2008年11月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑

【2008年11月3日】

※葛西臨海公園(7:30〜13:10)
 到着時は満潮。最初に公園西側・中央部を経由して水路護岸を回った後、西渚観察ポイント付近からの渚周辺の探鳥を約1時間ほど行った。その後は汽水池周辺を中心に鳥類園で探鳥した。渚周辺は水鳥の数がさらに多くなってきており、ハマシギ・シロチドリ群も大群となっていた。特に変わったものは見られなかったが猛禽類をはじめ比較的多くの種類を見ることができた。ツリーという声を出しながら移動するツグミ類も10羽以上見られたが同定できなかった。小鳥類も多くなってきているとのことであったが、特に変わったものは確認できなかった。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ       18羽(渚周辺。越冬個体群の小群が飛来していたものと思われた)
○ハジロカイツブリ         7羽(東西渚間水路。冬羽個体)
○オシドリ             1羽(淡水池。♂エクリプス個体。褐色味を帯びた羽が目立ったことから若鳥ではないかと思われた。なお、昨日は成鳥♂♀のペアが見られたとのことであった) 
○ミツユビカモメ          1羽(成鳥冬羽。午前9時半頃に東渚西側堤防先端部テトラポットに集結したユリカモメ・ウミネコ群中に見られた。残念ながら、すぐに反対側に移動したようで見えなくなった)
○ミサゴ              2羽(西渚、旧江戸川河口付近など。午前8時過ぎに西渚棒杭上に休止して魚を採食している個体が見られた。また、これとは別と思われる♀タイプ個体が旧江戸川河口や東渚周辺で見られた。この個体は午後1時頃に東渚付近で魚を捕らえ、オオセグロカモメやユリカモメに追われたものの旧江戸川河口の棒杭上に移動し採食した) 
○チュウヒ             1羽(汽水池、東渚。正午過ぎに西方向から汽水池上空に飛来した。カラスのモビングを受けたが上空を行き来した後、東渚方面に去った。また、これと同一と思われる個体が午後1時頃には東渚アシ原上を長い時間舞った)
○オオタカ             1羽(又は2羽。汽水池など。若鳥。正午頃に汽水池西側のサクラの枝に休止しているのが見られた。一時的にカケスにモビングされ、その後マツの枝に移動した。また、午後1時頃には東渚アシ原上を移動する個体が見られたが、この個体はハヤブサやチュウヒに執拗に追われアシ原内に消えた)
○ハヤブサ             1羽(成鳥。東渚アシ原上空。午後1時頃にアシ原上空を飛翔したオオタカにチュウヒが絡んだが、それに加わるように上空に出現し、急上昇・急降下を数回繰り返しオオタカを追い出そうとした) 
○シロチドリ         約200羽(東渚。午後1時頃の一部カウントしたうえでの推計数)
○トウネン              2羽(水路護岸。幼鳥から冬羽に換羽中と思われる個体。ハマシギ群とともに採餌していた。10m前後の近距離で観察できた)
○ヨーロッパトウネン         1羽(水路護岸。成鳥冬羽。ハマシギ群やトウネンとともに採餌していた)
○ハマシギ         約1000羽(東渚など。午後1時頃の一部カウントしたうえでの推計数。一部視界が遮られまた落ち着かなかったことから、きちんとカウントできなかった。群飛の際の目算では1500羽以上の群となっていたものと思われた。また、午前中は水路護岸にも14羽が飛来していた) 
○アオアシシギ            3羽(汽水池など。オオタカのせいか落ち着かず、鳴きながら汽水池と東渚を行き来するのが見られた。なお、オオハシシギは確認できなかった)
○タシギ               2羽(汽水池。いわゆる中土手で休んでいた)
○セイタカシギ            8羽(東渚水路側堤防。汽水池では見られなかった。オオタカのせいで避難していたものと思われた)
○ダイシャクシギ           1羽(東渚西側堤防先端部テトラポットでユリカモメやウミネコとともに休んでいたが、午前9時半頃には東渚干潟に移動した)
○カワセミ              1羽(汽水池) 
○ジョウビタキ            3羽(♀タイプのみ。公園中央部や淡水池南側で見られた)
○イソヒヨドリ            1羽(♂成鳥。水路護岸付近。午前8時過ぎに見られた。水浴を行った)
○オオジュリン           3羽(淡水池付近など。アシ原に潜り込んでしまうことが多かった)
○カケス              3羽(汽水池南側樹林地)

