2007年1月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑


【2007年1月3日】

※葛西臨海公園(7:30〜12:30)
 到着時は満潮を過ぎて潮位が下がり始めているところであった。午前9時頃からは干潟が広がり始め、西渚干潟にもハマシギ群が飛来した。最初に公園中央部や渚橋付近で探鳥した後公園西側に回り、午前9時頃から約1時間ほど西渚観察ポイントから渚付近で探鳥を行った。その後、鳥類園に回って探鳥した。特に変わったものは見られなかったが、これまでと比べて猛禽類の出現が多かった。また、夜明け前に小雨があり人出が少なかったせいか、ツグミ類が多かった。主なものは次のとおり。

○ズグロカモメ           1羽(西渚など。成鳥冬羽。午前9時頃に西渚干潟に飛来し、カニを採取していた。その後は主に東渚干潟周辺を飛翔しているのが見られた)  
○ミサゴ              1羽(又は2羽。午前9時頃から東渚内の棒杭上で休んでいるのが見られたが、午前10時半頃と正午頃には比較的大きな魚を捕らえ、沖杭上などで採食しているのが見られた)
○ノスリ              2羽(午前10時頃から淡水池周辺に1羽が飛来して時折狩りを行っていたが、午前11時半頃にはカラスに追われる形でもう1羽が上空から淡水池周辺に飛来した。1羽は淡水池上空で帆翔し空高く舞い上がりチョウゲンボウに執拗なモビングを受けていた)
○チュウヒ             1羽(午後1時頃に東渚方面から汽水池上空に飛来し、その後淡水池に進入してよく旋回したが、まもなくして南西方向に飛び去った。頭部に白っぽい部分が多くこれまでに見たことのない個体と思われた)
○オオタカ             1羽(若鳥。午前10時頃に汽水池北側のマツに休止しているのが見られた。まもなくして飛び立ち帆翔しながら高度を上げて南西方向に飛び去った)
○ハヤブサ             1羽(成鳥と思われる個体。午前11時頃に東渚舞浜側堤防の構造物上に休止しているのが見られた) 
○チョウゲンボウ          2羽(正午頃に帆翔したノスリに執拗にモビングする個体が見られた他、午後1時頃には淡水池北西側上空を時折ホバリングしながら通過する個体が見られた)
○ヒメアマツバメ          4羽(午前8時半頃に公園西側で1羽が上空を通過するのが見られたが、午後1時頃には淡水池上空に4羽の小群が見られた)
○シロチドリ           52羽(東渚。遠方のものはハマシギとの識別が困難であった。もっといたものと思われる)
○ヨーロッパトウネン        1羽(水路護岸。午前8時頃にハマシギ36羽とともに護岸で採餌していた。近距離で観察できたことから、11月26日に確認したものと同一個体と思われた)
○ハマシギ          約800羽(東渚、西渚、護岸など。午前9時過ぎのハマシギ・シロチドリ群のカウント数は832羽であった。視界が遮られたりしたことからもっといたものと思われた)
○タシギ               2羽(汽水池)
○カワセミ              1羽(汽水池)
○タヒバリ              4羽(西渚周辺。護岸付近にいることが多かったが、干潟にも飛来した)
○ジョウビタキ            1羽(公園中央部。♀タイプ)
○イソヒヨドリ            1羽(♂成鳥と思われる個体。旧江戸川河岸。近距離で見ることができた)
○アカハラ             11羽(公園中央部、公園西側など。芝生上にもよく出てきて採餌していた。また、地中から掘り出したムシをモズに横取りされるシーンなども見ることができた。なお、公園中央部で観察できたものの中に、胸から羽にかけて小さい白斑が散らばっている若い個体が見られた)
○シロハラ              4羽(公園中央部、汽水池付近など)
○ツグミ             約40羽(公園中央部など。芝生上に降りている個体も多かった)  
○ヤマガラ              2羽(公園中央部など)
○オオジュリン          約10羽(淡水池周辺。比較的好天だったこともありアシ原で採餌したり、飛翔移動する姿がよく見られた)
○ウソ                6羽(公園中央部、淡水池周辺など。午前8時頃に公園西側で♂若鳥と♀と思われる2羽を見ることができた。午前11時半頃には観察センター近くの淡水池のハコネウツギに♂3羽、♀1羽の小群が飛来し、盛んにハコネウツギの果実を採食しているのを見ることができた。この小群は汽水池南側樹林地でも見かけたことから鳥類園付近で越冬しているものと思われる。また、撮影画像を見たところ♂1羽には足環が付けられているのが確認できた。なお、2001年〜2002年にかけて当地で♂2羽が越冬した際には、もっぱら園内のハコネウツギの果実を採食していたが、今季ハコネウツギを採食するのを観察したのは初めてであった)
○カケス               8羽(公園中央部、淡水池付近など。公園中央部で2羽を視認できた他、淡水池付近でも6羽を視認することができた)

