2007年2月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑


【2007年2月4日】

※葛西臨海公園(7:30〜15:10)
 到着時は満潮を過ぎて潮位が下がり始めているところであった。快晴であったが北西風が終日強く吹いた。午前中は鳥類園周辺で探鳥し、正午過ぎから西渚観察ポイントに向かって渚周辺の探鳥を行ったが、強風のため満足な探鳥はできず早めに切り上げ、その後は公園西側で探鳥した。昨日と同様にノスリがよく見られたが、他の猛禽類は確認できなかった。大型カモメ類は約30羽が東渚干潟に集結していたが、特に変わったものは見られなかった。また、昼間の干潮時の潮位が低くなってきたことから水路にも干潟が生じるようになってきていた。主なものは次のとおり。

○ホオジロガモ          1羽(♂1羽。旧江戸川河口) 
○ミコアイサ            3羽(♀タイプのみ。淡水池。到着直後に見られたが、午前9時頃には水路方面に飛び出して戻らなかった)
○ウミアイサ            1羽(♀タイプのみ。旧江戸川河口)
○ズグロカモメ           1羽(成鳥冬羽。西渚など。正午過ぎに西渚干潟上空を舞ってはコメツキガニを採取していた。午後1時頃には水路水面にユリカモメとともに浮かんでいるのが確認できた)
○ノスリ              3羽(又は4羽。淡水池周辺など。到着直後から淡水池北側湿地周辺や汽水池上空を中心に休止したりホバリングしているのがよく見られた。午前11時半頃には淡水池北側湿地付近で3羽が同時に見られた。いただいた情報によると、北側湿地では産卵のために冬眠から覚めて出てきたアズマヒキガエルを採食しているとのことであった。淡水池内の棒杭に休止してコサギを襲ったりする行動も見られた)
○クイナ              1羽(淡水池東側。午前9時頃に見ることができた)
○シロチドリ          約10羽(東渚。きちんとカウントすることはできなかった。遠方のものはハマシギとの判別は困難であった)
○ハマシギ          約500羽(東渚など。きちんとカウントすることはできなかった。正午過ぎには西渚干潟にも28羽が飛来していた)
○アカアシシギ           1羽(午前8時過ぎに旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近の鋼板上でオオハシシギとともに休んでいるのが確認できた)
○オオハシシギ           3羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近の鋼板上で休んでいるのが見られた。なお、潮位が下がった午前11時頃からはセイタカシギが水路干潟や汽水池干潟に飛来したが、オオハシシギとアカアシシギは飛来しなかったことから、引き続きアシ原育成地内の干潟で採餌しているものと思われる)
○タシギ               4羽(汽水池擬岩付近で午前中に見られた)
○セイタカシギ            8羽(汽水池、水路干潟など。午前8時過ぎに旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近の護岸上に休んでいるのが見られたが、午前11時頃には汽水池と水路干潟にそれぞれ3羽が飛来してきていた)
○ビンズイ              3羽(公園西側など。午前7時半頃に駅近くのマツの植込み付近で1羽が見られた他、午後2時頃に公園西側のマツの林床部で2羽を見ることができた)
○イソヒヨドリ             1羽(♂成鳥。京葉線鉄橋周辺の旧江戸川護岸付近)
○アカハラ              4羽(鳥類園など)
○シロハラ              2羽(公園西側など)
○ツグミ             約20羽(鳥類園など)  
○ヤマガラ             16羽(公園西側など。鳥類園で3羽の小群が見られた他、公園西側ではエゴノキの周辺に8羽の群が集まってきていた。エゴノキの落果を採取にきたものと思われた。マツ林付近でも別の小群が見られた)
○オオジュリン          約30羽(淡水池周辺。鳴き声も聞かれ、よく飛翔するのが見られたが強風のためアシ原で採餌する姿はほとんど見られなかった)
○ウソ               11羽(汽水池周辺と公園西側。正午頃に♂3羽♀タイプ4羽の群が汽水池南側樹林地のハコネウツギで採餌しているのを見ることができた他、午後3時頃には公園西側で♂1羽♀タイプ3羽の小群が水場に飛来したのを見ることができた)
○カケス               4羽(公園西側など。汽水池、淡水池付近でも鳴き声が聞かれ飛翔する姿も見られたが、公園西側ではドングリを採餌したり水場に飛来するのを見ることができた)

