2006年5月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑



【2006年5月3日】

※葛西臨海公園(6:00〜14:00)
 昨日の雷雨もあり小鳥類も期待して出かけたが、いくらかは見られたものの数は少なかった。到着時は満潮で、午前8時頃から徐々に干潟が広がり、正午過ぎには水路干潟や沖合いの干潟も広がった。汽水池にはオオハシシギが留まっていた他、ソリハシシギが加わっていた。午前9時過ぎから約2時間ほど西渚観察ポイントから渚周辺での探鳥を行った。渚周辺はシギ・チドリ類やユリカモメ群に加えてアジサシの数が多くなってきていた。なお、いただいた情報によると、汽水池で見られていたコアオアシシギは4月30日が終認とのことであった。カモメ類は大型カモメ類が若鳥を中心に10羽前後と減少していたが、ユリカモメはまだ多く留まっており、ズグロカモメも見られた。また、カンムリカイツブリも夏羽4羽が確認できた。主なものは次のとおり。

○ズグロカモメ           1羽(若鳥。東渚。午前9時半頃に東渚内で採餌行動を取っているのを見ることができた。干潟上に舞い降りたりしていたが、頭部は白く、上面に幼羽の模様が認められた。いただいた情報によると、4月29日に谷津干潟で若鳥が確認されているとのことで、同一個体の可能性があるものと思われる)
○アジサシ         約1200羽(東渚など。干潟が広がり始めた午前8時頃から飛来した。午前8時頃には約320羽であったが、短時間に東京湾方面から次々に飛来し、午前8時半頃には1000羽を超えた。しかしながら、落ち着かず、その後はきちんとカウントすることはできなかった。飛び立っては、ユリカモメやコアジサシと混群を形成して渚上空を舞っていた。一部の個体は西渚内の棒杭上にも飛来していた)
○コアジサシ         約200羽(渚周辺。午前9時半頃のカウント数。干潟上に舞い降りている個体も多かったが、周辺の水路内にも多くの個体が飛来していた)
○イワツバメ             2羽(駅周辺。周辺をよく飛び回っていた。営巣しているようであった)
○アマサギ              1羽(東渚。午前10時半頃に東渚内に舞い降りていたが、まもなく飛び立って高度を上げ旧江戸川に沿って遡行するように北方面に去った。我々は今季初認であった。なお、渚周辺はアオサギ、ダイサギ、コサギが多くなってきていた)
○チュウサギ             4羽(旧江戸川河口付近。午前9時頃に東京湾方面から小群として飛来し、旧江戸川上空に差し掛かったが舞い降りることはなく、そのまま北方面に去った) 
○ミヤコドリ            62羽(東渚など。午前9時半頃のカウント数。残っていた干潟に集結していた。干潟が広がってからはカキ礁や沖合い干潟に散らばった)
○コチドリ              5羽(汽水池)
○シロチドリ             2羽(東渚)
○メダイチドリ          約10羽(東渚)
○ムナグロ              4羽(東渚。遠方であった)
○ハマシギ          約430羽(東渚など。午前11時過ぎのカウント数。水路干潟や汽水池にも飛来した)
○ソリハシシギ            2羽(汽水池。ほぼ夏羽の個体。擬岩付近の石塁などに留まっていた。今季初認)
○キョウジョシギ          12羽(東渚周辺、水路干潟など) 
○アオアシシギ           2羽(汽水池)
○キアシシギ           18羽(汽水池、渚周辺など)
○オオソリハシシギ         1羽(東渚)
○ホウロクシギ            1羽(東渚。比較的細部まで確認できた)
○チュウシャクシギ      約150羽(汽水池、渚周辺など。西渚観察ポイント近くの東渚堤防のカキ礁にも20羽が集結していた他、正午頃には旧江戸川内カキ礁に98羽が飛来しているのが確認できた) 
○タシギ               6羽(淡水池2羽、汽水池4羽)
○オオハシシギ           4羽(汽水池。いずれも夏羽に換羽中と思われる個体。引き続き擬岩付近の干潟に留まっていたが、水浴、その後の羽繕いや羽ばたきが目立った)   
○セイタカシギ          14羽(汽水池など。午前7時頃のカウント数。東渚方面に移動する個体も見られた)
○サンショウクイ           1羽(♂1羽。午前7時半過ぎに観察センター南側付近に飛来した。その後、飛び立って西方向に去った。当地ではサンショウクイは珍しく、我々が見ることができたのは2回目である)
○アカハラ             1羽(汽水池樹林地。この他にもツグミ類と思われる声は聞けたが視認することはできなかった) 
○ツグミ              4羽(汽水池付近、公園西側など)
○キビタキ             1羽(汽水池付近。♂成鳥。午後1時頃に視認できたが、さえずりは聞かれなかった) 