以上。



【2007年1月7日】

※葛西臨海公園(9:10〜12:50)
 到着時は満潮を過ぎていたが、昨日の雨と西からの強風のせいで潮位はなかなか下がらなかった。東渚干潟が広がり始めたのは午前11時半頃からであった。最初に公園西側や公園中央部を回った後に渚橋付近で探鳥したが西からの強風が吹いていたことから西渚観察ポイントには向かわず、その後は鳥類園に回って探鳥した。今季初めてシロカモメを確認することができたが、他には特に変わったものは見られなかった。強風のためか小鳥類は少なめであった。また、カモメ類は強風にあおられて水路や公園上空を飛翔するものが多かった。主なものは次のとおり。

○シロカモメ            1羽(成鳥と思われる個体。水路周辺。午前10時半頃に東渚方面うから強風にあおられて水路内に飛来した。一時的に水路内水面に降りようとしたが、そのまま飛び続け、渚橋付近、さらには荒川河口付近を通過して新木場方面に去った。今季初認)  
○トビ               3羽(又は4羽。荒川河口付近や鳥類園上空で見られた他、強風にあおられて公園上空を飛翔するものも見られた)
○ノスリ              1羽(午前11時半頃に汽水池北側のマツに休止しているのが見られた。その後、汽水池や淡水池上空を行き来し、ホバリングなども行ったが、狩りは行わなかった。上空を舞っている時にカモメ類のモビングを受けていた)
○チュウヒ             1羽(正午過ぎに、東渚アシ原上空を強風にあおられながら舞っているのが見られた。これまでよく見られている腰部の白っぽい♂タイプの個体であった)
○シロチドリ          約10羽(東渚。正午過ぎにハマシギ群とともに東渚干潟に飛来し始めているのが見られた)
○ハマシギ          約300羽(東渚、護岸。正午過ぎに東渚干潟に飛来し始めていた。また、午前10時頃には121羽が水路護岸に飛来して採餌していた。いただいた情報によると一時的にトウネン類が混じっていたとのことであったが、我々は見られなかった)
○アカアシシギ           1羽(午前11時頃に、旧江戸川舞浜側アシ原育成地後背堤防上でセイタカシギ、オオハシシギとともに休んでいるのが見られた)
○オオハシシギ           3羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地後背堤防上)
○セイタカシギ           6羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地後背堤防上)
○ビンズイ             3羽(公園西側。3ケ所で各1羽がマツの林床部で採餌しているのを見ることができた。群が散らばっているようで、マツの樹上付近からズイーという声が聞こえることもあった)   
○イソヒヨドリ            1羽(♂成鳥。旧江戸川河岸)
○アカハラ              6羽(公園西側、淡水池付近など)
○シロハラ              3羽(公園西側など)
○ツグミ             約20羽(公園中央部など。芝生上に降りている個体も多かった)  
○ヤマガラ              5羽(公園中央部、淡水池周辺など)
○オオジュリン            4羽(淡水池周辺。時折飛翔移動する姿が見られたが、強風のため採餌する姿などは見られなかった)
○ウソ                7羽(公園西側。♂若鳥2羽と♀5羽と思われる群が確認できた。なお、正午過ぎに淡水池付近を移動する、それらしい2羽も見られた)
○シメ                1羽(午前11時過ぎに汽水池を横断する形で南側から北側樹林地に移動するのが見られた)
○カケス               2羽(公園西側など。姿をじっくりと見ることはできなかった。汽水池周辺でもジェージェーという鳴き声が聞かれたが視認することはできなかった)

