2008年9月後半 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑


【2008年9月20日】

※葛西臨海公園(9:30〜14:10)
 台風13号が房総沖に去り雨も上がって好天となった。到着時は満潮を過ぎたばかりであったが潮位は比較的低く干潟は残っていた。最初に鳥類園を回り午前11時半頃から西渚観察ポイント付近で探鳥し、午後1時半頃から公園西側を回った。これまでと大きな変化はなかったが、東渚にわたりのカモ群(オナガガモ26羽、コガモ3羽)が飛来していた。なお、クロツラヘラサギが引き続き留まっていたが、カラシラサギは確認できなかった。渚周辺はオオセグロカモメ、ウミネコに加え、ユリカモメも幼鳥が確認できた。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ        1羽(西渚水面内。岸辺近くに進入していた)
○ミサゴ              1羽(旧江戸川河口付近)
○ハヤブサ             1羽(渚周辺。成鳥♂と思われる個体。午後1時頃に東渚干潟上空に出現しカモメ類を飛ばしたが、間もなく北方向に飛び去った。その約10分後に同一と思われる個体が観察ポイント付近に再び出現し2回ほど急降下を繰り返した後、東西渚間水路水面近くで小鳥を捕らえ荒川河口橋方面に飛び去った。至近距離での急降下であったことから風を切る音も大きく聞こえた。大きさから判断して♂と思われた)
○ササゴイ             1羽(汽水池。幼鳥。午前10時半頃に汽水池の中土手沿いにいるのを見つけた。大きな魚を捕らえたものの、ダイサギが接近したことから慌てて飲み込んだりしていた)
○チュウサギ            1羽(淡水池)
○クロツラヘラサギ         3羽(東渚。干潟がかなり広がった午後1時頃になって3羽を同時に確認できた。観察時間中は採餌行動は取らず休んでいた)
○シロチドリ           12羽(東渚。午前11時頃に群が飛来した)
○トウネン            14羽(東渚観察ポイント側堤防。幼鳥のみであった。正午過ぎに群が観察ポイント付近に飛来した後、東渚堤防の水際に降りて休んだ。約60mの距離で観察できた)
○キリアイ              1羽(汽水池。西側観察舎からアシ原湿地のアカアシシギを観察していた際に近傍にいるのが確認できた。幼鳥のようであったが、視界が遮られる場所から時折出てくるという形であったことと距離も50m以上あったことからじっくりと観察することはできなかった。また、汽水池西側水門付近の観察窓からは確認できなかった)
○オバシギ             3羽(東渚など。幼鳥。午後1時半頃には西渚にも飛来したが、子供に追われて東渚に舞い戻った)
○アカアシシギ           2羽(汽水池。幼鳥。午前10時半頃に汽水池西側観察舎からアシ原湿地にいるのが確認できた。午前11時半頃には汽水池西側水門付近の観察窓からも見ることができた) 
○アオアシシギ           9羽(汽水池など。午前10時頃の汽水池内のカウント数は9羽であったが、その後東渚に移動する小群が見られた。東渚でも8羽が見られた)
○オオソリハシシギ         9羽(東渚。1羽は脚を損傷した成鳥で残りは幼鳥と思われた)
○ダイシャクシギ          2羽(東渚)
○ホウロクシギ           4羽(東渚。このうちの1羽は2回ほど西渚干潟に飛来しコメツキガニを採食していた)
○キビタキ             1羽(公園西側。暗い繁みの中から声が聞こえたが姿を視認することはできなかった)
○オオルリ             1羽(♀1羽。公園中央部。淡水池北側で♂の目撃情報もあったが我々は確認できなかった) 