以上。

【2006年5月4日】

※葛西臨海公園(6:00〜11:40)
 到着時は満潮近くで、汽水池の干潟は残っていたものの、東渚干潟は冠水していた。その後、午前9時くらいから再び干潟が広がり始めた。午前9時過ぎまでは鳥類園周辺で探鳥し、その後西渚観察ポイントに回った。西渚周辺でアカエリカイツブリが見られた。しかしながら、正午近くになって南からの強風が吹き探鳥しづらくなってきたことから切り上げた。汽水池のオオハシシギは1羽が確認できたのみであった。渚周辺は、昨日と同様にシギ・チドリ類やユリカモメ群に加えて、多くのアジサシが見られた。なお、大型カモメ類は多くが若鳥であったが、30羽前後が集結していた。また、カンムリカイツブリは確認できなかったが、ハジロカイツブリ1羽を水路内で見ることができた。主なものは次のとおり。

○アカエリカイツブリ         1羽(夏羽と思われる個体。西渚など。午前9時半過ぎに西渚内に居残ったスズガモ群中にいるのを見つけた。すぐに低く飛翔して西渚東堤防先端部付近に移動したが、その後東西渚間水路に進入してきて採餌行動を取った。船着場近くにまで進入したが、その後飛び立って水面近くを低く飛翔して渚間水路の南側海上に出た。午前11時過ぎには東渚堤防側に回り込み、見えなくなった。頸の赤褐色の色調が鈍く、若い個体ではないかと思われた。アカエリカイツブリは湾岸フィールドでも冬季時折見られるが、我々にとってこれまでの最も遅い記録は1995年4月8日の船橋三番瀬海浜公園での1羽であり、今回の記録は最も遅い記録となる)
○アジサシ         約1000羽(東渚など。干潟が広がり始める前には荒川河口付近や旧江戸川河口付近に飛来していた。旧江戸川河口付近では竹杭に休止してはにぎやかに鳴いていた。午前9時を過ぎて干潟が広がると東渚内に集結した。余り落ち着かず、きちんとカウントすることはできなかった。飛び立っては、ユリカモメやコアジサシと混群を形成して渚上空を舞うことを繰り返した。また、渚内に進入したミサゴに集団でモビングを行い追い払った)
○コアジサシ         約300羽(渚周辺。午前11時過ぎのカウント数。澪筋上で採餌行動を取ったり、干潟上で休息したりしていた)
○ミサゴ               1羽(午前9時半過ぎに東渚上空に出現したが、アジサシの集団モビングを受け若洲海浜公園方面に飛び去った)
○イワツバメ             2羽(駅周辺)
○ミヤコドリ             60羽(東渚など。午前11時半頃のカウント数)
○コチドリ              2羽(汽水池)
○シロチドリ             2羽(東渚)
○メダイチドリ           14羽(東渚)
○ムナグロ              3羽(東渚。午前10時半頃に干潟上に降りている2羽を確認することができたが、その後1羽が、荒川河口方面から、鳴きながら観察ポイント上空を通過して飛来した)
○ダイゼン              5羽(東渚。満潮時に舞浜側堤防上で休んでいるのが確認できた)
○トウネン              3羽(東渚。遠方のものは識別困難であった)
○ハマシギ          約320羽(東渚など。午前11時過ぎのカウント数。汽水池にも飛来していた)
○ミユビシギ             1羽(東渚。夏羽個体と思われた)
○ソリハシシギ            2羽(汽水池。ほぼ夏羽の個体)
○キョウジョシギ           8羽(東渚など) 
○アオアシシギ           3羽(汽水池)
○キアシシギ           22羽(汽水池、渚周辺など)
○オオソリハシシギ         1羽(東渚)
○ホウロクシギ            1羽(東渚)
○チュウシャクシギ       約40羽(汽水池、渚周辺など。西渚観察ポイント近くの東渚堤防にも10羽前後が集結していたが休んでいた。カキ礁が冠水していたせいか大きな集結は見られなかった) 
○タシギ               5羽(汽水池)
○オオハシシギ           1羽(汽水池。夏羽に換羽中と思われる個体。擬岩付近の干潟に留まっていたが、確認できたのは1羽のみであった)   
○セイタカシギ          10羽(汽水池6羽、東渚4羽)
○サンショウクイ          1羽(声のみの確認。午前7時半過ぎに汽水池南側のニセアカシアの林付近で、ピーリーリ、ピーリーリという鳴き声が聞こえた。約10分後にも同じように鳴き声が聞けたが、視認することはできなかった)
○アカハラ             1羽(さえずりのみの確認。午前6時過ぎに葛西臨海水族園敷地内からキョロロンキョロロンツリーというさえずりが聞けた)
○ツグミ              2羽(淡水池西側など。この他にもツグミ類と思われるツリーという警戒音が聞けたが、視認できたのはツグミ1羽で他は視認することはできなかった)
○キビタキ             1羽(さえずりのみの確認。汽水池付近。午前7時頃からよくさえずっていた)
○オオジュリン           2羽(淡水池アシ原) 

