2005年11月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑


【2005年11月3日】

※葛西臨海公園(8:30〜14:50)
 到着時は干潮に向かって干潟がかなり広がっているところであった。主として鳥類園で探鳥したが、午前11時頃から午後2時頃までは西渚観察ポイントに回り探鳥を行った。特に変わったものは見られなかったが、引き続きクロツラヘラサギが留まっていた他、タゲリを確認できた。また、東渚沖合いにはカンムリカイツブリの群が到着していた。ツグミ類と思われる地鳴きが聞かれたが、視認することはできなかった。カモメ類も数は多かったが、変わったものは見られなかった。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ       32羽(東渚沖合いなど。今季初認。西渚水面内にも10羽前後がスズガモとともに進入してきていた)
○アジサシ             2羽(又は3羽。東渚沖合い棒杭周辺。午後1時頃に教えていただき、確認することができた。距離は500m以上あったが、飛翔している様子も観察できた。昨年は10月31日に3羽を確認しているが、当地での11月の記録としては2001年11月18日に2羽を確認して以来の記録となる)
○ミサゴ              2羽(渚周辺。東渚内や旧江戸川河口付近の棒杭に2羽が並んで休止したりするのが見られた。ダイビングも行い魚を捕らえて採食するのも見られた)
○オオタカ             1羽(汽水池。若鳥。午後2時半頃にマツの頂上に休止しているのが見られた)
○チュウサギ            1羽(汽水池)
○クロツラヘラサギ         1羽(東渚。若鳥。午後1時頃になって西渚観察ポイントから東渚内の澪筋で採餌しているのを確認できた。その後、東渚内の西渚よりのアシ原近くの潮溜りに移動して採餌行動を取った。9月18日から見られている個体と思われる)
○シロチドリ           62羽(東渚。もっといたものと思われるが、遠方のものは判別困難であった。なお、一時的に西渚周辺にも飛来した)
○タゲリ               9羽(東渚など。正午過ぎに東渚上空を舞っているのを見つけた。その後、中央丘付近を中心に時折飛翔したりしていたが、潮位の上昇によって干潟が狭まった午後1時半頃に群で飛び立ち、南西の若洲海浜公園方面に去った。当地でタゲリが見られるのは4年連続で、2003年10月25日には13羽を確認している)
○ダイゼン             1羽(東渚。よく鳴いていた) 
○ハマシギ          約520羽(東渚。午前9時過ぎのシロチドリ・ハマシギ混群のカウント数は582羽であった。なお、多くの個体は午前11時過ぎに新木場方面に飛び去った)
○アオアシシギ           8羽(汽水池など)
○タシギ               2羽(汽水池)
○セイタカシギ           6羽(淡水池など。オオタカの出現のせいか落ち着かなかった。旧江戸川対岸の舞浜側アシ原育成地付近にも1羽が見られた)
○カワセミ              2羽(汽水池、淡水池)
○タヒバリ              1羽(渚周辺。今季初認であった)

以上。



【2005年11月13日】

※葛西臨海公園(11:40〜14:50)
 到着時は既に潮位が上がり始め干潟がかなり狭まってきているところであった。まず、西渚観察ポイントに向かい、午後1時半頃まで、渚周辺で探鳥を行った。その後、鳥類園・汽水池に回ったが、既に干潟は冠水していた。クロツラヘラサギが引き続き留まっていた他、ズグロカモメを確認することができた。また、沖合いのスズガモ大群中のカンムリカイツブリの数が多くなってきていた他、ハジロカイツブリ約50羽の群も初認できた。鳥類園ではジョウビタキ、オオジュリンの声が聞かれたが、視認することはできなかった。特に変わったものは見られなかったが、いただいた情報によるとオオハシシギは4羽となっているとのことであった。主なものは次のとおり。

