【2006年5月4日】
※葛西臨海公園(6:00〜11:40)
到着時は満潮近くで、汽水池の干潟は残っていたものの、東渚干潟は冠水していた。その後、午前9時くらいから再び干潟が広がり始めた。午前9時過ぎまでは鳥類園周辺で探鳥し、その後西渚観察ポイントに回った。西渚周辺でアカエリカイツブリが見られた。しかしながら、正午近くになって南からの強風が吹き探鳥しづらくなってきたことから切り上げた。汽水池のオオハシシギは1羽が確認できたのみであった。渚周辺は、昨日と同様にシギ・チドリ類やユリカモメ群に加えて、多くのアジサシが見られた。なお、大型カモメ類は多くが若鳥であったが、30羽前後が集結していた。また、カンムリカイツブリは確認できなかったが、ハジロカイツブリ1羽を水路内で見ることができた。主なものは次のとおり。
○アカエリカイツブリ 1羽(夏羽と思われる個体。西渚など。午前9時半過ぎに西渚内に居残ったスズガモ群中にいるのを見つけた。すぐに低く飛翔して西渚東堤防先端部付近に移動したが、その後東西渚間水路に進入してきて採餌行動を取った。船着場近くにまで進入したが、その後飛び立って水面近くを低く飛翔して渚間水路の南側海上に出た。午前11時過ぎには東渚堤防側に回り込み、見えなくなった。頸の赤褐色の色調が鈍く、若い個体ではないかと思われた。アカエリカイツブリは湾岸フィールドでも冬季時折見られるが、我々にとってこれまでの最も遅い記録は1995年4月8日の船橋三番瀬海浜公園での1羽であり、今回の記録は最も遅い記録となる)
○アジサシ 約1000羽(東渚など。干潟が広がり始める前には荒川河口付近や旧江戸川河口付近に飛来していた。旧江戸川河口付近では竹杭に休止してはにぎやかに鳴いていた。午前9時を過ぎて干潟が広がると東渚内に集結した。余り落ち着かず、きちんとカウントすることはできなかった。飛び立っては、ユリカモメやコアジサシと混群を形成して渚上空を舞うことを繰り返した。また、渚内に進入したミサゴに集団でモビングを行い追い払った)
○コアジサシ 約300羽(渚周辺。午前11時過ぎのカウント数。澪筋上で採餌行動を取ったり、干潟上で休息したりしていた)
○ミサゴ 1羽(午前9時半過ぎに東渚上空に出現したが、アジサシの集団モビングを受け若洲海浜公園方面に飛び去った)
○イワツバメ 2羽(駅周辺)
○ミヤコドリ 60羽(東渚など。午前11時半頃のカウント数)
○コチドリ 2羽(汽水池)
○シロチドリ 2羽(東渚)
○メダイチドリ 14羽(東渚)
○ムナグロ 3羽(東渚。午前10時半頃に干潟上に降りている2羽を確認することができたが、その後1羽が、荒川河口方面から、鳴きながら観察ポイント上空を通過して飛来した)
○ダイゼン 5羽(東渚。満潮時に舞浜側堤防上で休んでいるのが確認できた)
○トウネン 3羽(東渚。遠方のものは識別困難であった)
○ハマシギ 約320羽(東渚など。午前11時過ぎのカウント数。汽水池にも飛来していた)
○ミユビシギ 1羽(東渚。夏羽個体と思われた)
○ソリハシシギ 2羽(汽水池。ほぼ夏羽の個体)
○キョウジョシギ 8羽(東渚など)
○アオアシシギ 3羽(汽水池)
○キアシシギ 22羽(汽水池、渚周辺など)
○オオソリハシシギ 1羽(東渚)
○ホウロクシギ 1羽(東渚)
○チュウシャクシギ 約40羽(汽水池、渚周辺など。西渚観察ポイント近くの東渚堤防にも10羽前後が集結していたが休んでいた。カキ礁が冠水していたせいか大きな集結は見られなかった)
○タシギ 5羽(汽水池)
○オオハシシギ 1羽(汽水池。夏羽に換羽中と思われる個体。擬岩付近の干潟に留まっていたが、確認できたのは1羽のみであった)
○セイタカシギ 10羽(汽水池6羽、東渚4羽)
○サンショウクイ 1羽(声のみの確認。午前7時半過ぎに汽水池南側のニセアカシアの林付近で、ピーリーリ、ピーリーリという鳴き声が聞こえた。約10分後にも同じように鳴き声が聞けたが、視認することはできなかった)
○アカハラ 1羽(さえずりのみの確認。午前6時過ぎに葛西臨海水族園敷地内からキョロロンキョロロンツリーというさえずりが聞けた)
○ツグミ 2羽(淡水池西側など。この他にもツグミ類と思われるツリーという警戒音が聞けたが、視認できたのはツグミ1羽で他は視認することはできなかった)
○キビタキ 1羽(さえずりのみの確認。汽水池付近。午前7時頃からよくさえずっていた)
○オオジュリン 2羽(淡水池アシ原)

アカエリカイツブリ
2006年5月4日
葛西臨海公園(西渚堤防付近)
以上。
【2006年5月5日】
※谷津干潟(7:00〜12:40)
本日は小潮で潮位の変化が少ないことから、満潮前のシギ・チドリ類の集結を期待して出かけた。到着時は徐々に干潟が狭まってきており、東側の3つほどの残った干潟に多くのシギ・チドリ類が集まっていた。午前10時頃に満潮となり、その後は再び徐々に干潟が広がり始めた。特に変わったものは見られなかったが、エリマキシギが再び見られた他、オバシギの数が多くなっていた。午前10時半頃からは一部の群が干潟から飛び出し三番瀬方面に移動し始めた。いつもの年に比べるとキアシシギの数が多くなるのが遅れているように思われる。なお、探鳥時間中には猛禽類の出現はなかった。主なものは次のとおり。
○コアジサシ 76羽(午前10時半頃のカウント数。午前8時頃には20羽前後であったが、南風が強く吹いたせいか徐々に数が多くなった)
○シロチドリ 2羽(♂♀各1羽。観察ポイント前干潟)
○メダイチドリ 162羽(午前8時半頃のカウント数。夏羽個体が多かった)
○ダイゼン 160羽(午前7時半頃のカウント数。成鳥夏羽個体も多くなってきていた)
○トウネン 98羽(午前8時頃のカウント数)
○ハマシギ 約1400羽(午前8時頃のカウント数)
○オバシギ 14羽(成鳥夏羽個体も見られた)
○エリマキシギ 1羽(♂若鳥。換羽中と思われる個体。ダイゼン群中にいることが多かった。4月の谷津干潟での標識調査で捕獲された個体でフラッグが付けられていた。いただいた情報によると、標識調査の際に幼羽が残っていたとのことで、第1回夏羽に換羽中と推定されるとのことであった。また、5月3日〜4日は夕刻に飛来したとのことであった。我々がこれほど夏羽への換羽が進んだ個体を見たのは葛西臨海公園で越冬した個体を1999年5月5日に見て以来であった)
○キョウジョシギ 121羽(午前8時頃のカウント数)
○キアシシギ 12羽(まだ少なかった)
○オオソリハシシギ 154羽(午前7時半頃のカウント数)
○チュウシャクシギ 4羽(カニを採取しているのが目立った)
○セイタカシギ 6羽(観察センター前浜で休んでいた)
以上。

エリマキシギ
2006年5月5日
谷津干潟