以上。


【2008年11月15日】

※葛西臨海公園(7:30〜13:20)
 到着時は満潮を過ぎて潮位が下がり始めているところであった。最初に公園中央部を経由して渚橋護岸付近を回った後、いったん公園西側に向かい、午前9時半過ぎから再び渚周辺で約1時間ほど探鳥した。その後は汽水池周辺を中心に探鳥した。渚周辺は水鳥の数が多くなってきているようで、カンムリカイツブリの数は100羽を超えていた他カモ類も普通種はひととおり見られた。また、ツグミ類も視認できるようになってきていた。主なものは次のとおり。

○ミミカイツブリ          2羽(西渚東側堤防先端付近。いずれも冬羽個体。午前10時半頃に同時に2羽を確認できた)
○ミサゴ              1羽(東渚、旧江戸川河口付近など。午前10時過ぎに飛来し、長い時間東渚棒杭上に休止していた) 
○チュウヒ             1羽(東渚。午前7時半過ぎに東渚アシ原上を舞っているのが見られた)
○シロチドリ        約150羽(東渚。午前10時過ぎのカウント数)
○トウネン             3羽(水路護岸。成鳥冬羽と思われる個体が2羽、幼鳥から冬羽に換羽中と思われる個体が1羽。ハマシギ群とともに採餌していた。午前7時半過ぎにはトウネン2羽がハマシギと採餌していたが、午前9時半過ぎにはトウネン3羽とヨーロッパトウネン1羽の合計4羽がハマシギ群とともに採餌していた。近距離で観察できた)
○ヨーロッパトウネン       1羽(水路護岸。成鳥冬羽。ハマシギ群やトウネンとともに採餌していた)
○ハマシギ         約700羽(東渚など。午前10時過ぎのハマシギ・シロチドリ混群のカウント数は852羽であった。水路護岸にも12羽が飛来した) 
○アオアシシギ           4羽(汽水池など。淡水池でも見られた他、渚周辺でも鳴き声が聞かれた)
○オオハシシギ           1羽(汽水池。成鳥冬羽と思われる個体)
○タヒバリ              2羽(中央部緑地と西渚観察ポイント付近で各1羽)
○ジョウビタキ            2羽(♀タイプのみ。淡水池南側など)
○シロハラ              4羽(成鳥♂など。クスノキの果実などを採食しており、ヒヨドリに対し追い出し行動などを取っていた。アカハラは視認できなかった)
○ツグミ               8羽(淡水池や公園中央部。飛び回っているのが見られたり高木の枝に小群が休止しているのも見ることができた) 
○ヤマガラ              2羽(公園西側)
○クロジ               1羽(公園西側、♀タイプのみ)
○オオジュリン            6羽(淡水池付近。アシ原に潜り込んでしまうことが多く、じっくりと見ることはできなかった)
○ウソ                2羽(公園西側。午前9時頃に鳴き声がよく聞かれたが、我々は姿を視認することはできなかった。いただいた情報によると♀2羽が飛来しているとのことであった)   
○シメ                1羽(公園西側)

以上。


【2008年11月23日】

※葛西臨海公園(7:20〜15:00)
 到着時は干潮で、その後徐々に潮位が上がり、午後2時頃に満潮となった。最初に公園中央部を経由して鳥類園を回った後、午前10時過ぎから西渚観察ポイント付近で渚周辺の探鳥を行った。その後正午過ぎから公園西側に向かったが、サンカノゴイの情報をいただいたことから、再度鳥類園に向かい午後3時頃まで汽水池付近を中心に探鳥した。しかし、サンカノゴイを確認することはできなかった。渚周辺は水鳥の数が多くなってきており、カンムリカイツブリの数は500羽を超え、ハジロカイツブリも500羽を超える大群が西渚水面内に進入してきていた。カモ類、カモメ類も普通種はひととおり見られた。猛禽類や小鳥類も見られたが、ツグミ類はまだ少なかった。主なものは次のとおり。

