【2009年8月2日】
※葛西臨海公園(7:20〜11:00)
到着時は干潮を迎え広く干潟が広がっていた。最初に淡水池、汽水池を中心に鳥類園を回り、午前9時半頃から西渚に向かった。午前11時に本格的な降雨となったため切り上げたが、それまではクリスタルビューや西渚観察ポイント付近から東渚を中心に探鳥した。シギ・チドリ類は汽水池にコアオアシシギが飛来し、東渚ではダイシャクシギが確認できたが、これまでと大きくは変わらなかった。カモメ類はウミネコとオオセグロカモメの他にワシカモメと思われる個体が見られた。また、東渚アシ原にはツバメの大群が集結していた。主なものは次のとおり。
○ワシカモメ 1羽(東渚干潟上。午前10時頃に見られた。背・肩羽は淡灰色で灰褐色の羽が混じっていた。200m前後の距離のため尾羽の形状は余りよく確認できなかったが、全体的な印象からは第3回冬羽に移行しつつある個体と思われた。なお、オオセグロカモメは若鳥から亜成鳥まで50羽以上が見られ、一部は西渚にも飛来した)
○ヒメアマツバメ 1羽(淡水池上空。午前8時頃に見られた)
○イワツバメ 2羽(淡水池周辺)
○チュウサギ 1羽(汽水池。幼鳥と思われた)
○ミヤコドリ
7羽(東渚。午前10時過ぎに飛来したようであった)
○コチドリ
6羽(汽水池。幼鳥も確認できた)
○シロチドリ 6羽(東渚。もっといたと思われる)
○メダイチドリ 12羽(東渚。夏羽個体。もっといたものと思われる)
○トウネン 8羽(東渚。もっといたと思われる)
○ハマシギ
4羽(東渚。成鳥夏羽と思われる個体)
○コアオアシシギ
1羽(汽水池。幼鳥であった。いただいた情報によると2日ほど前から見られているとのことであった。時折、セイタカシギに追われていた)
○ソリハシシギ
2羽(汽水池)
○アオアシシギ 6羽(汽水池、東渚。換羽中個体が多かった)
○キアシシギ
13羽(汽水池など。渚周辺にも小群が見られた)
○オオソリハシシギ
3羽(東渚。夏羽から換羽中の個体のようであった)
○ダイシャクシギ
1羽(東渚。飛翔時に白い腰を確認できた)
○ホウロクシギ
1羽(東渚。ダイシャクシギと同時に確認できた)
○チュウシャクシギ 約20羽(汽水池、東渚など)
○セイタカシギ
6羽(汽水池。成鳥2ペア、幼鳥2羽)
○カワセミ 1羽(♂幼鳥。淡水池棒杭上)
○コムクドリ 8羽(汽水池・淡水池境界部付近のマツに集まっていた他、木立付近を小群が飛翔するのも見られた)
以上。
ワシカモメ(第3回冬羽に移行中と思われる個体)
2009年8月2日
葛西臨海公園(東渚)
【2009年8月8日】
※葛西臨海公園(7:40〜11:40)
到着時は潮位が高く護岸は波に洗われていたが、午前8時半頃からは急速に干潟が広がり始めた。最初に渚橋護岸付近から淡水池を回った後、午前9時頃からは西渚観察ポイントに回り渚周辺の探鳥を行った。その後、午前10時半頃には再度鳥類園に戻り探鳥した。昨日まで見られたというコアオアシシギは去ったようで、見られなかった。その他は基本的にはこれまでと大きな変化はなかったが、ミヤコドリなども確認できなかった。主なものは次のとおり。
○ミサゴ 1羽(東渚。午前8時半頃に渚上空に現れ、魚を捕らえた後に棒杭上に休止して採食していた。その後は、羽繕いなども行って午前11時過ぎまで留まっていた)
○イワツバメ 2羽(淡水池周辺)
○チュウサギ 3羽(西渚草地で2羽が、東西渚間水路で1羽が確認できた。水路内の個体はダイサギ、コサギ群に混じって休んでいたが、干潟が広がった後は干潟に移動して採餌していた)
○コチドリ 4羽(汽水池、護岸)
○シロチドリ 16羽(東渚。もっといたと思われる)
○メダイチドリ 約80羽(東渚)
○ダイゼン 3羽(東渚。夏羽から換羽中の個体が2羽)
○トウネン 18羽(東渚。もっといたと思われる)
○ハマシギ 3羽(東渚。成鳥夏羽と思われる個体)
○オバシギ 1羽(東渚)
○ソリハシシギ 2羽(汽水池)
○キョウジョシギ 2羽(東渚中央丘付近)
