2009年11月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑

【2009年11月8日】

※葛西臨海公園(7:20〜12:50)
 到着時は徐々に潮位が上がり干潟が狭まり始めているところであった。最初に汽水池周辺を回り、観察センター付近の淡水池で探鳥中にアトリの情報をいただいたことから、水路護岸経由で公園西側に回った。その後は西渚観察ポイントから渚周辺の探鳥を行い最後に鳥類園に戻り切り上げた。沖合いの水鳥類がさらに多くなってきていた。ツグミ類も視認できたのはわずかであったが声はよく聞けた。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ        72羽(渚周辺)
○ハジロカイツブリ      約300羽(西渚付近。多くは群で行動していた)
○ヨシガモ              3羽(淡水池。いただいた情報によると11月3日には約20羽に増加していたとのことであった。なお、オカヨシガモは42羽がカウントできた) 
○ウミアイサ             3羽(渚間水路など。♀タイプ)
○ミサゴ               2羽(旧江戸川河口と西渚内の棒杭上。2羽を同時に確認できた)
○オオタカ              1羽(若鳥。旧江戸川護岸付近上空。午前8時半頃に汽水池付近から飛び出し、護岸上空で旋回上昇した後、舞浜方面に飛び去った)
○チョウゲンボウ           1羽(東渚内。午前9時頃の堤防上の樹木に休止しているのを確認することができた)
○シロチドリ             26羽(東渚。正午頃のカウント数)
○ヨーロッパトウネン          1羽(水路護岸。午前9時半頃に水路護岸で集団採餌しているヒドリガモ群に紛れて1羽のみ採餌しているのを確認できた。脚を損傷していた。上面はやや白色味が強かったものの、他の特徴はヨーロッパトウネンのそれに一致していると考えられた。成鳥冬羽と考えられた)
○ハマシギ            412羽(東渚。正午頃のカウント数。満潮時は東渚舞浜側堤防の先端部付近で休息しているのが確認できた) 
○アオアシシギ            8羽(汽水池など。正午頃には東渚でも6羽を確認することができたが、汽水池から移動してきたものと思われた)
○ダイシャクシギ           1羽(東西渚間水路。観察時間中はほとんど堤防の水際近くで休息していた)
○ホウロクシギ            1羽(東西渚間水路。若鳥と思われる個体。東渚側堤防の水際を移動しながらカニを採取していた)
○カワセミ              2羽(又は3羽。淡水池など。水路でも見られた)
○タヒバリ              1羽(西渚護岸付近。正午頃に確認できた)
○ジョウビタキ            5羽(汽水池周辺など。♂1羽の他は♀タイプであった。我々は今季初認であった)
○イソヒヨドリ             1羽(西渚堤防。♀タイプ) 
○アカハラ              2羽(駅前広場・汽水池南側樹林地。辛うじて視認できた個体はいずれもアカハラと思われた。他にも声はよく聞くことができた)
○オオジュリン            2羽(淡水池周辺)
○アトリ                2羽(公園西側。教えていただき見ることができた。いずれも成鳥と思われた。カエデ類の翼状果を盛んに採餌していた)
○カケス               1羽(汽水池南側樹林地。午前9時頃に確認できた)
    

以上。

ホウロクシギ(若鳥)
2009年11月8日
葛西臨海公園(渚間水路護岸)

ヨーロッパトウネン(成鳥冬羽)
2009年11月8日
葛西臨海公園(水路護岸)

【2009年11月21日】

※葛西臨海公園(8:50〜14:10)
 到着時は満潮。最初に渚橋付近を回った後、西渚観察ポイントから渚周辺の探鳥を行った。午前11時頃から公園西側を回り、最後に鳥類園に戻り切り上げた。沖合いのカンムリカイツブリ、ハジロカイツブリはいずれも1000羽を超えており、ユリカモメ、スズガモも大群となっていた。ツグミ類も今季やっときちんと視認できたが、猛禽類が多くシギ類や小鳥などは落ち着かなかった。主なものは次のとおり。