以上。



【2007年1月8日】

※葛西臨海公園(7:30〜13:50)
 到着時は満潮近くで、東渚干潟が広がり始めたのは午前11時頃からであった。昨夜までの強風も止んでおり快晴であった。最初に渚橋付近の護岸で探鳥した後鳥類園に回り、午前11時半頃から公園西側に向かった。西渚観察ポイントから渚付近の探鳥は正午過ぎから行い午後1時半頃まで留まった。これまでと特に変わったものは見られなかったが、比較的多くの種類を見ることができた。なお、水路護岸ではこれまでヨーロッパトウネンと同定していた2羽を同時に確認した。大型カモメ類は午後1時頃には約40羽が干潟上に集結していた。また、多くのユリカモメとともにカモメが10羽前後見られウミネコ(成鳥)も1羽残っていた。主なものは次のとおり。

○ミミカイツブリ           1羽(東西渚間水路。午後1時前後に盛んに潜水を繰り返しながら採餌を行っていた。このところ見られている個体と思われる)
○ホオジロガモ           1羽(♀タイプ。東渚周辺。スズガモ群から離れて単独で採餌していた)
○ミコアイサ             3羽(♂1羽、♀タイプ2羽。午前9時半頃に旧江戸川で見られたが、午前11時頃には一時的に淡水池に入っていた)
○ワシカモメ            1羽(成鳥と思われる個体。午後1時頃に東渚干潟上に集結しているセグロカモメ群中に見られた。約400mの距離があったが盛んに羽繕いを行っていたことから確認できた。午後1時半頃にミサゴ、ハヤブサに出現に伴って他のカモメ類とともに飛び立ち西渚観察ポイント近くを通過して西渚内の棒杭上に休止したが、通過の際に近距離から風切のパターンなどを確認することができた。その後セグロカモメに追い出されて棒杭上から飛び立ち、西方向に去った)
○ズグロカモメ           1羽(西渚など。成鳥冬羽。午前8時頃に水路護岸付近を飛翔しているのを見ることができた他、正午過ぎからは西渚干潟で観察することができた。浅水域に舞い降りては繰り返しマテガイを採取し干潟上で採食していた。本種がマテガイを採食するのを見たのは初めてであった。東渚干潟ではユリカモメ群から少し離れて休んでいた)  
○ミサゴ              2羽(又は3羽。午前10時頃から東渚沖合いを飛翔したり沖杭上で休んでいる個体が見られた。午後1時過ぎには東渚上空に現れ旋回を繰り返したが、狩りは行わず若洲海浜公園方面に去った)
○トビ               1羽(午前10時頃に荒川河口方面の上空を舞っている個体が見られた)
○ノスリ              2羽(午前10時過ぎに東渚方面からカラスに追われて2羽が揃って淡水池上空に飛来した。このうち1羽は葛西臨海水族園上空で帆翔して高度を上げ東渚方面に去ったが、もう1羽は淡水池北側樹林地に舞い降りた。この個体はその後淡水池周辺を低く飛翔しては狩りを繰り返していたが成功しなかったようであった)
○チュウヒ             1羽(午前9時半頃から東渚アシ原上を飛翔しているのが3回ほど見られた。これまで見られている♂成鳥タイプの個体と思われた)
○ハヤブサ             1羽(成鳥と思われる個体。午前9時頃に東渚舞浜側堤防の構造物上に休止しているのが見られた。その後見えなくなったが、午後1時過ぎには再び同じ場所に現れていた)
