見た目で分かりにくい障害ですが、実はイッパイ障害をかかえています。
自分の症状を入れながら簡単にまとめてみました。
脳から伸びた背骨の中を通る脊髄という神経を損傷した場合、脳から送られる命令は脊髄を通って体中に送られます。
それが損傷してしまうと脳に命令が届かなくなります。これを脊髄損傷といいます。
神経は脳に近いほど体の重要な機能の命令をしています。
頸髄損傷(頸損)とは、首を損傷した場合、首から下に脳からの指令が伝わらない状態のことをいいます。
頸髄(首の骨)の上部を損傷するほど障害の程度は重くなります。
脊髄損傷になると運動、感覚、自律神経、排泄機能に障害がおこり機能が麻痺してしまいます。
損傷部分が上部になるほど麻痺の範囲は広がり、日常生活において多くの場面で介護が必要となってしまいます。
今のところ、脊髄は一度損傷すると二度と再生しないとされています。
とても辛い障害ですが、きちんと自己管理や規則正しい生活をしていれば、
社会的な活動への参加が出来るようになります。
私は高位頸髄障害者です。この障害を受け入れるまで約10年、環境を調えるまで15年かかりました。
立ち直るまでには家族はもちろん、多くの人たちの支えがあったので現在までこれたように思います。
また、今回紹介している以外にも住宅改造や生活に必要な補助具などが必要で、国や県からの補助がなければ生活するのも、とても大変です。
・体温調節 |
自律神経が正常に機能できない為、熱くても汗が出ないので体に熱がこもり、うつ熱状態になったりします。
逆に体温が下がりすぎると低体温になってしまうので注意する必要があります。 夏などは霧吹きをかけて氷枕などで体を冷やしたり、 冬は低温ヤケドをしないよう、首と腰に貼るカイロなどで体温調節しています。 |
---|---|
・起立性低血圧 |
重度の頸損ほど血圧が低く、また血圧も正常に機能しないため、急に起き上がったりすると立ち眩みの状態になり、時には失神することがあります。
日常生活においてよく起きる症状ですが、症状も一時的なものなので少し休めば落ち着きます。 血圧が下がったときは前屈して頭を低くしたり、介助者にお腹を強く押してもらったりして、血が下がらないようにしています。 |
・尿路合併症 |
腎機能や尿路感染など尿路管理は脊髄損傷者にとって重要な問題です。 感染症をおこすと高熱が出てしまうので、定期的に検査を受けたりして、日ごろから予防対策や自己管理は欠かせません。 |
・肺活量低下 |
麻痺により肺機能が低下し、肺活量も低下しているので声が小さくなってしまいます。また重度の頸損になると、人口呼吸器が必要になったります。
誤嚥をしたり風邪をひくと、咳や痰がうまく出せない為、肺炎にはいつも気をつけなくてはなりません。 頸損が肺炎になった場合(治療を含め)とっても辛い状態になります。外出の後は必ずうがいをし、風邪をひかないように早めの対処を心掛けています。 |
・痙性(ケイセイ) |
麻痺している手や足が、自分の意思に関係なく痙攣したような状態になり、足が勝手に動いたり、全身が硬直したように突っ張ったりします。 痛みもあり(人によって痛みの度合いは違います)が、天気の悪い日や低気圧が近づくと、しびれ感が強くなるのでひどいときは薬で抑えたりします。 |
・過反射 |
自律神経が異常な為、無意識な反応に対して体が過剰に反応してしまいます。大量の発汗や(冷や汗)急に血圧が上昇して激しい頭痛を起こしたりします。 過反射はどういうパターンで発汗や頭痛を起こすのか、経過とともに、対処方法がだんだん分かってくるので自分には貴重なシグナルです。 |
・褥創(ジョクソウ) |
感覚が麻痺している為、同じ体勢を長時間続けるとその部分が圧迫され血行が悪くなり皮膚が壊死します。
症状を悪化させない為にも、日ごろ姿勢を変えるなどして除圧を頻繁にすることが必要です。 寝ている時はエアーマットを使ったり、3、4時間ぐらい横向きの姿勢をとったりしています。 車椅子に乗っている時はエアー型のクッションなどを使ったり、時には足を床に降ろすなどして除圧しています。 |