○アオアシシギ 約10羽(汽水池、東渚。行き来するのが見られたが、午前9時半頃には東渚で8羽が確認できた)
○キアシシギ 8羽(渚周辺など)
○オオソリハシシギ 10羽(東渚。夏羽から換羽中の個体の群のようであった。午前9時半頃のカウント数)
○ダイシャクシギ 1羽(東渚。飛翔時に白い腰を確認できた)
○ホウロクシギ 1羽(東渚。ダイシャクシギと同時に確認できた)
○チュウシャクシギ 約30羽(汽水池、東渚、旧江戸川河口カキ礁など)
○セイタカシギ 4羽(汽水池。成鳥ペアと幼鳥2羽)
○コムクドリ 12羽(汽水池・淡水池境界部付近のマツに集まっていた他、木立付近を小群が飛翔するのも見られた)
以上。

セイタカシギ(幼鳥)
2009年8月8日
葛西臨海公園(汽水池)
本年は当地での繁殖は成功せず、別の場所で繁殖に成功した家族が飛来している。
【2009年8月13日】
※葛西臨海公園(12:00〜16:10)
午後から出かけた。本日は潮位変化が乏しく、到着時はわずかに干潟が広がり始めているところであった。その後、午後3時頃からは再び潮位が上がった。最初に西渚観察ポイントに回り渚周辺の観察を行ったが、暑さのため早々に切り上げた。その後は観察センターを中心に鳥類園周辺を探鳥した。渚周辺はカワウ、ウミネコ、オオセグロカモメ、アオサギ、ダイサギが目立ったが、小型シギ・チドリ類は猛禽類のせいか、ほとんど見られなかった。なお、汽水池でコアオアシシギ2羽が見られた他、トビを今季初認した。主なものは次のとおり。
○ミサゴ 1羽(又は2羽。東渚沖合いと旧江戸川河口。正午過ぎには東渚沖合いの竹杭上に休止している個体が見られた。午後2時半過ぎには旧江戸川河口の棒杭に休止し捕らえた魚を採食していた)
○トビ 1羽(幼鳥と思われる個体。午後2時半過ぎに旧江戸川河口付近の棒杭上に休止しているのが見られた。場所的にミサゴの魚をあわよくば横取りしようとしていたように見えたが、午後3時過ぎに飛び立って東渚干潟上に移動したものの、カラス3羽にモビングされた。今季初認)
○イワツバメ 6羽(汽水池周辺など)
○チュウサギ 3羽(汽水池。小群がアシ原際に舞い降りていた)
○コチドリ 6羽(汽水池。幼鳥も見られた)
○ダイゼン 2羽(東渚。夏羽から換羽中の個体が2羽)
○コアオアシシギ 2羽(汽水池。換羽中の成鳥と幼鳥が各1羽。午後1時過ぎに観察センター横の汽水池で幼鳥を見つけた。わずかに冬羽が確認できた。約2週間前から確認されていた個体がまだ留まっていたものと思われた。なお、成鳥もわずかに冬羽が確認できたが、通称亀島の東側のアシ原内を動き回ることが多かった)
○ソリハシシギ 1羽(汽水池)
○キョウジョシギ 2羽(東渚中央丘付近)
○アオアシシギ 8羽(汽水池、東渚。汽水池で6羽が見られた)
○キアシシギ 14羽(汽水池、渚周辺など)
○ダイシャクシギ 1羽(東渚。中央丘近くで休んでいた)
○ホウロクシギ 1羽(東渚。ダイシャクシギと同時に確認できた)
○セイタカシギ 7羽(汽水池。成鳥ペアと幼鳥2羽からなる家族個体群の他に成鳥3羽が飛来していた)
○カワセミ 1羽(汽水池。♂若鳥)
○コムクドリ 7羽(汽水池周辺。観察センター近くの竹林にも3羽が飛来し、♀若鳥1羽は水際に舞い降りた)
【2009年8月16日】
※葛西臨海公園(7:20〜10:20)
到着時は干潮で、旧江戸川河口のカキ礁も姿を現していた他、水路にも干潟が見られた。最初に鳥類園周辺を回り、午前9時半頃より西渚観察ポイントに向かい渚周辺の観察を行ったが、直射日光と暑さのため早々に切り上げた。基本的にはこれまでと同様であったが、久しぶりに渚周辺のカモメ群中にユリカモメ成鳥3羽が確認できた。主なものは次のとおり。
○イワツバメ 5羽(淡水池・汽水池周辺)
○チュウサギ 1羽(東渚干潟上で確認できた)
○コチドリ 2羽(汽水池)
○シロチドリ 2羽(東渚。午前10時頃に確認できた)