○クイナ              2羽(淡水池東側。視認できたのは1羽のみ。午前10時過ぎにアシ原際で日光浴をしているのを見ることができた。アシ原内でもう1羽が鳴いたことに呼応して盛んに鳴いたが、上空にノスリが現れたことからアシ原内に入った) 
○シロチドリ          約10羽(東渚。干潟が広がり始めた午前11時頃に見られた。午後1時頃にカウントを行った時にはハマシギ群のみでシロチドリは確認できなくなっていた)
○ヨーロッパトウネン        2羽(水路護岸。午前8時頃にハマシギ6羽とともに護岸で採餌していた。これまでに観察している2羽と思われた。同時に観察してみると1羽(2006年11月26日、2007年1月3日に確認したものと同一と思われる個体)は小さく典型的なヨーロッパトウネンと思われたが、もう1羽(2006年12月23日に確認したものと同一と思われる個体)はかなり大きめであった。小さめの個体が成鳥冬羽で、大きめの個体が幼羽が残っている若鳥と思われた)
○ハマシギ         約1000羽(東渚、護岸など。午後1時頃の一部カウントのうえでの推計数。数回のカウントを行ったが落ち着かずきちんとカウントできなかった。ミサゴやハヤブサが出現した際の群飛の状況からは1000羽は超えていたものと思われた)
○アカアシシギ           1羽(午前9時半頃に、旧江戸川舞浜側アシ原育成地の鉄柵上でオオハシシギとともに休んでいるのが見られた)
○オオハシシギ           3羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地の鉄柵上でアカアシシギとともに見られた)
○セイタカシギ            6羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近)
○カワセミ              1羽(汽水池、擬岩付近)
○タヒバリ              2羽(西渚護岸付近)
○ジョウビタキ            2羽(淡水池周辺など。♀タイプのみ)
○アカハラ              5羽(公園中央部など。淡水池付近で見られた個体は、かなりの間サクラに休止して日光浴を行っているように思われた)
○シロハラ              5羽(公園西側など)
○ツグミ             約20羽(公園中央部など。芝生上に降りている個体も多かった)  
○ヤマガラ              4羽(公園中央部、汽水池周辺など)
○オオジュリン          約20羽(淡水池周辺。好天だったこともありアシ原で採餌したり飛翔する姿がよく見られた。一部の個体は水路を越えて東渚に移動していた)
○ウソ                9羽(汽水池周辺と公園西側。午前10時頃に汽水池南側樹林地のハコネウツギ群落付近で♀タイプ2羽がハコネウツギの果実を採食しているのが見られた。また公園西側では♂3羽(うち若鳥2羽)、♀4羽からなる7羽の群が地面に降りて採餌しているのを見ることができた)
○カケス               6羽(汽水池付近など。飛翔している姿がよく見られた。引き続き越冬しているようである)

