2009年5月Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑


【2009年5月2日】


※谷津干潟(7:30〜9:50)
 本日は潮位変化が少ないこともあり、朝方の谷津干潟を訪問した。予想以上に潮位は高めであったが、干潟東側と北側(通称ドラム缶付近)にいくらか干潟が残っており、多くのシギ・チドリが集まっていた。その後も潮位が徐々に上がり、午前8時過ぎにはオオソリハシシギとハマシギの多くの群が干潟外に飛び出してしまったが、オバシギ、コオバシギなどは午前9時過ぎまで残ってくれた。この他にウズラシギも見られた。淡水池には多くのコガモの他にオカヨシガモのペアが居残っていた。主なものは次のとおり。

○コアジサシ            4羽(干潟水路上空など)
○コチドリ              2羽(干潟北側谷津バラ園側) 
○メダイチドリ          136羽(午前8時頃のカウント数) 
○ダイゼン            78羽(午前8時頃のカウント数。ほぼ夏羽の個体も見られるようになってきた。午後8時過ぎには多くの個体が三番瀬方面に飛び去り、5〜6羽が残った)
○トウネン             32羽(午前9時頃の干潟東側に集まっていた群のカウント数。干潟北側にも20羽前後いたので、もっといたものと思われる。夏羽に換羽中と思われる個体が多かった)
○ウズラシギ            1羽(干潟東側。夏羽個体)  
○ハマシギ          約400羽(午前8時頃の推計数。カウント中に飛び立ってしまい正確なカウントはできなかった。午前8時半以降も残った個体は50羽前後であった)
○オバシギ             5羽(干潟東側。夏羽個体も見られた。午前9時過ぎまで留まった)
○コオバシギ            1羽(干潟東側。夏羽個体。午前9時過ぎまで留まった。換羽は進行し赤褐色が目立つようになってきていた)
○キョウジョシギ          68羽(午前8時頃のカウント数。干潟東側など)
○キアシシギ           44羽(午前9時過ぎのカウント数。数が多くなってきていた)
○オオソリハシシギ        132羽(午前7時半過ぎのカウント数。午前8時過ぎには飛び立って三番瀬方面の干潟外に去った)
○チュウシャクシギ          4羽(干潟東側など。西側のアシ原付近でカニを採取している個体も見られた) 
○セイタカシギ            2羽(干潟や淡水池など。確認できたのは♂2羽であった)


※葛西臨海公園(10:30〜14:30)
 到着時は満潮を過ぎて潮位が徐々に下がり始めているところであった。正午過ぎからは海からの風がやや強く吹いた。最初に鳥類園を回り、その後正午過ぎから西渚観察ポイントにて渚周辺の探鳥を行ったが強風のため観察しづらかったこともあり、午後1時半過ぎには公園西側に移動した。渚干潟上には多くのユリカモメ、アジサシ、コアジサシがシギ群とともに舞い降りていたが、頭部の黒いユリカモメは激減した。公園内ではアオジやツグミ類も残っていた。主なものは次のとおり。

