2006年3月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑


【2006年3月4日】

※葛西臨海公園(8:10〜14:00)
 到着時は満潮を過ぎて潮位が下がり始めているところであった。風も弱かったことから、公園中央部を経由して午前9時頃から約2時間半ほど西渚観察ポイント付近で探鳥した。その後は鳥類園に回った。特に変わったものは見られなかったが、ミミカイツブリ、シロカモメなどを確認できた。猛禽類は少なくなってきているようであった。カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ群中には夏羽個体が多くなってきていた。正午前には沖合いにも広大な干潟が広がり水鳥達が散らばりすぎたことから切り上げた。主なものは次のとおり。

○ミミカイツブリ          1羽(冬羽個体。午前9時過ぎに西渚堤防南端先の水面に見られた。しばらくしてハジロカイツブリの大群中に紛れて見失ってしまった)
○ホオジロガモ          1羽(♂1羽。西渚沖合い)
○ミコアイサ            5羽(旧江戸川。♂2羽、♀タイプ3羽)
○シロカモメ            1羽(成鳥と思われる個体。午前10時頃に東渚干潟上のセグロカモメ群中に見つけた。平均的なセグロカモメよりもかなり小さい個体であったが、距離が約200mあり、詳細は確認できなかった。当地では小型のシロカモメは珍しいと思われる。なお、大型カモメ類は約70羽が集結していた)
○ズグロカモメ           1羽(成鳥夏羽の個体。西渚など。干潟が広がった午前10時半頃から、時折東渚方面から飛来して、マテ貝を採餌していた)
○ミサゴ              1羽(西渚など。午前8時半頃に舞浜沖から飛来し、西渚内でダイビングし、やや小さな魚を捕らえて棒杭上で採食した。午前9時過ぎには旧江戸川河口方面に移動した。胸のバンドは薄く、♂と思われる個体であった。また、左右の初列風切羽が3枚くらいづつ欠失していた他、尾羽も一部欠けていた) 
○トビ               1羽(旧江戸川上空。午前11時過ぎに見られ、舞浜上空方面に去った)
○ノスリ              1羽(又は2羽。午前11時半頃に東渚アシ原上でカラスにモビングされる個体が見られたが、正午前には水路上空で帆翔しながら葛西臨海水族園上空を経て北西方向に移動する個体が見られた) 
○オオタカ             1羽(成鳥。正午前に淡水池北側のマツに休止しているのが見られたが、その後は汽水池南側のマツに移動していた。午後1時過ぎに飛び立って帆翔しながら旋回し、京葉線を越えて北側に飛び去った。背面にはいくらか褐色斑が残っており、比較的若い個体と思われた)
○クイナ              1羽(淡水池東側)
○シロチドリ          約60羽(西渚など。午前9時頃には西渚砂浜上でいくらかの群が休息していた)
○トウネン             1羽(西渚。午前9時頃にシロチドリ・ハマシギ群中に見られた。ヨーロッパトウネンの可能性もあったが、落ち着かず、飛び立って東渚干潟に移動した)
○ハマシギ        約1600羽(西渚など。落ち着かず、きちんとカウントすることはできなかった。午前11時頃に約1300羽まではカウントできたが正午頃からは沖合い干潟にも散らばっていた。越冬群よりも羽数が多くなってきているようであった)
○セイタカシギ          14羽(午前11時頃に水路干潟に飛来していた。なお、これまで行動をともにしていたオオハシシギは確認できなかった)
○ツグミ            約30羽(公園中央部など)
○オオジュリン           1羽(淡水池南側アシ原) 


