2007年4月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑


【2007年4月7日】

※葛西臨海公園(10:10〜14:50)
 到着時は既に干潟が大きく広がり始めているところであった。最初に公園西側、中央部を回り、その後鳥類園で探鳥した。午後1時頃から西渚観察ポイントで渚周辺の探鳥を行った。
 カンムリカイツブリは沖合いながら172羽が見られ、ハジロカイツブリ群も見られたが、スズガモの群はかなり小さくなっていた。教えていただき、クロツラヘラサギを見ることができた他ズグロカモメも見られた。公園西側では昨日早くもキビタキ♂成鳥が見られたとのことであったが、本日は確認されていないとのことであった。見られた種類などから、水鳥類や小鳥類の移動も本格的になってきているようであった。主なものは次のとおり。

○ウミアイサ            5羽(♀タイプのみ。旧江戸川河口付近。遠方であったが、正午頃にカキ礁付近で採餌している群が見られた)
○ズグロカモメ           1羽(成鳥夏羽。午後1時半過ぎに単独で東渚中央丘付近で独特の採餌行動を取っているのが見られた。10分程度中央丘付近に留まったが、その後は沖合い干潟のユリカモメ群中に入った)
○オオタカ             1羽(若鳥。午前11時頃に観察センター上空に出現した。ハシブトガラス2羽に執拗なモビングを受けていたが、葛西臨海水族園上空に移動しながら上昇気流に乗って荒川河口方面に逃れた)
○クイナ              1羽(淡水池南側。アシ原際から飛び出して対岸まで約80mくらいを飛翔するのが見られた)
○クロツラヘラサギ        1羽(東渚。成鳥もしくは亜成鳥と思われる個体。午前10時半頃に飛来していることを教えていただいた。東渚舞浜側堤防南端付近の潮溜まり付近を好んで採餌行動を取っていた。午後2時過ぎには干潟上のカワウ群中に入って休んだ)
○ミヤコドリ            6羽(午後2時頃に沖合い干潟上に見られた。遠方であった) 
○コチドリ             4羽(汽水池など)
○シロチドリ            2羽(東渚)
○ムナグロ            12羽(東渚。午後2時頃にハマシギ群中にいるのが確認できた。遠方であったが飛翔したことからダイゼンと判別することができた)
○ハマシギ        約1000羽(東渚など。午前11時頃の飛翔群の規模からみた推計数。午後2時頃のカウント数は614羽であった)
○タシギ             10羽(汽水池)
○タマシギ             1羽(淡水池。♀1羽) 
○オオハシシギ           2羽(汽水池。かなり換羽根が進んできているようであった)
○セイタカシギ          24羽(汽水池、水路干潟など)
○アカハラ              2羽(観察センター付近など
○シロハラ              1羽(淡水池付近)
○ツグミ              約18羽(汽水池など)
○オオジュリン          約10羽(淡水池、汽水池のアシ原内)
○ヤマガラ              8羽(汽水池付近など。マツの木を好んでいるようであった。また、よくさえずっていた) 
○カケス               2羽(汽水池周辺)

以上。


クロツラヘラサギ
2007年4月7日


【2007年4月8日】

※葛西臨海公園(7:20〜11:00、14:30〜15:50)
 到着時は満潮でその後徐々に干潟が広がってきた。最初に公園中央部を回り、その後鳥類園で探鳥した。午前11時過ぎに三番瀬にオニアジサシ出現の情報をいただき一旦切り上げた。午後2時半頃から再訪し公園西側を回った後西渚観察ポイントで渚周辺の探鳥を行った。
 昨日見られたクロツラヘラサギは本日は確認できなかった。また、早朝公園西側のクヌギの花穂にレンジャク類が約30羽飛来していたとのことであったが短い滞在だったようで我々は見れなかった。ミヤコドリやオオハシシギの飛来も確認できなかった。主なものは次のとおり。