○アジサシ         約800羽(東渚。午後1時頃の推計数。観察条件が悪く、きちんとカウントすることはできなかった)
○コアジサシ        約400羽(東渚。午後1時頃の推計数) 
○イワツバメ           12羽(駅周辺や汽水池など。汽水池には小群が繰り返し飛来し巣材となる泥を採取していた)
○ミヤコドリ           46羽(東渚。正午過ぎには20羽前後であったが、午後1時過ぎには追加飛来があった。若鳥が多いように思われたが成鳥も相当数混じっているものと思われる)
○コチドリ             8羽(汽水池など)
○ダイゼン             1羽(東渚。若鳥と思われる個体)
○ハマシギ         約200羽(汽水池や東渚。午前11時頃には汽水池に48羽が進入してきていた。正午過ぎの東渚に集まっている群のカウント数は202羽であった)
○キョウジョシギ         12羽(渚周辺の堤防付近など)  
○アオアシシギ           4羽(汽水池。午前11時頃のカウント数。なお、正午過ぎには東渚干潟でも見られた)
○キアシシギ         約30羽(汽水池や渚周辺堤防付近)
○ホウロクシギ          1羽(東渚。飛翔している姿も確認することができた) 
○チュウシャクシギ      約50羽(東渚堤防、汽水池など。群飛するのがよく見られた)
○タシギ              3羽(汽水池)
○セイタカシギ           3羽(汽水池。ペアが石塁上で休んでいるのが見られた)  
○アカハラ             1羽(公園中央部)
○ツグミ              1羽(公園西側)
○センダイムシクイ         2羽(公園西側。クヌギやコナラの樹冠部などを移動しながら、さえずっていた。姿も視認できた)
○キビタキ              1羽(♂1羽。公園中央部)
○シメ                1羽(又は2羽。汽水池南側樹林地で見られた1羽は嘴もまだ冬羽のままであった) 

以上。



オバシギ・コオバシギ(夏羽)
2009年5月2日
谷津干潟



ウズラシギ(夏羽と思われる個体)
2009年5月2日
谷津干潟



【2009年5月3日】

※葛西臨海公園(7:20〜11:50)
 到着時は干潮で干潟はかなり広がっていたが、その後はゆっくりと潮位が上がり始めた。最初に鳥類園周辺で探鳥し、午前9時過ぎから午前11時近くまで西渚観察ポイントで渚周辺の探鳥を行った。その後は公園西側に回り切り上げた。渚周辺は水鳥達の数は多かったが種類は多くはなかった。カモメ類はオオセグロカモメが成鳥・若鳥を合わせて10羽前後見られた他、セグロカモメ成鳥も見られたが、カモメ、ウミネコは若鳥のみで、ユリカモメも成鳥夏羽は少なくなっていた。カンムリカイツブリは2羽確認できたが、ハジロカイツブリはスズガモ群中にも見当たらなかった。主なものは次のとおり。

○アジサシ        約1500羽(東渚など。午前10時頃の一部カウントしたうえでの推計数。一部は西渚観察ポイント付近にも飛来した。午前9時40分頃にハヤブサに追われた)
○コアジサシ        約200羽(渚周辺。午前10時頃の一部カウントしたうえでの推計数。もっといたものと思われる)  
○ハヤブサ             1羽(若鳥。午前9時40分頃に東渚干潟上空に飛来し、旧江戸川河口上空から舞浜方面にかけて10分前後アジサシを追いかけ回した。狩りは成功しなかったようであった)
○イワツバメ          約20羽(駅周辺、淡水池付近など)
○ミヤコドリ            82羽(東渚。午前9時過ぎには一部が採餌したり、中央丘北側やカワウ近くで群が休んでいたが、ハヤブサの出現をきっかけに群飛したり干潟に舞い戻ったりすることを繰り返した)
○コチドリ              8羽(汽水池など)
○ダイゼン              2羽(東渚。遠方であったが、換羽は進行おらず若鳥と思われた)
○ハマシギ          約100羽(汽水池、東渚。午前8時半頃の汽水池内のハマシギのカウント数は75羽であった。また午前9時頃の東渚のハマシギ群のカウントは36羽であった。ほとんどが腹部が黒くなり夏羽となっていた)
○オバシギ             2羽(東渚。遠方であったがダイゼン2羽と行動をともにしていた)
○ソリハシシギ           2羽(汽水池。アシ原内を動き回って採餌していた)
○キョウジョシギ        約10羽(汽水池、堤防護岸など)  
○アオアシシギ           5羽(汽水池の他、水路付近などでも見られた)
○キアシシギ         約30羽(汽水池で18羽が見られた他、水路や堤防護岸でも小群がよく見られた) 
○ホウロクシギ           2羽(東渚。同時に2羽を確認できた)
○チュウシャクシギ       約30羽(汽水池、東渚堤防など) 
○タシギ               2羽(汽水池)
○セイタカシギ           3羽(汽水池。昨日は♂1羽♀2羽であったが、本日確認できたのは♂2羽♀1羽で、擬岩前では交尾も見られた)
○アカハラ             1羽(汽水池南側樹林地。午前8時半頃にさえずりを聞くことができたが視認することはできなかった)
○センダイムシクイ         1羽(公園西側。探鳥終了間際に観覧車近くのアラカシの若葉付近で、盛んにさえずっているのが確認できた)
○キビタキ             1羽(又は2羽。午前8時頃に汽水池南側樹林地でよくさえずっていた。しかし視認することはできなかった)
○コムクドリ            1羽(又は2羽。公園西側。クヌギの梢付近からムクドリとともに飛び去るのが見られたのみで、じっくり観察することはできなかった)  