以上。



【2007年1月20日】

※葛西臨海公園(7:20〜10:40)
 到着時は満潮を過ぎて潮位が下がり始めているところであった。東渚干潟は午前8時過ぎまでは広がっておらず、ハマシギ・シロチドリの越冬群は西渚の砂浜で休んでいた。曇天で北風がやや強くて寒く、一時的に小雪も舞った。最初に公園中央部を経由して渚橋付近で探鳥した後鳥類園に回り、午前10時頃から公園西側に向かった。西渚観察ポイントからの渚付近の探鳥は行わなかった。これまでと同じようにツグミ類が多く、久しぶりにトラツグミも見ることができたが、特に変わったものは見られなかった。なおズグロカモメは確認できなかった。主なものは次のとおり。

○ウミアイサ            1羽(♀タイプ。東渚付近)
○ノスリ              1羽(汽水池。午前9時頃からカラスに追われては汽水池北側マツに休止したりするのが見られた)
○チュウヒ             1羽(午前9時頃から東渚内のマツ上で休んでいるのが見られたが、午前9時半頃からはアシ原上を飛び回っているのが見られた。これまで見られている♂成鳥タイプの個体であった)
○ハヤブサ             1羽(成鳥と思われる個体。午前10時頃に東渚舞浜側堤防付近から飛び出してハマシギ群を襲うのかと思われたが、水路上空で高度を上げて淡水長池上空を通過して公園西側方面に去った。荒川方面に向かったものと思われたが、しばらくして荒川河口方面から東渚に舞い戻ってきたのが確認できた。ハマシギ・シロチドリに気付かれにくいように堤防上の岩陰に隠れるように止まった)
○クイナ              1羽(淡水池東側。午前9時半過ぎに見ることができた。近くをヒヨドリが通過しただけでアシ原内に入った) 
○シロチドリ          約50羽(西渚。午前8時頃まではハマシギ・シロチドリ群は西渚砂浜上で休んでいたが、視界が遮られたことからカウントできたのは一部であったと思われる)
○ハマシギ         約800羽(東渚など。西渚砂浜上で休んでいたが開門前の午前8時頃には東渚方面に移動してしまった。午前10時頃にカウントした際は、ハヤブサの出現で飛び立ったりしたことからきちんとカウントできなかった)
○アカアシシギ           1羽(午前8時過ぎに、旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近の護岸上でセイタカシギ、オオハシシギとともに休んでいるのが確認できた)
○オオハシシギ           2羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近の護岸上でセイタカシギなどとともに見られた)
○タシギ              14羽(汽水池。これまでになく多く見られた。単独か2羽のことが多かったが、8羽の群も見られた)
○セイタカシギ            8羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近の護岸上で見られた)
○ビンズイ              2羽(公園西側。午前10時半頃にマツの疎林の芝生上で見られたが、何かに驚いて飛び立ち、近くの木に休止した。よく鳴いていた)
○ジョウビタキ            2羽(公園中央部、淡水池周辺など。♀タイプのみ)
○トラツグミ             1羽(汽水池周辺。午前9時半頃に林床部を移動しているのを見ることができた) 
○アカハラ              9羽(公園中央部など)
○シロハラ              6羽(公園西側など)
○ツグミ             約50羽(公園中央部など。芝生上に降りている個体も多かった)  
○ヤマガラ              2羽(汽水池周辺など)
○オオジュリン          約10羽(淡水池周辺。アシ原で採餌する姿も見られたが脚環が付けられている個体が見られた)
○ウソ                3羽(公園西側。いづれもアカウソで♂若鳥1羽と♀2羽と思われた。午前10時半頃に小高木に休止しているのが見られた)
○カケス               6羽(汽水池付近など。茂みや樹林内に休止している姿も見かけたが、飛翔する姿もよく見られた)

以上。



【2007年1月21日】

※葛西臨海公園(7:20〜15:40)
 到着時は満潮で、東渚干潟が広がり始めたのは午前9時過ぎからであった。最初に淡水池周辺から鳥類園で探鳥し、午前9時半頃から西渚観察ポイントから渚周辺の探鳥を行ったが、堤防付近は思った以上に寒かったことから午前11時頃からは渚橋付近や公園西側に移動して探鳥した。午後1時頃になって淡水池でオオホシハジロが確認されたとの情報をいただいたことから、その後は再び淡水池に戻った。当地でオオホシハジロが確認されたのは2004年2月以来と思われる。長時間の探鳥となったこともあり、多くの種類が見られた。主なものは次のとおり。