アカエリカイツブリ
2006年5月4日
葛西臨海公園(西渚堤防付近)

以上。


【2006年5月5日】

※谷津干潟(7:00〜12:40)
 本日は小潮で潮位の変化が少ないことから、満潮前のシギ・チドリ類の集結を期待して出かけた。到着時は徐々に干潟が狭まってきており、東側の3つほどの残った干潟に多くのシギ・チドリ類が集まっていた。午前10時頃に満潮となり、その後は再び徐々に干潟が広がり始めた。特に変わったものは見られなかったが、エリマキシギが再び見られた他、オバシギの数が多くなっていた。午前10時半頃からは一部の群が干潟から飛び出し三番瀬方面に移動し始めた。いつもの年に比べるとキアシシギの数が多くなるのが遅れているように思われる。なお、探鳥時間中には猛禽類の出現はなかった。主なものは次のとおり。

○コアジサシ          76羽(午前10時半頃のカウント数。午前8時頃には20羽前後であったが、南風が強く吹いたせいか徐々に数が多くなった)
○シロチドリ           2羽(♂♀各1羽。観察ポイント前干潟)
○メダイチドリ        162羽(午前8時半頃のカウント数。夏羽個体が多かった)
○ダイゼン          160羽(午前7時半頃のカウント数。成鳥夏羽個体も多くなってきていた)
○トウネン           98羽(午前8時頃のカウント数)
○ハマシギ        約1400羽(午前8時頃のカウント数)
○オバシギ           14羽(成鳥夏羽個体も見られた)
○エリマキシギ          1羽(♂若鳥。換羽中と思われる個体。ダイゼン群中にいることが多かった。4月の谷津干潟での標識調査で捕獲された個体でフラッグが付けられていた。いただいた情報によると、標識調査の際に幼羽が残っていたとのことで、第1回夏羽に換羽中と推定されるとのことであった。また、5月3日〜4日は夕刻に飛来したとのことであった。我々がこれほど夏羽への換羽が進んだ個体を見たのは葛西臨海公園で越冬した個体を1999年5月5日に見て以来であった) 
○キョウジョシギ        121羽(午前8時頃のカウント数)
○キアシシギ          12羽(まだ少なかった)
○オオソリハシシギ      154羽(午前7時半頃のカウント数)
○チュウシャクシギ        4羽(カニを採取しているのが目立った)  
○セイタカシギ          6羽(観察センター前浜で休んでいた)