以上。


【2009年5月4日】

※葛西臨海公園(9:00〜13:40)
 到着時は干潮で干潟はかなり広がっていたが、その後は潮位が上がり始めた。最初に公園中央部を経由して西渚観察ポイントに向かい、午前11時半頃まで渚周辺の探鳥を行った。その後は鳥類園に回り汽水池を中心に探鳥して切り上げた。渚周辺は水鳥達の数は多かったが、本日もハヤブサの出現があった。主なものは次のとおり。

○アジサシ        約1500羽(東渚など。午前9時半頃の一部カウントしたうえでの推計数。一部は西渚内の棒杭上にも飛来した。午前9時半過ぎにハヤブサに追われたがモビングする行動も見られた)
○コアジサシ        約500羽(渚周辺。午前9時半頃の推計数。午前11時頃のカウント数は412羽であったが視界が遮られ一部はカウントできなかった)  
○ハヤブサ             1羽(若鳥。午前9時半過ぎに東渚上空に飛来しアジサシを追いかけ回した。その後干潟上に舞い降り、時折歩いたものの、約30分ほど干潟上に留まった。午前10時過ぎに飛び立って西渚観察ポイント付近を通過して西渚の荒川河口付近の草地に降りていたドバト群に突っ込んだところで見えなくなった。護岸を探したが見当たらなかったことから、狩りは成功しなかったようであった)
○イワツバメ            12羽(駅周辺、淡水池付近など。京葉線高架下に営巣場所がいくつかあるようである)
○ミヤコドリ            78羽(東渚。午前9時半過ぎのカウント数。ハヤブサの出現をきっかけに群飛したり干潟に舞い戻ったりすることを繰り返した)
○コチドリ              6羽(汽水池)
○メダイチドリ            2羽(東渚。遠方であった)
○ムナグロ             12羽(正午頃に東渚周辺を群飛した)
○ダイゼン              3羽(東渚。正午前に確認できた)
○トウネン              2羽(東渚。約200mの距離があったが、ハマシギの近くで採餌していたことから識別できた。もっといたものと思われるが、より遠方のものは判別困難であった)  
○ハマシギ          約200羽(汽水池、東渚。午前9時半頃の東渚内のハマシギ・カウント数は89羽であった。正午頃の汽水池のハマシギ群のカウントは142羽であった)
○オバシギ             1羽(東渚。遠方であったがダイゼンと行動をともにしていた。その後ムナグロ群中に混じった)
○ソリハシシギ           5羽(汽水池など。汽水池に4羽が集まっていたが東渚でも1羽確認できた)
○キョウジョシギ         16羽(汽水池、堤防護岸など)  
○アオアシシギ           3羽(午前中は東渚で見られたが、正午過ぎに汽水池に移動してきたようであった。水路付近などでも声が聞かれた)
○キアシシギ         約40羽(汽水池で26羽が見られた他、水路や堤防護岸でも小群がよく見られた) 
○ホウロクシギ           2羽(東渚。ミヤコドリ群とともに群飛した)
○チュウシャクシギ       約80羽(汽水池、東渚堤防など。午前11時頃に観察ポイント側の東渚堤防に57羽が集結していた。汽水池にも6羽が見られた他、渚周辺に小群がいくつか見られた) 
○タシギ               2羽(汽水池)
○セイタカシギ           3羽(汽水池。♂1羽♀1羽)
○アカハラ             1羽(公園中央部。林床部で採餌しているようであった)