以上。



【2007年2月10日】

※葛西臨海公園(7:50〜13:40)
 到着時は満潮で、その後徐々に潮位が下がって干潟が広がってきた。最初に公園中央部を経由して渚橋付近で探鳥した後、汽水池、旧江戸川護岸と回って鳥類園周辺で探鳥した。その後船着場付近でトウネン類が見られていると教えていただき、船着場付近を経由して西渚観察ポイントに向かい約2時間ほど渚周辺の探鳥を行った後公園西側を回って切り上げた。引き続きツグミ類がよく見られた他、猛禽類もいくらか見られた。渚周辺はカンムリカイツブリ、ハジロカイツブリの大群に夏羽個体が目立ってきていた他、アカエリカイツブリ、ミミカイツブリも見られた。園内はウメがほぼ満開となっていた他一部の草木の若葉が展開し始めて早い春の訪れを告げていた。主なものは次のとおり。

○アカエリカイツブリ        1羽(冬羽個体。東渚周辺のスズガモ・カンムリカイツブリ群中。正午頃に見ることができた。距離は200m以上あった。若鳥と思われた)
○ミミカイツブリ          2羽(西渚周辺。正午過ぎに2羽を同時に確認することができた。西渚東側堤防の突端部周辺で見られることが多かったが、一時的にハジロカイツブリ群中にも入って採餌していた。わずかながら、夏羽への換羽が始まってきていた)
○ホオジロガモ          5羽(旧江戸川護岸付近など。♂2羽♀タイプ3羽。盛んに潜水してカキ礁周辺でカニを採餌しているようであった)
○ミコアイサ            2羽(♂♀各1羽。♂は午前9時過ぎに旧江戸川護岸付近で見られた。♀は午前10時過ぎに淡水池内でドジョウと思われる魚を採餌しているのが見られた)
○ウミアイサ            6羽(♂1羽♀タイプ5羽。旧江戸川河口付近と東渚周辺で見られた)
○ワシカモメ            1羽(成鳥冬羽。西渚。午前11時半頃に水面内の棒杭で休んでいるのが見られた。セグロカモメに追われて休止する棒杭を変えた。距離は100m程度で、飛翔パターンも確認することができた) 
○ズグロカモメ           1羽(成鳥冬羽。東渚。午後1時頃に東渚干潟上を舞っているのが見られた。船着場付近には飛来しなかった)
○ミサゴ              1羽(東渚周辺。午前11時頃に飛来し正午頃には棒杭上で捕らえた魚を採食しているのが見られた)
○ノスリ              1羽(又は2羽。淡水池湿地周辺など。北側湿地の斜面に止まって、湿地周辺で産卵行動を開始しているアズマヒキガエルを襲って食べている個体が見られた。この個体は左眼を損傷しているようであった)
○チュウヒ             1羽(東渚、淡水池。午前8時半頃に東渚アシ原上を舞っているのが見られたが、その後淡水池上空に進入したが再び東渚方面に戻った) 
○ハヤブサ            1羽(成鳥。東渚周辺など。午前8時半頃から東渚舞浜側堤防付近に休止しているのが確認できた。午前11時半頃には西渚観察ポイント上空を通過して干潟上を低空で滑翔した後舞浜側堤防に戻った)   
