2008年3月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑

【2008年3月1日】

※葛西臨海公園(8:20〜13:00)
 到着後まもなく午前9時頃に満潮となり、その後はゆっくりと潮位が下がり午前11時頃から干潟が広がり始めた。渚橋護岸付近で探鳥した後鳥類園を回り、午前11時頃からは西渚観察ポイントからの渚周辺の探鳥を行った。正午過ぎから前線通過に伴って曇天となり、まもなくして北西からの強風も吹いてきたことから切り上げた。これまでと基本的には変化はなく、特に変わったものは見られず、このところ時折確認されているというツリスガラも見ることはできなかった。なお、ズグロカモメはほぼ夏羽となっていた他、渚周辺のカンムリカイツブリにも夏羽の個体が多くなってきていた。主なものは次のとおり。

○ミミカイツブリ         2羽(いづれも冬羽と思われる個体。午前11時過ぎから正午過ぎにかけて、西渚水面内のスズガモ群中と東西渚間水路で見られた。西渚水面内の個体は首の部分に褐色味を帯びてきていた)
○ウミアイサ           1羽(東渚)
○ズグロカモメ          1羽(ほぼ成鳥夏羽の個体。東渚など。水路護岸付近や西渚にも飛来した。近距離で見られた西渚では浅水域に飛び込んではコメツキガニと思われるものを採食していた。前頭部にわずかに白色部が残っていた)
○ミサゴ             2羽(東渚。干潟が広がり始めた午前11時半過ぎに1羽が旧江戸川上流方面から飛来したが、まもなくしてもう1羽が出現し一時的に2羽が絡んだ。1羽は東渚内の棒杭に休んだが、もう1羽は羽田沖方面に去った)
○トビ              1羽(旧江戸川河口上空)
○オオタカ            1羽(若鳥。汽水池北側のマツに休止していることが多かったが、時折淡水池付近にも移動し、カラスに追われたりしていた)
○チュウヒ            1羽(♂と思われる個体。汽水池や淡水池上空に進入していた)
○シロチドリ          20羽(東渚)  
○ハマシギ          368羽(東渚。正午頃のカウント数)
○アカアシシギ          1羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。石塁や鋼板上に休止していた)
○アオアシシギ          1羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近)
○オオハシシギ          3羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近)
○セイタカシギ          8羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近)
○ジョウビタキ           1羽(♀タイプ。汽水池付近)
○アカハラ             4羽(汽水池付近など) 
○シロハラ             2羽(汽水池付近など)
○ツグミ             26羽(公園中央部、淡水池付近など)
○キクイタダキ           2羽(汽水池南側樹林地)
○オオジュリン          30羽(淡水池周辺など。午前中は風もなくおだやかだったことから多くの個体が見られ、夏羽に換羽中のものも確認できた) 

以上。


【2008年3月2日】

※葛西臨海公園(8:20〜12:50)
 本日は午前中の潮位の変化は極めてわずかで、干潟はいくらか広がった状態で推移した。渚橋護岸付近で探鳥した後、午前9時前から開門とともに西渚に向かい西渚観察ポイントから渚周辺の探鳥を午前10時過ぎまで行った。その後は公園西側を回ってから鳥類園で探鳥した。今季初めてコチドリを確認できたが、他はこれまでと同様であった。なお、夏羽になったズグロカモメはまだ確認できた。大型カモメ類は10羽前後のセグロカモメのみで、少なかった。渚周辺のカンムリカイツブリ、ハジロカイツブリは多く、夏羽の個体も多くなってきていた。なお、旧江戸川アシ原育成地付近の越冬シギ群は潮位の関係でほとんど確認できなかった。主なものは次のとおり。

