2007年7月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑


【2007年7月1日】

※葛西臨海公園(7:30〜11:10)
 到着時は徐々に潮位が下がり干潟が広がり始めているところで、午前10時過ぎからは旧江戸川や東渚周辺のカキ礁や沖合いの広大な干潟も現れた。最初に渚橋付近で探鳥しその後鳥類園に回った後、午前9時半頃から西渚観察ポイントから渚周辺の探鳥を行った。基本的には先週と違いはなく、カワウ、ウミネコの大群の他に、オオセグロカモメ・ユリカモメ越夏群が目立ち、ズグロカモメも留まっていた。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ       2羽(又は3羽。夏羽個体。渚周辺。午前8時頃には1羽が水路内に進入してきていた)
○ズグロカモメ          1羽(若鳥。第1回夏羽と思われる個体。東渚干潟上。先週から確認されている個体と思われる。ユリカモメ越夏群と混じることはなく干潟上で採餌行動を取っているようであった)
○コアジサシ         52羽(渚周辺。午前10時頃のカウント数)
○ヒメアマツバメ         2羽(観察センター付近など)
○イワツバメ           1羽(淡水池周辺。ツバメ群に混じって一時的に見られた)
○ヨシゴイ            1羽(午前9時過ぎに淡水池上空を飛翔するのが見られたが、その後しばらくして淡水池内から飛び出し、水路を越えて東渚アシ原に飛翔移動するのが見られた)
○ミヤコドリ          18羽(東渚など。午前10時頃のカウント数。東渚干潟、旧江戸川河口付近のカキ礁上などで見られた他、沖合い干潟にも散らばって採餌していた)
○コチドリ            2羽(汽水池、水路護岸)
○シロチドリ          12羽(東渚など。西渚干潟にも一時的に3羽が飛来した)
○キアシシギ          3羽(東渚。午前10時半頃にチュウシャクシギ群近くに飛来したのを見ることができた)
○チュウシャクシギ       9羽(東渚など。午前10時半頃のカウント数。午前8時頃に若洲海浜公園方面から8羽の群れが飛来したのが見られた。その後は、一時的に旧江戸川河口方面に移動したり干潟上を歩き回りながらカニを採取しているようであった。越夏群と思われる)
○ダイシャクシギ         1羽(東渚。2回ほど飛翔するのを見ることができた)
○セイタカシギ          6羽(汽水池など。淡水池でも見られたが、東渚では確認できなかった。雛3羽は見られなかったが、いただいた情報によると無事に成長しているとのことであった)
○カワセミ            1羽(淡水池)

以上。


【2007年7月7日】

※葛西臨海公園(8:50〜13:20)
 到着時はほぼ満潮で、潮位がかなり上がっているところであった。狭まった干潟には水鳥が集結していた。最初に渚橋をわたって西渚観察ポイントに向かい渚周辺の探鳥を約1時間ほど行った後鳥類園に回ったが、正午前には再び西渚観察ポイントから渚周辺の探鳥を行った。大きな変化はなかったが、今季ようやくカラシラサギを確認することができた他、巣立ち後まもないと思われるハヤブサが見られた。また、ズグロカモメも引き続き留まっていた。主なものは次のとおり。