以上。


【2006年3月5日】

※船橋三番瀬海浜公園(7:10〜11:20)
 久しぶりに三番瀬で探鳥した。到着時は満潮でウミアイサが比較的近くで見られた。午前9時を過ぎて潮位が下がり始めてからシギ・チドリ類が飛来し始めたが、例年の今頃に比べると数は少なかった。海岸部はアオサが吹き寄せられ堆積して異臭を放っていた。遠方堤防に休んでいたミヤコドリやダイシャクシギ、カモメ類の多くは、午前10時過ぎから広がった船橋港側の遠方の干潟に舞い降りた。ウミアイサの集結は見られたものの、シギ・チドリ類やカモメ類はじっくりと観察することはできなかった。大型カモメ類は堤防上に1000羽を超える群が集結していたが、観察条件が悪く、セグロカモメ、オオセグロカモメ以外のものは確認できなかった。主なものは次のとおり。

○ホオジロガモ       約130羽(♂30羽。午前7時半頃のカウント数。干潟沖合いに小群が散らばる形で集結していた。堤防内水面には少なかった) 
○ウミアイサ          110羽(♂34羽。午前7時半頃のカウント数。一部の群は近くで見られた。♂のデイスプレーが目立った。例年どおり集結しているようである)
○ズグロカモメ           8羽(成鳥夏羽4羽、若鳥4羽。正面干潟など。成鳥はいずれも完全な夏羽と思われた。群で行動していることが多かった。午前7時半過ぎに船橋港方面から堤防先端上空を通過して正面干潟干潟付近に飛来したが、午前10時頃まではユリカモメとともに、沖合い水面に浮かんだりしていた。午前10時半頃からは、干潟上を飛翔して採餌を行ったりしたが、まもなく市川側干潟に降りて休息した。その後、午前11時頃には正面干潟を飛び立って船橋港側の遠方の干潟に移動してしまった。移動時などに比較的近くで観察することができたが、干潟周辺では余り落ち着かない様子であった。今季、ズグロカモメは谷津干潟で最大9羽が観察され、最近も8羽が確認されているとのことであるが、これらの個体が三番瀬付近に留まっているものと思われる。なお、我々が湾岸フィールドで目撃したズグロカモメの羽数としては最大であった)
○チョウゲンボウ          1羽(♀と思われる個体。午前11時過ぎに西側グランド方面から飛来し、公園バス停上空を通過して倉庫裏に飛び去った)
○ミヤコドリ            92羽(船橋港側遠方堤防上で休息していたが、午前10時半を過ぎて遠方干潟が広がるとともに移動して採餌行動を取っていた。我々の観察時間中は正面干潟へは飛来しなかった)
○シロチドリ          約60羽(正面干潟など)
○ダイゼン             4羽(正面干潟など。少なかった)
○トウネン             2羽(正面干潟。午前11時頃にシロチドリ群中に見られた。落ち着かず、じっくりとは観察できなかった)
○ハマシギ          約400羽(堤防上など。正面干潟にも飛来したが、余り落ち着かなかった。飛来数をきちんとカウントすることはできなかったが、例年よりは相当少ない印象であった)
○ミユビシギ            4羽(正面干潟。ハマシギ群中に見られた)
○ダイシャクシギ          5羽(船橋港側遠方堤防上で休息していたが、午前10時過ぎから干潟に移動して採餌行動を取った。遠方でかつ飛翔パターン等を確認できていないので、ホウロクシギとの判別はできなかった)
○タヒバリ              4羽(干潟上やアシ原周辺など) 
○ツグミ            約10羽(グラウンド上やアシ原周辺など)
○オオジュリン         約20羽(船橋側アシ原。かなり頭の黒くなってきている個体も見られた。なお、群中にはホオジロも混じっていた) 


以上。


【2006年3月11日】

※谷津干潟(8:00〜11:10)
 久しぶりに谷津干潟で探鳥を行った。到着時は満潮を過ぎ、既に東側に干潟が広がり始めているところであった。カモ類は数は多く、2000羽以上と思われたが、種類はコガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、オカヨシガモの5種類にアメリカヒドリとヒドリガモの交雑個体と思われるものが見られただけであった。カモメ類はズグロカモメの他はユリカモメのみであった。主なものは次のとおり。