○ミミカイツブリ         1羽(冬羽個体。午前9時過ぎ頃に東西渚間水路で見られた)
○ウミアイサ           2羽(♀タイプのみ。旧江戸川水面内)
○ズグロカモメ          1羽(ほぼ成鳥夏羽の個体。西渚など。水路護岸付近には飛来しなかったが、西渚にも頻繁に飛来した。昨日同様に近距離で見られた。浅水域に飛び込んではコメツキガニと思われるものを採食したり、ユリカモメ群中に入って休んだりしていた)
○ミサゴ             1羽(東渚。午前9時半過ぎに飛来し、上空を旋回したり旧江戸川河口付近の棒杭に休止したりしていた)
○トビ              1羽(午前10時頃に渚上空を西方向へ通過した)
○ノスリ             1羽(午前11時半頃に淡水池南半部に出現したのを見ることができた。カラスに追われたり、低木などに休止したりを繰り返した。その後、淡水池上空で帆翔して高度を上げカラスのモビングを受けながらも、舞浜方向に逃れた)
○オオタカ            1羽(若鳥。汽水池北側のマツに休止しているのを見ることができた)
○チュウヒ            2羽(♂と思われる個体は公園中央部上空や淡水池上空に進入していた。頭部の白い個体は東渚アシ原内の低木上で休んだり、西渚上空で帆翔したりしていた)
○コチドリ             1羽(水路護岸。午前11時頃に確認できた。今季初認)
○シロチドリ          16羽(東渚。午前10時過ぎのカウント数)  
○ハマシギ         約200羽(東渚。午前9時頃の推計数。正午頃は東渚北側堤防の水際などにも小群が確認できた)
○セイタカシギ          3羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近で鋼板の枠囲いから逸脱した2羽が確認できた。これと別に正午過ぎ、成鳥1羽が淡水池に飛来したが舞い降りることなく水路方向に飛び去った)
○カワセミ             1羽(淡水池北西側。アシ原越しに鳴き声を確認できたが姿を視認することはできなかった)
○ビンズイ             3羽(公園西側。午前10時過ぎにマツ林付近から小群が飛び立って鳴きながら飛翔移動するのが見られた)
○タヒバリ             4羽(西渚。草地内でヒバリとともに見られた。警戒心が強く、なかなか接近できなかった)
○ジョウビタキ           3羽(♀タイプ。淡水池付近など)
○アカハラ             2羽(淡水池付近など) 
○シロハラ             4羽(公園中央部など)
○ツグミ             45羽(公園中央部、淡水池付近など。昨日よりも個体数が多くなってきているように思われた)
○オオジュリン          30羽(淡水池周辺など。風も弱く穏やかだったことから多くの個体が見られた) 

以上。



ズグロカモメ(成鳥夏羽)
2008年3月2日
葛西臨海公園(西渚)

2008年3月8日】

※葛西臨海公園(8:20〜13:00)
 到着時は満潮を過ぎて、干潟が大きく広がり始めているところであった。最初に渚橋護岸付近で探鳥した後鳥類園に回った。しかし、確認できなかったズグロカモメの情報をいただいたことから午前9時半頃から約1時間ほど西渚観察ポイントから渚周辺の探鳥を行った。その後は鳥類園に戻って探鳥した。正午前には水路干潟もかなり広がり、旧江戸川河口付近の大きなカキ礁も姿を現した。今季ようやくツリスガラを見ることができた。なお、我々は確認できなかったが夏羽になったズグロカモメは留まっているとのことであった。旧江戸川アシ原育成地付近の越冬シギ群は潮位の関係で確認できなかったが、一部が水路干潟に飛来してきたものと思われた。主なものは次のとおり。

