御嶽山の噴火

御嶽山の噴火で亡くなった方々並びに被災された方々にお見舞い申し上げます。

現在、登山はひと段落状態で、息子や嫁さんの送迎くらいでしか、山道を行くこと
もありませんが、槍ヶ岳と御嶽山はいつか登ろうと考えていた山でした。
御嶽山は、昔「死火山」と呼ばれていたのですが、1979年に今回と同じように水蒸
気爆発を起こし、死火山とか休火山という名称が使われなくなりました。

9月27日の御嶽山の噴火は、非常に悪いタイミングで起こったと思います。
紅葉のシーズンで3000m級の山としては、2〜3時間程で登れる山として人気の高
い山です。当日の天候は快晴、おまけに土曜日の11時52分という多くの登山者が、
頂上付近を登っている時間帯の噴火で最悪のタイミングだったと言えます。

頂上付近に居ながら暢気に噴火の動画を撮影している事を見ても「噴火」の脅威に
対する認識の甘さが感じられます。個人的に阿蘇山の噴火や雲仙普賢岳の噴火のイ
メージが強く、「噴火は恐ろしい」と思っています。テレビのレポーターが気象庁
の担当者を糾弾するような口調で「何故入山規制をしなかったのか?」などと繰り
返し問い質していましたが、現在の技術では難しいと思われます。過度の規制もあ
りですが、その98%は、外れると思います。最終的な判断は登山者が、個々に行う
べきだと思います。

今回の噴火は、噴煙の温度も比較的に低く生存の可能性も雲仙普賢岳などと比べて
高かったと思います。それでも高速(多分時速400km以上!)で落下してくる噴石
が直撃したら怪我で動けなくなり、そのまま絶命する可能性が高くなります。また、
山小屋などへの距離が遠い場合、降り注ぐ火山灰と火山ガスのなか生存することも
難しいと思います。山岳信仰の山でもあり、割と山小屋の数が多かったのは、不幸
中の幸いですが、大多数の登山対象の山の山小屋が、頂上付近には無い事を知って
おくべきでしょう。例えば、上高地の入り口付近にある活火山である焼岳の最寄の
焼岳小屋へは、直線距離で1.3kmです。もし焼岳が噴火したら上高地の登山客と
観光客合わせて数1000人単位の人々が孤立する可能性があります。登山者なら、山
越えルートで安曇野へ避難する事もできるでしょうが、一般観光客の人々には、難
しいと思います。

杞憂に終わることも多いのでしょうが、最悪のケースも意識しながら登山をする事
は、大切だと思います。連日御嶽山関連の報道を見ながらそう思います。

2014年10月1日

平川丈二は最近こんなことを考えている!
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