○ズグロカモメ           3羽(東渚など。成鳥2羽、若鳥1羽。干潟上を飛び回っては急降下する独特の採餌行動を取っているのが見られた。成鳥は2回ほど西渚上空にも進入してきた。また、午後2時頃には、若鳥が汽水池擬岩付近に飛来しているのが見られたが、いただいた情報によると午前中から鳥類園周辺にも周回してきているとのことであった。我々が当地で初めてズグロカモメを確認したのは2001年11月17日であるが、その後は毎年確認しており、最大羽数は2004年4月18日の4羽である)
○ミサゴ              3羽(渚周辺。旧江戸川河口付近の棒杭に2羽が並んで休止していた他、西渚内棒杭上にも♂と思われる1羽が休止しており、正午過ぎには同時に3羽を確認できた。東渚内にも進入してきていた)
○チュウヒ             1羽(午後1時頃に東渚アシ原上を飛翔しているのが見られた)
○クロツラヘラサギ         1羽(東渚。若鳥。正午頃に東渚内の澪筋近くで休息しているのを確認したが、午後1時半頃に中央丘の西側護岸に移動して羽繕いを行った後、再び眠ってしまったようであった。9月18日から見られている個体が引き続き留まっているものと思われる)
○ハマシギ            12羽(東渚など。潮位が上がってきていたためか大きな群は見られなかった。荒川河口方面から5羽と7羽の小群が一時的に飛来した)
○アオアシシギ           1羽(汽水池)
○セイタカシギ           4羽(汽水池)
○カワセミ              1羽(淡水池)
○タヒバリ              1羽(渚周辺)

以上。



ズグロカモメ(成鳥冬羽)
2005年11月13日
葛西臨海公園(西渚周辺)



【2005年11月20日】

※葛西臨海公園(8:00〜12:50)
 到着時は満潮であったが、潮位は比較的低かった。まず、渚橋付近で探鳥してから鳥類園に回った。その後、午前11時半頃から西渚観察ポイントにて探鳥したが、北風がやや強く吹き寒かったことから、早めに切り上げた。久しぶりにオシドリ、コミミズクを見ることができたが、クロツラヘラサギは確認できなかった。いただいた情報によると、クロツラヘラサギは15日には成鳥1羽が加わって2羽となり、15日〜16日には2羽が揃って汽水池内で休息するのが見られたものの、その後は1羽も見られなくなっているとのことであった。沖合いのカンムリカイツブリは約500羽となっており、水路に進入してきている個体も見られた他、ハジロカイツブリも約100羽となっていた。大型カモメ類は約40羽が集結していたが、変わったものは見られなかった。また、オオハシシギは本日も見ることができなかった。主なものは次のとおり。

○オシドリ             2羽(淡水池。♂♀各1羽。午前9時前に水門近くのアシ原際にいるのを見つけた。その後はホシハジロ群中で休息していた。当地では時折見られるが、我々が当地でペアを見たのは、2001年11月3日以来で2回目である)
○ズグロカモメ           3羽(東渚など。成鳥2羽、若鳥1羽。正午頃に東渚干潟上を3羽が舞ったり、飛び回っては急降下する独特の採餌行動を取っているのが見られた。これより前の午前8時半頃には成鳥1羽と若鳥1羽が渚橋付近の船着場側護岸を行き来しては、時折舞い降りることを繰り返したことから近距離で見ることができた)
○ミサゴ              2羽(東渚内。正午頃に東渚内の棒杭に2羽が別々に休止しているのが確認できた。このうち1羽は大きな魚を採食していた)
○オオタカ             1羽(淡水池。若鳥。午前10時頃から北側のマツに休止しているのが見られた。淡水池内のカモ類をねらっているようであったが、我々の観察中は狩りは行わなかった)
○シロチドリ           22羽(東渚など。午前11時頃からハマシギ群とともに飛来していた。遠方の個体はハマシギとの識別は困難であった)
○ハマシギ          約500羽(東渚など。正午過ぎのハマシギ・シロチドリ混群のカウント数は504羽であった。午前8時半頃には水路護岸に飛来する小群も見られた)
○タシギ              4羽(汽水池)
○セイタカシギ           4羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地)
○コミミズク             1羽(東渚上空。正午過ぎに西渚観察ポイントでの探鳥を切り上げた後に、カモメ類が舞い上がったことから周囲を見回したところ、コミミズクがカラスにモビングされながら東渚上空を舞っているところであった。しばらくして視界が遮られてしまったが、その後は東渚アシ原に降りたようであった。我々が当地でコミミズクを見たのは2003年11月15日以来で3回目である) 
○カワセミ              2羽(淡水池、汽水池で各1羽)
○タヒバリ              5羽(渚橋周辺など)
○ツグミ               2羽(公園中央部。今季初認。ツリーという声とともに移動するツグミ類と思われる個体はいくらか見かけたが、視認できたのは高木上に休止したツグミ2羽のみであった。なお、本年は公園中央部、公園西側は植栽木の刈り込みなどが徹底して行われており、茂みが極端に少なくなっている状況となっている)