以上。

【2008年9月21日】

※葛西臨海公園(7:30〜12:00)
 到着時は満潮に向かって潮位が高まってきているところであった。ただ小潮のため満潮時の午前9時過ぎでも干潟は残った。最初に渚橋付近で探鳥した後、鳥類園に回り、午前9時半頃から西渚観察ポイント付近で探鳥し、正午前に公園西側を回った。これまでと大きな変化はなかったが、東渚にアマサギの群が舞い降りていた。またセグロカモメ成鳥を初認した。クロツラヘラサギが引き続き留まっていたが、カラシラサギは確認できなかった。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ        1羽(西渚水面内)
○アマサギ            17羽(東渚中央丘付近。午前9時半頃から見られた。繁殖羽の個体から冬羽の個体まで確認できた。全体的にはわたりの途中で舞い降りて休んでいる様子であったが、群の一部は中央丘の草地で昆虫類を採取しているようであった。午前11時前に水鳥達がいっせいに飛び立った際に飛び去ってしまった)
○チュウサギ            3羽(淡水池、東渚)
○クロツラヘラサギ         3羽(東渚。午前8時頃には舞浜側の狭まった干潟に集まっていたが、その後は中央丘付近に移動したようで、午前9時半頃からは中央丘につらなる干潟で見られた。いずれも3羽を同時に確認できたが、午前11時前に他の水鳥達とともに3羽揃って飛び立ち、干潟上やアシ原上空を飛翔した後アシ原内に降りたようで見えなくなった)
○シロチドリ          約20羽(東渚など。午前11時頃に干潟上を群が飛び回っているのを確認できた他、午前7時半頃には西渚北東端に2羽が飛来していた)
○キリアイ              1羽(東渚。午前10時半頃にシギ・チドリ群中に見つけた。観察条件は良かったものの距離があったが特徴が確認できたことから本種と判断した)
○オバシギ             3羽(東渚。幼鳥。午前9時半頃に満潮のため集結していたシギ・チドリ群中に確認した)
○アカアシシギ           2羽(汽水池。幼鳥。午前9時頃に汽水池西側観察舎からアシ原湿地にいるのが確認できた。相変わらずアシ原内を動き回っており観察しづらかった) 
○アオアシシギ          12羽(汽水池、東渚)
○オオソリハシシギ        10羽(東渚。午前9時頃に満潮のために集結していたシギ・チドリ群中に見られた)
○ダイシャクシギ          2羽(東渚。集結シギ群中に確認できた)
○ホウロクシギ           4羽(東渚。集結シギ群中に確認できた)
○セイタカシギ          12羽(汽水池、東渚堤防。昨日は確認できなかったが、汽水池では西側わんど内に9羽が集結しているのが確認できた。また、東渚水路側堤防上に3羽が見られた)
○ツツドリ             1羽(公園西側。クヌギの梢付近に止まったがすぐに飛び立ってしまい、じっくり観察することはできなかった。普通型であった) 
○カワセミ             2羽(汽水池。いずれも幼鳥のようであった) 
○キビタキ             1羽(公園西側。暗い繁みの中から声が聞こえたが姿を視認することはできなかった)

以上。

【2008年9月23日】

※葛西臨海公園(7:40〜12:50)
 到着時はかなり干潟が広がっていたが、徐々に潮位が高まってきているところであった。最初に渚橋付近で探鳥した後鳥類園の西側のみ回り、午前8時半頃から午前10時過ぎまで西渚観察ポイント付近で探鳥し、再び鳥類園に戻った後公園西側を回って切り上げた。クロツラヘラサギ、カラシラサギが引き続き留まっていた。カモメ類は特に変わったものは見られなかったがユリカモメは30羽以上となっていた。なお、コアオアシシギ、オグロシギ、ヨシゴイ、オオルリ、キビタキの情報もいただいたが、我々は見れなかった。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ        1羽(西渚水面内)
○ミサゴ              1羽(旧江戸川河口付近の棒杭上。午前8時頃には捕らえた魚を採餌していた) 
○ササゴイ             1羽(汽水池。幼鳥と思われる個体)
○カラシラサギ           1羽(西渚など。午前8時頃には西渚干潟上でコサギ6羽とともに採餌行動を取っていたが、その後は東渚に移動して汀線沿いやアシ原際で採餌行動を取った。遠方からでも嘴の橙黄色はまだ確認できた)
○チュウサギ            2羽(淡水池。西側のクズの繁茂した斜面を歩き回り、バッタ類やトカゲなどを採食しているのが見られた)
○クロツラヘラサギ         3羽(東渚。午前8時半頃には干潟中央部で休んでいたが、その後は群で採餌行動を取った。なお、このうちの2羽は仲良しのようで互いに羽繕いなどをし合うのが見られた)
○シロチドリ            6羽(西渚など)
○トウネン             4羽(午前10時前に西渚観察ポイント付近を飛翔して通過した)
○キリアイ             1羽(東渚。午前10時頃にそれらしき個体が確認できたが、観察条件も良くはなく断定するには距離があった)
○アカアシシギ           1羽(汽水池。幼鳥。午前8時過ぎに汽水池西側水門付近からアシ原湿地にいるのが確認できた) 
○アオアシシギ           9羽(汽水池、東渚)
○オオソリハシシギ         8羽(東渚)
○ダイシャクシギ          2羽(東渚) 
○ホウロクシギ           4羽(東渚など。西渚干潟に飛来していたのは幼鳥と思われる個体であった)
○セイタカシギ           9羽(汽水池、東渚)
○ツツドリ             1羽(汽水池。午前11時半頃に汽水池南側樹林地を飛翔移動する個体が見られた。普通型と思われた) 
○カワセミ             1羽(汽水池。擬岩付近) 
○エゾビタキ            1羽(観察センター付近。午前11時過ぎに見られた)