○ズグロカモメ           1羽(成鳥夏羽。午後3時半頃に東渚中央丘付近で採餌行動を取っているのが見られた。しばらくしてユリカモメ群から離れた潮溜まり際に舞い降りて休んだが、その後ユリカモメとともに舞い上がり、見えなくなった。当地でのズグロカモメ成鳥夏羽の最も遅い記録は2004年4月18日で、その際は若鳥3羽とともに成鳥1羽が見られたが、その記録に次いで遅い記録と思われる)
○クイナ              2羽(又は3羽。汽水池擬岩付近や淡水池南側で鳴き声が聞けたが、視認することはできなかった)
○コチドリ             4羽(汽水池、水路護岸)
○シロチドリ            6羽(東渚。午後3時頃のカウント数)
○ハマシギ         約800羽(東渚など。午後3時半頃の飛翔群の規模からみた推計数。午後3時過ぎのカウント数は685羽であった)
○ミユビシギ            6羽(東渚。午後3時頃のカウント数)
○タシギ             14羽(汽水池)
○タマシギ             1羽(淡水池。♀1羽) 
○セイタカシギ          24羽(汽水池。午前9時半頃には擬岩付近の浅水域付近に集結していた。にぎやかに鳴き交わしていた)
○カワセミ             2羽(又は3羽。汽水池など)
○トラツグミ            1羽(汽水池付近。午前9時過ぎに汽水池南側から北側の竹林に飛翔移動するのが見られた) 
○アカハラ             2羽(汽水池付近など)
○シロハラ             2羽(公園中央部など)
○ツグミ             約30羽(公園中央部、汽水池など)
○ヒガラ              2羽(又は4羽。午前8時頃に観察センター西側で見ることができた他、午後2時半過ぎには公園西側マツ林でみることができた)
○ヤマガラ            約15羽(汽水池付近の他、公園西側でも群が見られた。コナラやクヌギの芽吹き周辺で採餌しているようであった)
○オオジュリン            6羽(淡水池、汽水池のアシ原内)
○ウソ                1羽(公園中央部。午前7時半過ぎに鳴き声が数回聞けたが視認することはできなかった。いただいた情報によると、2〜3羽が留まっているとのことであった) 
○カケス               6羽(汽水池周辺など。飛翔する姿がよく見られた)


※船橋三番瀬海浜公園(12:20〜13:40)
 オニアジサシ出現の情報をいただき駆けつけた。オニアジサシは発見された午前10時過ぎには正面干潟で近距離で見られたとのことであったが我々の到着時は、既に沖合いの干潟上のカモメ群中に移動していた。その後は潮干狩りの人出もあってか落ち着かず、午後1時過ぎに飛び立って沖合い南東方向に去った。情報をいただいたおかげで、遠方ではあったもののじっくりと観察することができた。主なものは次のとおり。

○ウミアイサ             2羽(♀タイプのみ。堤防内水面)
○オニアジサシ           1羽(成鳥夏羽。船橋港側堤防南端から約300mくらいの沖合いに生じた干潟に、セグロカモメ、カモメ、ユリカモメとともに休んでいるのが見られた。オニアジサシは東京湾岸では、2005年5月に小櫃川河口干潟を中心に1週間程度滞在し、その間三番瀬や葛西臨海公園でも目撃されたとの情報をいただいている。なお、我々が湾岸フィールドでオニアジサシを見たのは1995年5月7日に船橋三番瀬海浜公園で観察して以来で12年ぶりである)
○ハマシギ         約1000羽(午後1時半過ぎでも、船橋港側堤防よりの干潟などに大きく散らばって採餌していた)
○オオソリハシシギ         1羽(沖合い干潟上)

以上。





【2007年4月15日】

※船橋三番瀬海浜公園(7:50〜11:20)
 再びオニアジサシが見られるようになってきているということで出かけた。到着時は既に干潟がかなり広がっており、多くのシギ・チドリが群れていたが、午前9時頃までには多くの個体が谷津干潟方面に移動してしまった。ユリカモメを主とするカモメ類も船橋港方面の堤防、干潟や海面に多く集結していたがオニアジサシは出現しなかった。いただいた情報によると、オニアジサシは8日に出現した後は、13日に再び見られるまで確実な目撃情報はなかったようであるとのことであった。13日は幕張方面で飛翔が目撃された後船橋三番瀬海浜公園の正面干潟に出現し、沖合いに去っては飛来するということを繰り返し、近距離で観察できたとのことであった。14日は午後になって船橋港堤防西側干潟に舞い降りているのが見られたものの遠方で、正面干潟には飛来しなかったとのことであった。なお、ミヤコドリは午前7時半頃に飛来したもののまもなく飛び去ってしまったとのことで、葛西方面に移動したものと思われた。主なものは次のとおり。

