2010年1月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑

【2010年1月1日】

※葛西臨海公園(6:40〜9:40)
 初日の出見物を兼ねての探鳥。到着時は既に初日の出を待ち構えた多くの来訪者で護岸周辺は混雑していた。運よく本年もTDL方面からの初日の出を見ることができた。その後は、ひととおり鳥類園を回った後、ひと気が少なくなった午前9時頃から水路護岸と西渚観察ポイントに回って、渚周辺の探鳥を行った。これまでに比べると、幾分鳥の数が減少しているようであったが、大きな変化は見られなかった。主なものは次のとおり。

○ホオジロガモ        1羽(若鳥と思われる個体。東西渚間水路)
○ミサゴ            1羽(♀タイプ。午前7時前から渚周辺を飛翔しているのが見られた。東渚舞浜側南端の棒杭上に休止したりしていた)
○トビ              2羽(午前8時半過ぎに渚橋上空に出現し、その後はクリスタルビュー付近で旋回上昇し北東方向に飛び去った)
○ノスリ             1羽(汽水池南側マツ。午前8時半頃に確認できた)
○チュウヒ           2羽(国内型成鳥♂と思われる個体が淡水池に飛来し、斜面の草木類上に降りていた他、別個体が東渚アシ原上などを飛翔していた)
○ハヤブサ          1羽(成鳥と思われる個体。東渚北東端付近の流木上に休止していたが、シギ・チドリ類が干潟に舞い降りた後の午前9時頃には一時的に飛び立って狩りのような動きが見られた)
○シロチドリ      約100羽(東渚など。午前8時頃のカウント数。なお、西渚にも少数が飛来していた)
○トウネン           2羽(水路護岸。午前8時半頃にハマシギ群中に見られた。1羽はすぐに飛び去ってしまい、きちんと確認できなかったが残る1羽はトウネンと判断できた) 
○ハマシギ        約300羽(東渚、水路護岸など。午前8時頃のハマシギ・シロチドリ群のカウント数は408羽であった。なお、水路護岸にも16羽が飛来していた)
○アオアシシギ         1羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。午前7時半頃に確認できた。オオハシシギも近くに見られた)
○オオハシシギ         1羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。距離があった)
○カワセミ             1羽(淡水池)
○タヒバリ             1羽(西渚護岸)
○ジョウビタキ          1羽(♀タイプ。淡水池西側)
○アカハラ             5羽(淡水池付近など)
○シロハラ             6羽(淡水池付近など。アカハラと争っている個体も見られた)
○ツグミ            約20羽(淡水池付近など)
○オオジュリン           4羽(淡水池付近など)

以上。 


【2010年1月3日】

※船橋三番瀬海浜公園(7:50〜10:50)
 コクガンなどが見られているとのことで、久しぶりに出かけた。到着時は満潮は過ぎたものの潮位は高く、正面干潟が広がり始めたのは午前9時過ぎからであった。沖合いにまとまったスズガモ群が見られず、水鳥の数自体はやや少なめと思われたが、吹き寄せられて堆積したアオサに集まる越冬シギ・チドリ群の規模は例年なみと思われた。なお、船橋港側堤防にはセグロカモメ群が200羽以上舞い降りていたが観察時間中には干潟に移動してくることはなかった。また、ヒメウ、ビロードキンクロも確認できなかった。なお、カモメは若鳥を含めて5羽前後見られた。主なものは次のとおり。

○コクガン           1羽(若鳥。船橋側堤防内水面。到着時はスズガモ群中に混じっていたようで確認できなかったが、午前8時半頃に堤防内水面北西端の砂地に上陸し羽繕いを行った。約1時間後には再びスズガモ群中に入った。いただいた情報によると昨年末からほぼ当地に滞在しておりアオサをよく採食しているとのことであった。当地でのコクガンの長期滞在は2007年末から2008年初めにかけて新浦安地区の護岸付近にかけて見られた個体以来で約2年ぶりと思われる)
○ホオジロガモ         7羽(♂4羽、♀タイプ3羽。堤防内水面)
○シノリガモ           1羽(♀1羽。船橋側堤防内水面。北西端の砂地に上陸していた)
○ウミアイサ           2羽(♂♀各1羽。正面干潟沖合水面)
○ズグロカモメ         2羽(成鳥冬羽2羽。到着直後は潮干狩り場柵の沖合側に2羽が揃って休んでいたが、干潟が広がりだした後は干潟周辺を飛び回っていた。一時的に3羽いるようにも思われた。また、若鳥は確認できなかった)
○ミヤコドリ          172羽(午前10時半頃に正面干潟に飛来した際のカウント数。潮位の高い時は遠方堤防にいた。その際のカウント数は正確さを欠いたが200羽前後であった。午前9時過ぎから次々に飛来した。成鳥のみならず若鳥もかなり混じっているようであった)
○ハジロコチドリ         1羽(成鳥冬羽個体。正面干潟) 
○シロチドリ       約100羽(午前9時半頃のカウント数。もっといたものと思われる。きちんとカウントすることはできなかった)
○ダイゼン          102羽(午前8時頃のカウント数。潮干狩り場柵に休止していたが、干潟が広がるとともに飛来した)
○トウネン            1羽(ハマシギ群中。午前8時半頃にハマシギ群中で確認した) 
○ミユビシギ          36羽(午前8時半頃のカウント数。もっといたものと思われるが目立つ割には数は多くはないようであった) 
○ハマシギ       約2000羽(正面干潟など。きちんとカウントすることはできなかった)
○ダイシャクシギ        4羽(正面干潟など。午前8時頃は貝殻島付近の堤防上で集まって休んでいた。越冬群と思われる)
○タヒバリ             1羽(堤防護岸。例年はアオサの堆積物付近に多いが、本年はほとんど見られなかった)
○ツグミ               8羽(後背地、グラウンドなど)
○オオジュリン           2羽(アシ原など)