以上。



エリマキシギ
2006年5月5日
谷津干潟




【2006年5月6日】

※葛西臨海公園(6:40〜11:40)
 本日は小潮で午前7時前の干潮と午前10時過ぎの満潮における潮位差は5cmしかなかった。このため、到着時から探鳥を切り上げるまで、潮位の変化は少なく、いくらかの干潟が広がっている状態であった。快晴であったが、海岸部は南からの風が強く吹いた。初めに鳥類園周辺で探鳥し、午前9時半過ぎから西渚観察ポイントに回ったが強風のため観察しづらかった。渚周辺はアジサシの数がさらに多くなっており、大群が集結していた。しかしながら、確認した範囲では変わったものは見られなかった。カモメ類は、ユリカモメの他にオオセグロカモメの若鳥が20羽前後残っていたが、ウミネコの若鳥が130羽前後加わってきていた。海上は白波が立っていた。主なものは次のとおり。

○アジサシ         約3000羽(東渚など。午前7時頃の一部をカウントしたうえでの推計数。強風のためか、東京湾方面から次々に干潟に飛来して羽を休めていた。余り落ち着かず、きちんとカウントすることはできなかったが、3000羽は超えているものと思われた。時折、飛び立ってはユリカモメやコアジサシと混ざって渚上空を舞うことを繰り返した。また、本日もミサゴにモビングするのが見られた)
○コアジサシ         約200羽(渚周辺。午前10時頃の一部カウントの上での推計数。波打ち際で採餌行動を取ったり、干潟上で休んだりしていた。もっといたものと思われた)
○ミサゴ               1羽(午前9時半過ぎに東渚上空に出現し、アジサシのモビングを受けながらも中央丘付近の浅水域に水面をかすめるように急降下して魚を捕らえ、東渚内の棒杭に休止した。しかし、ウミネコの執拗なモビングを受けたことから旧江戸川河口内の棒杭上に移動して獲物を採食していた。羽が相当ボロボロになっている個体であった)
○イワツバメ             4羽(駅周辺)
○チュウサギ             1羽(汽水池。換羽中の個体と思われた)
○ミヤコドリ             30羽(東渚。午前7時頃のカウント数。その後は中央丘の岩場などで採餌している小群が見られた)
○コチドリ               5羽(汽水池、水路護岸)
○メダイチドリ            2羽(東渚)
○ムナグロ              1羽(東渚)
○ハマシギ           約250羽(東渚など。午前10時過ぎのカウント数。汽水池にも約30羽が飛来していた)
○ソリハシシギ            3羽(汽水池)
○キョウジョシギ           8羽(東渚など。東渚西側堤防にはチュウシャクシギの群とともに羽を休めている5羽の小群が見られた) 
○アオアシシギ           4羽(汽水池)
○キアシシギ          約30羽(汽水池、渚周辺など。汽水池には22羽が集まっていた)
○ホウロクシギ            1羽(東渚)
○チュウシャクシギ       約30羽(汽水池、渚周辺など。西渚観察ポイント近くの東渚堤防には最大20羽がキョウジョシギとともに休んでいた。また、汽水池にも4羽が入り、盛んにカニを採食していた。旧江戸川河口付近のカキ礁が冠水していたせいか大きな集結は見られなかった) 
○タシギ               4羽(汽水池1羽、淡水池3羽)
○オオハシシギ           1羽(汽水池。夏羽に換羽中の個体。1羽のみとなったが、引き続き擬岩付近の干潟に留まっていた) 
○セイタカシギ           6羽(汽水池6羽)
○アカハラ             1羽(汽水池付近。ツリーという鳴き声は3ケ所くらいで聞けたが、視認できたのは木立を飛び出した際の1回のみであった)

以上。



【2006年5月7日】

※葛西臨海公園(7:30〜10:50)
 本日は長潮。到着時は干潮であったが、その後は午後の満潮までの間にゆっくりと潮位が上がった。到着時頃から少量ながら降雨があり、午前9時頃までには雨は上がったものの、引き続き南よりの風が強く吹いた。このため、午前9時過ぎから30分ほど西渚観察ポイントに回ったものの、強風のため早々に切り上げた。アカエリカイツブリが再び見られた他は昨日と同様で、特に変わったものは見られなかった。小雨の中、オオヨシキリの声がよく響いていた。主なものは次のとおり。