○ウミアイサ            13羽(♂1羽の他は♀タイプのみ。沖合いや堤防内水面で見られた。♂♀のペアはデイスプレーのような動作が見られた)
○コアジサシ           約60羽(正面干潟など。午前8時過ぎには干潟上に10羽前後が舞い降りていた他、汀線沿いを飛翔したり、沖合いの棒杭で休止する個体が見られた。今季初認であった。昨年は4月15日に旧江戸川河口周辺で64羽の群を観察したのが初認であった) 
○シロチドリ            12羽(正面干潟)
○メダイチドリ           34羽(正面干潟。夏羽個体が多かった)
○ダイゼン             58羽(正面干潟。午前9時頃には群が谷津干潟方面に移動するのが確認できた) 
○ハマシギ         約2000羽(正面干潟。午前8時過ぎに1752羽までカウントしたところで飛ばれてしまい、きちんとカウントできなかった。換羽が進行中の個体が多かった)
○ミユビシギ            46羽(正面干潟。午前8時過ぎのカウント数。まだ換羽がそれほど進んでいない個体が多かった)
○オバシギ             1羽(成鳥夏羽。正面干潟)
○キョウジョシギ           6羽(正面干潟。夏羽個体)
○オオソリハシシギ        64羽(正面干潟など。沖合いの棒杭上に休止する小群も見られた)
○チュウシャクシギ         1羽(船橋港側堤防・干潟。遠方であったが飛翔パターンを確認できた他、近傍で採餌するオオソリハシシギと比較できた)
○ツグミ               2羽(後背草地)


※葛西臨海公園(12:20〜15:20)
 到着時は徐々に干潟が狭まってきているところであった。最初に西渚観察ポイントに向かい渚周辺の探鳥を行った後、午後1時半頃からは鳥類園に回った。干潟は午後1時過ぎには冠水してしまったが、多くのミヤコドリが飛来しているのを確認できた。
 渚周辺はカンムリカイツブリが2羽のみとなっていたが、三番瀬と同様にユリカモメが集結しており、3000羽を超えているものと思われた。主なものは次のとおり。

○ミヤコドリ           92羽(東渚。到着直後に東渚干潟の西よりで採餌したり休んでいる群が見られた。干潟が狭まってきた午後0時半過ぎから大きな声で鳴き交わし始め、その後いっせいに飛び立って東進し旧江戸川河口を横切った後、舞浜の護岸沿いに海面近くを低く飛翔して三番瀬方面に飛び去った。当地でのミヤコドリの確認数としては最大羽数と思われるが、三番瀬個体群が一時的な採餌場所として利用しているものと思われる) 
○コチドリ             2羽(汽水池)
○シロチドリ            6羽(東渚堤防など)
○メダイチドリ          10羽(東渚。干潟の冠水にともなって荒川河口方面に飛び去った)
○ハマシギ         約800羽(東渚、汽水池。午後0時半頃の東渚飛来個体群の一部カウントのうえでの推計数。これとは別に30羽が汽水池に飛来しており擬岩付近で採餌していた)
○タシギ              9羽(汽水池)
○タマシギ             1羽(淡水池。♀1羽。2月17日からほぼ連続して確認されている個体。本日は午後2時半過ぎに開けた水面に出てきて水浴を行った)
○オオハシシギ           3羽(汽水池。午後1時半過ぎに中土手南側のアシ原際で、タシギとともに採餌しているのが見られた。いづれも換羽がかなり進行していた。アシ原に遮られることが多く観察しづらかった)  
○セイタカシギ          26羽(汽水池)
○カワセミ             1羽(淡水池)
○ツグミ              2羽(汽水池など)
○オオジュリン           2羽(淡水池周辺など)
○カケス              3羽(汽水池周辺。飛翔する姿が見られた)