○シロチドリ           32羽(東渚。正午頃のカウント数。遠方のものはハマシギとの判別が困難であった)
○ハマシギ          784羽(東渚など。正午頃のカウント数。飛翔時の群の規模からは1000羽を超えているものと思われた。一部の視界が遮られたことから正確なカウントはできなかった。なお、午前11時頃にはトウネン類とともに5羽が船着場付近護岸に飛来していた他、西渚にも30羽前後の群が飛来していた)
○トウネン             2羽(船着場付近護岸。午前11時頃に教えていただき見ることができた。ハマシギ5羽、トウネン類4羽の混群中に見られた。このうち1羽はヨーロッパトウネンとの判別ができなかった)
○ヨーロッパトウネン        2羽(船着場付近護岸。午前11時頃に見られた。ヨーロッパトウネン2羽にトウネンと思われる2羽とハマシギ5羽からなる9羽の混群が護岸上に残った潮溜まりで盛んに採餌していた。ヨーロッパトウネン2羽は1月8日に確認している2羽と同一個体と思われた)
○アカアシシギ           1羽(旧江戸川舞浜側護岸上。午前9時頃にセイタカシギ、オオハシシギとともに休んでいるのが確認できた)
○オオハシシギ           3羽(旧江戸川舞浜側護岸上)
○タシギ              11羽(汽水池。午前9時頃に見られた。観察センター近くで5羽の群が採餌していた他、6羽が擬岩付近で休んでいるのが見られた)
○セイタカシギ            9羽(旧江戸川舞浜側護岸付近。越冬群の個体数が徐々に多くなってきているようである)
○カワセミ              1羽(又は2羽。汽水池、淡水池で見られた)
○ビンズイ              1羽(公園西側。マツの疎林付近をズイーと鳴きながら移動していたが、きちんと視認することはできなかった)
○タヒバリ              2羽(西渚観察ポイント付近の堤防護岸) 
○トラツグミ             2羽(公園中央部と淡水池付近で各1羽が見られた。いづれも草地で地面をあさっていた)
○アカハラ             10羽(公園中央部など)
○シロハラ              8羽(公園西側など)
○ツグミ             約40羽(淡水池周辺など)  
○ヤマガラ              3羽(公園西側)
○オオジュリン          約20羽(汽水池、淡水池周辺。好天であったこともあり、飛翔したりアシ原内で採餌する小群がよく見られた)
○ウソ                1羽(汽水池南側樹林地。鳴き声からすると数羽の群が留まっているようであったが、視認できたのは1羽のみであった。ハコネウツギの群落周辺に留まっているものと思われる)
○カケス               4羽(汽水池付近。次々に飛翔移動するのが見られた)