○ミミカイツブリ           1羽(午前10時半頃に西渚東側堤防先端部近くの水面に見られた。西渚水面内に進入してきたハジロカイツブリの大群とはやや離れて単独で行動していた)
○オオホシハジロ          1羽(淡水池。♂成鳥と思われる個体。午後1時頃に教えていただき見ることができた。いただいた情報によると正午過ぎに確認されたとのことでホシハジロ・キンクロハジロ群内で休んでいることが多かった。当地では2003年2月と2004年2月にオオホシハジロ♂成鳥が見られており、特に2003年2月はほぼ連続して見られた記録がある。本日の個体を当時の個体と比べると、2003年の個体はアシ原際に隠れて休むことが多かったが、今回の個体は開けた水面で休んでいた。また、今回の個体の方が頭や頸の黒色味や背と腹の白色味がやや鈍い印象を受けた)
○ミコアイサ             2羽(♀タイプのみ。午前8時半頃に旧江戸川舞浜側の護岸周辺に上がって休んでいるのが見られた)
○シロカモメ             1羽(成鳥と思われる個体。正午過ぎに東渚干潟上を舞っているのが見られたが、しばらくして南西方向に飛び去った)
○ズグロカモメ            1羽(成鳥冬羽。午前9時過ぎに船着場の構造物上にユリカモメとともに休んでいるのが見られた。わずかに後頭部に黒色部が多くなってきていた)  
○ミサゴ               1羽(又は2羽。到着直後から沖杭に休止している個体が見られたが、正午過ぎには東渚干潟上を舞った後、浅水域に降りる個体が見られた)
○ノスリ               1羽(午前9時頃に汽水池周辺で見られた。カラスの執拗なモビングを受けたが、汽水池北側のマツに休止したりしていた。近距離で見る機会もあった)
○チュウヒ             1羽(到着直後から淡水池周辺に進入したり東渚アシ原上を飛翔しているのが見られた。これまで見られている♂成鳥タイプの個体であった)
○ハヤブサ             1羽(成鳥と思われる個体。午前9時頃に東渚舞浜側堤防上に休止しているのが見られた)
○チョウゲンボウ          1羽(午後1時過ぎに淡水池上空に現れ東渚方面に去った)
○ヒメアマツバメ          5羽(又は7羽。午後3時過ぎに淡水池上空で5羽の群が見られた他、正午頃にも公園西側で2羽が見られた) 
○シロチドリ          約60羽(東渚。午前10時頃のカウント数。遠方のものはハマシギとの判別が困難であった)
○ハマシギ         約1000羽(東渚、西渚など。午前10時頃の一部カウントのうえでの推計数。落ち着かずきちんとカウントできなかった。なお、干潟が狭まってきた午後3時頃にはハマシギ・シロチドリ群が干潟を飛び立って舞浜沖方面に去るのが見られた)
○アカアシシギ           1羽(午前8時半頃に旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近でセイタカシギなどとともに休んでいるのが見られた)
○オオハシシギ           3羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近でアカアシシギとともに休んでいるのが見られた)
○セイタカシギ           8羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。オオハシシギ3羽、アカアシシギ1羽とともに越冬群を形成している)
○カワセミ              1羽(汽水池、擬岩付近)
○コゲラ               1羽(公園西側。ヤマガラ、ヒガラ、メジロの混群とともに移動しながら採餌していた)
○ビンズイ              1羽(公園西側。マツ林周辺をズイーと鳴きながら通過したが、地面には降りなかった) 
○タヒバリ              2羽(西渚護岸付近)
○ジョウビタキ            1羽(淡水池周辺。♀タイプ)
○イソヒヨドリ            2羽(旧江戸川河岸で♂成鳥が見られた他、荒川河口付近で♂若鳥と思われる個体も見られた)
○アカハラ             11羽(鳥類園など)
○シロハラ              3羽(鳥類園など)
○ツグミ             約30羽(公園中央部など)
○ヒガラ               3羽(公園西側。ヤマガラ、メジロの混群中に見られた。マツの木に入り込んで採餌していることが多かった)   
○ヤマガラ            約12羽(公園中央部、汽水池周辺など。公園西側でヒガラと混群を形成していたのは8羽であった)
○オオジュリン          約20羽(淡水池周辺。午後には天候が回復したこともありアシ原で採餌したり飛翔する姿がよく見られた。一部の個体は水路を越えて東渚に移動していた)
○ウソ                4羽(公園中央部と公園西側。いづれもアカウソで正午頃に見られた。♂成鳥も1羽確認できたが、サクラの芽を食べている個体が多かった。いただいた情報によると、現在でも10羽を超える数が留まっており主としてサクラを採食しているとのことであった)
○カケス               4羽(汽水池、淡水池付近、公園西側。視認できた個体以外にも声が聞かれたので、もっと多くの個体が越冬しているようである)

以上。



【2007年1月27日】

※葛西臨海公園(8:10〜14:10)
 到着時は満潮近くであったが潮位は低く、午前10時頃からは再び干潟が広がってきた。快晴で風も弱く暖かい陽気で園内のウメの開花も相当進んできていた。最初に公園中央部を経由して渚橋付近で探鳥した後西渚観察ポイントに向かい渚周辺の探鳥を行った後、鳥類園周辺を回り正午過ぎまで淡水池付近で探鳥した。その後は再び公園西側を回って切り上げた。特に変わったものは見られなかったが、渚周辺のカンムリカイツブリ、ハジロカイツブリには夏羽に近い個体も混じるようになってきていた。なお、オオホシハジロが見られたのは21日のみで、その後は確認されていないとのことであった。主なものは次のとおり。