○ウミアイサ          6羽(♀タイプのみ。旧江戸川カキ礁周辺)
○ミサゴ             1羽(又は2羽。東渚や水路上空。午前中に東渚上空や水路周辺で、上空を旋回したりするのが見られた)
○トビ              2羽(又は3羽。午前10時過ぎ頃から公園中央部、淡水池、水路上空などを帆翔するのが見られた)
○オオタカ            1羽(若鳥。午前9時過ぎに汽水池北側のマツに休止しているのが見られたが、淡水池北側にも進入しカラスに追われたりしていた)
○チュウヒ            2羽(♂と思われる個体は淡水池内に進入していた。頭部の白い個体は東渚アシ原内の低木上で休んだり干潟上空で帆翔したりしていた)
○クイナ             1羽(汽水池。午前11時半頃に観察センター東側のアシ原内の岩付近から草地に登り藪に潜り込むのが見られた)
○シロチドリ           6羽(西渚。午前10時頃のカウント数)  
○ハマシギ        約200羽(東渚。午前10時頃の推計数)
○アカアシシギ         1羽(水路干潟。正午頃に見られた。
○セイタカシギ        18羽(水路干潟など。午前9時頃には淡水池に2羽が休んでいたが、正午頃には水路干潟に18羽が集まっていた)
○タヒバリ            2羽(西渚)
○アカハラ            1羽(汽水池) 
○ツグミ            30羽(公園中央部、淡水池付近など)
○ツリスガラ          3羽(淡水池。午前9時頃に淡水池西側で3羽の小群を確認することができた。最大6羽が確認されているとのことであった。成鳥♂と思われる個体は確認できなかった。当地でのツリスガラは毎年のように確認されてはいるが、ここ数年は見られる頻度が下がり羽数も10羽以下となってきている) 
○オオジュリン        30羽(淡水池周辺など) 

以上。




【2008年3月9日】

※葛西臨海公園(7:30〜13:30)
 到着時は満潮を過ぎて潮位が下がり始めているところであった。正午頃の干潮時には水路干潟も大きくひろがり、旧江戸川河口や東渚沖合いにも広大な干潟が広がった。最初に淡水池付近で探鳥し、午前9時頃から約1時間ほど西渚観察ポイントから渚周辺の探鳥を行った。その後は公園西側・中央部を回って鳥類園に戻り汽水池や水路干潟付近で探鳥した。落鳥したミツユビカモメを拾得した。また、東渚でオオソリハシシギを今季初認した。その他はこれまでと大きな変化はなかったが、ヒバリのさえずりやミヤコドリの飛来など当地の季節変化を感じさせる探鳥であった。なお、ズグロカモメ、ツリスガラについてはいづれも確認することはできなかった。また、旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近の越冬シギ群は午前8時頃には鋼板で囲まれた干潟内に次々に移動するのが確認できたが、その後正午頃には育成地付近に釣り人が立ち入ったことから一時的に水路や汽水池に飛来した。主なものは次のとおり。

○ミミカイツブリ         1羽(冬羽個体。午前10時頃に西渚東側堤防先端部近くの水面で見られた。ハジロカイツブリ群に混じることはなく、単独で行動していた。やや遠方であった)
○ミツユビカモメ         1羽(落鳥個体。成鳥冬羽と思われる個体であった。探鳥開始直後に葛西臨海水族園に隣接する北側周回路上で拾得した。腹部の羽毛がむしりとられ、肉もいくらか引きちぎられていた。ミツユビカモメは湾岸フィールドでは珍しく、当地での記録としては2004年3月28日、同4月4日、2006年4月22日に次ぐ4回目となる。なお、拾得個体は観察センターのレンジャーの方に届け出た)
○ミサゴ             1羽(又は2羽。東渚沖杭や旧江戸川河口付近の杭上に休止しているのが見られた)
○トビ              9羽(公園中央部上空など。午前10時過ぎに南西方面から公園中央部上空に次々に個体が進入し、帆翔しながらタカ柱を作り、高度を上げた後東北東方向に去った。わたりのようにも思える動きであった)
○ノスリ             1羽(淡水池付近。午前11時半過ぎにカラスに追われながら上空に出現したが、そのまま追われて観覧車方面に去った)
○オオタカ            1羽(若鳥。午前8時頃に汽水池北側のマツに休止しているのを確認したが、正午過ぎに同一と思われる個体が擬岩付近で狩りを行い近くのマツに休止した。)
○チュウヒ            1羽(♂と思われる個体。淡水池内に進入した)
○ミヤコドリ          26羽(東渚など。午前10時半頃に飛来しているのに気付いた。西渚干潟にも群飛して移動したりしたが、沖合い干潟にいることが多く遠方であった。ここ数年は三番瀬越冬個体群の一部が3〜4月頃に当地に飛来するのが確認されている)
○コチドリ            1羽(汽水池。午後1時頃に見られたが、オオタカに気付いたのか、しばらくして飛び去った) 
○シロチドリ          36羽(東渚など。午前9時過ぎのカウント数。西渚にも2羽が飛来していた)  
○ハマシギ         約60羽(東渚。午前10時頃のカウント数)
○アカアシシギ         1羽(水路干潟など。午前8時頃には旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近にいるのを確認したが、正午頃にはセイタカシギ群とともに水路干潟に飛来していた)
○アオアシシギ         1羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近)
○オオソリハシシギ       1羽(東渚。午前8時半頃に確認できた)
○オオハシシギ         3羽(汽水池など。午前8時頃には旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近にいるのを確認したが、正午頃には汽水池擬岩付近に飛来していた。しばらくして、オオタカの出現で飛び去ったようであった。いづれも冬羽の個体であった)
○セイタカシギ        18羽(水路干潟など。午前8時頃には旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近に12羽を確認したが、正午頃には水路干潟で18羽を見ることができた)
○アカハラ            3羽(汽水池付近など) 
○シロハラ            4羽(公園西側など)
○ツグミ            26羽(公園中央部、淡水池付近など)
○オオジュリン         30羽(淡水池周辺など) 