以上。


【2008年9月28日】

※葛西臨海公園(7:30〜13:10)
 到着時は既に干潟が広がっており、午前10時過ぎの干潮時には沖合いにも干潟が広がった。最初に鳥類園で探鳥した後、午前11時半頃から1時間ほど西渚観察ポイント付近で探鳥し公園西側を回って切り上げた。クロツラヘラサギが引き続き留まっていた他、ようやくコアオアシシギも見られた。小鳥類もいくらか見ることができた。なお、いただいた情報によると昨日は通過と思われるマミチャジナイが見られたとのことであった。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ        1羽(西渚水面内)
○ミサゴ              1羽(♀タイプ。東渚干潟上にいたが、午前10時頃には棒杭上に休止していた。珍しくカラスの執拗なモビングを受けていた) 
○トビ               1羽(水路付近など。午前8時前に水路上空を舞っているのを見つけた。その後、カモメ群を飛ばしながら東渚干潟に降りた)  
○ササゴイ             1羽(汽水池。幼鳥と思われる個体)
○チュウサギ            1羽(淡水池湿地)
○クロツラヘラサギ         3羽(東渚。午前10時頃から干潟東側〜中央部で揃って採餌行動を取っているのが見られた。一時的にダイサギ約30羽の群中でも採餌した。引き続き留まっていた)
○ミヤコドリ           18羽(旧江戸川河口干潟など。午前8時頃から東渚舞浜側堤防南端付近に6羽の小群がいるのが見られたが、午前9時過ぎには旧江戸川河口干潟とカキ礁周辺に18羽がカウントできた。また、正午過ぎには7羽の群が西渚にも飛来した)
○シロチドリ           28羽(東渚など。西渚付近にも4羽の小群が飛来した)
○ハマシギ             2羽(東渚)
○オバシギ             1羽(西渚。幼鳥。荒川寄りの干潟で採餌していた)
○コアオアシシギ          1羽(汽水池。擬岩付近。幼鳥と思われたが一部冬羽への換羽が始まっているようであった)
○アカアシシギ           3羽(汽水池。午前8時過ぎに同時に3羽が確認できた。いずれも幼鳥と思われたが、冬羽への換羽が進んでいると思われる個体も見られた。これまでと異なり擬岩付近で見られた) 
○アオアシシギ          11羽(汽水池など。水路付近や東渚でも見られた他、午前10時半頃には淡水池上空にも飛来した)
○キアシシギ            1羽(旧江戸川カキ礁付近。断定するには距離があったが飛翔したところから本種と判定した)
○オオソリハシシギ         9羽(東渚)
○ダイシャクシギ          3羽(東渚) 
○ホウロクシギ           3羽(東渚など。西渚にも飛来した)
○タシギ               3羽(汽水池)  
○セイタカシギ          10羽(汽水池)
○ツツドリ              1羽(汽水池南側樹林地。サクラに飛来し毛虫を採食しているようであった。普通型若鳥と思われた) 
○カワセミ              2羽(淡水池、汽水池。なお、淡水池で幼鳥と思われる死亡個体が発見され、レンジャーの方によって回収されたのを見ることができた) 
○イソヒヨドリ            2羽(いずれも♂。西渚堤防付近と東渚北東側堤防付近で見られたが後者で確認した個体は色調が鈍かった)
○キビタキ              2羽(公園西側。♀成鳥と幼鳥と思われた)
○カケス               1羽(汽水池南側樹林地。樹林内からジェージェーという声が久しぶりに聞こえた後、上空をふわふわと移動するのが見られた。いただいた情報によると数日前から数個体が見られているとのことであった)

以上。



COOLPIX P2 1/154sec F5.2 ISO200 -0.7EV -0.7mm 
アカアシシギ(幼羽から冬羽に換羽中と思われる個体)
2008年9月28日
葛西臨海公園(汽水池)


COOLPIX P2 1/66sec F5.2 ISO200 -0.7EV -0.7mm 
ツツドリ(普通型若鳥と思われる個体)
2008年9月28日
葛西臨海公園(汽水池南側)