読書メモ 2026 春

最近、結構本を読む時間が取れているので、忘備録として読書メモを残します。


血肉となる読書 なぜ読むことだけが人生を変えるのか /
斎藤幸平, 小川公代, 安田登, 秋満吉彦

「わかりやすい解説で名著の入り口を開いてきた」
題名が強烈で、かなり期待して読んだんですが、正直言って中身はいまいちで
した。

斎藤幸平さんは、マルクスの研究者ですが、どうも世界に対する認識にズレを
感じます。象牙の塔というより左巻き特有の理想論の方向なんですよね?格差
と貧困って言っている中身が、アメリカ国内の例を挙げてて、もっと毎日の生
活に命が掛かっている国が幾らでもあるなぁって思ってしまいました。
小川公代さんは、ゴシック文学の研究者。
ネガティヴ・ケイパビリティ(容易に答えが出ない状態に耐える能力)を紹介
していましたが、ネーミングはともかく、それって何をやっても普通に必要な
能力だと思います。

永田希さんの「再読だけが創造的な読書術である」って引用もどうかと思いま
した。確かに時間を空けて再読すると違った視点で読み直せることがあります
が、「再読だけ」って限定する事に抵抗があります。

安田登さんは、日本の古典の研究者。
「これまで手に取ったこともない本を1冊だけ買う習慣」って刺激を受けまし
た。実は図書館でこれをやっています。(爆)ネットに感想を上げている本の
数倍の本を読んでいて、「へぇ〜」にも届かない本が沢山あります。受け入れ
がたい価値観とかが理解を阻んでいるような気もしますが、そもそも「そんな
価値観は自分には不要」だと思っています。それでも他人様の思想をどうこう
言っても仕方がないんですが、せめて相容れない集団は、国境などで分離して
頂いた方が平和につながると思っています。多様化を受け入れるって相手側も
同様に歩み寄れないと無理ですね。
で、秋満吉彦さんは、100分で名著のプロデューサーで上記3方のフォロー
をコラムを書いててこちらの方が、共感を感じました。そもそも「血肉となる
読書」が簡単に手に入ると思う根性がダメですね。(爆)個人的には、「血肉
となる」って沢山読み込んで何かの機会にそれらの意味や価値が身に染みるイ
メージです。結構な時間がかかって当たり前だと思います。


減塩より実は簡単!週末「無塩・無糖」のすすめ / 中尾正一郎

「高血圧・糖尿病は「無塩・無糖」で防げます! 」
数年前より人間ドックで「高血圧」判定を頂いて、色々と勉強しています。日
本の高血圧の基準など疑問に思えるものが多かったりするんですが、自分の身
体の事ですので僕自身のQOLを高める方向で考えています。
で、今月読んだこの本が勉強になりました。
現在、日本で「減塩」の目標として一日の塩分摂取量を6g以下を目標値にし
ていますが、アメリカの心臓病学会は3.8g未満なんだそうです。この数字は
明確に血圧が下がる科学的根拠があるそうです。個人的に日本の減塩の効果っ
ていまいちのイメージがあったのは、根拠が希薄だった基準だったせいなのか
も?
著者は「調味料としての塩と糖」を排除した食事を続けて血圧が100程度で
安定しているんだそうです。(その前は、130超えで高血圧一歩手前だった
そうです)
高齢になるにしたがって血圧が上がるという常識があやしいと主張しています。
イヌイットや塩分摂取が極端に少ない民族に高血圧が無いという事も大きな根
拠です。
ただ、「無塩・無糖」を続けていくと普通の味付けが「塩っ辛く」なるんだそ
うです。食材自体の味が分かるようになるというメリットがあるにせよ、外食
でそのような食事が確保できるか?疑問ですし、昔レギュラーコーヒーばかり
飲んでいたらインスタントコーヒーが気持ち悪くなって飲めなくなって結構不
便に感じた事がありました。コーヒーでも大変なのに、食べ物の味付けが極端
に薄味に偏るのも結構な不便が予想されます。
とはいえ、できる限りの減塩を試してみる必要をこの本を読んで感じました。
まずは、自分の現在の塩分摂取量を測る必要があるので、河野エムイー研究所
の塩分摂取量簡易測定器 KME-03 というものを注文しました。ひと月くらい測
定して現状を把握してみたいです。ちなみに測定原理は、夜間に溜まった尿を
朝カップに溜めてその量と塩分濃度を測定するんだそうです。食べ物に塩分計
を突っ込んで計るより精度が出そうです。(笑)