以上。




【2008年3月15日】

※葛西臨海公園(7:30〜13:10)
 到着時は満潮で、午前10時頃から極めてゆっくりと潮位が下がり干潟が現れた。最初に鳥類園付近を回り、その後午前10時半頃から正午近くまでは西渚観察ポイントから渚周辺の探鳥を行った。その後は公園西側・中央部を回って鳥類園に戻った。昨夜はかなりの風雨があったが、特に変わったものは見られなかった。東渚にはハマシギ・シロチドリ群は飛来せず、セグロカモメ類も20羽前後で少なかった。また、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、スズガモは多かった。、なお、ツリスガラを再度確認することができた。主なものは次のとおり。

○ウミアイサ           6羽(すべて♀タイプ。旧江戸川河口や東渚付近の他、西渚観察ポイント付近でも見られた)
○トビ              1羽(荒川河口付近。正午頃にかなり遠方を旋回しているのが見られた)
○チュウヒ            2羽(又は3羽。♀と思われる個体は午前9時前に淡水池上空に進入してきた他、東渚アシ原を舞っているのが見られた。また、午前11時過ぎには東渚干潟上でセグロカモメと鳥の死肉と思われるものを争っているのが見られた。♂と思われる個体は正午過ぎに汽水池上空に進入し、帆翔して高度を上げた後に南西方向に去った)
○アカアシシギ         1羽(午前8時頃に旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近にいるのが確認できた。セイタカシギ群、オオハシシギ群とともに行動しているようであった。なお、これまで確認できていたアオアシシギは確認できなかった)
○オオハシシギ         3羽(午前8時頃に旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近にいるのが確認できた)
○セイタカシギ        21羽(午前8時頃に旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近に群を確認することができた。次第に群の個体数が多くなってきており、当地でセイタカシギの集結が始まっているように思われた)
○カワセミ            2羽(淡水池、汽水池)
○タヒバリ            2羽(渚周辺)
○ジョウビタキ          1羽(♀タイプ。汽水池北側周回路)
○アカハラ            1羽(淡水池付近など) 
○シロハラ            4羽(汽水池、公園中央部など)
○ツグミ            32羽(公園中央部、淡水池付近など)
○ツリスガラ           6羽(淡水池。午前9時前に淡水池西側アシ原で採餌している小群を見つけた。その後も西側アシ原付近にいたが、午前9時半頃に揃って飛び出し淡水池北側アシ原方面に移動し、確認できなくなった。採餌中に同時に確認できたのは最大3羽であったが、飛び出し時に6羽の群であることが確認できた)
○オオジュリン         40羽(淡水池、汽水池周辺など) 