以上。


【2007年4月21日】

※葛西臨海公園(11:50〜15:10)
 到着時は既に大きく干潟が広がり、東渚沖合いにも干潟が現れていた。本日の干潮時の潮位は低く、多くのカキ礁も姿を現していた。最初に公園西側を回り、その後鳥類園で探鳥したが、探鳥時間中は南からの強風が続いたことから西渚観察ポイントからの渚周辺の探鳥は行わなかった。オオハシシギがまだ留まっていた他、沖合い干潟には多くの水鳥が見られたが遠方であったことと強風で観察しづらかった。また、ユリカモメ群はかなり減少したように思われた。昨日見られたというシマアジ(♂2羽♀1羽)は見られなかった。また、オオルリ、コサメビタキなどわたりの小鳥の情報もあったが、これらも見られなかった。主なものは次のとおり。

○コアジサシ          16羽(東渚周辺。午後3時頃に群で採餌行動を取っていた。干潮時は干潟に降りていた)
○チュウサギ           1羽(汽水池。午後1時半頃に飛来して干潟で採餌していた。今季初認)
○ミヤコドリ           74羽(東渚の沖合い干潟。正午過ぎのカウント数。午後3時頃にはかなり散らばって採餌した) 
○コチドリ             4羽(汽水池、公園西側駐車場)
○シロチドリ            4羽(東渚)
○メダイチドリ           2羽(東渚水路側干潟。もっといたと思われるが、遠方のものは識別困難であった)
○ダイゼン             2羽(東渚。午後3時頃に確認できたが遠方であり観察しづらかった。1羽はムナグロの可能性もあると思われた)
○ハマシギ         約1000羽(東渚など。一部視界が遮られたが、ハマシギ群の午後1時頃のカウント数は836羽であった。この他、東渚水路側干潟や汽水池にも飛来が見られた)
○ホウロクシギ           2羽(東渚の沖合い干潟。遠方のためダイシャクシギとの確実な識別はできなかった。2羽が揃って採餌していることが多かった)
○チュウシャクシギ         1羽(旧江戸川水面内水路側カキ礁に飛来しているのが確認できた)
○タシギ              7羽(汽水池)
○タマシギ             1羽(淡水池。♀1羽)
○オオハシシギ          3羽(汽水池。いづれもほぼ夏羽となっていた。午後2時頃に擬岩西側に集まって採餌していたが、1羽が水浴を行ったのを契機に揃って飛び立って汽水池内を西方向に飛んだ。観察ポイントからは確認できないアシ原際などで休んでいるものと思われる)
○セイタカシギ          29羽(汽水池、淡水池)
○カワセミ             1羽(汽水池。♀で右脚に足環が付けられていた。水溜りに何回も飛び込んで水浴を行っていた)
○アカハラ             3羽(淡水池付近。午後2時半頃にツリーという声を出しながら3羽が飛翔移動していくのが見られた)
○シロハラ             1羽(公園西側) 
○ツグミ              15羽(公園中央部など。数羽の群を形成しているように思われる個体が多かった)
○ヤマガラ             2羽(公園西側。鳴き声はよく聞かれたが葉が茂ってきたことから姿を視認することは困難であった)
○オオジュリン           2羽(淡水池と汽水池で各1羽。いづれも♀と思われた)
○カケス              1羽(公園西側。林床部で採餌していた)

以上。


【2007年4月22日】

※葛西臨海公園(7:20〜12:10)
 到着時は満潮を過ぎて徐々に潮位が下がり始めていた。しかしながら昨日以上に南からの強風が吹き荒れていた。最初に公園西側や公園中央部を回り、その後西渚観察ポイントに向かおうとしたが、余りの強風のため断念し、その後は鳥類園で探鳥した。正午過ぎから再び西渚観察ポイントへ回ることも考えたが強風が止まなかったことから切り上げた。わたりの小鳥類をいくらか見ることができたが、渚周辺の探鳥は強風のため観察しづらかった。汽水池にアオアシシギが到着していた。オオハシシギも留まっていたが2羽となっていた。これまで連続的に観察できたタマシギは確認できなかった。主なものは次のとおり。

