2006年8月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑


【2006年8月5日】

※葛西臨海公園(8:20〜11:30)
 到着時は干潮を過ぎて徐々に潮位が上がり干潟が狭まり始めているところであった。最初に渚橋付近で探鳥した後、西渚観察ポイントに向かい午前10時頃まで留まり、その後鳥類園で探鳥した。久しぶりにチョウゲンボウが見られ、シギ・チドリ類も多くなってきているようであったが、特に変わったものは見られなかった。なお、いただいた情報によると8月1日〜3日にハジロクロハラアジサシの群(若鳥12羽)が西渚付近に飛来し、西渚草地で昆虫類を採餌するのが見られたとのことであった。また、7月初旬に淡水池でヨシゴイが作った巣については抱卵期間を過ぎたと思われる今月上旬になっても変化がなく放棄されたものと思われるとのことであった。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ         3羽(夏羽。水路周辺)
○ズグロカモメ            1羽(若鳥。午前9時過ぎに東渚干潟上に休止しているのが確認できた。余り飛び回ることは行わず、干潟上で小距離を低く飛んでは採餌を行っているようであった。いただいた情報によると西渚干潟に飛来することもあるとのことであった)
○チョウゲンボウ           1羽(西渚。午前9時前にホバリングしては草地に舞い降りることを繰り返しているのが見られた。昆虫類を採取していたものと思われた。♀と思われる個体であった)
○コチドリ              2羽(汽水池、水路付近)  
○シロチドリ             6羽(西渚など)
○メダイチドリ            4羽(夏羽個体。東渚)
○ダイゼン              6羽(東渚)
○ソリハシシギ            2羽(西渚、汽水池)
○アオアシシギ            9羽(汽水池、東渚)
○キアシシギ            30羽(汽水池、渚周辺など)
○ダイシャクシギ           2羽(東渚)
○ホウロクシギ            2羽(東渚)
○チュウシャクシギ          2羽(東渚)
○セイタカシギ           22羽(汽水池、淡水池、渚周辺。汽水池には幼鳥4羽を含む18羽が飛来していた)
○カワセミ               1羽(汽水池)
○コムクドリ            約10羽(汽水池、淡水池周辺。午前10時過ぎに淡水池周辺の切り払われたクズ周辺に♂♀各1羽が飛来しているのを見ることができた他、擬岩付近で水浴する2羽が見られたり、汽水池南側のニセアカシア・サクラの木立付近を群が移動するのも見られた)


※谷津干潟(12:10〜15:20)
 到着時は徐々に干潟が狭まりつつあるところで、シギ・チドリ類は既に多くの個体が飛来していた。午後3時頃には干潟がかなり狭まったことから切り上げたが、ほとんどの個体は干潟内に留まっていた。このところ見られていたアカアシシギは見られなかったが、オオメダイチドリ、タカブシギといった比較的珍しい種類も見られた。また、セイタカシギの幼鳥も見られた。主なものは次のとおり。

○コアジサシ             1羽(成鳥。午後3時頃に潮位が上がってきた干潟に舞い降りている個体が1羽のみ見られた)
○チュウサギ             2羽(干潟と淡水池付近で各1羽が見られた。淡水池の個体は至近距離で見ることができた)
○シロチドリ            10羽(干潟東側。午後2時頃に多くの個体が東方面に飛び去った)
○メダイチドリ          202羽(干潟東側。午後2時半頃のカウント数。換羽中の個体が多かった)
○オオメダイチドリ          1羽(干潟東側など。幼鳥。午後1時過ぎに観察ポイント前に飛来した。なお、いただいた情報によると換羽中の成鳥個体も見られているとのことであったが、我々はきちんと確認することはできなかった)  
○ダイゼン             32羽(換羽中成鳥と若鳥。午後2時頃のカウント数)
○トウネン             24羽(換羽中の成鳥と思われる個体が多かった)
○ハマシギ              2羽(夏羽個体。干潟東側)
○ミユビシギ             1羽(換羽中個体。メダイチドリ群中) 
○タカブシギ             1羽(成鳥と思われる個体。午後1時過ぎに干潟南東端に飛来し、その後はキアシシギ群中に入ったりしていたが午後2時頃に干潟を飛び出し茜浜方面に飛び去った。よく鳴いていた) 
○ソリハシシギ            2羽(干潟東側)
○キョウジョシギ         132羽(干潟東側。午後2時半頃のカウント数) 
○アオアシシギ            5羽(干潟西側にも散らばっていたが、午後3時頃には通称ドラム缶付近に集結していた)
○キアシシギ           162羽(干潟全体に散らばっていた。個体数が多くなってきており、昨日は200羽以上が確認されたとのことであった)  
○オオソリハシシギ          8羽(干潟東側。夏羽個体を含む)
○セイタカシギ            4羽(成鳥2羽、幼鳥2羽)
○カワセミ               1羽(又は2羽。干潟南東端部や淡水池付近。幼鳥と思われる個体であった)
○コムクドリ              1羽(又は2羽。♀と思われる個体。観察センター付近。正午過ぎにケヤキ付近で飛翔しているのが見られた他午後3時頃にはサクラに集結したムクドリ群中に見られた。いただいた情報によると、本年も夕刻になるとコムクドリ群が観察センター付近の公園内に集結するのが見られているということで、300羽を超すこともあるとのことであった)