以上。

【2008年3月16日】

※葛西臨海公園(7:30〜12:40)
 本日は潮汐の干満が1回づつのみであった。到着時は午前4時頃の満潮が過ぎ、午後7時半の干潮に向けて潮位の下降は極めて緩慢であった。正午頃になって東渚干潟もようやくかなり大きく広がった。最初に鳥類園で探鳥し、午前9時半頃から午前11時頃まで西渚観察ポイントから渚周辺の探鳥を行った。その後は公園中央部を回って鳥類園に戻り汽水池付近で探鳥した。昨日に比べると、猛禽類も目立ち、比較的多くの種類を確認できたが、特に変わったものは見られず、ツリスガラについても確認することはできなかった。なお、昨日に続いて好天で暖かくなってきたことからサクラ類の花芽もようやくふくらんできていた。主なものは次のとおり。

○ミミカイツブリ         1羽(冬羽個体。午前10時頃に西渚東側堤防先端部近くの水面で見られた。首付近がやや褐色味を帯びてきていたが、ほとんど冬羽のままであった。なお、午前10時半頃にカンムリカイツブリ群から離れて沖合いに移動するアカエリカイツブリと思われる個体が見られたが断定するには遠方であった)
○ウミアイサ           2羽(♀タイプのみ。旧江戸川河口付近)
○ミサゴ             1羽(又は2羽。旧江戸川河口付近の杭上に休止したり、東渚上空や水路上空に飛来するのが見られた。干潟上に舞い降りていたカモメ類を飛び立たせたりしていた)
○ハヤブサ            1羽(成鳥。午前8時頃から東渚舞浜側堤防の構造物上に休止しているのが見られた)
○チュウヒ            2羽(又は3羽。水路を越えて淡水池内に進入しアシ原内の低木上に休止したりする個体が見られた。また、東渚アシ原や干潟上を飛び回ってカモメ類を飛び立たせたりしていた)
○シロチドリ          12羽(東渚。午前8時頃のカウント数)  
○ハマシギ           40羽(東渚。午前8時頃のカウント数。なお、群飛も見られ、トウネン類と思われる小型種が2羽混じっているように思われた)
○アオアシシギ          1羽(水路周辺。午前9時前に汽水池南側の水路上空を鳴きながら飛び回り、最終的には東渚干潟方面に去った。昨日確認できなかったアオアシシギを確認することができた)
○オオハシシギ          3羽(午前8時頃に旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近にいるのを確認した。なお、アカアシシギは確認できなかった)
○セイタカシギ         30羽(東渚水路側に集結していることが多かったが、一部が旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近に移動したり、午前11時半には汽水池にも飛来したが、周辺を群飛した後飛び去ってしまった。このことからオオタカがまだ留まっているものと思われた。なお、羽数が日を追って多くなってきており集結が始まっているものと思われた)
○カワセミ             1羽(汽水池擬岩付近。午前8時半頃に見られた)
○タヒバリ             2羽(渚周辺)
○ジョウビタキ           4羽(♀タイプのみ。淡水池南側など)
○アカハラ             3羽(公園中央部など) 
○シロハラ             3羽(汽水池付近など)
○ツグミ              24羽(公園中央部、淡水池付近など)
○キクイタダキ           2羽(汽水池南側マツ林。一時的にはシジュウカラやメジロと混群を形成していた。引き続き越冬しているものと思われる) 
○オオジュリン           32羽(淡水池周辺など) 

以上。


【2008年3月22日】

※葛西臨海公園(8:00〜13:10)
 到着時は既に潮位が下がり干潟が大きく広がり始めているところであった。午前11時半頃の干潮時には東渚沖合いにも浅瀬が出現した他、旧江戸川河口干潟、カキ礁、水路干潟も現れた。最初にな淡水池南端付近を回った後、早めに開門された西渚に入って西渚観察ポイントから渚周辺の探鳥を行った。その後は公園西側・中央部を回って鳥類園に戻った。この2日ほど東京湾岸でも北東からの強風が吹いていたが、特に変わったものは見られなかった。大型カモメ類は約40羽で、遠方ながらシロカモメを確認できた。主なものは次のとおり。