○ウミアイサ             2羽(西渚沖合いと東渚付近。♀タイプ)
○ミサゴ               2羽(旧江戸川河口と西渚付近)
○ノスリ                1羽(東渚。午前10時頃に高木上に休止していたが、チュウヒの執拗なモビングを受けた。その後も東渚アシ原付近を移動していた)
○チュウヒ               1羽(東渚。午前9時過ぎから東渚アシ原上を飛翔していたが、ノスリにモビングした後は干潟上に舞い降りた)
○オオタカ              2羽(いずれも若鳥。公園西側と汽水池。公園西側では、午前11時頃に上空を帆翔しながら上昇する個体が見られた。この個体はカラスの執拗なモビングを受けた。汽水池の個体は午後1時半過ぎに見られた)
○チョウゲンボウ           1羽(又は2羽。東渚、淡水池)
○シロチドリ           約10羽(東渚。正午過ぎのカウント数)
○ハマシギ           約400羽(東渚。正午過ぎのカウント数。満潮時にも10羽の群が水路護岸に飛来していた) 
○アオアシシギ            3羽(水路護岸付近。鳴き声は聞こえたが、猛禽類のためか落ち着かず、気象観測点南側の水路護岸で午後2時頃に視認できた)
○セイタカシギ            1羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。午後1時過ぎに確認できた)
○カワセミ              1羽(淡水池)
○ビンズイ              1羽(公園西側。マツの林床部にいた) 
○タヒバリ              3羽(水路護岸、西渚護岸など)
○ジョウビタキ            1羽(淡水池南側。♀タイプ)
○イソヒヨドリ             3羽(西渚堤防など。午前9時頃にさえずりが聞こえたことから探したところ、西渚のテントの頂上部でさえずっていた。その後♀タイプと思われる個体を追いかけたり護岸で採餌するのが見られた。東渚でも確認できた) 
○シロハラ              1羽(公園西側)
○ツグミ                3羽(公園西側・中央部) 
○オオジュリン            2羽(淡水池周辺。もっといたものと思われるがアシ原の上部に出てきたのは2羽のみであった)

以上。

タヒバリ
2009年11月21日
葛西臨海公園(水路護岸)

イソヒヨドリ(♂)
2009年11月21日
葛西臨海公園(西渚)

【2009年11月23日】

※葛西臨海公園(9:10〜13:40)
 到着時は満潮。最初に淡水池付近で探鳥し、午前10時半頃より西渚観察ポイントから渚周辺の探鳥を行った。その後、公園西側には回らず、観察センター・淡水池に戻って切り上げた。水鳥の数は多かったが特に変わったものは確認できなかった。なお、オオハシシギの越冬状況が確認できた。猛禽類は相変わらず目立ち、特に正午過ぎからはオオタカが頻繁に出現した。主なものは次のとおり。

○ウミアイサ             1羽(東渚付近。♀タイプ。正午頃)
○ミサゴ               2羽(又は3羽。東渚など。旧江戸川河口から西渚上空にかけてよく出現した。帆翔したりダイビングして魚を捕らえたりした)
○トビ                 1羽(汽水池上空。正午過ぎに旧江戸川方面から出現し帆翔しながら高度を上げ、西方向に飛び去った) 
○ノスリ                1羽(東渚。午前10時半頃に看板に休止していた。チョウゲンボウのモビングを受けた)
○オオタカ              3羽(又は4羽。いずれも若鳥。正午過ぎに汽水池上空で帆翔して北方向に飛び去る個体を確認した他、淡水池北側の高木に休止する個体や淡水池上空を帆飛翔して西方向に移動する個体など、延べ5〜6個体が連続的に出現した)
○チョウゲンボウ           1羽(♂成鳥。東渚。ホバリングなどもよく行っていた。ノスリに対しモビングも行った)
○トウネン              1羽(水路護岸。午前10時半頃にハマシギ6羽とともに飛来しているのが確認できた。11月8日の個体とは異なりトウネンと判断した)
○ハマシギ              6羽(水路護岸。午前10時半頃に見られた。正午過ぎには東渚干潟も広がったが、まとまったハマシギ群の飛来はなかった) 
○アオアシシギ            3羽(水路護岸など。到着直後の午前9時過ぎに旧江戸川舞浜側アシ原育成地にシギ群が集まっているのを確認したが、その直後にアシ原育成地に釣り人が入り、シギ群が東渚北側堤防の水路側に移動してきた。確認してみたところ、セイタカシギ3羽、アオアシシギ3羽、オオハシシギ1羽の群であった。その後、さらに屋形船などが通過したことから、アオアシシギ・オオハシシギ群は東西渚間水路まで移動し、そこで正午頃まで休んでいた。その後、アオアシシギは東渚アシ原内や汽水池付近にも移動してきているようであった)
○セイタカシギ            3羽(水路付近など)
○オオハシシギ            1羽(水路付近など。アオアシシギ、セイタカシギとともに越冬群を形成しているように思われた) 
○タヒバリ               1羽(西渚護岸など)
○ジョウビタキ            3羽(汽水池付近など)
○ツグミ                1羽(汽水池付近。声のみであった) 
○オオジュリン            4羽(淡水池周辺など)

