさんあけて軽くする。
同じような形のものを2つ組み合わせて、改良前は、下の写真のようにしていた。

改良後、風鈴にとりつけたものが下の写真。

サーボモータに取り付けて、団扇を固定するための台座の部分も改良した。左が改良前で、右が改良後。

角度を変えるために穴を2つつけていたが、これだと取り付けたときに、団扇と風鈴までの距離が長くなりすぎてしまうという欠点があった。(よって、おおきな団扇が取り付けられない。)

新しく作ったものは、団扇をはさんでいるだけだから、自由に角度や風鈴までの位置を変えることができる。

 

やはりノイズが大きいが、軽量化によって、前よりも重りがガラスの淵に当たって音が鳴る回数が増えた。音を聞いたり、波形をみていて気づいたが、サーボ―モータが動いているタイミングでは、サーボの音と風鈴の音が混ざり合ってなっている。その後、サーボが止まったあと、2〜3回だが、風鈴だけの音が鳴る。
風鈴の音はマイクで拾ってスピーカーから流す仕組みだから、間にPCをかませると、音を加工することができる。当初は環境音を拾ってノイズキャンセルを行おうとしたが、12個ものマイクに対して、1つ1つパラメータを設定してノイズキャンセルをするのは現実的ではないため断念。思うに、思い切って、サーボ―が動いているときの音はすべてカットし、サーボが止まったあとの音だけを流せばわりと綺麗なはずである。ディレイなどを入れて、音が繰り返されるようにしてもいいかもしれない。発音までのタイミングが異様に長くなるので、演奏が難しくなるかもしれないが。。。

アクチュエータについて
ノイズ対策にステッピングモータを使用してはどうかというアドバイスを踏まえて、採用が考えられるアクチュエータについて考えてみた。
(1)サーボモータ
制御にホビーロボット用のコントローラが使えるため、私にとっては扱いやすい。MIDI鍵盤からサーボを動かす仕組みもPCとすでに作ってあるソフトが使える。
しかし、稼働時のノイズが大きい。プラスチックギヤや、トルクの小さいものなど、いろいろみてみたが、ノイズはどれも許容範囲外。。。
(2)ステッピングモータ
仕組みはサーボモータとあまり変わらないようだが、あまり使ったことが無い。。。唯一、アルミを削るのに使用しているCNCのモータがステッピングモータだが、確かに静か。。。(CNCは自分で組み立てたが、キットに付属の組み立て図をみて作っただけなので仕組みはまったく分かっていない。)
問題はどうやって制御するかだが、本道は電子工作である。単純な繰り返し動作をさせるだけなので、頑張ればできるかもしれない。また、ロボット制作で馴染みのある浅草ギ研が、ステッピングモータも制御できるコントロールボードを販売している様子。
あと、気になるのが、トルク。ギヤをかませずに軸に直結してウチワを動かすとなると、それなりのトルクが必要なはず。。。回転速度はそれほど速くなくていいのだが。。。
必要なトルクがでるモータとそれを制御するボードの組み合わせを用意するのにけっこう苦労するかも。。。
(3)DCモータ
当初の試作では、マブチモータにプロペラをつけて送風するということをしていた。十分音は鳴るのだが、風流さという意味では、ウチワによる送風にはかなわない。
ただ、DCモータでもウチワを動かすことは可能である。回転運動を左右の運動に変えるようなギアが必要だが、自作できないことはないだろう。探せばタミヤなどから出ているかもしれないし。。。
ただ、ギヤ部分で、けっこうスペースを取りそうなのが心配。作り方次第だが。。。完成後は、ロボットのイベントや、介護施設での慰問演奏を考えているが、演奏場所に楽器を設置する際、コンパクトでないと苦労するはず。。。
また、DCモータの場合、制御ボードとそれに接続するPC、MIDI鍵盤などは不要になり、単純なボタンスイッチを並べて楽器が作れるかもしれない。これはけっこう魅了である。