○ウミアイサ          13羽(すべて♀タイプと思われた。西渚観察ポイント付近で1羽が見られた他、正午頃には小群が旧江戸川河口付近の干潟に上がって休んだりカキ礁付近で採餌する群が見られた)
○シロカモメ           1羽(成鳥と思われる個体。午前10時過ぎに東渚沖合いの水面に浮かんだり、短く飛翔したりしているのが見られた。距離は300m以上あったが、飛翔時のパターンを確認できたので同定は問題ないものと思われた。今季当地でシロカモメを確認したのは初めてであった)
○ミサゴ             1羽(旧江戸川河口、東渚付近。午後1時頃には棒杭上で魚を捕食していた) 
○トビ              1羽(汽水池上空。午前11時頃に飛来し、水路方面に去った)
○チュウヒ            2羽(♀と思われる個体は、渚周辺をよく飛翔し東渚アシ原上の他、西渚水面上や旧江戸川河口にも進入していた。旧江戸川河口では干潟に舞い降りた。♂と思われる個体は午前10時半頃に淡水池北側アシ原に降りていた)
○コチドリ            4羽(汽水池。正午頃に見られた)
○シロチドリ          34羽(西渚など)
○ハマシギ           2羽(西渚など。群の飛来は確認できなかった)    
○オオハシシギ         3羽(汽水池擬岩付近。正午頃に飛来したようであった。旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近で越冬していた小群と思われる。わずかに換羽が始まっているようであった。なお、ともに越冬していたアオアシシギとアカアシシギは確認できなかった)
○セイタカシギ        24羽(午前11時半頃に水路干潟で見られた。午後1時頃には旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近に戻ったり、東渚北側堤防の水路側で休む小群が見られた)
○カワセミ            2羽(淡水池、汽水池)
○ジョウビタキ          3羽(♀タイプのみ。淡水池付近など)
○アカハラ            1羽(公園中央部) 
○シロハラ            2羽(公園西側など)
○ツグミ            38羽(公園中央部、淡水池付近など)
○キクイタダキ          3羽(午後1時過ぎに葛西臨海水族園に隣接する北側周回路のマツ林で見られた。複雑な声でさえずっていた)
○オオジュリン         32羽(淡水池、汽水池周辺など)

以上。



オオハシシギ(ほぼ成鳥冬羽の個体)
2008年3月22日
葛西臨海公園(汽水池)


【2008年3月23日】

※葛西臨海公園(7:30〜13:10)
 到着時は満潮を過ぎて干潟が大きく広がり始めているところで、正午頃の干潮時には東渚沖合いにも干潟が出現した。最初に渚橋護岸から水路周辺を回り、午前9時前から午前10時過ぎまで西渚観察ポイントにて渚周辺の探鳥を行った。その後は公園中央部を回って鳥類園に戻り探鳥した。特に変わったものは見られなかったが、運よくツリスガラを再確認することができた。なお、カモメ類は比較的多く、ユリカモメも1000羽近くが見られ、沖合い干潟が出現した際にはさらに多くなっていたが観察条件が悪く特に変わったものは確認できなかった。主なものは次のとおり。