○ミミカイツブリ          1羽(西渚。成鳥冬羽と思われる個体。東側堤防南端付近で潜水を繰り返しては採餌を行っていた)
○ミコアイサ            1羽(♀タイプ。淡水池。♂も旧江戸川水面で見られたとのことであったが、我々は見られなかった)
○ズグロカモメ           1羽(成鳥冬羽。午後1時頃に船着場付近の構造物上にユリカモメとともに休んでいるのが見られたが、しばらくして東渚干潟方面に移動してしまった)
○ミサゴ              1羽(午前中に東渚内の棒杭に休止したりしているのが見られた)
○ノスリ              2羽(汽水池、淡水池周辺。午前10時半頃に汽水池上空でカラスに追われている個体が見られたが、正午頃には淡水池上空に飛来して帆翔する姿を見せてくれた。また、午後1時頃には別個体と思われるものが淡水池上空を通過し公園北方向に飛び去った)
○クイナ              1羽(淡水池東側。正午頃に見ることができた)
○ヒメアマツバメ          3羽(午前10時半頃に公園中央部付近で見られた) 
○シロチドリ           24羽(西渚。正午過ぎのカウント数。視界が遮られたことからカウントできたのは一部であった)
○ハマシギ           146羽(西渚など。正午過ぎのカウント数。視界が遮られたことからきちんとカウントできなかった)
○アカアシシギ           1羽(午前10時半頃に旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近の護岸上でセイタカシギ、オオハシシギとともに休んでいるのが確認できた)
○オオハシシギ           3羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近の護岸上でセイタカシギなどとともに見られた)
○タシギ               8羽(汽水池)
○セイタカシギ            8羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近の護岸上で見られた)
○ビンズイ              4羽(公園西側。午前9時頃に公園西側で1羽がマツの木に入ったのが見られた。また午後1時半過ぎには公園北西端のマツ疎林の芝生上で3羽の小群が見られた)
○タヒバリ              1羽(西渚護岸)
○ジョウビタキ            1羽(汽水池周辺。♀タイプ)
○アカハラ              3羽(公園中央部など)
○シロハラ              2羽(公園西側など)
○ツグミ             約50羽(公園中央部など。芝生上に降りている個体も多かった)  
○ヤマガラ              4羽(公園西側)
○オオジュリン          約30羽(淡水池周辺。好天であったこともあり、ホオジロなどとともにアシ原で採餌する姿がよく見られた)
○ウソ                4羽(汽水池周辺。♂3羽♀1羽の小群。午前11時過ぎからサクラの芽やセイタカアワダチソウの実を採食するのが見られた)
○カケス               4羽(汽水池、淡水池付近。樹林内に休止している姿も見かけたが、飛翔する姿もよく見られた)

以上。



【2007年1月28日】

※葛西臨海公園(7:00〜13:50)
 到着時は満潮に向かって干潟が狭まってきているところであった。午前11時前に満潮となり、正午過ぎからは再び潮位が下がり始めた。最初に公園中央部を経由して渚橋付近で探鳥した後、淡水池、旧江戸川護岸と回って鳥類園周辺で探鳥した。正午頃から西渚観察ポイントに向かい渚周辺の探鳥を行った後公園西側を回って切り上げた。冬期当地で初めてアジサシ類を見ることができたが撮影はできなかった。なお、渚周辺はスズガモ、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリの群がさらに大きくなっていた他、午前9時過ぎ頃まで船舶の往来が少なかったせいか、旧江戸川河口周辺でも多くのカモ類が見られた。主なものは次のとおり。

