研究テーマ->メディアアート->メディアアートについて->典型的なメディアアートのインスタレ ーション作品
インスタレーション作品というのは、美術館などのスペースに設置して展示する現代美術の作品です。その意味では彫刻もこれにあてはまるのですが、インスタレーションは彫刻以外の作品を指します。  
作品の展示形態
美術館に特定のスペースが設けてあり、デスクがあって、そこに作品が設置してあるというのが典型です。来場者が何らかの入力ができるように、何か、センサーや入力装置が置かれています。これらは、たとえば、ベタな場合、マウス、キーボードがそのまま置かれていることもありますが、距離センサーとか、あるいは、小型ビデオカメラとか、あるいは、紐をひっぱるとか、色々な形態があります。
同時に、モニターが置かれていて、そこに何らかの映像が表示されて動くわけですが、これがプロジェクターになっている場合もあります。そして、部屋のどこかにPCが置かれているはずです。PCはデスクの上にそのまま置かれていることもありますが、壁の後ろなど、見えない位置に隠されている場合もあります。(美術館の展示室の白い壁の後ろには、PC設置と作業のためのスペースがあり、展覧会のオープン直後は、壁の後ろに人がいて、中で調整を行っているというようなことがよくあります。)
一概には言えませんが、本格的な作品の場合、「PCはどこかに隠されている」「映像はプロジェクターを使用して投影」「珍しいセンサーを使用」などのことが行なわれています。逆に学生の卒展などでは、PCとモニターがそのままポンと置かれているということがよくあります。
図にしてみると。。。

思うに・・・
下の絵は、昔からある典型的なイタズラの例です。ひもを引っ張ると、物理的な仕掛けを通じて、バケツの水が落ちてくるというものです。
来場者が何かすると、それに対する反応が返されるという基本的な構造は同じです。仕掛けの部分を電気的なものに置き換えると、それは、メディアアートと呼ばれるのかもしません。

実際の作品展示
ほぼ同じ仕組みですが、プロジェクタから映像を出すのではなく、来場者の動きによって音を出すという作品をSpiralランデヴー展 椿昇&Softpad (2002) のページで紹介しています。
壁の後ろ側
左側の写真のような狭い空間に人が入って作業します。右側は実際の展示作品です。裏はゴチャゴチャ、表はスッキリという感じですね。。。(写真はフランスのロボット展の作業をする椿氏。私はプログラムの制作を手伝いました。)