○アカエリカイツブリ         1羽(夏羽と思われる個体。東西渚間水路内。午前8時過ぎに渚間水路内で採餌行動を取っているのを見つけた。頸の赤褐色の色調が鈍く、5月4日に確認した個体と同一と思われた。強風のため海上が荒れていたことから、比較的波の穏やかな堤防付近に移動してきていたようであった)
○アジサシ         約3000羽(東渚など。目視による推計数。到着直後から東渚を中心に多くの個体が飛来していた。午前8時頃は昨日よりも個体数が減少したような印象であったが、その後東京湾方面から次々に飛来して大群となっていた。飛び立っては渚上空を舞うことを繰り返した。西渚内の棒杭上で休んでいる個体も見られた)
○コアジサシ          約40羽(渚周辺。澪筋や水路で採餌行動を取ったり、干潟上で休息したりしていた。もっといたものと思われるが観察条件が悪くきちんとカウントできなかった)
○ミヤコドリ             6羽(東渚。午前10時頃のカウント数)
○コチドリ              2羽(汽水池)
○シロチドリ             1羽(西渚)
○メダイチドリ            1羽(西渚)
○ハマシギ             32羽(汽水池、東渚など)
○ソリハシシギ            5羽(汽水池)
○キョウジョシギ           16羽(西渚など) 
○アオアシシギ            3羽(汽水池)
○キアシシギ            32羽(汽水池、渚周辺など)
○ホウロクシギ            1羽(東渚)
○チュウシャクシギ         12羽(汽水池、西渚など) 
○タシギ               12羽(汽水池、淡水池。降雨のためか多くの個体が見られた)
○オオハシシギ            1羽(汽水池。夏羽に換羽中と思われる個体。1羽となったが、まだ留まっている)   
○セイタカシギ           16羽(汽水池)

以上。



【2006年5月14日】

※葛西臨海公園(7:30〜14:00)
 到着時は満潮で、既に干潟が広がり始めているところであった。探鳥開始時頃から再び降雨となり、雨が上がったのは午前10時頃であった。最初は船着場や鳥類園周辺で探鳥し、午前10時半頃から西渚観察ポイント付近に移動し渚周辺の探鳥を行った。正午前の干潮時には沖合いにも大きく干潟が広がった。水鳥の数は引き続き多かったが、特に変わったものは見られなかった。またオオハシシギは渡去したようであった。カモメ類はオオセグロカモメ、ウミネコ、ユリカモメの若鳥がまだ多く残っていた。また、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリも各1羽見られた。到着直後は公園中央部でアオジのさえずりがよく聞かれた。主なものは次のとおり。

○アジサシ         約1000羽(東渚など。午前8時頃のカウント数は約400羽であったが、午前10時頃には約650羽となった。その後もいくらか追加飛来していたので約1000羽はいたものと思われた。しかしながら、数が少なくなってきていた。飛び立ってはユリカモメやコアジサシと混ざって渚上空を舞うことを繰り返した)
○コアジサシ         約260羽(渚周辺。正午過ぎの一部カウントの上での推計数。波打ち際で採餌行動を取ったり、干潟上で休んだりしていた。午後1時頃には西渚干潟にも72羽が休んでいた)
○イワツバメ             4羽(駅周辺)
○ミヤコドリ            20羽(東渚。午後1時頃のカウント数。正午前後は沖合いに散らばっていたが、その後集結した。嘴の色調からは、まだ成鳥と思われる個体もいくらか混じっているようであった)
○コチドリ              3羽(汽水池、水路護岸)
○シロチドリ             6羽(西渚など)
○メダイチドリ            4羽(西渚など。水路干潟にも3羽が一時的に飛来していた)
○ダイゼン             11羽(東渚など。1羽は西渚にも飛来していた。若い個体が多いようであった)
○トウネン             12羽(東渚など。3羽は一時的に西渚にも飛来していた) 
○ハマシギ           約700羽(東渚など。午前9時頃は水路干潟にも100羽を超える群が飛来していた。汽水池、西渚や水路護岸への飛来もあった。冬羽個体も見られた)
○ミユビシギ              3羽(東渚。夏羽個体)
○オバシギ              3羽(東渚。午後1時半頃に視認できた。赤斑が目立たなかったことから、若い個体と思われた)
○ソリハシシギ            6羽(汽水池4羽、西渚2羽)
○キョウジョシギ          26羽(西渚など。堤防付近のカキ礁にチュウシャクシギの群とともに飛来している個体が多かった) 
○アオアシシギ           5羽(汽水池の他、水路干潟や東渚でも見られた)
○キアシシギ          約70羽(汽水池、渚周辺など)
○オオソリハシシギ          3羽(東渚など。西渚にも1羽が飛来していたが、午後になって3羽が確認できた)
○ホウロクシギ            2羽(東渚。午後1時頃になって2羽を同時に見ることができた。いずれも腰のパターンが確認できた)
○チュウシャクシギ      約140羽(渚周辺、汽水池など。旧江戸川河口付近のカキ礁には午前10時頃に92羽が集結していた。また、西渚観察ポイント近くの東渚堤防のカキ礁には、午前11時頃に最大30羽がキョウジョシギとともに飛来していた。カキ礁に潜んでいるカニを採取しているのが観察できた。汽水池や西渚への飛来もあった) 
○タシギ               2羽(汽水池)
○セイタカシギ            8羽(汽水池。渚周辺と行き来するのが見られた)