○ズグロカモメ          1羽(若鳥。第1回夏羽と思われる個体。東渚干潟上。午前9時半頃には狭まった干潟上で休んでいた。正午過ぎからは干潟上を飛翔して採餌行動を取っていた)
○アジサシ            1羽(成鳥夏羽と思われる個体。東渚の汀線沿いを飛んでコアジサシとともに採餌行動を取っていた。干潟上にも降りた)
○コアジサシ         22羽(渚周辺。正午過ぎのカウント数)
○ハヤブサ            1羽(幼鳥と思われる個体。午後1時近くになって東渚上空に出現し、中央丘付近を飛びまわっては水鳥の群れを追い散らしていた。干潟上にも降りたが、それほど機敏な動きには感じられなかった。個体としては大きく、色調などからみて巣立ち後まもない、♀幼鳥ではないかと思われた)
○ヒメアマツバメ         4羽(観察センター付近、渚橋付近)
○イワツバメ           4羽(駅付近、淡水池周辺)  
○ヨシゴイ            2羽(午前11時頃に淡水池付近から飛び出し水路を越えて東渚アシ原に飛翔移動する個体が続けて見られた)
○カラシラサギ          1羽(成鳥夏羽と思われる個体。午前9時頃に西渚干潟東端部にいたシラサギ群中にいるのを見つけた。その後、通行人に驚いて西渚堤防先端部付近などに移動した後、西渚観察ポイント対岸の東渚堤防に舞い降りたが、しばらくして東渚内に飛び去った。今季初認であった。昨年も7月9日に初認している)
○ミヤコドリ          20羽(東渚。午前9時半頃のカウント数。正午頃に干潟が広がってからは、中央丘のカキ礁上などでも見られた。越夏群と思われる)
○コチドリ            4羽(汽水池、水路護岸)
○シロチドリ          18羽(東渚など。西渚観察ポイント付近にも一時的に飛来した)
○チュウシャクシギ       9羽(東渚など。午前中から3〜4羽が堤防のカキ礁付近に群れているのが見られたが、午後1時頃にハヤブサの出現にともない9羽が揃って群飛するのを確認することができた。越夏群と思われる)
○ダイシャクシギ         2羽(東渚。午前9時過ぎに2羽がホウロクシギとともに休んでいるのが確認できた)
○ホウロクシギ          1羽(東渚。午前9時過ぎにダイシャクシギとともに休んでいるのが見られた)
○セイタカシギ          8羽(汽水池など。成鳥5羽の他に、ヒナ3羽。午前10時過ぎに観察センターよりヒナ3羽が無事に成長しているのを確認することができた。いただいた情報によると、6月12日に孵化した3個体以外は営巣地が水没するなどしたため孵化に至らなかったとのことであった)
○カワセミ            1羽(汽水池)

以上。




【2007年7月8日】

※葛西臨海公園(7:30〜14:00)
 到着時は午前10時半頃の満潮に向かって潮位が上がり始めているところであったが、東渚干潟はまだかなり残っていた。最初に渚橋付近から渚周辺の探鳥を行い、その後は鳥類園に回った。午前9時半頃になって渚周辺をハシブトアジサシらしき個体が飛翔しているのが見られたことから確認のために西渚観察ポイントに向かい、その後は同地に留まった。昨日のハヤブサのせいか、ミヤコドリ、ズグロカモメは見られなくなっていたが、昨日に続いてカラシラサギ(2羽)を見ることができた他、ハシブトアジサシも確認できた。ただ、いずれも東渚干潟内であったことから、最短でも約200m以上の距離があり遠方であった。なお、越夏個体としてマガモを見ることができた。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ       3羽(夏羽個体。渚周辺。午前10時頃には東渚アシ原際付近にいる個体も見られた)
○ハシブトアジサシ       1羽(成鳥夏羽。午前8時頃までの渚橋付近からの探鳥では気付かなかったが、午前9時半頃に東渚干潟上を飛び回っているのを視認し、同時刻頃に出現情報もいただいたことから西渚観察ポイントに急ぎ、同所から午後2時近くまで観察した。基本的には採餌と休息を繰り返した。採餌はもっぱら中央丘北側の干潟に急降下してカニを採取しているようであった。休息は干潟上や浅水域に単独で舞い降りることもあったが、ウミネコ群中にも入った。午後1時頃には水浴も行った。我々の当地でのハシブトアジサシの観察は今回で5回目となり、成鳥夏羽の観察も2004年6月26日に次いで2回目となった) 
○コアジサシ         18羽(渚周辺。午前8時半頃のカウント数)
○ヒメアマツバメ        2羽(公園中央部)
○イワツバメ        約10羽(公園中央部、淡水池周辺。ツバメの群に混じって飛翔していることもあった)  
○ヨシゴイ           2羽(又は3羽。午前8時頃に東渚アシ原上を飛翔したりアシに休止したりしている個体が2羽見られた他、午前10時頃にも見られた)
○カラシラサギ         2羽(成鳥夏羽と思われる個体。到着直後に東渚中央丘付近で1羽が休んでいるのが見られた。その後、西渚観察ポイントからの渚周辺の探鳥でも、コサギ・ダイサギ群に混じってアシ原沿いに休んでいる個体が見られたが、午前11時頃には同時に2羽を確認できた。この2羽は東渚内を動き回って採餌しているようであった)
○チュウサギ          1羽(東渚。午前11時頃に、カラシラサギとともに確認できた)
○コチドリ            4羽(又は6羽。汽水池、東渚など。汽水池では幼鳥も1羽確認できた)
○シロチドリ           6羽(東渚など。西渚観察ポイント付近にも一時的に飛来した)
○アオアシシギ          1羽(西渚観察ポイント対岸の東渚堤防。午後1時半頃に鳴きながら飛来した)
○ダイシャクシギ         1羽(東渚)
○ホウロクシギ          1羽(東渚)
○セイタカシギ          9羽(汽水池など。成鳥6羽の他に、ヒナ3羽。ヒナ3羽は本日も確認することができた。成鳥2羽は東渚にも飛来していた)
○カワセミ            1羽(淡水池)