引き寄せの法則を全部やったら、効きすぎて人生バグりかけた話 / 角由紀子

「18年間スピリチュアルとオカルトの最前線に立ち続けてきた、『TOCANA』創
設者にしてオカルト編集者・角由紀子が、自らの体験をもとに「引き寄せの法
則」の正体を赤裸々に暴く!」
「引き寄せ」の技術をすべて試した私が、辿り着いた真実!
スピリチュアルなものを追及した著者の実体験レポートが、強烈に面白かった
です。
個人的には、「潜在意識の仕事」を意識しているので「引き寄せ」は、あると
思っています。ただ、スピリチュアル体験って結構ヤヴァイと思ってて、オー
ム真理教を思い出しますし、多くの場合、睡眠不足や断食などによる飢餓状態、
酸素不足など、身体をバグらせないと機能しないのが、スピリチュアル体験と
は距離を置きたいところです。それでもアマゾンの奥地まで儀式の体験のため
に出かけるって、なんとか探検隊以上の素晴らしさです。
恐いもの見たさで読むのも良いと思いました。


AIを使って考えるための全技術 / 石井 力重

「XXのすべて」とか「XXの全技術」という本で、あるジャンルを網羅している
と感じた経験がないので、結構眉唾的に、この本を見た時思ったのと本の厚み
(675ページ!)を読む時間の確保は大変というイメージで敬遠していたん
ですが、今週図書館で借りて読んだら「AI活用の技法の56の提案」というもの
でした。実際に全てを試していないので「へぇ〜」止まりなんですが、AIを有
効に使うには、インプットにどういう指示をするのか?に尽きるようです。
で、用途別の辞書的なプロンプト(インプット)のテンプレートを沢山用意し
たものでした。¥2970円でこの厚みと内容だと僕のような初心者にはお買
い得のような気がします。
まぁ、それ以前に「どんな入力したらいい?」ってAIに尋ねた方が早そうな気
もします。

■目次
序章 「AIを使って考える」とは? ?チュートリアル
1部 すぐにアイデアがほしいとき
第1章 「AI特有の力」で考える
第2章 「自由な発想」で考える
第3章 「ロジカルな発想」で考える
2部 アイデアを磨きたいとき
第4章 考えを「発展」させる
第5章 考えを「具体的」にする
第6章 考えを「検証」する
3部 アイデアを実現したいとき
第7章 アイデアの「伝え方」を考える
第8章 アイデアの「実行策」を考える
4部 考えるヒントがほしいとき
第9章 「課題」を分析してヒントを得る
第10章 「悩み」を分析してヒントを得る
第11章 「人」を分析してヒントを得る
第12章 「未来」を予測してヒントを得る
最終章 「技法」を使いこなす ?ケーススタディ


黒人に最も愛され、FBIに最も恐れられた日本人 / 出井 康博

戦前のアメリカで黒人と連携した米国分断破壊工作を行っていた中根中のノン
フィクション。大分でアメリカ人宣教師の影響で渡米した若き中根中が辿る有
色人種同盟運動。マルコムXの自伝に登場するほどの影響力があったというのは
驚きで、すべて実話というのが強烈でした。FBIのフーパーの罠や欺瞞、捜査時
の捏造の酷さも当時の人種差別の中では、普通の話だったんでしょう。東海岸
で日系人で栄えたタコマも日系人の強制収容で見る影もなくなっていたり学校
で教わらない歴史をたっぷり知ることができました。


トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー
/ ガブリエル・ゼヴィン

「セイディはMITの学生。ある冬、彼女は幼い頃一緒にマリオで遊んだ仲のサ
ムに再会する。二人はゲームを共同開発し、成功を収め一躍ゲーム界の寵児と
なる。だが行き違いでゲーム制作でも友情でも次第に溝が深まっていき――。」
子供の頃から(ビデオ)ゲームが大好きな二人の23年にも及ぶ物語。
ドンキーコングやスーパーマリオを始め、ゲームをあまりやらない自分でも知
っているゲーム(MYSTなど)が登場するのが、面白かったです。韓国系アメリ
カ人の母とユダヤ人の父を持つサムとユダヤ系でビバリーヒルズに育ったセイ
ディが、マサチューセッツで再会するところから始まります。MITとハーバード
って数キロしか離れていないことを初めて知りました。
もう一人、韓国人の母と日本人の父を持つマークスという二人をサポートする
キャラクターを含め「ゲーム界の冒険者たち」のイメージですが、サムがトラ
ウマや裕福な育ちではないこと、足に障碍がある事などで性格が歪んでいる事
もあり、色々とスムーズに進みません。辛うじてマークスがバランスを取って
成功している印象でしたが、最後は有る事件でまたバランスを失います。って
ネタバレは程々にして、結構なボリュームでした。比較的小さな文字で559
ページもあります。正直冗長な話が多過ぎると思いますが、話のペースをゆっ
くりしたかったような意図も感じられました。
作品のタイトルは、マクベスのセリフからで、昔CMで一節が引用されていたの
を思い出しました。「人生は歩き回る影法師、哀れな役者だ」何のCMだったか
思い出せません。セイディの不倫相手として登場するゲーム界の巨匠「ドーヴ」
のビジュアルが、ギタリスト「ステーブ・スティーブンス」に思えて仕方が無
かったのは、謎です。
ゲームを題材にしていますが、音楽制作でも同じような話が出来そうです。
でも文字で音楽を表現するのは、[BECK]などでも難しい事は明らかです。
なので、ゲームが正解だったんでしょう。


勿忘草の咲く町で 安曇野診療記 / 夏川 草介

神様のカルテの夏川 草介が描く、松本・梓川病院に勤務する女性看護師と男性
研修医が直面する高齢者医療のお話。
神様のカルテでも散々描かれた地方の病院の医師の過酷な環境に加え「老人医療」
を描いています。先日読んだ「廃用身」の影響もあり、作中「死神」と呼ばれる
「患者の寿命を見極めて過度の治療を行わない」谷崎医師に感情移入してしまい
ました。
6月に福本莉子主演でドラマ化されるので楽しみです。「安曇野診療記」とあっ
たので、てっきり「安曇野市」を舞台にしたお話と思っていたんですが、冒頭か
ら土地の描写に違和感が凄く、舞台が「梓川病院」ということで、松本市立波田
病院が舞台であることに気づきました。「安曇野」の定義として梓川まで含める
のは稀な印象でしたので、ちょっと騙された感じでした。


廃用身 / 久坂部羊

染谷将太主演の映画が公開中の原作本。
廃用身(造語)という脳梗塞などで麻痺し、リハビリをしても回復が見込まれ
ない、動かない手足を切除して本人と介護者の負担を減らそうとする「Aケア」
と呼ばれるサービスを巡る、医療サスペンス。
20年程前の原作ですが、介護現場と老人医療についての現実の情報が、かな
り痛く、少しでも負担が減るのなら、Aケアは保険適応で普及すべきだと思いま
した。読んでいるうちにドキュメンタリーを読んでいる錯覚がしてきて、びび
りました。映画版も機会があれば観たいと思いました。

2026年7月1日

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