○メダイチドリ 3羽(東渚。午前10時頃に確認できた)
○コアオアシシギ 2羽(汽水池。換羽中の成鳥と幼鳥が各1羽)
○ソリハシシギ 1羽(汽水池)
○キョウジョシギ 2羽(旧江戸川河口カキ礁付近。もっといたものと思われる)
○アオアシシギ 10羽(汽水池、東渚など)
○キアシシギ 10羽(汽水池、渚周辺など)
○オオソリハシシギ 1羽(東渚。午前7時半頃に確認できた)
○ダイシャクシギ 1羽(東渚。午前7時半頃には干潟内で採餌していたが、午前10時頃には干潟上にしゃがみこみ休んでいた。腰の白色が確認できた。なお、ホウロクシギと思われる個体は確認できなかった)
○チュウシャクシギ 15羽(汽水池など。旧江戸川河口のカキ礁にも最大12羽が飛来しているのが確認できた)
○セイタカシギ 13羽(汽水池。幼鳥も4羽確認できた。繁殖に成功した家族群が飛来して個体数が増しているように思われた)
○コムクドリ 10羽(汽水池周辺。小群が樹林地帯を飛び回るのが見られた)
※谷津干潟(11:10〜14:20)
到着時は干潮を過ぎて、ようやく潮位が上がり干潟が狭まり始めているところであった。到着後、まもなくハヤブサが出現した。干潟が狭まり始めても三番瀬方面からのシギ・チドリ類の飛来はほとんどなかったが、なぜか午後1時過ぎにキリアイのみ単独で飛来し運よく見ることができた。いただいた情報によると、ハヤブサ出現前にはオグロシギが見られたものの、シギ・チドリ類は例年に比べるとかなり少ないとのことであった。主なものは次のとおり。
○チュウサギ 1羽(干潟上。アオサ上で採餌していた)
○ハヤブサ 1羽(成鳥。午前11時20分頃に干潟中央上空に現れ、水鳥達を飛ばした後に旋回上昇し三番瀬方面に去った)
○キリアイ 1羽(幼鳥。午後1時20分頃に干潟東端部に飛来しているとの情報をいただき見ることができた。キアシシギ群の近くにいたものの、ほとんど単独行動で、水浴を行ったりカキ礁付近で休息したりしていた)
○キョウジョシギ 2羽(干潟北東端。午後2時頃になってようやく確認できた)
○キアシシギ 32羽(ハヤブサ出現のためか、散らばっていたが午後2時過ぎには干潟西端部で18羽が集結して採餌しているのを見ることができた)
○セイタカシギ 10羽(干潟内。幼鳥も4羽確認できた)

コアオアシシギ(幼鳥)
2009年8月16日
葛西臨海公園(汽水池)

コアオアシシギ(成鳥換羽中)
2009年8月13日
葛西臨海公園(汽水池)
【2009年8月23日】
※葛西臨海公園(7:20〜11:40)
到着時は満潮で潮位も高かったが、午前9時頃より徐々に干潟が広がってきた。最初に渚橋付近から渚周辺の探鳥を行った後鳥類園に回り、開門に合わせて西渚観察ポイントに向かい約1時間ほど探鳥した後、再び観察センターを中心に鳥類園周辺で探鳥した。渚周辺はオオセグロカモメが100羽以上となり、ウミネコとともに目立った。また、ホウロクシギが3羽となっていた。なお、オオタカ飛来のため、汽水池のシギ・チドリ類は出入りが激しかった。主なものは次のとおり。
○ミサゴ 1羽(東渚など。♀と思われる個体。到着直後から旧江戸川河口の棒杭上に休止しているのが確認できたが、午前9時過ぎに東渚内の干潟上に漂着した流木上に休止していた)
○オオタカ 1羽(若鳥と思われる個体。午前8時頃に汽水池西側に出現した。ゴイサギを追っていたが狩りは成功せず樹林地内に潜り込んでしまった。いただいた情報によると、昨日から確認されているとのことであった。今季初認)
○チュウサギ 1羽(汽水池。アシ原際に舞い降りていた)
○シロチドリ 約10羽(西渚など。幼鳥も見られた)
○メダイチドリ 約10羽(東渚。中央丘南側の岩礁付近に集まっていた)
○ダイゼン 5羽(東渚。換羽中の個体)
○トウネン 1羽(東渚。シロチドリとともに行動していた)
○ソリハシシギ 4羽(東渚)
○キョウジョシギ 2羽(旧江戸川河口付近)