以上。



【2007年2月11日】

※葛西臨海公園(7:30〜14:00)
 到着時は満潮前で、午前9時頃の満潮を過ぎて約2時間ほど経過した午前11時頃から東渚干潟が広がってきた。最初に公園中央部を経由して船着場付近で探鳥した後、汽水池、旧江戸川護岸と回って鳥類園周辺で探鳥した。正午を過ぎてから西渚観察ポイントに向かったが、強風のため探鳥しづらく短時間で撤収することとなり、その後公園西側を回って切り上げた。昨日に続いてヨーロッパトウネンを見ることができたが、これまでと変わったものは見られなかった。また、ウソについては汽水池南側樹林地で鳴き声が聞けたが視認することはできなかった。主なものは次のとおり。

○ホオジロガモ          2羽(♂成鳥2羽。旧江戸川京葉線鉄橋付近。盛んに潜水してカニ類を捕食しているようであった)
○ミコアイサ            4羽(♀タイプのみ。淡水池など。午前8時半頃に淡水池に3羽が揃って休んでいるのが見られた他、ほぼ同じ頃に水路内でも1羽が見られた)
○ウミアイサ            6羽(♀タイプのみ。正午過ぎに旧江戸川河口付近を群で行動しているのが見られた。遠方であった)
○ズグロカモメ           1羽(成鳥冬羽。水路周辺など。午前9時頃に水路内の構造物上にユリカモメ2羽とともに休んでいるのが見られた。その後は東渚干潟上を舞ったり、他のカモメ類とともに水路内の水面上に浮いたりしていた。夏羽への換羽が進んできているようで、頭部を中心に黒ずんでいるように見えた)
○ミサゴ              1羽(又は2羽。東渚周辺。午前9時頃には東渚舞浜側堤防付近に休止している個体が見られたが、その後は東渚上空を舞ったり棒杭に休んだりしているのが見られた)
○トビ               3羽(東渚など。午前10時頃に荒川河口方面上空を2羽が舞っているのが見られた他、午後1時頃には東渚干潟上で魚を採食している個体が見られた。また、中央防波堤埋立地方面には50羽を超えると思われるトビが舞っている様子が遠望できた)
○ノスリ              1羽(汽水池西側で休止している個体が見られた。これとは別に昨日と同様に淡水池北側湿地の斜面付近でもカエルを採食する個体rが見られたとのことであったが、我々は見れなかった)
○チュウヒ             1羽(東渚。午前8時半頃に東渚アシ原上を舞っているのが見られた。水路上空付近にも飛来したが淡水池への進入はなかった) 
○ハヤブサ            1羽(成鳥。東渚周辺など。午前8時半頃に東渚舞浜側堤防付近に休止しているのが確認できた。時折短く飛翔しては休止場所を移動していた)   
○シロチドリ            6羽(東渚。午後1時頃のカウント数。遠方のものはハマシギとの判別が困難であった)
○ハマシギ         約500羽(東渚など。午後1時頃の推計数。正確なカウントはできなかった。なお、午前8時頃にはトウネン類とともに9羽が船着場付近護岸に飛来していた)
○ヨーロッパトウネン        3羽(船着場付近護岸。午前8時頃にハマシギとの混群の形で見られた。昨日と異なりトウネン類は3羽となっていたが、いづれもヨーロッパトウネンと判断した。1月8日に続いて昨日も見られたものと同一個体と思われる個体も確認できた)
○アカアシシギ           1羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。午前9時頃にセイタカシギとともに休んでいるのが確認できた)
○オオハシシギ           3羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近の鋼板上に揃って休んでいるのが確認できた。なお、正午頃には1羽しか確認できなかったことから、2羽はアシ原育成地内の干潟に移動したものと考えられた)
○タシギ               4羽(汽水池。午前9時半頃に擬岩付近のアシ原内で休んでいるのが見られた)
○セイタカシギ            8羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近)
○アカハラ              7羽(公園西側など)
○シロハラ              5羽(公園西側など)
○ツグミ             約30羽(淡水池周辺など)  
○ヤマガラ              3羽(汽水池南側樹林地。メジロやシジュウカラと混群を形成しているようであった)
○オオジュリン          約10羽(淡水池周辺。北側湿地周辺ではアシ原内で採餌する小群が見られたが、強風のため鳴き声の割には視認できた個体数は少なかった)
○カケス               2羽(公園西側。水場に飛来したりドングリを採取する個体が見られた。汽水池、淡水池周辺では鳴き声を聞くこともできなかった)

以上。



【2007年2月12日】

※葛西臨海公園(7:40〜14:00)
 本日は小潮で満潮、干潮ともに日に1回の珍しい日であった。到着時は既に潮位は上がっていたものの潮位自体は高くはなく、午前10時過ぎから徐々に潮位が下がり始め正午頃から東渚干潟も広がってきた。最初に公園西側を回り、午前9時頃から西渚観察ポイントで探鳥したが1時間ほどで一旦切り上げた。その後は鳥類園周辺で正午過ぎまで探鳥し午後1時頃から再び西渚観察ポイントに回って探鳥し切り上げた。渚周辺は水鳥の数は多かったものの、スズガモ、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリにいくらかのカモ類が混じっているだけで特に変わったものは見られなかった。シギ・チドリ類やカモメ類もこれまでと同様であった。主なものは次のとおり。