以上。



ミヤコドリ(群飛)
2009年5月4日
葛西臨海公園(東渚)
後方は東京デイズニーランド(TDL:千葉県浦安市)とホテル群



【2009年5月6日】

※葛西臨海公園(7:10〜12:00)
 到着時は午前9時過ぎの干潮に向かって干潟は大きく広がっていた。最初に鳥類園で探鳥した後に、午前9時頃から西渚観察ポイントに向かい約1時間ほど渚周辺の探鳥を行った。その後は公園西側にも立ち寄ったものの、何も見つけられなかったことから観察センターに戻り切り上げた。午前10時半頃には一時的に陽光も差したが、到着直後や探鳥終了間際には降雨があった。水鳥達の数は多かったが、本日もハヤブサの出現があり、落ち着かなかった。オオルリを見ることができた。主なものは次のとおり。

○アジサシ        約1000羽(東渚など。午前9時半頃の一部カウントしたうえでの推計数。午前9時頃にハヤブサが出現したため東渚干潟上空に舞い上がり、一部は沖合いに去ったものの、多くは西渚干潟に移動した。しかしながら、我々が西渚に到着した時には、既に多くの個体は再び東渚干潟に戻ってしまっていた。遠方ながら比較的観察しやすい状況であったが、確認した限りでは変わったアジサシ類は見つけられなかった)
○コアジサシ        約200羽(渚周辺。午前9時半頃の推計数)  
○ハヤブサ             1羽(若鳥。午前9時頃に東渚付近に飛来してアジサシ類やシギ・チドリ類をほとんど飛ばした。午前9時40分頃に、再度干潟周辺に出現し、ミヤコドリ群を追ったと思われたが、最終的には東渚西側堤防南端部カキ礁付近のチュウシャクシギ群を襲った。東西渚間水路側カキ礁付近にいたチュウシャクシギが襲われ水際でハヤブサに押さえ込まれたようであった。しかしながら岩礁から距離がありハヤブサが溺れそうになったためか、仕留める前に押さえ込むことを中断して南方向の東京湾方面に去った。残されたチュウシャクシギは何とか岩礁に上がって逃れたもののフリーズ状態のように思われた)
○イワツバメ            18羽(駅周辺、淡水池付近など)
○ミヤコドリ            42羽(東渚。午前9時半頃のカウント数。ハヤブサの出現をきっかけに西渚にも最大32羽が飛来した。成鳥も多かった)
○コチドリ              6羽(汽水池)
○ハマシギ          約100羽(汽水池、東渚。午前8時頃の汽水池のハマシギ群のカウントは38羽であった)
○ソリハシシギ           3羽(汽水池、西渚など)
○キョウジョシギ        約20羽(カキ礁・堤防護岸など)  
○アオアシシギ           6羽(又は9羽。午前8時頃に汽水池で3羽が見られたが、午前9時頃にはハヤブサに驚いて鳴きながら群飛する6羽の群が見られた)
○キアシシギ         約40羽(汽水池で16羽が見られた他、水路や堤防護岸でも小群がよく見られた) 
○ホウロクシギ           2羽(東渚。午前8時半過ぎに水路上空に2羽が揃って飛来したが、すぐに舞い戻った。また、この他にダイシャクシギではないかと思われる個体も見られたが確実な識別はできなかった)
○チュウシャクシギ       約60羽(汽水池、東渚堤防など。午前8時半頃に旧江戸川河口カキ礁に36羽が集結していた。汽水池や水路周辺にも多くの個体が見られた) 
○タシギ               3羽(汽水池)
○セイタカシギ           2羽(汽水池。♂♀各1羽)
○オオルリ              1羽(汽水池北側樹林地。午前7時40分頃に短いさえずりが聞こえたことから林内を探したところ♂成鳥であった。しかし間もなく樹林内を移動して見えなくなった)
○シメ                1羽(汽水池南側樹林地。サクラを枝移りしながら果実やムシ類を採餌していた) 