以上。 


【2006年8月12日】

※葛西臨海公園(8:30〜12:10)
 到着時は満潮を過ぎて潮位が下がり干潟が広がり始めているところであった。初めに鳥類園で探鳥し、その後西渚観察ポイントに向かう予定であったが、正午前頃から雲行きが怪しくなり雷雲が発達してきたことから、渚付近の探鳥は遠方からの観察のみで切り上げた。アカアシシギが見られたが、他には特に変わったものは見られなかった。いただいた情報によれば、シギ・チドリ類は多くなってきており、オオハシシギ、タシギも確認されているとのことであったが、我々はみることができなかった。渚周辺は相変わらずカワウとウミネコが目立ったが、ウミネコ群中には幼鳥も見られるようになってきていた。なお、鳥類園北側樹林地はクマゼミの密度が高く、鳴き声がうるさいほどであった。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ         2羽(夏羽。水路周辺)
○アジサシ              1羽(旧江戸川河口付近。午前11時頃に棒杭上に休止して羽繕いをしているのが見られた)
○コアジサシ             1羽(東渚付近。正午頃に単独で飛来しているのが確認できた)
○ササゴイ              1羽(幼鳥と思われる個体。汽水池。午前10時半過ぎに汽水池の段差付近に飛来した。その後は段差付近で採餌行動を取っていた。ササゴイは当地でも時折確認され、本年も観察撮影されているとのことであったが、我々が見たのは2004年8月以来で2年ぶりであった)
○チュウサギ             1羽(又は2羽。汽水池)
○コチドリ               2羽(淡水池湿地。幼鳥であった)  
○シロチドリ            28羽(東渚)
○メダイチドリ           22羽(東渚)
○ダイゼン              5羽(東渚)    
○ソリハシシギ            1羽(東渚)
○アカアシシギ            1羽(汽水池。成鳥夏羽と思われる個体。観察センター近くの湿地でセイタカシギと混じって採餌していることが多く、近距離で見られた)
○アオアシシギ            5羽(東渚、旧江戸川河口干潟)
○キアシシギ            12羽(汽水池、渚周辺など)
○オオソリハシシギ          2羽(東渚など。チュウシャクシギ群に混じって移動する個体も見られた)
○ダイシャクシギ           1羽(又は2羽。東渚)
○ホウロクシギ            2羽(又は3羽。東渚)
○チュウシャクシギ         16羽(東渚など。渚周辺を4羽前後の小群が飛翔移動するのがよく見られた。午前11時頃には旧江戸川河口のカキ礁に12羽が集結していた。もっといたものと思われる)
○セイタカシギ           18羽(汽水池など)
○カワセミ               1羽(汽水池。♂若鳥であった)
○コムクドリ              1羽(汽水池付近。♂1羽のみ確認できた)