○ミミカイツブリ          1羽(冬羽個体。午前11時頃から東西渚間水路で盛んに採餌しているのが近距離で観察できた。カニ類の他、シマイサキと思われる小魚も捕食していた)
○ホオジロガモ          1羽(♀と思われる個体。午後2時半頃に水路内の東渚堤防寄りで採餌行動を取っているのが見られた) 
○ミサゴ              1羽(午後2時過ぎに旧江戸川河口付近の棒杭上に休止し捕らえた魚を採食しているのが見られた) 
○チュウヒ             2羽(東渚など。午前7時半過ぎに頭部の白い個体が東渚から西渚上空を通過し若洲海浜公園方面に移動するのが見られた。また、これとは別個体が午前8時頃に東渚アシ原上を舞っているのが見られた。なお、我々は確認できなかったが、淡水池アシ原にも1羽が舞い降り、時々飛翔していたとのことであった)
○オオタカ             1羽(♂成鳥と思われる個体。午前9時半頃から汽水池北側マツ周辺で見られた。午前10時頃にキジバトを襲ったようであったが、その後は見えなくなった)
○ハイタカ             1羽(午後2時頃に淡水池北側樹林地上空に飛来したが、葛西臨海水族園方向に去ったようで見えなくなった。大きさと羽ばたきからハイタカと判断したが短時間見られたので、確実な同定はできなかった)
○ハヤブサ             1羽(午後3時前に東渚沖合いの棒杭上に休止しているのが見られた。観察条件が悪かったが若鳥のように思われた)
○チョウゲンボウ          1羽(駅前周辺。午前7時半頃にムクドリ群を襲ったが成功せず京葉線高架を越えて北方向に去った)
○ミヤコドリ             1羽(東渚。干潟内カキ礁付近。午前8時頃に1羽のみ確認できた)
○シロチドリ           約80羽(東渚。午前9時半頃のカウント数)
○ハマシギ            758羽(東渚。午前9時半頃のカウント数) 
○アオアシシギ            3羽(汽水池)
○タシギ               5羽(汽水池)
○オオハシシギ           1羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。午後2時過ぎにセイタカシギ群とともに育成地の鋼板上に休止しているのが確認できた。オオタカの出現のために、例年のように対岸に移動し始めたものと思われる)
○セイタカシギ            4羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近など。午後2時過ぎに1羽のみ旧江戸川を横断して汽水池に入った) 
○カワセミ              1羽(♂成鳥と思われる個体。汽水池)
○タヒバリ              1羽(西渚観察ポイント付近)
○ジョウビタキ            6羽(♂1羽♀タイプ5羽。鳥類園内に多かった。♂が追いかけ回されるのが見られた)
○アカハラ              1羽(公園中央部。飛翔するのが見られたのみでじっくりと見ることはできなかった)
○シロハラ              2羽(成鳥♂など。公園西側)
○ツグミ               2羽(公園中央部など) 
○ヤマガラ              2羽(公園中央部。エゴノキの果実に飛来していた)
○エナガ               1羽(汽水池南側樹林地。シジュウカラ、メジロ群に混じっていた)
○オオジュリン          約20羽(淡水池付近。飛び出しては東渚アシ原に移動するのが見られた。淡水池アシ原内に潜り込んでしまうことが多く、じっくりと見ることができた個体は少なかった)

以上。


【2008年11月29日】

※葛西臨海公園(7:20〜13:20)
 到着時は満潮で、その後徐々に潮位が下がり正午前に干潮となったが、潮位は比較的高かった。最初に水路護岸付近で探鳥し、その後鳥類園を回り、午前10時半頃から西渚観察ポイント付近で渚周辺の探鳥を行い、最後に公園西側を回って切り上げた。ズグロカモメを今季初認できた他、猛禽類も比較的見られたが、特に変わったものは見られなかった。ツグミ類は多くなってきているようで、芝生上で採餌するツグミの小群が見られた他、トラツグミの情報もあった。主なものは次のとおり。