○コアジサシ        約100羽(東渚周辺。午前11時頃のカウント数。強風のためか干潟に降りている個体が多かったが、干潟の広がりとともに汀線沿いに集団で採餌している姿も確認できた)
○チュウサギ           1羽(淡水池。午前11時半頃に湿地で採餌しているのを観察できた。小魚を捕食していた)
○コチドリ             2羽(汽水池)
○ハマシギ         約150羽(東渚。午前11時半頃の一部のカウント数。もっといたものと思われる。観察条件が悪くきちんとカウントできなかった。シロチドリやメダイチドリではないかと思われる個体も混じっていたが判別困難であった)
○アオアシシギ          1羽(汽水池。夏羽に換羽中と思われる個体。セイタカシギと行動をともにしている印象であった。今季初認)
○タシギ              8羽(汽水池で7羽が見られた他、淡水池湿地でも1羽が見られた)
○オオハシシギ          2羽(汽水池。ほぼ夏羽の個体。午前9時半頃に汽水池のいわゆる中土手南側のアシ原際で採餌しているのを見つけた。まもなくして飛び立ち、中土手北側の擬岩近くに移動したが、10分前後してさらに西方向に飛翔移動してアシ原付近で採餌していた。確認できた限りでは2羽であった)  
○セイタカシギ          22羽(汽水池)
○カワセミ             1羽(又は2羽。汽水池、淡水池)
○サンショウクイ          1羽(♂1羽。公園中央部など。午前8時頃に公園中央部や公園西側で上空を飛びながらさえずっているのが確認できた。公園中央部ではニセアカシアの梢に一時休止したがすぐに飛び立ってしまった。当地では昨年は5月3日に♂1羽を確認している)
○アカハラ             1羽(♂1羽。淡水池付近。低木林内で休んでいた)
○シロハラ             1羽(♂1羽。公園中央部。林床部で採餌していた) 
○ツグミ              12羽(公園中央部など)
○ヤブサメ              1羽(公園西側。午前8時頃からさえずりが聞こえ、よく鳴いていた。低木の根元付近を移動している姿も視認することができた。当地でヤブサメの姿を確認できたのは2004年10月17日以来であった) 
○ヤマガラ             2羽(公園西側。サクラの樹上を移動しているのを視認することができた)
○オオジュリン           1羽(汽水池。低いアシ原内で♀1羽のみ確認できた)
○カケス              2羽(公園西側。サクラの樹上でジェーと鳴いている個体が見られた他、広葉樹の林内で複雑な不思議な鳴き声を出している個体み見られた)