以上。

【2006年8月13日】

※葛西臨海公園(7:40〜14:50)
 到着時は満潮を過ぎて徐々に潮位が下がり始めているところであった。最初に鳥類園で探鳥した後、午前9時頃から西渚観察ポイントに向かい午前10時過ぎまで留まり、その後鳥類園に戻って探鳥した。昨日に続いてササゴイが見られた他、ヨシゴイも見られた。また、シギ・チドリ類でもオオハシシギ、タシギを確認することができた。渚周辺のカモメ群はウミネコ、オオセグロカモメがほとんどであったが、越夏中のズグロカモメに加えてユリカモメの小群(夏羽3羽)が確認できた。アジサシ類は確認できなかった。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ         3羽(水路周辺。西渚観察ポイントから近距離で観察したところ、冬羽への換羽が進んでいるようであった)
○ズグロカモメ            1羽(若鳥。午前9時過ぎに東渚干潟上に休止しているのが確認できた。干潟が広がった午前9時半頃から干潟上を飛翔しては採餌を行っているようであった。7月16日に確認した個体が引き続き東渚周辺で越夏しているものと思われる)
○ミサゴ               1羽(渚周辺。午後1時頃に東渚上空に現れ、浅水域でダイビングを3〜4回繰り返したが狩りに失敗し、沖杭に休止した)
○ヨシゴイ              1羽(幼鳥。汽水池。正午頃に教えていただき、見ることができた。頭部には雛の羽毛が残っており、巣立って間もない幼鳥と思われた。アシ原沿いに移動して小魚を捕食していた)
○ササゴイ              1羽(幼鳥。午前11時頃に汽水池の段差付近に飛来した後、擬岩付近で採餌行動を取った。昨日よりも近距離で観察することができた)
○チュウサギ             7羽(東渚に5羽の小群が舞い降りていた他、汽水池のアシを刈り取った付近で2羽が採餌していた)
○コチドリ              2羽(汽水池)  
○シロチドリ            22羽(東渚)
○メダイチドリ           28羽(東渚。午前9時半頃に荒川河口方面から西渚観察ポイント上空を通過して飛来した)
○ダイゼン             10羽(東渚)
○ソリハシシギ            2羽(東渚)
○キョウジョシギ           7羽(東渚など)
○アカアシシギ            1羽(汽水池)
○アオアシシギ           19羽(汽水池、東渚。午前9時過ぎには東渚のアシ原際に11羽が集結しているのが見られた)
○キアシシギ           約30羽(汽水池、渚周辺など)
○オオソリハシシギ          1羽(東渚)
○ダイシャクシギ           1羽(東渚)
○ホウロクシギ            3羽(東渚)
○チュウシャクシギ        約50羽(東渚など。午後2時過ぎには旧江戸川河口のカキ礁に48羽が飛来していた)
○オオハシシギ            1羽(夏羽から換羽中の個体。汽水池。午前中は確認できなかったが、午後2時頃に確認できた。いただいた情報によると、8月11日には2羽が確認されたとのことであった。汽水池干潟が大きく広がってから飛来することが多いようである)
○タシギ                2羽(淡水池湿地。午前中に見られた)
○セイタカシギ            26羽(汽水池、淡水池、東渚など。東渚と鳥類園を行き来しているようで、一時的に葛西臨海水族園内や淡水池でも見られた。)
○カワセミ               2羽(汽水池。いずれも若鳥のようであった。棒杭上や水辺に張り出した枝先に休止してはホバリングを繰り返し採餌行動を取っていた)
○センダイムシクイ          1羽(午前10時半過ぎに汽水池南側のニセアカシアの木立内で見られた) 
○コムクドリ              5羽(汽水池周辺。汽水池南側のニセアカシアの木立付近で見られた他、擬岩付近で水浴する個体も見られた。また、観察センター付近でも見られた)

以上。


【2006年8月16日】

※葛西臨海公園(7:40〜13:40)
 本日は小潮で、到着時は満潮に向かって徐々に潮位が上がり始めているところであった。朝方からの霧雨が午前10時過ぎまで続いたことから、正午近くまで鳥類園に留まり、その後西渚観察ポイントに向かって探鳥した。全体的な鳥相に大きな変化はなかったが、ズグロカモメ、ユリカモメを確認することはできなかった。なお、いただいた情報によると8月14日頃にオオタカと思われる猛禽類が汽水池付近に出現したとのことであった。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ         2羽(水路周辺)
○コアジサシ             2羽(午前11時頃に東渚付近を飛翔しながら通過するのが見られた。舞浜沖方面に飛び去った)
○ヒメアマツバメ           1羽(観察センター付近。午前11時頃に西から飛来し、舞浜方面に飛び去った)
○ササゴイ              1羽(幼鳥。汽水池。水際で採餌したり棒杭で休止したりした)
○アマサギ              1羽(若鳥と思われる個体。淡水池湿地に降りて休んでいた)
○チュウサギ             3羽(東渚で1羽が確認できた他、汽水池でも2羽が採餌していた)
○コチドリ              4羽(汽水池。成鳥、幼鳥が各2羽)  
○シロチドリ            54羽(東渚。数が多くなってきているようであった)
○メダイチドリ           13羽(東渚)
○オオメダイチドリ          1羽(東渚。約150mの距離があったがシロチドリと並んだりしたことから判別できた)
○ダイゼン             10羽(東渚)
○ソリハシシギ            4羽(汽水池、東渚)
○キョウジョシギ            2羽(東渚)
○アカアシシギ            1羽(汽水池)
○アオアシシギ           10羽(汽水池、東渚)
○キアシシギ           約20羽(汽水池、渚周辺など)
○ダイシャクシギ           2羽(東渚)
○ホウロクシギ            2羽(又は3羽。東渚)
○チュウシャクシギ          2羽(汽水池、東渚)
○オオハシシギ            1羽(夏羽から換羽中の個体。汽水池。到着後しばらくは確認できなかったが、午前9時過ぎに擬岩付近に飛来してキアシシギ群近くで休んだ)
○セイタカシギ            25羽(汽水池、東渚など)
○カワセミ               2羽(汽水池)
○コムクドリ              8羽(淡水池北側植栽地、汽水池周辺など)

