2009年7月Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑

【2009年7月12日】

※葛西臨海公園(7:20〜12:00)
 到着時は満潮であったが、その後徐々に潮位が下がり、午前9時頃からは大きく干潟が広がった。最初に淡水池付近を周回した後、午前8時半過ぎから西渚観察ポイントに回って渚周辺の探鳥を行った。その後は再び鳥類園に戻って探鳥した。渚周辺には越夏群と思われる、これまで見られていたシギ・チドリ類に加えて繁殖地から戻り始めたのではないかと思われる個体が見られた。しかし変わったものは確認できなかった。カモメ類はオオセグロカモメが60羽を超えていた。なお、鳥類園内では例年のように、ヨシゴイ、コムクドリなども見られるようになってきていた。また、当地で繁殖したものと思われるモズ幼鳥も確認できた。主なものは次のとおり。

○コアジサシ         約20羽(渚周辺。幼鳥も見られた)
○ヒメアマツバメ          3羽(駅周辺など。探鳥開始直後にイワツバメを追うような形で高架内に繰り返し進入するのが見られた。2回ほど高架内のコンクリート壁に休止するのを確認した。当地で休止したヒメアマツバメを見たのは初めてであった)
○イワツバメ         約10羽(駅周辺、淡水池上空など)
○ヨシゴイ             1羽(淡水池。午前11時過ぎに♂1羽が見られた)
○チュウサギ            1羽(東渚。サギ群中に混じっていた)
○ミヤコドリ            10羽(東渚。午前9時頃のカウント数。干潟が広がった後は散らばって採餌していた。いただいた情報によると越夏群は11羽とのことであったが最大10羽のカウントであった)
○コチドリ              3羽(汽水池。成鳥のみで幼鳥は見られなかった)
○シロチドリ           10羽(東渚)
○メダイチドリ          18羽(東渚。夏羽個体と思われた。午前9時頃から2羽が見られていたが、午前11時半頃にはまとまった群が確認できた) 
○ダイゼン             6羽(東渚。夏羽が1羽混じっていたが、他は若鳥と思われた)
○トウネン             1羽(東渚。夏羽と思われる個体。ハマシギと並んで行動していたことから同定できた)
○ハマシギ             3羽(東渚。腹部は黒く夏羽であった)   
○オバシギ            4羽(東渚。東渚内を移動して採餌行動を取っていた。比較的近距離からも観察できた。夏羽個体も混じっていた)
○アオアシシギ          2羽(汽水池。成鳥夏羽。繁殖地からの戻りと思われる。冬羽への換羽が始まっているようであった)
○キアシシギ           1羽(東渚)
○ホウロクシギ          1羽(東渚) 
○チュウシャクシギ      18羽(東渚。午前9時頃に中央丘付近に集結していた群のカウント数。もっといたものと思われる)
○セイタカシギ          6羽(淡水池、汽水池。幼鳥2羽も見られた)
○コムクドリ          14羽(汽水池・淡水池境界部付近。マツの枯れ枝部分に最大14羽(♂8羽)が集結し、羽繕いしたり眠ったりしていた。いずれも完全な成鳥ではなく、いくらか若い個体のようであった)

以上。



【2009年7月19日】

※葛西臨海公園(7:20〜12:30)
 到着時は干潮近くで、既に大きく干潟が広がっており、旧江戸川河口付近のカキ礁も姿を現していた。午前10時頃からは徐々に潮位が上がり干潟が狭まり始めた。最初に淡水池・汽水池付近を周回した後、午前11時半過ぎから西渚観察ポイントに回って渚周辺の探鳥を行った。基本的には先週と同様であり、特に変わったものは確認できなかった。カモメ類はウミネコの数が1000羽を超えており、幼鳥と思われる個体も確認できた。なお、鳥類園内ではカワセミを久しぶりに確認した。主なものは次のとおり。

○コアジサシ            4羽(渚周辺。少なかった)
○ミサゴ               2羽(東渚付近など。午前7時半過ぎに水路内でダイビングを繰り返す個体を見つけたが、その後東渚付近に別の1羽が出現し、午前8時頃には2羽が揃って東渚舞浜側堤防付近を飛翔するのが見られた。この時期に東京湾岸で2羽のミサゴが見られるのは珍しいと思われる)
○イワツバメ            6羽(駅周辺、淡水池上空など)
○ヨシゴイ             1羽(淡水池。ガマの群落周辺で見られた)
○ミヤコドリ            10羽(東渚など。午前11時半頃のカウント数。干潮時には旧江戸川河口のカキ礁にも飛来していた)
○コチドリ              4羽(汽水池。成鳥のみで幼鳥は見られなかった)
○シロチドリ           14羽(東渚)
○メダイチドリ           8羽(東渚。夏羽個体と思われた) 
○ダイゼン              6羽(東渚。夏羽1羽、若鳥5羽)
○トウネン             2羽(東渚。夏羽と思われる個体)
○ハマシギ             2羽(東渚。腹部は黒く夏羽であった)   
○オバシギ             2羽(東渚。ダイゼン群近くで採餌していた)
○ソリハシシギ           1羽(東渚)
○オオソリハシシギ         2羽(東渚。午前10時頃に2羽が飛来した) 
○アオアシシギ           2羽(汽水池。成鳥夏羽)
○キアシシギ           1羽(渚周辺)
○ホウロクシギ          1羽(東渚) 
○チュウシャクシギ       22羽(東渚など)
○セイタカシギ           1羽(淡水池。♂成鳥のみ)
○カワセミ             3羽(淡水池。♂成鳥1羽と幼鳥と思われる個体2羽。今季は当地では繁殖しておらず周辺地域から飛来したものと思われる)
○コムクドリ            8羽(汽水池・淡水池境界部付近)