○ミミカイツブリ          1羽(西渚。成鳥冬羽と思われる個体。午前8時頃に昨日と同じ水域にいるのを渚橋付近から確認できた)
○ホオジロガモ          3羽(旧江戸川河口周辺。♂2羽、♀タイプ1羽。午前9時頃に盛んに潜水を繰り返しているのが見られた)
○ミコアイサ            2羽(♂♀各1羽。旧江戸川京葉線鉄橋付近)
○ウミアイサ           11羽(♂1羽の他は♀タイプのようであった。午前9時頃に3つの小群が見られた。近くの個体でも100m以上の距離があった。船舶の航行に驚いて飛翔移動するのが見られた。当地でこれほどの数のウミアイサを見たのは初めてであった) 
○ワシカモメ            1羽(成鳥冬羽と思われる個体。正午過ぎに西渚水面内の棒杭上に休んでいるのが見られた。西渚観察ポイントに急いで向かい何とか近くで確認することができたが、まもなく飛び立って荒川河口付近で上空を旋回した後新木場方面に飛び去った)
○ズグロカモメ           1羽(成鳥冬羽。午前7時半頃に船着場付近の構造物上にユリカモメとともに休んでいるのが見られた。また、午後1時過ぎには東渚干潟周辺を飛翔していた。船着場付近での近距離からの観察では後頭部を中心に黒味が多くなってきているようであった)
○クロハラアジサシ        1羽(旧江戸川護岸周辺。午前9時過ぎに水路分岐近くの旧江戸川上空で飛翔しているアジサシ類を見つけた。一時的に護岸近くにも飛来したが、水路周辺を飛び回った後、旧江戸川河口上空にユリカモメが形成した鳥柱に入り南西方向に去った。近距離でじっくりと観察することはできなかったが、頭部に黒色部が見られ尾が短かかったことなどからクロハラアジサシの越冬個体の可能性が高いと判断した。なお撮影記録することはできなかった)
○ミサゴ              2羽(渚周辺。午前8時頃に東渚沖杭に休んでいる個体が見られたが、この個体は午後には捕えた魚を採食しているのが見られた。また午前9時過ぎには沖合いを通過する別個体も見られた)
○トビ               2羽(午前10時過ぎに荒川河口上空を舞っているのが見られたが、東渚付近には飛来しなかった)
○チュウヒ             2羽(到着直後から東渚アシ原周辺を飛翔しているのがよく見られた。また、いづれの個体も淡水池に進入し低木上に休止するのが見られた) 
○ヒメアマツバメ          3羽(汽水池上空。午前11時過ぎに見られた。いづれも旧江戸川を越えて舞浜方面に去った) 
○クイナ              1羽(淡水池東側) 
○シロチドリ           86羽(東渚。午後1時頃のカウント数。遠方のものはハマシギとの判別が困難であった他、視界が遮られた)
○ハマシギ          1057羽(東渚。午後1時頃のカウント数)
○アカアシシギ           1羽(正午頃に旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近の石積みと鋼板上でセイタカシギ、オオハシシギとともに休んでいるのが確認できた)
○オオハシシギ           3羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近の鋼板上でセイタカシギなどとともに見られた)
○タシギ              11羽(汽水池。午前8時半頃には集団で採餌していたが、その後は観察センターよりのアシ原に入り休んでいた)
○セイタカシギ            8羽(汽水池、旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近の石積み。旧江戸川をへだてた汽水池にも2羽が飛来していたが、残りは舞浜側に留まっていた)
○コゲラ               2羽(淡水池付近と公園西側で各1羽。いづれもきちんと視認することはできなかったが、シジュウカラやヤマガラ群とともに行動しているようで特徴のある鳴き声を繰り返し聞くことができた)
○ジョウビタキ            3羽(淡水池周辺で♀タイプ2羽が同時に見られた他、♂が東渚護岸付近にいるのを遠方から確認できた)
○イソヒヨドリ             1羽(♂成鳥。旧江戸川護岸)
○トラツグミ              1羽(船着場近くの植栽地。芝生上をアカハラ、ツグミとともに飛んで移動するのが見られたのみで、葛西臨海水族園敷地内に入ったようであった)
○アカハラ             10羽(公園中央部など。多くの個体が見られた。1月3日に確認した斑状に部分白化が生じている個体を再び見ることができた)
○シロハラ              8羽(公園中央部、汽水池付近など)
○ツグミ             約40羽(公園中央部など)  
○ヤマガラ              5羽(淡水池付近、公園西側)
○オオジュリン          約30羽(淡水池、汽水池周辺。時折陽光も差したことから、アシ原で採餌する群がよく見られた)
○ウソ                2羽(汽水池周辺。午前11時頃に汽水池南側で見られたが、じっくりと見ることはできなかった。鳴き声は比較的よく聞かれた)
○シメ                1羽(淡水池付近。午前8時半頃にマツの木に休止したのを見ることができた)
○カケス               5羽(淡水池付近など。チュウヒに追い出されて飛び出した個体など、飛翔移動する個体がよく見られた)

以上。