○ホオジロガモ          4羽(旧江戸川河口周辺。♂成鳥3羽、♀タイプ1羽。♂2羽は京葉線鉄橋橋脚部周辺で盛んに潜水を繰り返してカニと思われるものを採餌していた)
○ミコアイサ            3羽(♀タイプのみ。旧江戸川護岸付近で2羽が見られた他、淡水池にも1羽が入っていた。この個体は正午頃には棒杭上で休んでいた)
○ウミアイサ            2羽(♀タイプのみ。旧江戸川河口付近と東渚で各1羽が見られた) 
○ズグロカモメ           1羽(成鳥冬羽。正午前に水路内の構造物上にユリカモメとともに休んでいるのが見られた。また、午後1時頃には東渚干潟上空を飛翔したり干潟に降りたりしていた)
○ミサゴ              1羽(東渚周辺。午前10時頃に東渚付近に飛来したが、午後1時頃には沖杭上で捕らえた魚を採食しているのが見られた)
○ノスリ              2羽(淡水池付近と旧江戸川河口付近で各1羽が見られた。淡水池の個体は北側マツにほとんど休んだままであったが、午前11時半頃には旧江戸川上空をカラス2羽モビングされながら舞浜方面に飛び去る1羽も見られた)
○クイナ              1羽(淡水池東側) 
○シロチドリ         約150羽(西渚など。午前9時頃の開門直後までは西渚砂浜上で20羽が休んでいた。東渚上にも見られたが、遠方のものはハマシギとの判別が困難であったことから正確なカウントはできなかった)
○ハマシギ         約1000羽(東渚。遠方のものはシロチドリとの判別が困難であった。午前9時半頃のシロチドリ・ハマシギ群のカウント数は1142羽であった)
○オオハシシギ           3羽(午前11時頃に、旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近の石塁上でセイタカシギとともに休んでいるのが見られた。なお、アカアシシギと思われる個体は確認できなかった)
○セイタカシギ            8羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近の石塁付近で、午前11時頃に見られたが最初は6羽であった。残りの2羽は汽水池から旧江戸川を越えて飛来したようであったので、一時的に汽水池に飛来していたのではないかと思われた)
○ビンズイ               3羽(公園西側。マツの疎林の林床部で採餌していた)
○イソヒヨドリ             1羽(♂成鳥。旧江戸川護岸)
○アカハラ              6羽(公園中央部など)
○シロハラ              3羽(公園西側など)
○ツグミ             約30羽(汽水池など)  
○ヤマガラ            約15羽(公園中央部、汽水池周辺樹林地など)
○オオジュリン          約30羽(淡水池、汽水池周辺。好天であったこともあり、アシ原で採餌する群がよく見られた)
○ウソ                6羽(公園西側。♂成鳥1羽の他は♀タイプであった。午前8時頃にサクラの芽を採食しているのを見ることができた。汽水池南側でも声が聞かれたが視認することはできなかった)
○カケス               4羽(汽水池付近など。淡水池付近や公園西側でも声が聞かれた)

以上。



【2007年2月17日】

※葛西臨海公園(9:00〜14:50)
 到着時は既に干潟が大きく広がり始めてきているところで、干潮時の午前11時頃には旧江戸川河口のカキ礁も一部姿を現した。最初に公園西側を回り、午前10時頃から西渚観察ポイントに移動して渚周辺の探鳥を行った。その後は鳥類園周辺で探鳥した。当地では久しぶりにタマシギを見ることができたが、他には特に変わったものは見られなかった。渚周辺は水鳥の数は多く、ミミカイツブリもハジロカイツブリ群中に混じっているようであったが確実に確認することはできなかった。大型カモメ類はセグロカモメ、オオセグロカモメ、カモメが100羽を超す混群を形成していたが変わったものは見られなかった。また、猛禽類、ツグミ類、小鳥類などが減少してきているように思われた。主なものは次のとおり。

