2009年10月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑

【2009年10月4日】

※葛西臨海公園(7:20〜12:50)
 到着時は既に干潟が広がり始めているところで、午前11時頃の干潮時には東西渚間水路や旧江戸川河口のカキ礁も姿を現した。最初に公園西側・中央部を経由して渚橋付近を回った後、午前9時頃から約1時間半ほど西渚観察ポイントから渚周辺の探鳥を行った。その後は鳥類園を回って切り上げた。これといって特に変わったものは見られなかったが、淡水池にはコガモ、ハシビロガモl、オナガガモ、ヒドリガモといったカモ類が飛来していた他、東渚付近のユリカモメも300羽を超えていた。また、沖合いにオオミズナギドリの小群を確認することができた。なお、いただいた情報によると本日も朝方チュウヒが淡水池上空に飛来したとのことであった。昨日の降雨後ということで小鳥類を期待したが、渡りのヒヨドリ群は目だったものの、他は見つけることはできなかった。主なものは次のとおり。

○オオミズナギドリ      約30羽(東渚沖合い。午前8時頃から昼頃まで確認できた。数羽の小群がよく滑翔しているのが見られた。遠方の個体が多かったが、パターンからみて本種と判断した。昨年は10月19日に沖合いに1000羽程度の群飛が見られている)
○アジサシ          約20羽(東渚沖合いなど。正午頃のカウント数。余り岸近くには飛来せず、沖合いの構造物や竹杭などに休止していた。もっといたものと思われる)
○ミサゴ               1羽(東渚など。♀成鳥タイプ。午前9時半頃には魚を捕らえていた)
○トビ                3羽(午前9時半頃に1羽が観察ポイント上空を通過した後、旋回帆翔し干潟上に降りて魚を採食していたりしたが、午前10時半頃には別の2羽が飛来し、3羽が交錯するような形となった)
○ハヤブサ             1羽(東渚沖合い。午前8時頃に沖合い竹杭に休止しているのが見られた)
○チュウサギ            3羽(汽水池で3羽が見られた)
○ミヤコドリ            12羽(東渚など。午前8時半頃に飛来したようであった。東渚西側堤防付近にいることが多く鳴き声はよく聞けたものの姿は確認しづらかったが、西渚にも一時的に飛来した。確認できた限りでは全て若鳥のようであった)
○アオアシシギ          11羽(汽水池。午前11時過ぎのカウント数)
○キアシシギ            1羽(水路護岸。幼鳥であった) 
○オオソリハシシギ        1羽(西渚など。幼鳥。チュウシャクシギとともに行動していた。東西渚間水路のカキ礁にも飛来したりしていた)
○ダイシャクシギ          1羽(東渚。午前9時半頃には一時的に観察ポイント付近にも飛来した)
○ホウロクシギ           4羽(又は5羽。東渚など。午前10時半頃には東西渚間水路のカキ礁に3羽が飛来していた)
○タシギ              1羽(汽水池)
○セイタカシギ           5羽(汽水池)

以上。


ミヤコドリ(若鳥)
2009年10月4日
葛西臨海公園(西渚)


オオソリハシシギ(幼鳥)
2009年10月4日
葛西臨海公園(西渚)


【2009年10月10日】

※葛西臨海公園(7:20〜12:00)
 本日は潮位変化はわずかで、午前9時半頃の満潮時にもわずかに干潟は残っていた。最初に公園中央部や渚橋護岸付近を回った後、午前9時頃から約1時間ほど西渚観察ポイントから渚周辺の探鳥を行った。その後は鳥類園を回って切り上げた。一時的に降雨があった。特に変わったものは見られなかったが、チョウゲンボウが目立った他、チュウヒ、ミサゴも複数個体見られた。東渚付近のユリカモメも500羽を超えていた。ヒヨドリは多く、50羽を超えるような大きな群がいくつも移動していた。主なものは次のとおり。