以上。


【2006年5月28日】

※葛西臨海公園(7:30〜12:10)
 到着時は満潮を過ぎ、干潟が広がり始めているところであった。午前9時過ぎまでは降雨があったことから、最初は擬岩付近や船着場周辺で探鳥し、午前9時半頃から西渚観察ポイント付近に移動し渚周辺の探鳥を行った。正午前の干潮時には沖合いにも大きく干潟が広がった。2週間ぶりの探鳥であったが、水鳥の数は著しく減少していた。クロツラヘラサギが見られたものの、他には特に変わったものは見られなかった。シギ・チドリ類は特に減少しており、セイタカシギは確認できなかった。カモメ類はオオセグロカモメ、ウミネコが残っていたが、ユリカモメは確認できなかった。アジサシの個体数も少なくなっていた。また、西渚でハシボソミズナギドリ2羽の死体が漂着しているのを確認した。先週は湾岸地域にハシボソミズナギドリの大群が飛来していたとのことであり、そのなごりと思われた。園内はオオシマザクラの果実が熟し、イボタ、ハコネウツギなどの花が盛りとなっていた。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ         2羽(夏羽。水路、西渚沖合い)
○ハジロカイツブリ          1羽(中間羽。水路内) 
○アジサシ             16羽(東渚など。午前10時頃のカウント数。数が少なくなっていた)
○コアジサシ           288羽(渚周辺。午前10時半頃のカウント数。西渚干潟や水路干潟にも多くの個体が飛来していた)
○ミサゴ                1羽(又は2羽。午前8時頃に東渚棒杭上に休止しているのが見られた。午前10時半頃には西渚沖合いや荒川河口にかけて旋回・急降下を繰り返しながら飛翔するのが見られた。ダイビングも行ったが、魚を捕らえることはできなかった。午前11時半頃には東渚上空に飛来し、干潟上で休んでいたクロツラヘラサギを飛ばした)
○イワツバメ             2羽(駅周辺)
○クロツラヘラサギ          1羽(東渚。若鳥と思われる個体。午前9時頃から澪筋で採餌行動を取っていたが、時折飛翔した。午前11時半頃には飛来したミサゴに驚いて飛び回り、一時的に水路上空にまで達した。いただいた情報によると、昨夕から確認されているとのことであったが、嘴は先端部分が淡く、本年4月16日に確認した個体とは別個体と思われた) 
○シロチドリ             5羽(西渚など)
○ダイゼン              2羽(東渚)
○ハマシギ              4羽(汽水池。東渚や水路干潟への飛来は見られなかった)
○ソリハシシギ            2羽(汽水池)
○アオアシシギ            2羽(汽水池)
○キアシシギ            12羽(汽水池、渚周辺など)
○ダイシャクシギ           1羽(東渚。午前10時頃に見られた。飛翔のパターンも確認できたことから確実に同定できた。なお、ホウロクシギは見られなかった)
○チュウシャクシギ          2羽(旧江戸川河口付近のカキ礁にいるのが見られた) 

以上。