○ミミカイツブリ         1羽(冬羽個体。午前9時半頃に西渚水面内に進入してきたハジロカイツブリ群中に見られた)
○ウミアイサ           9羽(♀タイプのみ。西渚水面など。旧江戸川河口付近で6羽が見られた他、西渚のスズガモ群中にも2羽が見られた)
○ミサゴ             1羽(東渚棒杭上。午前8時過ぎに、とらえた魚を採食しているのを見ることができた)
○トビ              1羽(午前11時半頃に汽水池上空を東方向に通過した)
○チュウヒ            2羽(♀タイプは東渚アシ原上や干潟上を比較的頻繁に飛び回っていた。午前9時過ぎには干潟に降りてセグロカモメ損傷個体と死肉を争っていた。♂個体は午前11時頃に淡水池内を舞ったり降りたりするのが見られた)
○オオタカ            1羽(若鳥。午前11時半頃に汽水池北側のマツに休止しているのが見られた。まだ留まっているようである)
○ミヤコドリ          54羽(東渚など。午前8時過ぎに9羽の群が飛来した後、次々に飛来して羽数が多くなり、午前10時過ぎには54羽をカウントした。一時的に西渚や沖合い干潟にも移動していた。いただいた情報によると80羽前後が確認されたとのことであった)
○コチドリ             6羽(汽水池。正午頃に確認した) 
○シロチドリ           4羽(西渚など。堤防上にも見られた)  
○ハマシギ            4羽(東渚。午前9時頃のカウント数。このところ、まとまった群の飛来は見られない状況が続いている)
○セイタカシギ         22羽(水路干潟など。東渚水路側堤防に集結していたが、正午頃には水路干潟に飛来した。なお、ともに越冬中であったオオハシシギ、アカアシシギ、アオアシシギはいづれも確認できなかった)
○カワセミ            1羽(汽水池擬岩付近)
○ジョウビタキ          2羽(♀タイプのみ。淡水池南側など)
○アカハラ            1羽(公園中央部) 
○シロハラ            2羽(汽水池付近など)
○ツグミ            36羽(公園中央部、淡水池付近など)
○キクイタダキ         2羽(汽水池南側マツ林。引き続き留まっているものと思われる) 
○ツリスガラ           6羽(淡水池東側アシ原。淡水池に回った午前10時半頃に運よく見ることができた。よく鳴いていたが採餌中の姿が同時に確認できたのは2羽のみであった。午前11時頃に鳴いて観察ポイント上空に舞い上がりかなり高いところを群飛したが、最終的には東渚方面に去った) 
○オオジュリン         24羽(淡水池、汽水池周辺など。オオジュリンも東渚と行き来する個体がかなり見られた。また、護岸付近の貧相なアシ原でも3羽が見られた) 

以上。


アカハラ(♂成鳥と思われる個体)
2008年3月23日
葛西臨海公園(公園中央部)
落ち葉をかき分けて虫類を採取しており、クモを採食するのが確認できた。


ツリスガラ(♀と思われる個体)
2008年3月23日
葛西臨海公園(淡水池東側)

【2008年3月29日】

※葛西臨海公園(8:00〜13:00)
 到着時は満潮を過ぎて干潟が広がり始めているところであった。最初に渚橋護岸から水路沿いに鳥類園を回った後淡水池付近で探鳥した。午前11時頃からは西渚観察ポイントにて渚周辺の探鳥を行ったが、北風が思いのほか強く寒かったことから公園中央部を回って鳥類園に戻り切り上げた。運よくクロツラヘラサギを見ることができた他、ツリスガラも確認することができたが、他には特に変わったものは見られなかった。カモメ類はセグロカモメ類が約40羽集結し、カモメも比較的見られ、ユリカモメも1000羽近くが集結していたが観察条件もあり特に変わったものは確認できなかった。なお、我々は確認できなかったが、オオタカも引き続き汽水池付近に留まっているということであり、汽水池は閑散としていた。また、全体的に冬鳥が少なくなってきた印象であった。主なものは次のとおり。