以上。


【2009年7月20日】

※葛西臨海公園(11:10〜14:00)
 到着時は干潮を過ぎて徐々に潮位が上がり、干潟が狭まり始めているところであった。最初に西渚観察ポイントに回り、正午過ぎまで渚周辺の探鳥を行った後、淡水池・汽水池付近を周回した。基本的には昨日と同様であり、特に変わったものは確認できなかった。主なものは次のとおり。

○コアジサシ            6羽(渚周辺。干潟内の潮溜まりでダイビングする個体も見られたが少なかった)
○イワツバメ            2羽(淡水池。午後1時頃に淡水池に2羽が飛来し、繰り返し水面から水を補給していた)
○ミヤコドリ            11羽(東渚など。正午頃のカウント数。旧江戸川河口のカキ礁で採餌していたようであったが、午前11時半過ぎにチュウシャクシギ群とともに群が東渚干潟に移動してきた)
○コチドリ              7羽(汽水池。今季初めて幼鳥も確認できた)
○シロチドリ            6羽(東渚)
○メダイチドリ          10羽(東渚。夏羽個体と思われた) 
○ダイゼン              2羽(東渚。夏羽2羽)
○オバシギ             3羽(東渚。いずれも夏羽のようであった)
○ソリハシシギ           1羽(東渚)
○アオアシシギ           3羽(汽水池。成鳥夏羽)
○キアシシギ           4羽(渚周辺、汽水池など)
○チュウシャクシギ       28羽(東渚など。旧江戸川河口のカキ礁で採餌していたようであったが、午前11時半過ぎに群飛して東渚干潟に移動してきた。越夏群と思われる。水浴なども行っていた)
○セイタカシギ           2羽(汽水池。♂♀成鳥各1羽)
○カワセミ             1羽(汽水池。幼鳥と思われる個体
○コムクドリ           13羽(汽水池・淡水池境界部付近。♂9羽、♀4羽が確認できた)

以上。


【2009年7月26日】

※葛西臨海公園(7:20〜11:20)
 到着時は満潮で南風も強く吹き、潮位も高く護岸も波に洗われている状況であった。東渚干潟が現れ始めたのは午前10時を過ぎた頃からであった。最初に渚橋護岸付近で探鳥した後、淡水池、汽水池と回り、観察センターに戻ったが、強風が収まらなかったことから、西渚周辺での探鳥は行わず、切り上げた。水路側には強風を避けて約50羽のサギ群が飛来していたが、アオサギ、ダイサギ、コサギのみであった。また東渚に飛来していたシギ・チドリ類は100羽を超える群となっていたが、こちらも変わったものは確認できなかった。主なものは次のとおり。

○コアジサシ          約10羽(東渚付近。干潟が広がってから飛来し、時折飛び立っては渚周辺を飛び回っていた)
○イワツバメ          約12羽(駅周辺、汽水池。午前中、汽水池西側には6羽前後が飛来し水面近くを低く飛翔することを繰り返しながら採餌していた)
○ササゴイ             1羽(幼鳥。汽水池。午前9時頃に中土手付近にいるのを見つけたが、その後は飛翔移動していた。頭部にはヒナ時の産毛が残っていたことから、周辺部で繁殖し飛来したのではないかと思われた)
○ミヤコドリ             6羽(東渚。午前11時頃のカウント数)
○コチドリ             10羽(汽水池。幼鳥3羽も確認できた)
○シロチドリ            6羽(東渚。もっといたと思われる)
○メダイチドリ          46羽(東渚。夏羽個体) 
○ダイゼン              2羽(東渚。若鳥2羽)
○トウネン            12羽(東渚。もっといたと思われる)
○ハマシギ             2羽(東渚。成鳥夏羽と思われる個体) 
○ソリハシシギ           2羽(汽水池。午前9時頃はキアシシギとともに汽水池の棒杭上で休んでいた。午前10時前に2羽が揃って飛び立ち東渚方面に去った)
○キョウジョシギ          3羽(東渚。シギ・チドリ群が群飛した際に確認できた)
○アオアシシギ           8羽(汽水池。換羽中個体が多かった。満潮時は汽水池西側のアシ原を刈り取った草地に集結していた)
○キアシシギ            6羽(汽水池。ソリハシシギとともに棒杭上で休んでいたが、干潟が広がるとともに散らばった)
○チュウシャクシギ        4羽(東渚など。午前11時頃に群飛して旧江戸川河口付近に移動するのが見られた。もっといたものと思われる)
○ホウロクシギ           1羽(東渚。午前11時頃に確認できた。飛翔形などを確認できなかったのでダイシャクシギとの確実な識別はできなかった) 
○カワセミ             1羽(汽水池付近)
○コムクドリ            19羽(汽水池・淡水池境界部付近のマツに8羽が集まっていた他、近くのミズキに集まっていた11羽の群も確認できた。なお、ミズキの果実は淡水池北西斜面にもあり、こちらにも数羽が集まっているようであった)

以上。