○ズグロカモメ          5羽(成鳥夏羽1羽、若鳥4羽。到着直後から若鳥は見られたが、成鳥に気付いたのは午前9時頃であった。いずれの個体も東側の干潟を中心に盛んにゴカイを採食していた。先週、三番瀬では成鳥も4羽を確認しているので、そのうちの1羽が飛来してきたものと思われる)
○ハイタカ            1羽(午前8時半頃に干潟の東側水路上空に出現し、水路沿いに南方向に飛翔した後、住宅地上空付近で旋回上昇し、茜浜方面に飛び去った)
○ハマシギ         864羽(午前9時頃のカウント数。到着時から飛来していた。なお、我々の探鳥中はシロチドリやダイゼンなどの飛来はなかった)
○セイタカシギ         8羽(干潟中央や西端部で見られた)
○ジョウビタキ         1羽(♀タイプ。北側アシ原付近)
○ツグミ             4羽(周回路、淡水池付近。この他に、南船橋駅南側空地芝生上に7羽が群れていた)
○オオジュリン       約10羽(観察センター前アシ原など。頭が黒くなってきている個体も見られた)


※葛西臨海公園(11:50〜15:40)
 到着時は既に潮位が上がり始め干潟が狭まり始めているところであった。午後2時頃から強い南風が吹いた。まず西渚観察ポイントに向かい、午後1時半頃まで渚周辺の探鳥を行った後は鳥類園に回った。いただいた情報によれば、午前中はノスリ、チュウヒ、ハイタカといった猛禽類が見られたとのことであったが、我々は見ることができなかった。特に変わったものは見られなかったが、渚周辺のカンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、ユリカモメ、スズガモは相変わらずの大群であった他、シギ・チドリ類も大群となっていた。なお、大型カモメ類は約40羽が集結していたが、変わったものは見られなかった。また、4日まで確認できたズグロカモメも確認できなかった。主なものは次のとおり。

○ミコアイサ            1羽(淡水池。♀タイプ)
○クイナ              1羽(淡水池東側)
○シロチドリ          約20羽(東渚など。遠方のものは識別困難であった。もっといたものと思われる)
○ハマシギ        約2180羽(東渚など。午後1時頃のシロチドリ・ハマシギ混群のカウント数。視界が遮られ一部はカウントできなかった。我々としては、2000羽を超えるカウント数は当地では初めてであった。当地での越冬群よりもかなり大きな群となってきていた)
○ミユビシギ            12羽(東渚。遠方のものは識別困難であった。もっといたものと思われる)
○オオハシシギ           4羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。午後3時頃に確認できた)
○セイタカシギ          10羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地)
○タヒバリ              2羽(西渚水路周辺)
○ツグミ               6羽(西渚、淡水池付近など)
○オオジュリン            2羽(淡水池付近) 

以上。


2006年3月12日】

※葛西臨海公園(6:50〜12:20)
 到着時は満潮を過ぎて干潟が広がり始めているところであった。時折陽光が差したものの、南西からの強風が探鳥終了まで吹いた。まず、渚橋付近から渚周辺の探鳥を行い、その後は強風を避けて鳥類園内を回った。特に変わったものは見られなかったが、コチドリを今季初認することができた。また、猛禽類もかなり見られた。カモメ類は東渚干潟上に大型カモメ類が約100羽が集結していた他、強風のため内陸側を飛翔する個体も多く見られたが変わったものは確認できなかった。主なものは次のとおり。

