VOX"Valvetronix" AD120VT 

VOXの新しいデジタルモデリングギターアンプです。
Valvetronixという出力管に12AX7という本来プリ管で使う球を使用する技術で
ただのモデリングアンプとは、ひと味違います。取り説にもかなり強烈な記述でそう
書かれていました。(笑い)なによりコルグ社が協力することにより、かなりの数の
エフェクターが内蔵され、それこそオールインワンギターアンプという印象です。
取り説は、多分英語版を日本語に翻訳したものだと思いますが、かなり強烈です。(笑い)

まだ、自宅に届いて数日であり、スタジオでの大音量での使用やバンドアンサンブル内
での使用が、まだなので、とりあえずのインプレションになります。

まず、とりあえず、ギターとこのアンプだけを持っていけば、細かいことを言わなければ
済んでしまいそうなお手軽さがあるということです。細かい設定ができないということを
除くとギターアンプに使用するには、充分なクォリティのエフェクトにギターチューナー
まで搭載!このアンプを買う決め手になった出力のセレクターなどとユーティリティで
言えば、現在最高のアンプではないか?と思っています。

ただし、アンプの音質だけ言えば、もう少しかなあという印象が拭えません。
モデリングも似ているけど違うよなあという感じですね。(他のシミュレーターより
好きな音なんですが・・)例えば、Two-Rockの片岡会長曰く、「ダンブルのモデリング
ってどうしうてこうも違うんだろう・・」とかなりの酷評だったんですが、PODのモデリング
よりは、元のアンプの音をイメージできる音だと思います。でも、「素早い立ち上がり」
と言っても、オパールの足下にも及ばないのでは?とも思います。まあ、メサブギーの
ランドールさんが、「モデリングの音を使っていて、その後本物の音に触れて、やはり
本物の良さがわかるものだと思う」みたいな事をインタビューで言ってましたが、利便性
を取るか?本物の質をとるか?で悩むのでしょうね。ひとによって答えは異なるとは、
思いますが、モデリング技術が向上するに従ってモデリングで良いという人は増えて
いくんでしょうね。(笑い)
 

さて、アンプの仕様は、コルグのHPで仕様とか見ることができるのですが、
フラッシュを使っていて非常に見難いので簡単に説明していきましょう。

まず、インプットですがハイ/ローがあり、
最初にペダルエフェクトを選択します。
#フットコントローラーを接続するとワウやボリュームのコントロールも可能。

ペダルエフェクトのリストは以下の通り、
 
COMP コンプレッサー
ACUSTIC アコースティックギターシミュレーター
VOX WOW (いわゆるVOXの)ワウペダル
AUTO WOW オートワウ
U-VIBE ユニヴァイブ
OCTAVE オクターバー
TREBLE BOOST (ブライアンメイの)トレブルブースター
TUBO OD 某緑色のオーバードライブ(TS-9)
FAT OD (RAT)オーバードライブ
FUZZ FUZZ 
TREBLE BOOSTってブライアンメイのトレブルブースターなんだそうで、
これとAC30の組み合わせでクイーンを弾くと良いですね。
しか〜〜し、エフェクターにインテリジェントハーモナイザーが無いのは、
片手落ちと言ったところでしょうね。(笑い)
 


アンプのモデリングは、16種類選べます。

アンプタイプ 16種
1.AC15 2.AC15TB 3.AC30 4.AC30TB
5.UK BLUES 6.UK ’70s 7.UK ’80s 8.UK ’90s
9.UK MODERN 10.RECTO 11.US HIGAIN 12.BOUTIQUE OD
13.BOUTIQUE CL 14.BLACK 2×12 15.TWEED 1×12 16.TWEED 4×10

BOUTIQUEというのは、ダンブルらしいです。ODは、「立ち上がりの早い」と
書いてあるもののそれほどのスピードを感じません。むしろAC15やAV30の
モデリングが、良い感じです。(^o^)
UK MODERNというのは、JCM2000らしいのですが、こんなだったっけ?という
感じです。(汗)(以前先生モデルをJCM2000につないで出した時の印象とかなり違う!)
どの音もノイズが多めという印象があります。アナログで歪ませているせいで
しょうが、それでも多いですね。また、音を出してすぐミュートするとノイズゲート
みたいな「さっ」というノイズが耳につきます。これは、減点大です。
これからセッティングに時間をかけたいポイントです。

モジュレーションは、5種類、以下の通り
CHORUS
FLANGER
PHASER
TREMOLO
ROTARY
#ノイズリダクションもここで設定します。
 


デイレイは、デジタルディレイ、テープエコー、マルチヘッドの3種類選択可能。
あまり細かい設定は、できないもののまずまずのクォリティです。
ディレイタイムをタップボタンで設定するのですが、慣れれば悪くないです。


リバーブは、スプリング、ルーム、プレートの3種類選択可能。
プレートはなかなか好きな音ですが、こちらも細かい設定は不能。


リアパネルには、外部スピーカー端子(LR独立していて、それぞれ8オーム)、
エフェクトループ端子(LR独立)、フットコントロール端子、パワーセレクター
(1W+1W、15W+15W、30W+30W、60W+60Wの4種類)、
ヘッドフォン端子、ラインアウト端子(LR)、ライン出力レベルコントロールがあります。

上記のパワーコントロールというのが、購入の決め手だったりします。
パワーアッテネーターを使うのが、普通と思いますが、音ヤセみたいな感じがして
いまいちだったのが、これはそんな悪い印象がありませんでした。でっかい音から、
小さな音まで1台のアンプで乗り切るというのは、これまでの大きな課題だったので、
そういう意味では満足しています。でも、1W+1Wの2Wって思ったよりぜんぜん
音でっかいですね。(笑い)
あと、最初60Wの小さなモデルを考えていたんですが、120Wのこっちの方が
正解だったようです。JC−120のモデリングがかなり近いです。(笑い)

最後に信号の流れを書いておきます。

Guitar - Pedal Effect - PreAmp - Virtual FX Loop - FX Loop -
- Master Vol - Power Amp Model - Celestion Speaker

Valvetronix! なかなか面白い技術だと思います。
今後の製品に期待したいと思います。(あれっ?)

2002年1月1日