以上。


2009年5月9日】

※葛西臨海公園(7:30〜11:10)
 到着時は既に干潟が大きく広がり始めており、午前9時過ぎには東渚沖合いに広大な干潟が現れ始めていた。最初に鳥類園で探鳥した後、午前9時頃に観察センターに立ち寄り、公園中央部から公園西側に移動しながら、遠方からの渚周辺の水鳥と小鳥類の探鳥を行った。午前9時過ぎには水鳥も大きく沖合いにも散らばったことから西渚観察ポイントからの探鳥は行わなかった。この数日の雨模様のせいか、小鳥類が目立ち、キビタキ、オオルリ、ムシクイ類などのさえずりが賑やかであった。主なものは次のとおり。

○アジサシ        約1000羽(東渚など。午前9時頃の推計数。午前9時頃には既に沖合い干潟にも散らばっており、きちんとしたカウントはできなかった。旧江戸川河口周辺や西渚に飛来している個体も見られた)
○コアジサシ        約100羽(渚周辺。午前9時頃の推計数)  
○イワツバメ           10羽(駅周辺、淡水池付近など)
○ミヤコドリ           32羽(東渚など。午前9時頃のカウント数。視界が一部遮られたことなどから、もっといたものと思われる)
○コチドリ             4羽(汽水池)
○シロチドリ            4羽(東渚。午前9時頃に確認できた)
○ダイゼン             2羽(東渚。午前9時半頃に確認できた)
○ハマシギ         約600羽(東渚、汽水池など。午前8時頃の汽水池への飛来数は44羽であった。東渚には大きな群が見られ、その後沖合い干潟にも散らばっていた)
○ソリハシシギ           3羽(汽水池)
○キョウジョシギ        約10羽(カキ礁・堤防護岸など)  
○アオアシシギ           9羽(汽水池、東渚)
○キアシシギ         約30羽(汽水池の他、水路、堤防護岸、東渚にも小群が確認できた) 
○チュウシャクシギ      約50羽(汽水池など。午前8時半頃には旧江戸川河口カキ礁には36羽が集結していた水路周辺にも多くの個体が見られた) 
○タシギ              2羽(汽水池)
○セイタカシギ           1羽(汽水池。♀1羽)
○ツツドリ              1羽(公園中央部。我々は鳴き声が少し聞けたのみであったが、視認したとの情報もあった)
○エゾムシクイ           1羽(淡水池北側樹林地。鳴き声が聞けたのみで視認することはできなかった)
○センダイムシクイ         7羽(汽水池南側、公園西側。さえずりがよく聞かれた。コナラやクヌギで枝移りしている個体をいくつか視認することもできた)
○キビタキ              7羽(汽水池南側、公園西側など。♂6羽、♀1羽。美しいさえずりもよく聞かれたが枝葉のために視界が遮られて視認できたのは♂若鳥2羽、♀1羽の計3羽であった)  
○オオルリ              1羽(汽水池南側樹林地。午前8時過ぎに美しいさえずりが比較的長く聞こえたが、きちんと視認することはできなかった)