以上。


【2007年7月16日】

※葛西臨海公園(7:20〜12:50)
 到着時は干潟が広がり始めているところで、午前11時頃からは沖合いにも広大な干潟が広がった。最初に渚橋付近を経由して鳥類園に回り、午前9時過ぎからは西渚観察ポイントに向かい渚周辺の探鳥を行った。その後は再び鳥類園に戻り一回りして切り上げた。一昨日大隅半島に上陸し昨日にかけて南海上を東進した台風4号の通過後ということで見通しは素晴らしかったが、このところ見られていた比較的珍しい種類はいづれも見られなかった。また、クマゼミの鳴き声を初認した。なお、当地で8日に見られたハシブトアジサシについては、7月9日・10日と連続して船橋三番瀬海浜公園に出現したとの情報とともに近距離で撮影された映像をいただいた。当該映像からみると、翼上面にはわずかに褐色斑があり、初列風切の暗色味も強かったことから、正確には成鳥夏羽ではなく、第2回夏羽と判定するのが適当と考えられた。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ      2羽(夏羽個体。渚周辺)
○コアジサシ         22羽(渚周辺。正午頃のカウント数)
○ヒメアマツバメ        2羽(公園中央部)
○イワツバメ          6羽(公園中央部、淡水池周辺、駅周辺)  
○ヨシゴイ            1羽(午前8時頃に東渚アシ原上を飛翔するのが見られた。淡水池付近でも見られているとのことであった)
○ササゴイ           1羽(淡水池。幼鳥と思われる個体)
○コチドリ            2羽(汽水池)
○シロチドリ           2羽(東渚など。西渚観察ポイント付近にも一時的に飛来した)
○ダイシャクシギ         1羽(東渚。午前10時頃には水浴するのが見られた)
○セイタカシギ          5羽(汽水池。成鳥5羽の他にヒナ3羽を本日も確認することができた。6月12日に孵化して1ケ月以上を経過して成長し翼も生え揃っているが、引き続き営巣地付近に留まっている)
○コムクドリ            3羽(又は5羽。淡水池・汽水池境界付近のマツなどに休止しているのを見ることができた。また、ミズキに飛来し熟した実を採餌しているのを確認できた。きちんと視認できた2個体はいづれも♂若鳥と思われた。いただいた情報によると、この1週間くらいで集結する個体数が多くなり、昨日は20羽が確認されているとのことであった)