以上。


【2007年4月29日】

※葛西臨海公園(7:30〜13:30)
 到着時は午前9時半頃の干潮に向かって干潟が広がっているところであった。最初に公園西側や公園中央部を回り、その後鳥類園で探鳥した。午前11時頃西渚観察ポイントへ回り渚周辺の探鳥を行った。キビタキ、アトリ、コムクドリなどのわたりの小鳥類の情報もあったが、我々が確認できたのはセンダイムシクイのみで、残っている冬鳥類が目立った。オオヨシキリは東渚方面から鳴き声が聞こえた。水鳥類はオオハシシギが残っていた他、アオアシシギなどの数も多くなってきていた。東渚干潟にはミヤコドリの他ユリカモメの大群(3000羽以上と推定された)が集結しており、またアジサシを今季初認することができた。なお、いただいた情報によると淡水池のタマシギは4月21日が終認と思われるとのことであった。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ        3羽(夏羽個体。渚周辺。このうち1羽は東西渚間水路内で見られた)
○アジサシ            52羽(東渚。成鳥夏羽。渚周辺の棒杭上で休んだりしていたが、正午過ぎからはコアジサシとともに干潟上に舞い降りる個体が多くなり、探鳥を切り上げる午後1時頃には50羽を超えた)
○コアジサシ         264羽(東渚周辺。正午過ぎのカウント数。干潟に降りている個体の他、水路内などの渚周辺で採餌行動を取っているものが多く見られた)
○ミサゴ              1羽(東渚。午後1時頃に荒川河口方面から東渚上空に飛来し、干潟上に舞い降りた。遠方であったが、何かを採食しているようであった)
○イワツバメ            3羽(到着時頃に下水処理場近くの高架付近を飛び回っているのが見られた)
○ミヤコドリ           62羽(東渚。正午過ぎのカウント数。午前中から飛来しており採餌行動を取っていた。まだ成鳥もかなり混じっているようであった。また、一時的に西渚付近にも飛来したが、人出のため舞い戻る様子が観察できた。午前中は旧江戸川河口に現れたカキ礁に飛来している個体も確認できた)
○コチドリ             4羽(汽水池など。護岸周辺でも鳴き声が聞こえた)
○シロチドリ            2羽(東渚干潟上)
○ムナグロ             2羽(東渚西側堤防付近。午後1時頃に鳴きながら飛び回ったが、その後干潟上に降りたようで見えなくなった)
○ダイゼン             1羽(東渚。午前8時半頃に確認した)
○ハマシギ         約350羽(汽水池、東渚。汽水池に約200羽が飛来しているのが午前中に見られた他、東渚干潟にも約150羽が飛来していた。いただいた情報によると、このところ汽水池にハマシギ群が飛来し、多い時は300羽を越えトウネンなども混じっているとのことであった)
○キョウジョシギ         12羽(午後1時頃に東渚西側堤防付近を群が飛び回り、その後は荒川河口方面に飛び去った)
○アオアシシギ          6羽(汽水池。先週に比べて数が多くなってきていた。いづれも夏羽に換羽中と思われた)
○キアシシギ           6羽(汽水池、渚周辺)
○オオソリハシシギ        5羽(汽水池、東渚。珍しく汽水池にも2羽が飛来して採餌していた)
○チュウシャクシギ     約300羽(渚周辺など。旧江戸川河口に現れたカキ礁には午前10時半頃に274羽が飛来していた他、東西渚間水路沿いや東渚中央丘付近のカキ礁にも小群が飛来していた。また汽水池でも見られた)   
○タシギ              4羽(汽水池)
○オオハシシギ          3羽(汽水池。夏羽の個体。午前9時半過ぎに汽水池の擬岩側からいわゆる中土手付近のアシ原付近にいるのが見られた。中土手沿いに移動しながら採餌していた。3羽が揃って留まっていることが確認できた)  
○セイタカシギ          21羽(汽水池)
○アカハラ             2羽(♂2羽。公園西側と公園中央部で各1羽が見られた)
○シロハラ             1羽(♂1羽。公園中央部。ヒノキの植込みの林床部で枯葉をかき分け甲虫の幼虫を採餌した) 
○ツグミ            約30羽(公園中央部など。到着直後の駐車場など、いくつかの場所で6羽前後の小群が見られた)
○センダイムシクイ         1羽(汽水池南側樹林地。コナラの植栽地付近で鳴き声が聞かれたが、きちんと視認することはできなかった)
○ヒガラ               1羽(公園中央部。小さい声で鳴きながらメタセコイアの樹上を移動していた。越冬個体が留まっているものと思われる)
○カケス              1羽(公園西側。ジェーと鳴いているのが聞かれたがきちんと視認することはできなかった)

以上。


シロハラ(♂若鳥と思われる個体)
2007年4月29日
葛西臨海公園(公園中央部)
林床部から甲虫の幼虫を探し出して食べた。



ミヤコドリ
2007年4月29日
葛西臨海公園(東渚)