以上。



【2009年5月10日】

※葛西臨海公園(7:20〜14:40)
 到着時は既に干潟が広がり始めており、午前11時半頃の干潮時の潮位が低かったこともあり午前10時頃から東渚沖合いにも広大な干潟が出現した。最初に公園中央部や渚橋付近で探鳥した後、午前8時頃から鳥類園で探鳥した。午前11時を過ぎてから西渚観察ポイントに回り午後1時頃まで留まった。その後さらに汽水池に戻って昨日見られたというサルハマシギの飛来を期待したが、飛来はなく、午後2時半頃に切り上げた。昨日さえずってくれた小鳥類は南風に乗って旅立ってしまったようであったが、代わりの小鳥類が見られ、アオジもまだ留まっているようであった。また、東渚ではズグロカモメが確認できた。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ       1羽(夏羽。西渚内)
○ズグロカモメ          1羽(東渚。若鳥。午前10時半頃に単独で干潟上を飛翔し特徴のある降下を繰り返して採餌行動を取っている個体を見つけた。下面の黒斑のパターンを確認できたので同定は問題ないものと思われた。正午過ぎにはユリカモメ群に入ったりしたが、午後2時半頃には東渚干潟で再び採餌行動を取っていた。飛翔時上面に褐色斑が確認できたことなどから若鳥と判断した。余り近くには飛来せず、最短でも200m以上の距離があったが、頭部がいくらか黒っぽく見えた。なお、ユリカモメも成鳥はほとんど旅立ってしまったようであるが、若鳥を中心に326羽がカウントできた)
○アジサシ         2814羽(東渚など。正午頃のカウント数。沖合いに干潟が広がった時点でも比較的観察しやすい場所に舞い降りている群もあったが、確認した限りでは変わったアジサシ類は見つけられなかった))
○コアジサシ         342羽(渚周辺。正午頃のカウント数)  
○イワツバメ           10羽(駅周辺、汽水池付近など)
○ミヤコドリ           22羽(東渚など。午後1時頃のカウント数)
○コチドリ             6羽(汽水池など)
○シロチドリ            6羽(東渚。正午頃のカウント数)
○ダイゼン             4羽(東渚。午後1時頃のカウント数。成鳥夏羽と思われる個体も1羽確認できた)
○トウネン             4羽(東渚。比較的近距離でハマシギと比較できた羽数がカウントできただけで、もっといたものと思われる)
○ハマシギ          1376羽(東渚、汽水池など。正午前のカウント数。昨日汽水池にてハマシギ群に混じってサルハマシギが飛来したとのことであったが、本日は汽水池のハマシギ群は午後1時半で12羽のみであった)
○ミユビシギ            3羽(東渚。午前8時過ぎにハマシギ近くで採餌している小群が何とか確認できた)
○ソリハシシギ           4羽(汽水池)
○キョウジョシギ           6羽(カキ礁・堤防護岸など)  
○アオアシシギ          11羽(汽水池、東渚。午前8時半頃のカウント数。なお、東渚北西側の水路干潟にも2羽が飛来していた)
○キアシシギ          約40羽(汽水池など)
○ダイシャクシギ          1羽(又は2羽。東渚。午前8時頃に飛翔するのが確認できた)
○ホウロクシギ           2羽(東渚。正午過ぎ頃から1羽は東渚北西側の水路干潟に飛来していた) 
○チュウシャクシギ      約80羽(汽水池など。午前8時頃には旧江戸川河口カキ礁にミヤコドリ群とともに本種26羽が集結していた。また、東西渚間水路のカキ礁にも24羽が飛来していた) 
○タシギ              4羽(汽水池)
○オオルリ              1羽(♀1羽。汽水池南側樹林地。午前9時頃に確認できた)
○サンコウチョウ           1羽(♀1羽。汽水池南側樹林地。午前9時頃に、昨日オオルリがさえずっていた場所を確認に行った際に教えていただき、見ることができた。若葉が茂って観察しづらかったが、ミズキの周辺をひらひらと飛びながら活発に採餌していたが、午前9時半過ぎにヒヨドリやオナガの小群が接近したことから飛び去ったようであった)