○ミコアイサ            5羽(淡水池。♂2羽、♀タイプ3羽。♂は午前8時半頃に相次いで旧江戸川方面から飛来した)
○ミサゴ              1羽(汽水池上空など。午前9時半頃に旧江戸川方面から強風にあおられて汽水池上空に飛来した。浅くダイビングするような行動を取ったが、狩りは行わず強風にあおられながら北方面に飛び去った。左右の初列風切羽が3枚くらいづつ欠失しており、また胸のバンドも薄い♂と思われる個体であったことから、4日に目撃した個体と同一と思われた) 
○ノスリ              2羽(東渚と汽水池付近で各1羽。ほぼ同時に確認できたので、2羽が留まっているものと思われる。アシ原上でホバリングしたり、汽水池や淡水池で狩りを行うのが見られたが成功しなかった)
○チュウヒ             2羽(午前7時半頃に東渚アシ原上空を飛翔する個体が見られた他、午前9時頃には淡水池アシ原に降りていた別個体が東渚に移動するのが見られた) 
○ハイタカ             1羽(午前11時過ぎに汽水池北側の樹林地から飛び出した個体がカラスにモビングされながら汽水池上空を飛翔するのが見られた。一時的にはかなり近距離で見られた。上面の色調やカラスとの比較から♀成鳥ではないかと思われた)
○クイナ              1羽(淡水池東側)
○コチドリ             2羽(汽水池など。午前10時頃に淡水池上空を飛び回っているのが見られたが、その後正午前に汽水池の干潟に降りているのが確認できた。ペアと思われた。しかし猛禽類のためか落ち着かなかった。今季初認)
○シロチドリ          約20羽(東渚)
○ハマシギ         約660羽(東渚など。午前8時頃の見える範囲でのカウント数。きちんとカウントすることはできなかった。飛翔時に規模の大きな群が2つ見られ、この数日同様に恐らく1500〜2000羽程度は飛来しているものと思われた。水路護岸付近にも小群が飛来していた)
○ツグミ            約34羽(公園中央部など。芝生上に約20羽の群も見られた)
○オオジュリン           2羽(淡水池南側アシ原) 

以上。



【2006年3月18日】

※葛西臨海公園(7:50〜13:40)
 到着時は満潮を過ぎて潮位が下がり始めているところであった。午前中は好天であったことから、午前9時半頃から約1時間半ほど西渚内で探鳥し、その後は鳥類園に回った。正午頃からは沖合いにも干潟が大きく広がり、水鳥の数は多かった。特に変わったものは見られなかったが、今季ミヤコドリが初認できた。少なくなってきていると思った猛禽類も、かなり見られた。沖合いのカンムリカイツブリ、ハジロカイツブリの群は夏羽個体がほとんどとなってきていたが、カンムリカイツブリは個体数が減ってきていた。大型カモメ類は正午頃には沖合い干潟に300羽以上が集結していたが、遠方のため識別困難であった。主なものは次のとおり。