○ミミカイツブリ          1羽(冬羽個体。東西渚間水路)
○ホオジロガモ          5羽(♀タイプのみ。水路内や旧江戸川河口付近で見られた。このうち、水路内の♀は東渚堤防に上がって休んだことからミズカキまでよく観察することができた)
○ウミアイサ            4羽(♀タイプのみ。旧江戸川河口付近や東渚干潟近くの水面で見られた)
○ズグロカモメ           3羽(成鳥1羽、幼鳥2羽。水路護岸付近など。午前7時半過ぎに、葛西臨海水族園と船着場の中間付近の舗装路面に舞い降りた幼鳥を見つけた他、水路護岸周辺に飛来した成鳥や東渚を中心に飛び回っている幼鳥を確認した。成鳥は西渚干潟にも時折飛来した)  
○ミサゴ              1羽(♀タイプと思われる個体。旧江戸川河口や東渚干潟内で見られた。頻繁に移動しているようであったが、旧江戸川河口付近の棒杭上では捕らえた魚を採食していた)
○トビ               1羽(荒川河口方面上空。若洲海浜公園付近から一時的に飛来したようであった。中央防波堤埋立地方面には50羽前後が舞っているのが見られた) 
○チュウヒ             2羽(東渚、淡水池)
○オオタカ             1羽(若鳥と思われる個体。午前9時前に汽水池擬岩付近を飛び回った後、擬岩付近のマツに潜んだが、その後淡水池方面に移動した。いただいた情報によると、もう1羽見られたとのことであったが、先週見られた成鳥は確認すぅることはできなかった)
○ハヤブサ             1羽(又は2羽。いずれも成鳥。午前9時半過ぎに葛西臨海水族園上空でドバトを追いかけていたが、急降下して見えなくなった。東渚では成鳥と思われる個体が舞浜側堤防上に休止したり、アシ原に近い棒杭上にミサゴを追い出して休止し羽繕いなどを行うのが観察できた)
○シロチドリ           26羽(東渚。正午頃のカウント数)
○ハマシギ           604羽(東渚。正午頃のカウント数。猛禽類のためか、午前10時半頃はシギ・チドリ類は全く見られなかったが徐々に飛来した) 
○アオアシシギ           3羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地)
○オオハシシギ          1羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。午前9時頃にセイタカシギ群、アオアシシギ群とともに育成地の鋼板上に休止しているのが確認できた)
○セイタカシギ           4羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近) 
○カワセミ             1羽(汽水池)
○タヒバリ             2羽(西渚観察ポイント付近。午前11時半頃に堤防水際に飛来しそうになったが、舞い降りることはなく、若洲海浜公園方面に去った)
○ジョウビタキ           4羽(♀タイプのみ。公園中央部など)
○アカハラ             1羽(公園中央部。芝生上のツグミ群に混じった)
○シロハラ             1羽(公園西側)
○ツグミ              8羽(公園中央部など。芝生上で採餌する小群も見られた) 
○エナガ              1羽(汽水池南側樹林地)
○オオジュリン         約10羽(淡水池付近。淡水池アシ原内に潜り込んでしまうことが多く、じっくりと見ることができた個体は少なかった)

以上。



【2008年11月30日】

※葛西臨海公園(7:20〜12:00)
 到着時は満潮で、その後徐々に潮位が下がり正午過ぎに干潮となったが、潮位は比較的高かった。最初に公園西側から水路護岸にかけて探鳥し、その後鳥類園を回り、正午前に公園西側を回って切り上げた。好天であったが鳥の数は多くはなく、特に水路周辺は減少していた。西渚観察ポイント付近からの渚周辺の探鳥は行わなかった。主なものは次のとおり。

○ミミカイツブリ          1羽(冬羽個体。東西渚間水路。船着場付近の遠方から確認した。ハジロカイツブリとは離れて採餌していた)
○ホオジロガモ          3羽(♀タイプのみ。水路、旧江戸川河口付近)
○ウミアイサ           8羽(♀タイプのみ。旧江戸川河口付近)
○ズグロカモメ          1羽(成鳥1羽。水路護岸付近。午前8時半頃に水路護岸に飛来してカニを採餌している成鳥を確認することができたが、他の個体は確認できなかった)  
○ミサゴ              1羽(午前8時半過ぎに東渚上空に飛来していた)
○トビ               1羽(旧江戸川河口上空。午前10時半頃に若洲海浜公園方面から東渚上空に飛来し、旧江戸川河口付近を水路交差点付近まで迫った後、舞浜駅方面に去った) 
○チュウヒ             1羽(淡水池。このところ淡水池内にいることが多く、本日も上空を舞っては降りることを繰り返した。午前9時半頃には中央部の島に下りてしばらく休んでいた)
○ハヤブサ             1羽(成鳥と思われる個体。午前7時半頃に観覧車東側上空を通過して荒川河口橋方面に移動するのが見られた)
○シロチドリ           52羽(東渚。午前9時頃に舞浜側堤防で休んでいるのが確認できた)
○アオアシシギ           3羽(汽水池など。午前8時半頃には淡水池中央の島部に揃って休んでいたが、チュウヒが舞ったことから汽水池移動した。いずれも若い冬羽個体のように思われ、水浴し羽繕いを行う個体も見られた
○オオハシシギ          1羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。午前8時半頃にセイタカシギ群とともに育成地の鋼板上に休止しているのが確認できた)
○セイタカシギ           5羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近) 
○カワセミ             1羽(淡水池)
○タヒバリ             1羽(水路護岸)
○ジョウビタキ           4羽(♀タイプのみ。公園中央部など)
○シロハラ             3羽(公園西側など。視認できた個体は少なかった)
○ツグミ              6羽(公園中央部など) 
○ヤマガラ             2羽(公園西側)
○オオジュリン         約10羽(淡水池付近)

以上。