○アオアシシギ 10羽(汽水池、東渚など。午前11時頃には汽水池には1羽のみであった。なお、午前9時半頃に3羽の小群が東渚から荒川河口方面に飛び去るのが見られた)
○キアシシギ 約10羽(渚周辺など)
○オオソリハシシギ 1羽(東渚)
○ダイシャクシギ 1羽(東渚。午前9時半頃に飛翔した)
○ホウロクシギ 3羽(東渚。中央丘付近で複数休んでいるのが確認できたが、種類と羽数はカウントしづらかった。しかし、午前9時過ぎにミサゴの飛翔に驚いてダイシャクシギを含む4羽がいっせいに飛び立った。このうち、ホウロクシギとダイシャクシギ各1羽は鳥類園上空付近にまで飛翔し、旋回を繰り返しているのが見られたものの、最終的には東渚干潟に戻ってきていた)
○チュウシャクシギ 約15羽(東渚など。午前11時頃には旧江戸川カキ礁に11羽が飛来していた)
○セイタカシギ 4羽(淡水池など)
○カワセミ 1羽(淡水池付近)
以上。
【2009年8月29日】
※葛西臨海公園(7:20〜12:30)
到着時は干潮で干潟が大きく広がっていた。最初に淡水池、汽水池を中心に鳥類園を回り、午前9時半過ぎから西渚に向かった。午前11時頃まで西渚観察ポイント付近から渚周辺を探鳥した。我々は本日確認できなかったオオタカをふくめ猛禽類が目立ち、中型・小型シギ・チドリ類はほとんど見当たらなかった。沖合いにアジサシの群が確認できた他、8月2日に確認したものと同一個体と思われるワシカモメを近距離で確認することができた。なお、淡水池カルガモ群中にマガモ♂エクリプス1羽が見られた。主なものは次のとおり。
○ワシカモメ 1羽(第3回冬羽と思われる個体。西渚観察ポイント到着時から見られた。西渚内の調査用設備上にオオセグロカモメ、ウミネコとともに休止していた。特徴からみて8月2日に見られた個体と同一と思われた。午前11時頃にいったん南西方向に向けて飛び立った後、荒川河口付近から西渚内湾の渚沿いを比較的低くて飛翔して東渚の西側の干潟に集結中のカモメ群に舞い降り、見えなくなってしまった)
○アジサシ 72羽(午前10時頃のカウント数。午前9時過ぎに沖合いの沖杭周辺に8羽の小群が見られたが、午前10時頃には数が多くなった。東渚干潟上空に飛来する成鳥個体も見られたが、干潟には降りなかった。午前11時半過ぎには18羽がカウントできた)
○ミサゴ 1羽(東渚。午前10時半過ぎに出現し東渚の流木上に休止した。午前11時過ぎには魚を捕らえ棒杭上で採食した)
○トビ 1羽(東渚、汽水池。正午前後に東渚の旧江戸川河口付近や汽水池上空に出現し、旋回・帆翔を繰り返していた)
○ハヤブサ 1羽(若鳥。東渚など。午前7時半過ぎにカモメ類が飛び立ったことから見回したところ、流木上に休止していた。間もなくして飛び立ち、汽水池上空を北方向に去った)
○シロチドリ 6羽(東渚。午前11時過ぎになって西渚観察ポイント付近を通過して東渚に移動する小群が見られた)
○ダイゼン 3羽(東渚。ハヤブサ出現時は飛び回ったが、しばらくして戻ってきた)
○ソリハシシギ 6羽(東渚)
○アオアシシギ 8羽(汽水池、渚周辺など。ハヤブサの出現により午前8時過ぎに渚周辺から汽水池に飛来した。やや落ち着かない様子であった)
○キアシシギ 4羽(汽水池など)
○ダイシャクシギ 1羽(東渚)
○ホウロクシギ 3羽(東渚。ダイシャクシギと合わせて同時に4羽が確認できた)
○セイタカシギ 1羽(汽水池周辺。声のみ聞こえたが視認できなかった)
○ツツドリ 1羽(汽水池。午前9時過ぎに汽水池南側のサクラに飛来したのを確認したが、しばらくして飛び立ち淡水池上空を通過して葛西臨海水族園方面に去った。いただいた情報によると、ツツドリらしき個体は先週から見られているということで、この個体以外にも昨日クリスタルビューに衝突して保護された個体がいるとのことであった)
○カワセミ 1羽(♀若鳥。汽水池)
以上。

ワシカモメ(第3回冬羽と思われる個体)
2009年8月29日
葛西臨海公園(西渚)
伸びを行ったところ。左後方はオオセグロカモメ若鳥で下後方はウミネコ成鳥。