以上。



サンコウチョウ(♀)
2009年5月10日
葛西臨海公園(汽水池南側樹林地)



【2009年5月24日】

※葛西臨海公園(7:20〜11:40)
 到着時は既に干潟が広がり始めており、さらに午前9時頃からは東渚沖合いにも広大な干潟が出現した。到着後まもなくして降雨となり、主として鳥類園の観察センターや擬岩付近から観察することとなった。最初に公園中央部や渚橋付近で探鳥した後、午前8時頃からは鳥類園で探鳥した。西渚観察ポイントからの渚周辺の探鳥は行わなかった。特段変わったものは見られなかったが、いただいた情報によるとアカアシシギが汽水池に留まっているとのことであった。ただ、アシ原際で採餌することが多いようで、我々も確認することはできなかった。主なものは次のとおり。

○アジサシ         1638羽(東渚など。午前7時半頃のカウント数。干潟の広がりにつれて沖合いからに次々に飛来していたので、もっといたものと思われる。確認した限りでは変わったアジサシ類は見つけられなかった))
○コアジサシ        約200羽(渚周辺。午前7時半頃のカウント数)
○ミサゴ              1羽(午前8時頃には旧江戸川河口付近の棒杭上にいたが、その後沖合いの杭に移動していた)  
○イワツバメ            6羽(汽水池付近など。駅付近の高架に作られていた巣は破壊されたようであった)
○ミヤコドリ           16羽(東渚、旧江戸川河口付近のカキ礁など。午前8時頃のカウント数。遠方のため詳細は確認できなかったが、例年のように若鳥の越夏群が形成されつつあるものと思われる)
○コチドリ             4羽(汽水池)
○シロチドリ            2羽(東渚)
○ダイゼン             1羽(西渚。午前7時半頃に1羽のみ確認できた)
○ソリハシシギ          4羽(汽水池)
○アオアシシギ          1羽(汽水池)
○キアシシギ         約40羽(汽水池にも10羽前後が見られた他、東渚周辺では22羽が群飛するのが見られた)
○チュウシャクシギ        3羽(汽水池で1羽が見られた他、旧江戸川河口カキ礁にミヤコドリ群とともに2羽が飛来していた) 

以上。


【2009年5月30日】

※葛西臨海公園(7:20〜11:40)
 到着時は満潮間際であったが、午前9時過ぎからは徐々に潮位が下がり干潟が広がり始めた。時折降雨があり観察しづらかった。鳥類園の観察センターや擬岩付近で観察したが、午前9時頃から約1時間ほど西渚観察ポイントから渚周辺の探鳥も行った。特段変わったものは見られなかったが、越夏群と思われるものを中心とした水鳥達が見られた。アカアシシギは確認できなかった。なお、鳥類園南端付近の草地内に気象庁のアメダスポイント(江戸川臨海)が設置され、風向・風速、降水量が計測されるようになっていた。主なものは次のとおり。

○アジサシ           22羽(東渚など。午前11時過ぎのカウント数。午前9時半頃には西渚内にも12羽が進入していた。遠方ながらコートシップデイスプレーを行っていると思われるペアが見られた。変わったアジサシ類は見られなかった)
○コアジサシ         154羽(渚周辺。午前11時過ぎのカウント数。水路付近を飛翔している個体も見られた他、汽水池にも2羽が飛来した)
○ミサゴ              1羽(午前9時頃に荒川河口方面から東渚上空に飛来した。午前10時過ぎには沖杭上で捕らえた魚を採食していた)  
○イワツバメ            6羽(汽水池付近など)
○ミヤコドリ           13羽(東渚、午前9時頃のカウント数。例年のように形成された若鳥の越夏群と思われる)
○コチドリ             4羽(水路護岸、東渚など)
○シロチドリ            6羽(西渚など)
○ソリハシシギ          2羽(汽水池)
○キアシシギ           8羽(汽水池で4羽が見られた他、渚周辺でも4羽が確認できた)
○ホウロクシギ          2羽(東渚。午前9時過ぎに中央丘西側のチュウシャクシギ4羽の小群近くで休んでいるのが確認できた。羽繕いなども観察できたことから問題なく同定できた)
○チュウシャクシギ       24羽(到着直後から汽水池で10羽の群が棒杭上で休んでいるのが見られた他、東渚中央丘付近で14羽がカウントできた) 