【2007年4月30日】

※葛西臨海公園(6:00〜12:00)
 到着時は既に干潟が広がり始めているところであった。最初に汽水池擬岩付近で探鳥し、その後公園中央部や公園西側を回り、午前10時頃から西渚観察ポイントで渚周辺の探鳥を行った。オオヨシキリが淡水池にも到着していた他、昨日まで見られたツグミ類は鳴き声は聞かれたものの視認することはできなかった。水鳥類は汽水池、渚周辺ともに昨日と基本的に変わらず、ユリカモメの大群にアジサシ類が加わっており、乱舞する様子は壮観であった。汽水池では運よくクイナ2羽を見ることができた。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ        3羽(夏羽個体。1羽は東西渚間水路内で見られた)
○アジサシ            58羽(東渚周辺。午前8時過ぎには旧江戸川河口に現れた干潟にコアジサシ、ユリカモメとともに舞い降りていた)
○コアジサシ         約400羽(東渚周辺。午前10時頃のカウント数。渚周辺を活発に飛び回ったり干潟に降りたりしていた)
○クイナ              2羽(いづれも汽水池。擬岩付近と東側水門付近で各1羽。擬岩付近の個体は鳴きながらアシ原から出てきて、羽根の伸びを繰り返した。水門付近の個体は北側アシ原から出てきて南側アシ原に飛翔移動した)
○ミヤコドリ           58羽(東渚周辺。午前11時頃のカウント数。午前8時頃には旧江戸川河口に現れたカキ礁にチュウシャクシギとともに32羽が飛来していた。その後、干潮時には一時的に沖合い干潟に移動したが、午前11時頃には東渚西側に集結した。成鳥と若鳥が混じっているようであった)
○コチドリ             3羽(汽水池など。護岸周辺や西渚観察ポイント付近でも鳴き声が聞こえた)
○シロチドリ            8羽(東渚など。一時的に西渚干潟にも飛来した)
○メダイチドリ           7羽(午前9時半頃に西渚観察ポイント付近を小群が通過して東渚に入った。荒川河口方面から飛来した)
○ムナグロ             8羽(午前10時半頃に西渚観察ポイントを通過して東渚干潟に入った。飛びながらよく鳴き交わしていた)
○ダイゼン             1羽(東渚。午前9時半頃に確認した)
○トウネン             2羽(東渚。もっといたものと思われるが、遠方のものは識別困難であった)
○ハマシギ         約700羽(汽水池、東渚。午前8時頃に汽水池には312羽が飛来していた。東渚干潟にもかなり飛来しており、全体では700羽前後であったと思われる。夏羽の個体が多くなってきていた。ハマシギ群が観察センター横を通過して東渚と汽水池とを移動しているのが確認できた)
○ソリハシシギ           1羽(東渚。午前11時半頃にキアシシギ群中に混じっているのが確認できた)
○キョウジョシギ          6羽(東渚西側堤防南端部のカキ礁に飛来し、チュウシャクシギとともに採餌していた)
○アオアシシギ          4羽(汽水池で2羽が見られた他、東渚にも2羽が見られた)
○キアシシギ           7羽(汽水池、渚周辺)
○オオソリハシシギ        4羽(汽水池)
○ホウロクシギ          1羽(東渚) 
○チュウシャクシギ     約280羽(渚周辺など。午前8時頃には、旧江戸川河口に現れたカキ礁に242羽が飛来していた。その他の渚周辺のカキ礁にも小群が飛来していた。汽水池でも見られた)   
○タシギ             10羽(汽水池)
○オオハシシギ          3羽(汽水池。夏羽個体。到着直後は擬岩近くにいたが、その後ピッピッと鳴いて飛翔移動し、中土手や擬岩西側アシ原沿いで採餌したり休んだりしていた)
○セイタカシギ          20羽(汽水池)
○カワセミ             2羽(汽水池。擬岩付近と水門付近で見られた)
○センダイムシクイ         1羽(又は2羽。汽水池南側。コナラやクヌギが植栽された付近を盛んに鳴きながら移動しているのが見られた。この他、汽水池北側樹林地でも鳴き声が聞かれた)
○キビタキ              1羽(公園中央部。照葉樹の中から小さいさえずりの声が聞かれたが視認することはできなかった)
○ヤマガラ              1羽(汽水池北側樹林地)
○カケス               2羽(汽水池北側樹林地。ジェーと鳴いているのが聞かれた他、2羽を視認することができた)

以上。


クイナ
2007年4月30日
葛西臨海公園(汽水池)



オオハシシギ(成鳥夏羽)
2007年4月30日
葛西臨海公園(汽水池)




オオハシシギ(成鳥夏羽)
2007年4月30日
葛西臨海公園(汽水池)