以上。


【2006年8月19日】

※葛西臨海公園(8:00〜10:10)
 到着時は干潮であったが、その後はゆっくりと潮位が上がり始めた。最初に渚橋付近で渚周辺の探鳥を行った後、鳥類園に回って探鳥した。ズグロカモメを再び確認することができたが、他には特に変わったものは見られなかった。渚周辺は中型から小型のシギ・チドリ類がほとんど見られなかった。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ         4羽(夏羽から換羽中。東西渚間水路周辺で3羽が見られた他、西渚内に1羽が確認できた)
○ズグロカモメ            1羽(若鳥。午前8時半頃に水路上空を通過して東渚干潟方面に移動するのが見られた。引き続き留まっているようである)
○ヒメアマツバメ           2羽(淡水池周辺。午前9時半頃から2羽が淡水池西側上空を中心にツバメと混群を形成しながら飛び回るのが見られた。近距離で見ることができた)
○ササゴイ              1羽(幼鳥。汽水池擬岩周辺)
○コチドリ              3羽(汽水池)  
○シロチドリ             2羽(西渚)
○ダイゼン              2羽(東渚)
○ソリハシシギ            3羽(水路干潟、汽水池)
○アカアシシギ            1羽(汽水池)
○アオアシシギ            5羽(汽水池)
○キアシシギ            12羽(水路付近、汽水池)
○ダイシャクシギ           2羽(東渚。午前8時過ぎには1羽が西渚干潟にも飛来していた)
○ホウロクシギ            3羽(東渚。午前8時過ぎには西渚に飛来している1羽が見られた)
○チュウシャクシギ         17羽(汽水池にも3羽が飛来してカニを採取していた。また、旧江戸川河口付近のカキ礁には13羽が飛来していた)
○オオハシシギ            1羽(汽水池。成鳥換羽中)
○セイタカシギ           20羽(汽水池、水路干潟)
○カワセミ               2羽(又は3羽。汽水池、淡水池)
○コムクドリ              2羽(汽水池周辺。教えていただき見ることができた)


※谷津干潟(11:00〜14:40)
 到着時は徐々に干潟が狭まりつつあるところで、シギ・チドリ類は既に多くの個体が飛来していた。午後2時を過ぎて干潟がかなり狭まってきたことと、上空を雷雲が覆い始めたことから切り上げた。シギ・チドリ類の個体数は多かったが、特に変わったものは見られず、オバシギ、コオバシギが見られたくらいであった。なお、探鳥終了まぎわにミサゴ2羽の飛来があった。主なものは次のとおり。

○コアジサシ             1羽(成鳥。正午頃から1羽のみ見られた。時折、飛び立っては澪筋などで採餌行動を取っていた)
○ミサゴ               2羽(午後2時半頃に干潟西側上空に北方向から揃って現れた。その後は上空を旋回しながら、干潟東側上空に移動した。2羽とも胸の黒いバンドは薄く、1羽は翼がかなり傷んでいた) 
○チュウサギ             2羽(干潟内。アオサが堆積している干潟西側で見られた)
○シロチドリ             8羽(干潟東側)
○メダイチドリ          114羽(午後2時頃のカウント数。換羽中の個体が多かった)
○ダイゼン             72羽(換羽中成鳥と若鳥。正午頃のカウント数)
○トウネン             56羽(正午頃のカウント数。換羽中の成鳥と思われる個体が多かったが、冬羽と思われる個体も2羽見られた)
○ハマシギ             12羽(夏羽から換羽中と思われる個体の他に、冬羽と思われる個体も見られた。午前11時半頃に10羽が三番瀬方面から飛来した)
○オバシギ              2羽(成鳥換羽中個体と幼鳥が各1羽。澪筋周辺にいることが多く、貝類を丸呑みにしているのが見られた)
○コオバシギ             1羽(観察センター東側干潟など。冬羽のように見えたことから、若鳥の可能性があると思われた) 
○ソリハシシギ            4羽(干潟東側)
○キョウジョシギ          162羽(干潟東側など。午後2時頃のカウント数) 
○アオアシシギ            6羽(干潟北東側に集まっていた)
○キアシシギ           212羽(干潟全体に散らばっていたが、東側に多く、キョウジョシギとともに群れて採餌していた) 
○オオソリハシシギ         24羽(干潟東側。成鳥換羽中個体と思われた)
○セイタカシギ            2羽(成鳥1羽、幼鳥1羽)