以上。   



ハジロコチドリ(成鳥冬羽)
2010年1月3日
船橋三番瀬海浜公園(正面干潟)



ズグロカモメ(成鳥冬羽:2羽とも)
2010年1月3日
船橋三番瀬海浜公園



コクガン(若鳥)
2010年1月3日
船橋三番瀬海浜公園(船橋港側堤防内水面)
後方にシノリガモ(♀)も見える



【2010年1月24日】

※葛西臨海公園(7:20〜13:00)
 到着時は満潮に向けて干潟が冠水し始めているところであった。最初に鳥類園に向かい、汽水池、淡水池を回った後、午前9時半過ぎから水路護岸と西渚観察ポイントに回かい、正午頃から公園西側に回り切り上げた。渚周辺のカンムリカイツブリ、スズガモ群は大きくなっていたが、鳥の種類は多くはなく、引き続き猛禽類が目立った。特にハイタカは12月29日と同一と思われる個体が汽水池周辺を1時間余りにわたって飛び回り棒杭にも休止してくれた。カモメ類はユリカモメ、カモメが目立ち、セグロカモメ類は少なめのままである。主なものは次のとおり。

○ウミアイサ          7羽(♀タイプの群。旧江戸川河口付近。午前10時半頃にスズガモ群と離れて集結しているのが見られた)
○ミサゴ            2羽(又は3羽。到着直後に東渚内の棒杭上に休止している個体が見られたが、干潟が再び広がり始めた午前10時過ぎには沖合から次々に2羽が飛来するのが見られた。その後もよく東渚周辺に飛来していた)
○トビ               2羽(午前10時過ぎに荒川河口や旧江戸川河口上空付近を帆翔しているのが見られた。荒川上流方向や舞浜方面に移動していた)
○ノスリ              3羽(同時に確認できた最大羽数は3羽。淡水池には2羽が休止していた他、汽水池内も1羽が動き回っていた。引き続き多くの個体が留まっているようである)
○ハイタカ            1羽(汽水池。午前8時頃に汽水池南側の高木上に休止している個体を見つけた。その後、約1時間にわたり、汽水池周辺で小鳥類を襲ったが狩りは成功しなかった。確認できた範囲では、ねらった小鳥はオオジュリン、ハクセキレイ、タシギ、カワセミといったところであった。また、カケスにモビングされて争ったりしていた。個体の斑紋などからみて12月29日と同一個体と思われる)
○ハヤブサ           1羽(成鳥と思われる個体。東渚北東端付近の流木上に休止していたが、シギ・チドリ類が干潟に舞い降り始めた午前10時過ぎには見えなくなった)
○シロチドリ         約80羽(東渚。午前10時頃のカウント数)
○トウネン            1羽(水路護岸。午前9時半過ぎにハマシギ群とともに飛来していた。近くで確認できトウネンと判断した)
○ヨーロッパトウネン       1羽(水路護岸。午前9時半過ぎにハマシギ群とともに飛来していた。脚を損傷している個体で今シーズンよく見られている個体である) 
○ハマシギ         約280羽(東渚、水路護岸など。午前10時頃のハマシギ・シロチドリ群のカウント数は356羽であった。なお、水路護岸にも3羽が飛来していた)
○アオアシシギ          1羽(汽水池。午前9時半過ぎに飛び立って旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近に移動した。ハイタカが上空を飛び回っても余り逃げ惑う様子は見られなかった)
○オオハシシギ         1羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近)
○ダイシャクシギ         1羽(東渚堤防上。午前10時頃から見られた)
○タシギ              2羽(汽水池など)
○セイタカシギ          3羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。午前9時半過ぎにはアオアシシギも加わって越冬シギ群が形成されていた)
○カワセミ             1羽(汽水池。擬岩前の棒杭に休止しようとしたがハイタカに襲われそうになった)
○タヒバリ             3羽(西渚護岸周辺)
○ジョウビタキ          4羽(♂2羽♀タイプ2羽。淡水池周辺など)
○ルリビタキ            1羽(♀タイプ。公園西側)
○イソヒヨドリ           1羽(♂1羽。東渚堤防上。午前11時過ぎに確認できた)
○アカハラ             4羽(淡水池付近など)
○シロハラ             7羽(淡水池付近など)
○ツグミ            約10羽(淡水池付近など)
○オオジュリン           6羽(淡水池付近など)
○シメ                2羽(汽水池南側樹林地。午前8時半頃に2羽が揃って飛来し、ニセアカシアの梢部分に休止した)
○カケス               2羽(汽水池南側樹林地)