以上。


【2009年11月29日】

※葛西臨海公園(7:20〜14:10)
 到着時は干潮。午前11時半過ぎまでは渚橋から鳥類園周辺で探鳥した。その後水路護岸から西渚観察ポイントに向かい渚周辺の探鳥を行った後公園西側に回って切り上げた。猛禽類が引き続き目立った。なおオオハシシギを含む越冬群は確認できなかった。特に変わったものは確認できなかったが、ツグミ類が地上にも目立つようになってきていた。主なものは次のとおり。

○ウミアイサ             2羽(旧江戸川河口・東渚付近。♀タイプ)
○ミサゴ               1羽(東渚など。♀タイプ。午前10時頃に水路上空に出現し、その後はダイビングして魚を捕らえたようで旧江戸川河口の棒杭上で魚を採食していた)
○トビ                 2羽(淡水池上空。午前11時半頃に出現した) 
○ノスリ                1羽(汽水池。午前9時半頃からマツの木に休止していた)
○チュウヒ               2羽(淡水池、東渚など。♂国内型成鳥と思われる個体は午前9時頃からよく飛来し、アシ原内や低木上などに休止した。また、東渚アシ原上も別個体が時折飛翔していた) 
○オオタカ              1羽(若鳥。午前9時頃から淡水池北側のマツに休止していたが正午頃に淡水池北側の水辺に急降下した。ホバリングも行いながらカモ類を襲ったが狩りは成功しなかった)
○チョウゲンボウ           1羽(淡水池上空。午前9時半頃に出現し、ホバリングなどもよく行っていた。ノスリに対しモビングも行った)
○ヒメアマツバメ           2羽(旧江戸川護岸上空付近。午前9時頃に確認できた)
○ミヤコドリ             16羽(東渚など。午前9時頃のカウント数。東西渚の干潟や堤防のカキ礁などに飛来していたが、潮位の上昇とともに三番瀬方面に飛び去ったようで正午頃には確認できなかった)
○シロチドリ           約20羽(東渚。午前8時頃のカウント数)
○トウネン               2羽(水路護岸。正午前にハマシギ1羽、ヨーロッパトウネン1羽とともに飛来しているのが確認できた)
○ヨーロッパトウネン         1羽(水路護岸。脚を損傷している個体で11月8日に確認した個体と同一と判断した。成鳥冬羽と思われた)
○ハマシギ           約750羽(東渚など。午前8時頃のカウント数。水路護岸に飛来していた個体も見られた他、正午過ぎには東渚西側堤防突端部のテトラポッド部分で76羽が休んでいた)
○アオアシシギ            2羽(東渚。午前8時頃に干潟内に見られた) 
○ダイシャクシギ           1羽(東渚。午前8時頃干潟上に確認できた)
○カワセミ              1羽(汽水池)
○タヒバリ               2羽(西渚護岸など)
○ジョウビタキ            2羽(水路護岸付近など)
○アカハラ              4羽(公園中央部・西側。いわゆるオオアカハラと思われる個体や若い個体と思われるものなどが見られた。公園西側では教えていただき、ピラカンサに飛来するツグミ類を見ることができた)
○シロハラ              3羽(公園中央部・西側)
○ツグミ             約10羽(公園西側など) 
○オオジュリン            4羽(淡水池周辺など)
○カケス               1羽(汽水池。午前8時半頃に汽水池南側樹林地のサクラに止まり、その後南側に移動するのが見られた) 

以上



ヨーロッパトウネン(右側)とトウネン
2009年11月29日
葛西臨海公園(水路護岸)
ヨーロッパトウネンは脚を損傷している個体で11月8日に確認した個体と同一と判断した。左側の個体はトウネンと判断した。



チュウヒ
2009年11月29日
葛西臨海公園(淡水池北側斜面)