○ミコアイサ            1羽(淡水池。♀タイプ)
○ミサゴ              1羽(水路周辺など。午後1時頃に荒川河口方面から東渚上空に飛来し、旧江戸川河口や水路付近でもダイビングを行ったが狩りには成功せず、東渚付近を飛び回わっていた。胸のバンドは薄く、左右の初列風切羽の欠失状況から、このところ見られている個体と思われた) 
○トビ               1羽(西渚上空。午前10時半頃に、荒川河口方面から西渚上空に飛来し、東渚方面に飛び去った。ミヤコドリを観察中であったが、ミヤコドリ群は警戒したものの飛び立たなかった)
○ノスリ              1羽(東渚水路側堤防付近。午前8時過ぎから見られた。堤防付近に休止したりしていたが、午前8時半頃には堤防付近で休んでいたカモ群を襲ったが、狩りは成功しなかった)
○チュウヒ             1羽(又は2羽。干潟が広がり始めた午前10時頃から東渚の干潟上空やアシ原上空を飛翔しているのが見られた。正午頃には沖合い干潟上で魚と思われるものを採食していた) 
○オオタカ             1羽(若鳥。正午頃に汽水池南側のマツに休止しているのが見られた)
○ハヤブサ             1羽(成鳥と思われる個体。午前8時過ぎに東渚舞浜側堤防の棒杭上に休止しているのが見られた。逆光で見づらかったが、干潟に集まり始めたシギ・チドリ類をねらっているようであった)
○クイナ              1羽(淡水池東側)
○ミヤコドリ            65羽(西渚など。午後1時頃のカウント数。東渚干潟が広がり始めた午前9時半頃に飛来したようで、午前10時頃からは最大19羽が西渚干潟にも飛来した。正午頃からは沖合い干潟に散らばったようであった。当地ではこの数年、三番瀬越冬群の一部と思われる個体群が春先になると飛来し始める現象が見られているが、昨年初認した4月10日よりはかなり早い飛来である)
○コチドリ             3羽(水路周辺など。猛禽類のためか落ち着かず、飛翔している個体を確認できたのみであった) 
○シロチドリ          約20羽(西渚など。西渚砂浜上や東渚堤防上で休息している個体も見られた。もっといたものと思われるが遠方のものは識別困難であった)
○ハマシギ        約2000羽(東渚など。午前9時半頃から飛来し始め、西渚干潟にも約80羽が飛来した。正午頃には沖合い干潟にも散らばったことから、きちんとカウントすることはできなかった)
○セイタカシギ          15羽(到着直後は水路護岸などで休息しているのが確認できたが、午前11時頃には鳥類園南側の水路干潟に集結して採餌していた。なお、オオハシシギは本日も確認できなかった)
○ジョウビタキ            1羽(♀タイプ。汽水池付近)
○アカハラ              1羽(公園中央部)
○シロハラ              1羽(♂成鳥と思われる個体。公園中央部)
○ツグミ            約30羽(公園中央部など)
○オオジュリン         約20羽(淡水池アシ原など。午前8時半頃にはアシの穂をしごいたり、茎を食い破る個体が多く見られた) 

以上。



【2006年3月19日】

※葛西臨海公園(8:00〜14:30)
 到着時は満潮を過ぎて潮位が下がり始めているところであった。天候の回復が予想より遅れ、午前9時頃までは降雨があったことから船着場付近で探鳥した。渚橋の開門時間に合わせ、午前9時頃から約1時間半ほど西渚観察ポイントに回り、その後は鳥類園に回った。正午頃からは北西からの突風が吹き荒れたことから、午後1時頃からは鳥類園南側の水路干潟付近で過ごした。昨日に引き続きミヤコドリが確認できた。また、猛禽類の出現は多かった。大型カモメ類は200〜300羽が見られたが、観察条件が悪く識別困難な個体も多かった。なお、渚周辺の水鳥は引き続き多かったが、一部のユリカモメの頭部が黒くなり始めていた他、サギ類が多くなってきていた。主なものは次のとおり。