以上。


【2007年7月22日】

※葛西臨海公園(7:30〜13:10)
 到着時は満潮に向かって潮位が上がり始めているところであった。到着時は降雨があり、午前9時頃になってようやく回復してきた。最初は擬岩付近で雨宿りしながら探鳥し、その後観察センター付近に回り、午前10時過ぎから西渚観察ポイント付近で渚周辺の探鳥を行った。東渚干潟に再びハシブトアジサシが飛来しているのを確認できたが、かなり遠方であった。渚周辺はウミネコの数が急激に多くなってきていた。また、シギ・チドリ類も多くなってきているようであった。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ       1羽(夏羽個体。午前11時頃に西渚水面内にいるのが見られた)
○ハシブトアジサシ       1羽(成鳥夏羽と思われる個体。西渚観察ポイントからの観察で、午前10時半頃に東渚干潟上を飛び回っては休んでいるのを見ることができた。午前11時頃には水浴も行った。しかしながら、採餌・休息ポイントは主として東渚の東側の舞浜よりの干潟で約700mの距離があった。観察中に2回ほど中央丘付近にまで飛来したが、それでも約300mの距離があり、細部の観察はできなかった。このため7月8日に当地で確認された個体と同一か否かなどは判断できなかった。当地では1999年にも2回(7月4日、7月20日)ハシブトアジサシを観察したことがある) 
○コアジサシ           6羽(渚周辺。午前10時半頃のカウント数)
○ヒメアマツバメ         2羽(淡水池周辺)
○イワツバメ           2羽(駅周辺)  
○コチドリ            4羽(汽水池)
○シロチドリ           3羽(東渚など。西渚観察ポイント付近を通過して東渚に飛来していた)
○メダイチドリ        約10羽(東渚。正午過ぎに西渚観察ポイント付近を通過して東渚に舞い降りた。降りた場所は遠方で、細部は判別できなかった)
○キョウジョシギ         1羽(渚周辺。午前11時頃に堤防周辺で群が移動していると思われる鳴き声が聞けたが、視認することはできなかった) 
○アオアシシギ          1羽(水路護岸付近。午前10時頃に水路を越えて東渚方面に移動している1羽を見ることができたが、鳴き声は数回聞けた)
○キアシシギ           5羽(汽水池。午前8時半頃には擬岩前に小群が集結した)
○ダイシャクシギ         2羽(東渚。1羽は腰が白いことを確認できたが、もう1羽はホウロクシギとの識別は確実にはできなかった)
○セイタカシギ         10羽(汽水池。成鳥7羽、幼鳥3羽。幼鳥3羽は擬岩前で休んだり採餌したりしていた。時折、親鳥とともに飛び回ったりもした)
○カワセミ            1羽(汽水池)
○コムクドリ          13羽(観察センター北側など。同時に観察できた最大羽数は13羽であった。汽水池南側のサクラの樹林地や観察センター北側のミズキ周辺、淡水池北側の樹林地などで数羽から10羽の群が見られた。昨年と同様で、成鳥ではなく若い個体からなる群と思われる)

以上。



【2007年7月29日】

※葛西臨海公園(7:30〜11:10)
 到着時は既に干潟が大きく広がり始めているところで、午前9時過ぎからは水路内や沖合いにも広大な干潟が広がった。最初に渚橋付近で渚付近の探鳥を行った後鳥類園に回り、午前10時過ぎより西渚観察ポイント付近から渚周辺の探鳥を行って切り上げた。渚周辺はカワウ、ウミネコの数が引き続き多く、シギ・チドリ類も多くなってきているようであったが、特に変わったものは見られなかった。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ       1羽(夏羽個体。西渚水面内)
○チュウサギ           6羽(到着直後に西渚干潟に5羽の小群が舞い降りて採餌しているのを見つけた。また、午前9時頃には汽水池でも1羽を確認した。広大な干潟が広がったこともあり、アオサギ、ダイサギ、コサギは80羽以上確認できたが、特に変わったものは見られず、チュウサギ以外では汽水池でゴイサギ幼鳥2羽が見られたくらいであった) 
○コチドリ            8羽(汽水池)
○ダイゼン            4羽(東渚。夏羽個体であった。午前10時頃からは沖合い干潟に移動していた。なお、近傍にメダイチドリと思われる数羽の小群が見られたが遠方で判別できなかった)
○アオアシシギ          3羽(汽水池、水路護岸、東渚付近。干潟が広がったことから散らばって採餌していた)
○キアシシギ           5羽(汽水池、水路護岸、東渚付近。鳴き声は各地で聞けたことから、もっといたものと思われる)
○オオソリハシシギ        2羽(東渚。午前10時半過ぎに確認できた)
○ダイシャクシギ         1羽(東渚。腰が白いことを確認できた)
○セイタカシギ         11羽(汽水池。成鳥7羽、幼鳥3羽。幼鳥3羽のうち2羽は両親と思われるペアとともに水路干潟に飛来していた)
○カワセミ            1羽(汽水池。♂であった)
○コムクドリ           3羽(♀タイプの若鳥のみ。汽水池南側樹林地。観察センターから観察できた。ミズキの果実に飛来していた)

以上。