○ウミアイサ           1羽(♀タイプのみ。旧江戸川河口付近)
○トビ              1羽(午前9時過ぎに荒川河口上空付近で見られた)
○チュウヒ            1羽(♀タイプが午前10時過ぎに東渚アシ原上や干潟上を飛び回っていた。帆翔するのも見られた)
○ハヤブサ            1羽(成鳥。午前9時頃に東渚舞浜側堤防付近を飛び回っていた)
○ツバメ             4羽(護岸付近など。今季初認)
○クロツラヘラサギ        1羽(成鳥夏羽と思われる個体。午前8時過ぎに東渚舞浜側堤防先端部の棒杭上に休止しているのが見られた。午前9時過ぎに棒杭を移動した後、午前9時半頃に飛び立って東渚南東の海面上空で羽ばたきを交えながら帆翔して高度をどんどん上げ最後は見えなくなった。最短でも500m以上の距離があったことから細部の観察はできなかったが、長い冠羽と胸の黄金色が何とか確認できた。なお、いただいた情報によると、3月26日から見られているとのことであった。また、当地を飛び去った後に行徳野鳥保護区でも本種が確認されたとの情報もいただいた。当地でのクロツラヘラサギの春の記録は、2005年(5月3日)、2006年(4月16日)、2007年(4月7日)となっており、記録上は当地への飛来が早まってきているように思われる)
○コチドリ             3羽(汽水池、水路護岸) 
○ハマシギ           32羽(東渚。正午過ぎになってようやく小群が飛来しているのが確認できた)
○アオアシシギ          1羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。セイタカシギ群などとともに休んでいた)
○オオハシシギ          3羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。セイタカシギ群とともに休んでいた。なお、アカアシシギは確認できなかった)
○セイタカシギ         27羽(水路干潟など。午前9時頃には旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近で24羽が休んでいるのが見られた。その後潮位の低下に伴い水路干潟に飛来していた)
○タヒバリ             2羽(西渚護岸)
○アカハラ            1羽(公園中央部) 
○シロハラ            1羽(公園西側)
○ツグミ            20羽(公園中央部、淡水池付近など)
○ツリスガラ           3羽(淡水池東側アシ原。午前10時頃に見ることができた。北風がやや強かったことからアシ原内から余り出てこなかった) 
○オオジュリン         12羽(淡水池で6羽がみられたが、少なくなってきていた。また、東渚堤防の海苔の付着した岩で採餌する小群も見られた) 

以上。

クロツラヘラサギ(成鳥夏羽と思われる個体)
2008年3月29日
葛西臨海公園(東渚)





【2008年3月30日】

※船橋三番瀬海浜公園(7:50〜9:20)
 久しぶりに三番瀬を訪問して探鳥した。到着時はほぼ満潮であったが、潮位がそれほど高くなかったことから干潟はわずかに残っていた。正面干潟から船橋側堤防水面を中心に探鳥した。特に変わったものは見られなかったが、ミヤコドリの大群やビロードキンクロなどいくらかの冬鳥を見ることができた。また、沖合いのスズガモも大群となっていたがウミアイサは少なくなっていた。セグロカモメ類は約40羽が堤防上で休んでいたが変わったものは見つけられなかった。ユリカモメは200羽前後で少なかった。主なものは次のとおり。

○ビロードキンクロ       1羽(成鳥♂、この数年飛来している個体と思われる。船橋側堤防内水面で採餌行動を取っており、比較的近距離で見られた) 
○ウミアイサ          24羽(♂3羽も確認できた。集結の時季が少し過ぎてしまっていたようで少なめであった)
○ツバメ             2羽(後背草地)
○ミヤコドリ         164羽(午前8時頃のカウント数。船橋港側堤防上の比較的近いところに休んでいたが、堤防内に釣り人が入ったことからより遠方の堤防に移動してしまった)
○ハジロコチドリ         1羽(成鳥冬羽と思われる個体。正面干潟。シロチドリ群と行動をともにしていた) 
○シロチドリ           8羽(正面干潟)
○ダイゼン           18羽(防護ネット上などで休んでいた)  
○ハマシギ          126羽(防護ネット上などで休んでいた。夏羽に換羽中と思われる個体もいくらか見られた)
○ミユビシギ           1羽(正面干潟。冬羽個体であった)
○タヒバリ            1羽(後背地)
○ツグミ             4羽(後背地など)

以上。

ビロードキンクロ(♂成鳥)
2008年3月30日
船橋三番瀬海浜公園(船橋港側堤防内水面)
左後方はウミアイサ