○ミコアイサ            5羽(♂2羽、♀タイプ3羽。旧江戸川京葉線鉄橋付近。♂1羽は換羽中の個体と思われた)
○ウミアイサ            1羽(♀タイプ。旧江戸川河口のカキ礁付近で盛んに潜水を繰り返して採餌しているようであった)
○ワシカモメ            1羽(成鳥冬羽と思われる個体。午前9時半頃に東渚付近の水面に浮かんでいるのを見ることができた)
○ミサゴ              1羽(♂と思われる風切欠失個体。午前9時頃に旧江戸川河口の棒杭上に休止しているのが見られた。午前10時半過ぎにもそのまま留まっていたが、その後は荒川河口から若洲海浜公園方面に飛び去ったようであった) 
○トビ               1羽(船着場上空。午前8時半頃に雨の中を旋回しながら飛翔していた)
○ノスリ              1羽(汽水池など。正午過ぎに汽水池西端部の棒杭上に休止しているのが見られた。その後は淡水池北側の樹林地に潜んだりしていた。引き続き留まっているようである)
○チュウヒ             1羽(又は2羽。午前9時頃から東渚干潟上空やアシ原上空を飛翔したり、水路をわたって淡水池に進入するのが見られた。午前11時半頃には淡水池のアシ原際に舞い降りて丹念に羽繕いを行っていた) 
○オオタカ             2羽(若鳥2羽。昨日も見られた幼鳥と思われる個体は、午前11時頃に淡水池北側付近でカラスに追われているのが見られた。もう1羽は水路付近で見られた。この個体は、午前8時半頃に雨の中、東渚水路側護岸に上がって休んでいたカモ群を襲ったが、狩りには成功しなかった。その後、午前10時頃に同一と思われる個体が西渚上空に飛び出し、高度を上げて若洲海浜公園方面に去った)
○ハヤブサ             2羽(成鳥と若鳥と思われる個体が各1羽。成鳥は午前8時過ぎから午前10時半頃まで東渚舞浜側堤防の棒杭上に休止しているのが見られた。若鳥と思われる個体は正午頃に舞浜方面から水路上空に出現し、空中で2回ほどドバトを襲ったものの成功せず、荒川河口方面に飛び去った)
○チョウゲンボウ          2羽(到着直後に雨の中駅前広場上空を飛翔している個体が見られた他、正午前に観察センター南側を強風にあおられながら水路沿いに西方向に飛翔する個体も見られた)
○ミヤコドリ            32羽(東渚など。干潟が広がり始めた午前10時頃に、最初に10羽の群が舞浜方面から飛来してくるのが確認できた。その後は小群が次々に飛来し、一部は西渚干潟にも移動していた。もっといた可能性もあるが、視界が遮られたことからきちんとカウントできなかった)
○シロチドリ           46羽(西渚など。西渚砂浜上で休息している個体も見られた。もっといたものと思われる)
○ハマシギ        約2000羽(東渚など。午前9時過ぎまでは西渚砂浜上で休息している群が見られたが、干潟が広がってしまったために飛び立ってしまいじっくりと観察することはできなかった。旧江戸川河口に生じた干潟にも移動したりしていた。きちんとカウントすることはできなかったが、これまでになく大きな群となっているようである)
○タシギ              2羽(淡水池湿地。久しぶりに見ることができた。午後2時半頃には淡水池上空を飛翔するのも見られた)
○セイタカシギ          15羽(午後1時頃に水路干潟に集結していた。なお、オオハシシギは本日も確認できなかった)
○アカハラ             1羽(船着場付近。♂成鳥)
○ツグミ            約40羽(公園中央部など。数が多くなってきており、芝生上には群が見られた)
○オオジュリン          約4羽(淡水池アシ原など。午前10時頃には鳴き声は比較的よく聞かれたが、その後は強風のため観察しづらかった) 

以上。



【2006年3月21日】

※葛西臨海公園(8:00〜14:30)
 到着時は満潮を過ぎて潮位が下がり始めているところであった。午前中は好天であったことから、午前9時頃から約2時間半ほど西渚観察ポイント付近で探鳥し、その後は鳥類園に回った。午後1時頃からは沖合いにも浅水域が広がり水鳥の数は多かった。引き続きミヤコドリを確認することができたが特に変わったものは見られなかった。猛禽類の出現も少なかった。カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリの数は相当少なくなってきていた。大型カモメ類も多かったが、視界が遮られたり遠方のため観察しづらかった。なお、沖合いのスズガモ群は今季最大と思われるくらいの大群となっていた。主なものは次のとおり。