以上。



【2005年11月23日】

※葛西臨海公園(8:40〜12:40)
 到着時は満潮が迫っていたが、小潮のため潮位は低く、渚橋護岸付近も冠水していなかった。まず、公園中央部付近で探鳥してから鳥類園に回った。その後、午前11時頃から西渚観察ポイントに移動して探鳥した。鳥類園は、我々の到着前に猛禽類が飛び回ったとのことで、淡水池のカモ類を除けば鳥影が少なかった。いただいた情報によると、クロツラヘラサギは16日が終認となってしまったようだとのことであった。また、鳥類園はここ2日ほど、オオタカ(成鳥・若鳥各1羽)、チュウヒ(2羽)が頻繁に出現しているとのことであり、本日も我々の到着前には見られたとのことであった。主なものは次のとおり。

○ズグロカモメ           2羽(東渚など。成鳥1羽、若鳥1羽。正午前に東渚干潟上を2羽が舞ったり、飛び回っては急降下する独特の採餌行動を取っているのが見られた。いただいた情報によると一時的に渚橋付近の船着場側護岸にも飛来していたとのことであった)
○ミサゴ              2羽(東渚、旧江戸川河口付近)
○トビ               1羽(水路周辺。午前11時半過ぎに水路上空に現れ、旧江戸川河口方面に飛び去った)
○ハイタカ             1羽(西渚など。午前11時過ぎに、西渚草地を地面すれすれに滑空してくる猛禽を見つけ双眼鏡で追ったところ、約15m先の岸辺の草木に休止し、ハイタカであることがわかった。その後、飛び立って、羽ばたきと旋回を繰り返しながら西渚水面上空に舞い上がり、荒川河口周辺を経由して最後は公園西側の樹林地に入った。大きさや上面の色調などから♀若鳥と思われた。今季も時折、園内で目撃されているので当地で越冬しているのではないかと思われる)
○チョウゲンボウ         1羽(公園中央部。午前9時前にクリスタルビュー付近を通過して、葛西臨海水族園方面に去った) 
○シロチドリ           8羽(東渚など。もっといたものと思われる。遠方の個体はハマシギとの識別は困難であった)
○ハマシギ         約500羽(東渚など。午前9時半頃のハマシギ・シロチドリ混群のカウント数は564羽であった。一時的に水路護岸に飛来する小群も見られた)
○ミユビシギ            2羽(東渚。ハマシギ群中)
○セイタカシギ           4羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地)
○オオハシシギ           2羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地) 
○カワセミ              1羽(又は2羽。汽水池)
○タヒバリ              2羽(水路周辺など)
○ヤマガラ             2羽(淡水池北西側疎林地。シジュウカラ、メジロと混群を形成し、葛西臨海水族園との境界付近を移動していた)
○オオジュリン           6羽(淡水池周辺。よく鳴き声が聞かれ、時折、上空を飛翔する個体も見られたが、じっくりと見ることはできなかった) 

以上。