以上。 
【2006年8月20日】


※葛西臨海公園(7:40〜12:10)
 本日は若潮。到着時は干潮であったが、その後はゆっくりと潮位が上がり始めた。初めに鳥類園を回り、午前11時を過ぎてから西渚に向かい渚周辺の探鳥を行って切り上げた。全体的な鳥相に変化はなく、特に変わったものは見られなかった。また、カモメ群中にユリカモメ4羽を確認することができたが、ズグロカモメは確認できなかった。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ          2羽(西渚周辺)
○コアジサシ             1羽(午前10時半頃に東渚付近を飛翔しながら通過するのが見られた。舞浜沖方面に飛び去った)
○ヒメアマツバメ           1羽(汽水池付近。午前10時半頃に見られた)
○ササゴイ              1羽(幼鳥。汽水池)
○チュウサギ             3羽(淡水池北側のアシ原を刈り取った付近で採餌していた)
○コチドリ              3羽(汽水池)  
○シロチドリ            38羽(旧江戸川河口干潟、東渚)
○メダイチドリ            8羽(東渚)
○ダイゼン              5羽(東渚)
○ソリハシシギ            7羽(汽水池2羽、水路干潟5羽)
○キョウジョシギ            2羽(東渚)
○アカアシシギ            1羽(汽水池。午前10時半過ぎに観察センター近くの湿地に現れて採餌した。これまで見られている個体であった)
○アオアシシギ           10羽(汽水池、東渚など。旧江戸川河口に生じた干潟にも飛来していた)
○キアシシギ            18羽(汽水池、水路周辺など)
○ダイシャクシギ           1羽(東渚)
○ホウロクシギ            3羽(東渚。ダイシャクシギに追いたてられて逃げ回る個体が見られた)
○チュウシャクシギ         23羽(汽水池など。旧江戸川河口のカキ礁には約20羽が飛来していた)
○オオハシシギ            1羽(夏羽から換羽中の個体。汽水池。擬岩付近の干潟で採餌したり休んだりしていた)
○セイタカシギ            18羽(汽水池)
○カワセミ               1羽(汽水池)
○コムクドリ            約10羽(淡水池周辺、汽水池周辺。エノキやサクラの木に入り込んで採餌していると思われる個体が多かった)

以上。


【2006年8月27日】

※船橋三番瀬海浜公園(7:50〜11:00)
 到着時は満潮を過ぎて徐々に潮位が下がっているところであった。多くの水鳥達は堤防上などで休んでいたが、午前8時半頃から干潟が広がり始め、シギ・チドリ類が正面干潟に舞い降りてきた。アジサシ類は沖合いの海苔ひび上や堤防上に見られたが、観察時間中は干潟には飛来しなかった。エリマキシギやキリアイが見られたが、他には特に変わったものは見られなかった。主なものは次のとおり。