○ミコアイサ            5羽(淡水池。♂1羽、♀タイプ4羽)
○ウミアイサ            1羽(♀タイプ。東西渚間水路周辺)
○ワシカモメ            1羽(成鳥と思われる個体。午前9時半頃に東渚干潟に飛来したが、視界が遮られる場所に舞い降りたことからじっくりと確認することはできなかった)
○トビ               1羽(渚周辺。午前9時半頃に飛来し、東渚干潟上に降りて採餌したり、堤防上で休息したりしていた。また、カラスのモビングを受けたり、ノスリに絡まれたりすることもあった)
○ノスリ              1羽(東渚。午前11時頃に干潟上を低空で飛翔して干潟上に休止した。その後、堤防上のトビに絡んだりした)
○オオタカ             1羽(若鳥。淡水池上空。正午過ぎにカラスに追いかけられながら淡水池上空に出現した。反撃も行ったが、旋回上昇しながら東方向に飛び去った)
○クイナ              1羽(淡水池東側)
○ミヤコドリ           62羽(東渚など。午後1時頃のカウント数。東渚干潟が広がり始めた午前10時半頃から飛来し始めた。最初は5羽の小群であったが、次々に飛来して午前11時頃には約40羽となった。干潮時には旧江戸川河口付近のカキ礁や沖合いの浅水域に移動したりしていた)
○コチドリ             6羽(又は7羽。汽水池。午前8時過ぎに公園中央部芝生上で1羽が見られたが、この個体は荒川方面に飛び去った。その後、午後1時過ぎには汽水池で採餌する6羽が見られた) 
○シロチドリ          約40羽(西渚など。午前9時頃までは西渚砂浜上で休息している個体も見られた。もっといたものと思われるが遠方のものは識別困難であった)
○トウネン             1羽(西渚。午前8時半頃に西渚砂浜上で休息していたハマシギ・シロチドリ群中近くで見られたが、近くで確認することはできなかった) 
○ハマシギ        約1500羽(東渚など。午前9時頃には既に飛来が始まっていた。午前9時半頃のカウント数は約720羽であったが、その後も飛来が続いた)
○セイタカシギ          13羽(到着直後は水路護岸などで休息しているのが確認できたが、その後は水路干潟に集結して採餌していた)
○タヒバリ              2羽(水路護岸。1羽は夏羽への換羽が進んでいるようであった) 
○ジョウビタキ            1羽(♀タイプ。汽水池)
○イソヒヨドリ            1羽(♂成鳥と思われる個体。旧江戸川京葉線鉄橋橋脚部で休止していた。久しぶりに確認することができた)
○アカハラ              2羽(公園中央部、船着場付近)
○シロハラ              1羽(公園中央部)
○ツグミ             約20羽(公園中央部など)
○ヤマガラ              1羽(公園中央部。鳴き声が聞けたが視認することはできなかった)
○オオジュリン         約20羽(淡水池、汽水池アシ原。好天だったこともあり、多くの個体を視認することができた) 

以上。


【2006年3月25日】

※葛西臨海公園(8:10〜13:50)
 到着時は干潮。本日は若潮のため、潮位の変化は少なく、午後1時頃の満潮時にも干潟は残った。午前中は公園中央部や淡水池周辺で探鳥し、正午過ぎから西渚観察ポイントに回った。好天であったが、先週に比べると渚周辺の水鳥はスズガモなど著しく減少していた。カンムリカイツブリは100羽余りとなり、このところ飛来数の多かったハマシギ・シロチドリ群もほとんど飛来せず、ミヤコドリの飛来もなかった。大型カモメ類は約30羽が見られたが、変わったものは見られなかった。主なものは次のとおり。