以上。



ミヤコドリ(越夏群と思われる個体群)



2009年5月30日
葛西臨海公園(東渚)
中央で羽を広げているのはオオセグロカモメ(若鳥)で、左後方にもオオセグロカモメの亜成鳥と若鳥が見られる。中央前方にはウミネコ若鳥が3羽見られる。この他、後方の岩礁にはチュウシャクシギも見える。
※葛西臨海公園(7:20〜15:40)
 到着時は干潟はいくらか残っていたが、本日は午前中の潮位変化は少なく干潟が大きく広がり始めたのは午後1時過ぎからであった。最初に渚橋付近で探鳥した後、公園西側で小鳥類を探したがほとんど成果もなかったことから、午前9時過ぎからは4時間余り西渚観察ポイントで探鳥した。その後一旦鳥類園に向かったが、午後2時半過ぎから陽光が差してきたことから西渚観察ポイントに再度戻った。すっかり夏羽となったミミカイツブリが居残ってくれていたが、特に変わったものは見られなかった。なお、いただいた情報によると昨日はクロツラヘラサギが確認されたとのことであった。また、カモメ類は、一時的に見られなくなっていたウミネコ(若鳥)が戻ってきていた他、頭部の黒くなったユリカモメが多くなってきていた。本年はセイタカシギが集結せず、これまでにない寂しい汽水池となっている。主なものは次のとおり。

○ミミカイツブリ           1羽(夏羽個体。東西渚間水路。ほぼ水路内にいてハジロカイツブリとともにカキ礁周辺で潜水を繰り返してはカニなどを捕食していた) 
○ホオジロガモ           1羽(♀1羽。西渚水面内で午前中に見られた)
○ミサゴ              1羽(♀タイプ。東渚など。正午前に干潟上空に出現し、水鳥達を飛ばしたが、その後浅水域に一時的に舞い降りていたが、最後は東西渚間水路上空を通過して若洲海浜公園方面に去った)
○チュウヒ             1羽(東渚。午前10時過ぎから3回ほど出現し、アシ原上を飛翔していたが樹木上に休止したりした他、カラスのモビングも受けた)
○イワツバメ            5羽(駅周辺)  
○ミヤコドリ           56羽(東渚など。羽数の変動はあったものの観察時間中はずっと見ることができた。時折、西渚上空に飛来する個体もあったが舞い降りることはなかった)
○コチドリ             6羽(汽水池で3羽を確認したが水路護岸でも確認した)
○シロチドリ            8羽(東渚堤防上。ハマシギとともに休息していた)
○ダイゼン             1羽(東渚。午前10時頃に確認できた)
○ハマシギ          約80羽(東渚など。午後1時頃に群が見られたが少なかった。堤防上で休息している個体も見られた)
○ダイシャクシギ          3羽(東渚。群で採餌していた)
○ホウロクシギ           2羽(東渚。午前10時半頃にダイシャクシギ3羽とともに同時に確認できた)
○タヒバリ              2羽(水路周辺)
○トラツグミ             1羽(公園西側。我々は見られなかったが、鳴き声を3回ほど聞くことができた) 
○アカハラ             1羽(公園中央部)
○シロハラ             5羽(公園中央部など)
○ツグミ            約40羽(公園中央部など。芝生上に集結しているのが見られた)
○オオジュリン           8羽(東渚堤防、淡水池アシ原など)
○シメ               2羽(公園西側)
○カケス              1羽(公園西側。鳴き声が聞けた)

以上。