○ハジロカイツブリ          1羽(夏羽個体。スズガモ群中)
○アジサシ          約1200羽(沖合い海苔ひび上に集結しており、時折上空を舞っていた。観察時間中は干潟周辺への飛来はなかった。午前8時半頃のカウント数)
○コアジサシ            14羽(船橋港側堤防上)
○ミヤコドリ             14羽(到着時は堤防上にいたが、午前9時頃に市川側干潟に飛来した。いずれも若い個体で越夏個体群と思われる)
○シロチドリ             58羽(市川側干潟。午前11時頃のカウント数。幼鳥も見られた)
○メダイチドリ            57羽(午前10時頃のカウント数。換羽中と思われる個体の他に幼鳥も2羽ほど見られた)
○ダイゼン              92羽(堤防上など。午前9時頃のカウント数。換羽中と思われる個体が多かった)
○トウネン              68羽(市川側干潟など。換羽中や冬羽と思われる個体の他に幼鳥も10羽以上見られた)
○キリアイ               1羽(幼鳥。午前9時半過ぎに市川側干潟に飛来した。比較的単独で採餌していることが多かった)
○ハマシギ              14羽(換羽中個体など。市川側干潟に飛来した)
○ミユビシギ            236羽(市川側干潟に午前10時半頃に集結した際のカウント数。到着時は堤防上などで休んでいた。多くは夏羽から換羽中の個体であった。久しぶりに多くの個体が見られた。当地は内湾であるが、2002年4月・10月には200羽近い個体数を確認しており、それ以来の多くの個体数を確認したことになる)
○オバシギ               5羽(市川側干潟など。成鳥換羽中1羽、幼鳥4羽)
○コオバシギ              1羽(市川側干潟。若鳥)
○エリマキシギ             1羽(♂幼鳥。午前9時前に正面干潟に飛来したことから近距離でみることができた。その後は市川側干潟に移動してしばらく採餌していたが、午前9時過ぎには飛び去ってしまったようで確認できなくなった) 
○ソリハシシギ             6羽(市川側干潟。到着時は棒杭上でも休んでいた)
○キョウジョシギ            17羽(市川側干潟など)
○キアシシギ             22羽(市川側干潟など)
○オオソリハシシギ          14羽(市川側干潟など。成鳥換羽中個体のみであった)
○チュウシャクシギ           3羽(堤防上など)


※葛西臨海公園(11:50〜15:10)
 到着時は干潮であったが、その後はゆっくりと潮位が上がり始めた。最初に水路周辺や鳥類園で探鳥を行い、午後2時頃から西渚観察ポイントに回って探鳥した。ズグロカモメを再び確認することができた他、シギ・チドリ類も多かった。なお、いただいた情報によるとオオタカ(若鳥)が比較的頻繁に出現するようになり、本日も午前中に淡水池中央島でカルガモを採食していたとのことであった。また、このため鳥類園内の水鳥達は落ち着かないようでオオハシシギは確認できなかった。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ         3羽(夏羽。東西渚間水路周辺)
○ズグロカモメ            1羽(若鳥。午後2時半頃に東渚干潟上に見られた。時折干潟上を飛び回って採餌しているようであった。翼上面の全体的なパターンは成鳥冬羽に近づいている印象であった)
○ミサゴ               1羽(午後1時頃には東渚内棒杭に休止していたが、まもなく旧江戸川河口付近の棒杭に移動し、午後3時頃には魚を捕らえて採食していた。♀と思われる個体であった)
○トビ                1羽(午後2時半頃に東渚アシ原付近に飛来し、その後観察ポイント上空付近を通過して荒川河口方面に去った。若鳥と思われる個体であった)  
○ササゴイ              2羽(いずれも幼鳥と思われる個体。汽水池擬岩周辺。このところ2羽が見られるようになってきているとのことであった)
○コチドリ              4羽(汽水池)  
○シロチドリ            16羽(東渚など)
○メダイチドリ            6羽(東渚)
○ムナグロ              3羽(東渚) 
○ダイゼン              5羽(東渚)
○トウネン              7羽(東渚。もっといたものと思われるが遠方のものは識別困難であった)
○ソリハシシギ           10羽(東渚など)
○キョウジョシギ            2羽(東渚)
○アカアシシギ            1羽(汽水池。これまで見られている個体であった)
○アオアシシギ            8羽(東渚など)
○キアシシギ             6羽(水路付近、東渚など)
○オグロシギ             1羽(東渚。遠方であったことから確実な判別は難しかったが、オオソリハシシギと比較することができた)
○オオソリハシシギ          1羽(東渚。換羽中個体と思われた) 
○ダイシャクシギ           3羽(東渚。同時に確認できた)
○ホウロクシギ            2羽(東渚)
○チュウシャクシギ         19羽(汽水池に2羽が飛来してカニを採取していた。また、旧江戸川河口付近のカキ礁には16羽が飛来していた)
○セイタカシギ           10羽(水路干潟、東渚など。淡水池や汽水池にも飛来していたが、落ち着かなかった)
○コムクドリ            約10羽(汽水池周辺。観察センターから、時折、小群が汽水池周辺を飛び回るのが見られた)

以上。