○ミコアイサ            5羽(♂2羽、♀タイプ3羽。午前9時過ぎには旧江戸川で見られたが、午前10時半頃に淡水池に飛来して休息した。♂1羽は若い個体と思われた)
○チュウヒ             2羽(午前9時頃に淡水池アシ原際に舞い降りているのが見られた。また、東渚干潟上空やアシ原上空を飛翔したり、水路をわたって淡水池に進入するのも見られた) 
○ハイタカ             1羽(午前9時前に、葛西臨海水族園敷地内から淡水池上空に出現した。淡水池上空を比較的高く、ゆるやかに飛翔した後、汽水池西側の樹林地に入ったようであった)
○ハヤブサ             1羽(成鳥。午前8時過ぎに東渚舞浜側堤防上に休止しているのが見られた)
○シロチドリ           12羽(東渚。西渚観察ポイント向かいの東渚堤防上で休息している個体も見られた)
○ハマシギ             1羽(東渚。ハマシギ群は全く飛来しなかったが、午後1時頃に1羽のみユリカモメ群近くで採餌しているのが見られた。このところ、大きな群が飛来していたが、本日はほとんど見られなかった)
○セイタカシギ           3羽(午前11時頃に水路護岸で見られた)
○カワセミ             1羽(♂1羽。汽水池擬岩付近)
○タヒバリ             1羽(水路護岸付近)
○ジョウビタキ           1羽(♀タイプ。淡水池周辺)
○イソヒヨドリ           1羽(♂成鳥。旧江戸川京葉線鉄橋) 
○ツグミ            約20羽(公園中央部など。数が少なくなり始めているようであった)
○オオジュリン         約10羽(淡水池アシ原など) 

以上。


【2006年3月26日】

※谷津干潟(7:50〜13:40)
 到着時は干潮に向け潮位が下がり干潟が広がり始めているところであった。本日は小潮のため、午前11時頃まで広がった後、再び徐々に潮位が上がり午後1時頃にはかなりの部分が冠水した。昨日から見られているエリマキシギを確認することができた他、ハマシギもかなり飛来していた。カモ類はまだ1000羽前後が見られ、特にコガモは500羽を超えていたが、アメリカヒドリとヒドリガモの交雑個体と思われるもの以外変わったものは見られなかった。カモメ類はズグロカモメ(若鳥)がまだ留まっていた他、1000羽以上集結していたユリカモメの中には頭部が黒くなってきているものも見られた。セグロカモメは成鳥1羽が上空に飛来したのみであったが、カモメは午後1時頃に小群(8〜9羽)が干潟内に舞い降りて休息した後、干潟上空で帆翔して高度を上げ東方向に移動するのが見られた。主なものは次のとおり。

○ズグロカモメ          3羽(若鳥のみ。干潟がかなり広がった午前9時半頃に飛来した。時折鳴き交わしたりしながら、干潟に舞い降りてはカニやゴカイを採食していた。いずれの個体も中央部から東側の干潟を中心に飛び回っていた。なお、頭部がゴマシオ状になって幼羽も少なくなっている個体や幼羽がかなり多い個体が見られた)
○オオタカ            1羽(若鳥と思われる個体。午前8時頃に干潟の東端部に出現し、水鳥群に突っ込んだが、その後水路沿いに南方向に滑空した後、高度を上げて茜浜方面に飛び去った)
○シロチドリ          12羽(干潟東側など。午前9時頃のカウント数。飛来数は少なかった)
○ダイゼン          102羽(午前8時過ぎのカウント数。一部の個体は下面に黒い斑点が現れ始めていた)
○ハマシギ        約2000羽(到着時から飛来していた。午前8時半頃のカウント数は1650羽であったが、その後も三番瀬方面から飛来する群が見られた)
○エリマキシギ          1羽(♂換羽中。昨日から見られているとのことで、ダイゼン群近くにいることが多かった。換羽が始まっているようであった。エリマキシギの春の渡りは湾岸フィールドでは比較的珍しく、我々にとっては1999年に葛西臨海公園で見て以来である)
○オオソリハシシギ        1羽(冬羽個体。ダイゼン群近くにいることが多かった)
○ホウロクシギ          1羽(干潟東側)
○セイタカシギ         11羽(干潟北側にいることが多かった)
○コゲラ              2羽(観察センター周辺) 
○ジョウビタキ          1羽(♀タイプ。淡水池付近)
○アカハラ            1羽(♂と思われる個体。淡水池周辺)
○シロハラ            1羽(淡水池周辺) 
○ツグミ             3羽(周回路、淡水池付近。この他、探鳥開始前に南船橋駅南側空地の草地に30羽が群れているのを見た)
○オオジュリン          2羽(観察センター前アシ原)

以上。