○ホオジロガモ          4羽(旧江戸川河口周辺。♂成鳥3羽、♀タイプ1羽。潜水を繰り返したり羽繕いをするのが観察できた)
○ミコアイサ            2羽(♀タイプのみ。旧江戸川河口周辺。川中央部よりも舞浜側にいて潜水を繰り返していた)
○ウミアイサ            8羽(♀タイプのみ。旧江戸川河口周辺で5羽の小群などが見られた。単独の1羽は護岸近くにも来た) 
○ズグロカモメ           1羽(成鳥換羽中個体。午前10時頃に西渚に飛来してコメツキガニを採取しているのが見られた。西渚干潟上空を飛翔する際にはよく鳴いていた。東渚干潟にも移動していたが、正午頃からは水路内に舞い降りたカモメ群とともに水面に浮かんでいた。換羽がかなり進んできていたが、前頭部はまだ白色であった)
○ノスリ              2羽(淡水池付近と汽水池で各1羽が見られた)
○シロチドリ         約100羽(東渚など。午前10時過ぎの推計数。西渚干潟にも4羽が飛来した他、東渚上にも42羽をカウントできたが、遠方のものはハマシギとの判別が困難であったことから正確なカウントとはならなかった)
○ハマシギ         約1000羽(東渚、西渚など。遠方のものはシロチドリとの判別が困難であった。午前10時過ぎのシロチドリ・ハマシギ群のカウント数は1017羽であった。一時的には400羽を超える個体が西渚干潟にも飛来していた他、正午過ぎには12羽が汽水池にも飛来しているのが見られた。なお、西渚での観察中に両脚に見慣れないフラッグが付されたハマシギを見つけたが撮影する間もなく飛び去ってしまった。なお、西渚にはトウネン類は飛来しなかった)
○タシギ               7羽(又は12羽。汽水池)
○タマシギ              1羽(♀1羽。淡水池。正午過ぎに教えていただき見ることができた。湿地内の短く刈られたアシ原内を移動しながら採餌したり休んだりしていた。我々が当地でタマシギを見たのは1996年4月28日〜29日に♀1羽を見て以来であった。また、今冬はこれまでのところ目撃情報なども聞かれなかったことから、どこからか移動してきた個体と思われた) 
○セイタカシギ            6羽(汽水池で3羽見られた他、水路や旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近でも計3羽が見られた。特に午後に水路周辺で見かけた個体は旧江戸川を越えて舞浜側に移動し、鋼板で囲まれた干潟に進入していくのを確認できたことから、引き続きオオハシシギとともにいくらかの個体は舞浜側に留まっているものと思われた)
○タヒバリ               1羽(西渚観察ポイント付近。護岸堤防上を動き回っていた)
○アカハラ              3羽(汽水池付近、公園西側など)
○シロハラ              5羽(公園西側など)
○ツグミ             約25羽(公園西側など)  
○オオジュリン          約10羽(淡水池、汽水池周辺。アシ原で採餌する群も比較的よく見られた)
○シメ                1羽(♂冬羽と思われる個体。公園西側の雑木の林床部で落葉をあさりながら採餌していた)
○カケス               6羽(公園西側と汽水池付近で各3羽を視認することができた)

以上。



【2007年2月18日】

※葛西臨海公園(11:40〜15:30)
 昨夕からの雨が午後1時過ぎまで降り続いたことから、それまでは観察センター付近で探鳥した。その後は急速に天候が回復したことから、淡水池、汽水池、公園西側と回って探鳥した。風がやや強かったことと既に干潟が狭まってきていたことから西渚観察ポイントからの渚周辺の探鳥は行わなかった。昨日見られたタマシギが引き続き見られた他、セイタカシギ群が汽水池に本格的に戻ってきていた。また、雨上がりのためかツグミ類も多く見ることができ、小鳥類もいくらか見られた。大型カモメ類は100羽前後が東渚干潟に集結していたが変わったものは見られなかった。主なものは次のとおり。