○アジサシ          約20羽(東渚沖合いなど。正午頃のカウント数。午前11時頃には干潟の汀線沿いに飛来していた。竹杭や棒杭につながった縄状のものに群が集まって休止しているのが見られた)
○ミサゴ               2羽(東渚など。沖合いの竹杭などに休止している個体が見られたが、午前9時頃には旧江戸川河口の棒杭付近で2羽は争った)
○チュウヒ              2羽(淡水池、東渚など。午前10時過ぎに1羽が淡水池上空から東渚に移動したところ、アシ原からもう1羽が飛び立ち、これにチョウゲンボウがモビングをかけたりした。淡水池にも繰り返し飛来し北側斜面の草木上に休止したりしていた) 
○チョウゲンボウ          3羽(公園中央部、東渚など。探鳥開始直後にホテル江戸川南側の草地に1羽が舞い降りてきた。スズメを狙っていたようであるが、狩りに失敗し西方向に去った。その後も西渚内や水路護岸付近、淡水池付近、東渚内などで目撃した。恐らく3羽はいたものと思われる)
○チュウサギ            1羽(汽水池)
○シロチドリ            2羽(東渚)
○ダイゼン             2羽(東渚。午前8時半頃に干潟を飛び立って中央防波堤埋立地方面に去った)
○ハマシギ            10羽(西渚。午前9時過ぎに小群が荒川河口方面から干潟に飛来したが、最終的には降りることなく舞い戻ったようであった) 
○アオアシシギ          14羽(汽水池。午前10時半頃には中土手を中心に集結して休んでいた。なお、午前11時半過ぎに3羽が鳴きながら東渚方面に移動した)
○キアシシギ            1羽(東渚護岸付近。鳴き声を確認したが姿を視認することはできなかった) 
○ダイシャクシギ          2羽(西渚。午前9時頃に一時的に2羽を確認することができた)
○ホウロクシギ           4羽(西・東渚など。午前8時半頃には西渚草地にホウロクシギ3羽、ダイシャクシギ1羽の計3羽が飛来して、盛んに昆虫類を採餌しているようであった)
○タシギ              2羽(汽水池)
○セイタカシギ           1羽(汽水池)
○カワセミ             2羽(又は3羽。正午頃に淡水池南側で2羽が追飛しながら移動しているのが見られた。また、汽水池でも1羽を確認した)
○コゲラ              1羽(汽水池。南側樹林地から飛び出し、鳴きながら淡水池北側樹林地方向に去った) 

以上。

【2009年10月24日】

※葛西臨海公園(7:20〜13:20)
 到着時は満潮近くであったが、午前9時頃の満潮時にもいくらか干潟は残り、午前10時半頃から再び干潟が広がった。最初に渚橋護岸付近を回った後、正午頃まで鳥類園で探鳥した。その後約1時間ほど西渚観察ポイントから渚周辺の探鳥を行った。特に変わったものは見られなかったが、オオハシシギ、ヨシガモといったものを見ることができた他、種類数は多かった。カモ類も普通種はひととおり揃った他、オオバン、バンも多くなってきた。さらにツグミ類(3羽)と思われる小群やアオジ・ウグイスと思われる地鳴きも確認できた。また渚周辺のユリカモメやスズガモの数は急激に多くなっており、いずれも2000羽を超えていた。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ        3羽(西渚沖合い。午前8時頃に確認できた)
○ヨシガモ             3羽(淡水池。午前8時過ぎに淡水池中央のアシ原付近から中央島付近に移動してきたのが見られたが、その後はアシ原に紛れた。午前10時頃よりオオタカの出現により、アシ原付近から手前に移動してきたりしたことからよく観察できた。ヨシガモは当地では10月頃に小群の記録が多い) 
○オオミズナギドリ         6羽(西渚沖合い。午前8時頃に沖合い海上に集結していたユリカモメの大群付近を滑翔しているのが見られた)
○アジサシ           約10羽(東渚沖合いなど。正午頃のカウント数。西渚水面内の構造物上にも飛来していた。近距離で確認できたものは全て幼鳥であった)
○コアジサシ            1羽(西渚構造物付近。最初はアジサシと誤認していたが、アジサシが近傍に飛来したことからコアジサシと気付いた。幼鳥から冬羽に換羽中と思われた。2008年10月19日にも当地の旧江戸川河口付近でコアジサシの群を確認している。また、湾岸フィールドでの記録としては1999年10月24日の船橋海浜公園とともに最も遅いものとなる)
○ミサゴ               2羽(旧江戸川河口や東渚)
○チュウヒ              2羽(汽水池、東渚など。よく飛翔していたがカラスの執拗なモビングも受けていた) 
○オオタカ              1羽(淡水池付近。幼鳥。午前11時頃に汽水池方面から淡水池方面に移動してきた。その後、淡水池北側の草原に舞い降りたりして池周辺のカモ類をねらったようであったが失敗した)
○ハヤブサ             1羽(東渚。若鳥。正午過ぎに干潟上空に出現し水鳥達を飛ばした。その後旋回上昇を繰り返しながら中央防波堤埋立地方面に去った)
○チュウサギ            3羽(汽水池など。擬岩付近などに散らばって採餌していたが、午前11時頃には淡水池付近に移動した)
○シロチドリ           36羽(東渚。正午頃のカウント数)
○トウネン             3羽(水路護岸。幼鳥で冬羽への換羽が進んでいた)
○ハマシギ          568羽(東渚など。正午頃のカウント数。水路護岸にも飛来している個体が見られた。満潮時は東渚西側堤防先端部のテトラポッド上で休んでいた) 
○アオアシシギ          12羽(汽水池など)
○オオハシシギ           1羽(汽水池。擬岩付近。成鳥冬羽。いただいた情報によると先週くらいから見られているとのことであった。本年も飛来したが、2000年から継続して飛来している、比較的嘴の短い同一個体と思われる) 
○ダイシャクシギ          1羽(西渚。正午過ぎに東渚付近からホウロクシギとともに飛び出し、荒川側堤防付近に降りた)
○ホウロクシギ           1羽(西渚。正午過ぎに確認できた)
○タシギ              6羽(汽水池の他、淡水池でも見られた)
○セイタカシギ           5羽(汽水池)
○カワセミ             3羽(成鳥♀1羽の他、若鳥2羽も見られた)
○タヒバリ             8羽(午前7時半頃にキバナコスモスが植栽されていた跡地に小群が飛来したが、落ち着かず飛び去った。また午後1時頃に渚周辺でも1羽が確認できた)
 

