研究テーマ->ジャンル研究->民族音楽->アンデス地方の音楽
各民族音楽の特徴をとらえ、自動作曲や自動編曲を利用したコンピューター・ミュージックで再現するということを試みています。このページ では、コンピューター・ミュージックで各民族音楽の特徴をもった曲の作成を行うという観点から、特に留意した点を中心にして紹介しています。  
特徴

アンデス地方は、ペルー、チリ、ボリビアなどの地域を含んでいます。これらの地域の伝統音楽は日本ではフォルクローレと総称されていますが、それぞれの地域によって微妙に異なっています。楽器や演奏者の衣装も特色のあるものが、 使用されます。観光地や駅の地下で、民族衣装を着て、アンデス地方の音楽を演奏をしているのを見かけると思います。(私が思い出せるだけでも、新宿の地下、サンフランシスコのフィッシャーマンズ・ワー フなどの場所で彼らを見ました。)有名な曲に、 サイモン&ガーファンクルでおなじみの「コンドルは飛んで行く」があります。 
南米は、スペイン語かポルトガル語を話す国がほとんどなので、歌詞がある場合は、スペイン語かポルトガル語になります。フォルクローレと呼ばれるものの歌詞はほとんどがスペイン語です。
音階
アンデス地方の音階は、いわゆるヨナ抜き音階 「ド」「レ」「ミ」「ソ」「ラ」 と言われていますが、地域的にも広いため、色々なものがあるようです。幾つかの曲でどうなっているのかを調べてみました。 結果として、「ド」「レ」「ミ」「ソ」「ラ」に加えて「シ」を使用する曲がけっこうある感じです。「ファ」はあまり使わないと言っていいかと思います。「シ」は使うけど、「ファ」は使わないという傾向はスコットランド音楽 同じです。

第1グループ ヨナ抜き音階 「ド」「レ」「ミ」「ソ」「ラ」の曲

  ド# レ# ファ ファ# ソ# ラ#
岩山の踊り 22 0 20 0 27 0 0 12 0 19 0 0



第2グループ 「ド」「レ」「ミ」「ソ」「ソ#」「ラ」「シ」の曲

ヨナ抜き音階の音に加えて、ドやラなどの主音への導音となる「シ」や「ソ#」の音が加わった音階です。

  ド# レ# ファ ファ# ソ# ラ#
カチャルパリ 16 0 12 0 22 0 0 19 0 24 0 7
コンドルは飛んで行く 25 0 14 0 23 0 0 18 5 34 0 8
パチャママ 9 0 24 0 24 0 0 14 5 22 0 2



第3グループ ダイアトニックスケール「ド」「レ」「ミ」「ファ」「ソ」「ラ」「シ」+αの曲
 

  ド# レ# ファ ファ# ソ# ラ#
カルナバル・グランデ 13 0 10 0 17 10 0 20 0 17 0 13
フィエスタ・アイマラ 22 0 14 0 24 9 0 17 0 9 0 6
ラ・ビダリータ 24 9 25 0 13 5 0 5 1 4 0 15



アンデス地方以外の曲でフォルクローレスタイルで演奏される曲についても調べてみました。

  ド# レ# ファ ファ# ソ# ラ#
ガンタナメラ 13 0 20 0 8 12 0 21 0 23 0 3

メキシコの曲についても調べてみました。

  ド# レ# ファ ファ# ソ# ラ#
ラ・バンバ 28 0 13 0 16 30 0 3 0 3 0 8

 

 

 
     
楽器

ケーナ ペルー、ボリビアなどが発祥の縦笛で、現在は木 、竹、プラスチックなどで作られたものがあります。

サンポーニャ 長さの違う筒を組み合わせた楽器です。

アンターラ 管の並びが1列のものはアンターラ、2列のものはサンポーニャと呼ばれています。

チャランゴ ギターを小さくしたような形の楽器です。

ボンボ 太鼓です。

マトラカ 回すと音がする打楽器です。
  関連サイトへのリンクを参考にしてください
自動作曲ソフトによる再現
「自動作曲システム」ではペンタトニック (五音階)を用いてメロディーを作っています。また音色には、ケーナやサンポーニャなどの独特の笛の感じをだすために、尺八とブレス・ノイズの音を使用しています。伴奏には、ギター、リズムにはコンガやタムを使用しています。まだ、アンデス音楽の雰囲気がつかみきれていないと思うので、今後改良していきたいと思います。 
自動作曲システムによるサンプル曲
有名な曲
中南米の民謡、童謡、唱歌のコーナーで フォルクローレの曲を聴くことができます。
コンドルは飛んで行く 岩山の踊り カルナバル・グランデ もっと見る
関連リンク
世界の伝統曲(中南米)」のページで幾つかの伝統的な曲を紹介しています。
「El Rincon Musical Peruano」は、スペイン語のサイトですが、「コンドルは飛んで行く」などのMIDIファイルを提供しています。また、楽器について知りたい方は、「在日ペルー大使館のページ」の「ペルーの音楽」へ行ってみましょう。