○ミミカイツブリ          1羽(旧江戸川護岸付近。ハジロカイツブリ群中に入って採餌行動をともにしているのが確認できた。ほぼ冬羽であった)
○ホオジロガモ          3羽(旧江戸川河口周辺。♂成鳥2羽、♀タイプ1羽。休んでいることが多かった)
○ミコアイサ            2羽(♀タイプのみ。旧江戸川河口と水路内で各1羽が見られた)
○ウミアイサ            4羽(♀タイプのみ。旧江戸川河口) 
○ズグロカモメ           1羽(成鳥換羽中個体。正午過ぎから東渚干潟上空を飛翔しているのが見られた。午後2時過ぎには東渚干潟に集結したユリカモメ群中で休んでいるのが確認できた。頭部が黒くなっていることから遠方に降りていたり飛翔していても判別しやすかった)
○ノスリ              1羽(淡水池北側マツ周辺。午後1時頃には濡れた羽を広げて乾かしているようであった)
○チュウヒ             1羽(東渚アシ原周辺など。降雨中からよく飛翔しているのが見られた。一時的に水路上空にも飛来したが、淡水池に進入することはなかった。今季定着している個体と思われた)
○ハマシギ           16羽(汽水池など。擬岩付近に飛来していた。東渚干潟でも小群が飛翔するのが見られたが、午後2時過ぎには潮位が上がってきており、シロチドリ・ハマシギ群の個体数をカウントすることはできなかった)
○アカアシシギ           1羽(汽水池。越冬中の個体。午後1時半頃に擬岩付近に飛来しているのを見ることができた。これまでも時折汽水池に飛来していたが、セイタカシギ群とともに旧江戸川対岸の舞浜側アシ原育成地付近に留まっていることが多かった)
○タシギ               6羽(汽水池)
○タマシギ              1羽(♀1羽。淡水池) 
○セイタカシギ            8羽(又は9羽。汽水池で8羽が見られた他、午後2時頃には旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近にも1羽がいるのが確認できた。なお、セイタカシギ群とともに越冬中だったオオハシシギはまだ舞浜側に留まっているものと思われる)
○タヒバリ               1羽(東渚護岸堤防上)
○ジョウビタキ            1羽(♀タイプ。汽水池周辺)
○トラツグミ             1羽(観察センター付近。正午頃に観察センター北側の狭い芝生に飛来していたが、我々に驚いて常緑樹林地内に飛び去った。雨中で採餌していたようであった) 
○アカハラ              8羽(観察センター付近など)
○シロハラ             11羽(汽水池付近など。これまでになく多くの個体を見かけた)
○ツグミ             約40羽(公園西側など)
○ヤマガラ              6羽(汽水池周辺、公園西側)  
○オオジュリン            6羽(観察センター付近など)
○ウソ                7羽(公園北西部。♂成鳥1羽と♀タイプ6羽の群で、亜種アカウソと思われた。午後3時過ぎにサクラの芽を採食しているのが見られたが、まもなくして近くのアキニレに移動し残った果実や芽を採食していた)
○シメ                1羽(♂冬羽と思われる個体。公園西側のアキニレの木に休止していた)
○カケス               5羽(汽水池、公園西側。公園西側では飛翔したり樹上に休止する個体をよく見ることができた)

以上。



【2007年2月25日】

※葛西臨海公園(7:30〜13:40)
 到着時は満潮前で、午前8時半頃の満潮を過ぎて約2時間ほど経過した午前11時頃から東渚干潟が広がってきた。しかし満潮時の潮位は比較的低く、汽水池干潟の全体が冠水することはなかった。また、正午過ぎまでは北からの風が強く吹いた。このため西渚観察ポイントからの渚周辺の探鳥は行わず、水路護岸沿いを中心に鳥類園から公園西側を往復して探鳥した。タマシギが引き続き留まっていた他、2週間ぶりにヨーロッパトウネンを確認することができた。また、小鳥類も比較的多く見ることができたが、猛禽類は全く確認できなかった。なお、渚周辺のスズガモ、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリは相変わらず大群であった。冬季は当地ではほとんど見られなくなるウミネコが1羽(成鳥)が見られた。主なものは次のとおり。