以上。



オオハシシギ(成鳥冬羽)
2009年10月24日
葛西臨海公園(汽水池)


【2009年10月31日】

※葛西臨海公園(12:00〜15:40)
 午後のみの探鳥となった。到着時は潮位が上がり急速に干潟が狭まり始めているところであった。最初に西渚観察ポイントから1時間半ほど渚周辺の探鳥を行った。その後は公園西側を回り最後に鳥類園で探鳥した。先週と基本的には同様であったが、ウミアイサ、ハジロカイツブリ群を初認した。ツグミ類や小鳥類(アオジ、クロジ)の地鳴きも引き続き確認できたがじっくり見ることはできなかった。また、いただいた情報によると午前中東渚干潟にタゲリ8羽が飛来しているのが確認されたとのことであった。なお、園内ではツワブキやイソギクの花が目立ち始め、渡りをするチョウのアサギマダラも確認できた。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ        2羽(西渚水面内。なお、生物調査用構造物に装着している網状のものにカンムリカイツブリと思われる個体が絡まって死亡しているようであった)
○ハジロカイツブリ        12羽(東渚沖合い。群で行動し潜水を繰り返していた。今季初認であった)
○ヨシガモ             7羽(淡水池。先週に引き続いて確認した) 
○ウミアイサ            1羽(西渚水面。♀タイプ。一時的にスズガモのペアやカンムリカイツブリに接近したりしたが、ほとんど単独で採餌行動を取っていた)
○アジサシ             1羽(東渚沖合い。午後1時過ぎに1羽のみ確認できた)
○ミサゴ               2羽(旧江戸川河口と西渚上空。午後1時過ぎに2羽を同時に確認できた)
○チュウヒ              1羽(午後3時頃に淡水池上空に出現し、その後汽水池上空から東渚に移動した) 
○オオタカ              1羽(若鳥。汽水池付近。午後2時半過ぎにマツに休止した後、観察センター東側湿地にいたコサギ・チュウサギ群をかなり執拗に襲ったが最終的には失敗した)
○チュウサギ            1羽(汽水池など。オオタカの襲撃の後は淡水池の棒杭上に移動してきたようであった)
○ミヤコドリ            29羽(東渚。到着直後から見られた。成鳥も混じっていた。午後1時過ぎに中央丘付近に集結した後編隊で三番瀬方面に飛び去った)
○シロチドリ          約10羽(東渚。午後1時頃のカウント数)
○ハマシギ           492羽(東渚など。午後1時頃のカウント数。西渚観察ポイント付近にも飛来してきた) 
○アオアシシギ           9羽(汽水池、淡水池付近など)
○ダイシャクシギ          1羽(西渚。午後1時過ぎに東渚付近からホウロクシギとともに飛び出し一時的に西渚にも降りた。その後は東西渚間水路堤防上で休息した)
○ホウロクシギ           1羽(西渚。午後1時過ぎに確認できた)
○タシギ              2羽(汽水池)
○タヒバリ             2羽(西渚護岸付近。午後1時頃に確認できた)
 

以上。



ヨシガモ
2009年10月31日
葛西臨海公園(淡水池)