以上。


【2010年1月31日】

※葛西臨海公園(7:20〜11:00)
 到着時は満潮を過ぎて潮位が下がり始めているところであった。最初に公園中央部から渚橋付近で探鳥した後、淡水池、汽水池を回った。風も弱く好天であったが、鳥の種類は多くはなく猛禽類も少な目であった。カモメ類として久しぶりにウミネコ(成鳥)を確認したが、特に変わったものは見られなかった。主なものは次のとおり。

○ウミアイサ          2羽(♀タイプ。旧江戸川河口付近)
○ミサゴ            1羽(又は2羽。午前8時過ぎに旧江戸川河口の棒杭に休止している個体が見られた他、午前9時半頃には観察センター上空から汽水池上空に進入する個体も見られた)
○ノスリ             1羽(又は2羽。午前8時過ぎに淡水池北側で休止している個体が見られたが、午前9時過ぎからは汽水池周辺を飛び回る個体が確認できた)
○オオタカ            1羽(東渚・水路付近。若鳥と思われる個体。午前10時過ぎに水路上をカラス数羽に追われていたが、東渚アシ原に逃げ込み、見えなくなった)
○ハヤブサ           1羽(成鳥と思われる個体。東渚北東端付近の流木上に休止していた)
○シロチドリ         約80羽(東渚。午前8時半頃のカウント数)
○トウネン            1羽(水路護岸。午前7時半過ぎに飛来していた)
○ヨーロッパトウネン      1羽(水路護岸。午前7時半過ぎに飛来していた。脚を損傷している個体で今シーズンよく見られている個体であった) 
○ハマシギ         約300羽(東渚、水路護岸など。午前8時半頃のハマシギ・シロチドリ群のカウント数は382羽であった。なお、水路護岸にも5羽が飛来していた)
○アオアシシギ         1羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。午前8時半頃にオオハシシギとともに確認できた)
○オオハシシギ         1羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近)
○ダイシャクシギ        1羽(東渚堤防上。午前7時半頃から見られ、午前10時頃には東西渚間水路内で採餌しているのが見られた)
○タシギ              2羽(汽水池)
○カワセミ            1羽(汽水池)
○タヒバリ             3羽(公園中央草地、水路護岸など)
○アカハラ             4羽(公園中央部など)
○シロハラ             7羽(淡水池付近など)
○ツグミ            約20羽(淡水池付近など)
○オオジュリン        約20羽(淡水池付近など。群飛して移動するのが見られた)


※皇居外苑・外周濠周辺(11:50〜12:40)
 昨年末(12月13日)に桜田濠のヨシガモを見逃したが、昨日所用のついでに立ち寄ったところ個体数が多くなっていたので、本日機材を持って訪問した。これまでになく、多くの個体が見られ濠斜面土手の草地で採餌するのが見られた。他のカモ類としては、ヒドリガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、ハシビロガモ、コガモを確認できた。主なものは次のとおり。

○ヨシガモ            23羽(♂11羽、♀12羽。ヒドリガモが混じった30羽前後の群として集団行動していた。時々土手に飛来しては草を採食していた)
○ノスリ              1羽(カラスに追われて皇居内から桜田門上空まで飛来した)
○オオタカ             1羽(若鳥。皇居方面から国会議事堂方面に移動するのが見られた)
○ツグミ               2羽(周辺土手)

以上。


ヨーロッパトウネン
2010年1月31日
葛西臨海公園(水路護岸)
脚を損傷している個体で今季よく見られている。



ヨシガモ(♂)
2010年1月31日
皇居外苑・桜田濠
♂後方の個体はヨシガモ♀