○ホオジロガモ          1羽(又は2羽。♂成鳥。旧江戸川護岸周辺で盛んに潜水して採餌していた)
○ウミアイサ            2羽(♀タイプのみ。旧江戸川河口付近で採餌行動を取っているのが見られたが遠方であった)
○ズグロカモメ           1羽(成鳥換羽中の個体。前頭部に白色部が残っていたがほぼ夏羽となっていた。午前9時頃には、渚橋護岸付近を飛翔しては船着場の桟橋にユリカモメと休むのが見られた。その後は旧江戸川寄りの水路内構造物上にカモメやユリカモメと休んだりしていた他、東渚干潟上空を舞っているのも確認できた)
○ヒメアマツバメ          1羽(公園中央部。午後1時頃に樹冠部上空を飛翔する個体が見られた。かなり低空であった)
○クイナ              1羽(淡水池東側。アシ原際でバンとともに採餌していた)
○シロチドリ            2羽(東渚。正午頃のカウント数。遠方からの観察で一部のみの確認となっているものと思われた)
○ハマシギ         約120羽(東渚、汽水池など。正午頃の遠方からの東渚干潟上の見える範囲でのカウント数は108羽であった。午前中より最大10羽が汽水池干潟にも飛来していた他、堤防護岸や水路護岸にも1〜8羽が見られた)
○ヨーロッパトウネン        2羽(船着場付近護岸。午前9時頃にハマシギ1羽とともに3羽で採餌しているのが見られた。2月11日に見られた3個体のうちの2羽と思われた)
○アカアシシギ           1羽(汽水池、旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。午前8時頃にはセイタカシギ、オオハシシギとともに旧江戸川の対岸の舞浜側にいたが、正午前にはセイタカシギとともに汽水池に飛来してきていた)
○オオハシシギ           3羽(午前8時頃に旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近の鋼板上にアカアシシギとともに休んでいるのが確認できた。本日も汽水池への飛来はなかったことから舞浜側に留まっているものと思われる)
○タシギ               3羽(汽水池。擬岩付近)
○タマシギ              1羽(♀1羽、淡水池。いただいた情報によると、2月17日からほぼ連続して確認されているということであった。本日も午前10時半頃から見られたとのことであった)
○セイタカシギ            9羽(汽水池、旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。汽水池に定着したと思われる3羽の他に、オオハシシギ、アカアシシギと行動をともにしている6羽に分かれているようで、午前8時頃には旧江戸川対岸の舞浜側に6羽が確認できた)
○コゲラ               1羽(公園中央部。午前9時半頃にサクラの木で採餌しているのを近距離で観察することができた。頭部の赤点も見ることができたので♂と思われる。これまでと異なり、混群に入らず単独行動していた)
○ビンズイ              1羽(公園西側。アオジの小群に混じったりしていたが、基本的には単独でマツの林床部で採餌していた)
○タヒバリ              2羽(堤防護岸)
○ジョウビタキ            2羽(♀タイプのみ。公園西側と汽水池で見られた。汽水池の個体は干潟上を動き回っていた) 
○アカハラ              7羽(公園西側、汽水池など)
○シロハラ              3羽(公園西側、汽水池など)
○ツグミ             約30羽(淡水池周辺など)
○ヒガラ               2羽(公園西側。午前10時頃にクヌギの梢に飛来したのを見ることができた。メジロと混群を形成しながら園内を移動し採餌しているようであった。引き続き当地で越冬中と思われる)   
○ヤマガラ              3羽(公園中央部。エゴノキの落果を拾っては採食していた。公園西側でも見られた)
○オオジュリン          約20羽(汽水池周辺。午前8時頃には擬岩付近で、シジュウカラ、メジロ、ホオジロとともに採餌する14羽の群が確認できたが、その他では飛翔する個体は比較的見られたもののじっくり視認できた個体は少なかった)
○ウソ                4羽(公園西側。午後1時過ぎにサクラの梢で群が芽を採食しているのを見ることができた。♂成鳥は1羽のみで他は♀又は♂若鳥と思われた。この他、汽水池南側樹林地や淡水池周辺でも鳴き声を聞くことができた)
○カケス               3羽(汽水池、公園西側。飛翔移動したりマツに休止したりするのを視認することができた。この他に鳴き声も聞けた)

以上。