2005年10月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑


【2005年10月8日】

※葛西臨海公園(9:20〜14:00)
 昨夜からの雨が上がったことから出かけた。到着時は満潮を過ぎたところで、少しづつ干潟が出現し始めていた。最初に西渚観察ポイントから渚周辺の探鳥を行った後、公園西側を経由して鳥類園に回った。この時期には珍しく南風が強く吹き、特に午前11時頃からはかなりの強風となった。クロツラヘラサギが鳥類園内で見られたが、他は特に変わったものは見られなかった。渚周辺のカモメ類はユリカモメの数がさらに多くなってきていたが、特に変わったものは見られなかった。主なものは次のとおり。

○ミサゴ              2羽(又は3羽。渚周辺。到着直後から2羽が東渚周辺を飛び回るのが見られた。正午頃には水路周辺で魚を捕らえた個体が旧江戸川河口付近の棒杭に休止して採食するのが見られた。また、午後1時半頃には東渚干潟内の棒杭上に白斑の目立つ個体が休止しているのも見られた)
○アマサギ             2羽(淡水池。1羽はわずかに橙黄色の羽が残っている個体であった。アシの刈り取られた草地でトンボを採取する行動がユーモラスであった)
○チュウサギ            5羽(淡水池、汽水池)
○クロツラヘラサギ         1羽(淡水池。若鳥。午前10時過ぎに淡水池北西側の浅水域で、他のサギ類と一緒に休息しているのを見つけた。午前中はほとんど寝ていたが、正午過ぎからは独特の採餌法で浅水域を動き回っていた。これまでに比べると近距離で見ることができたが、視界が遮られる中央部付近に移動することも多かった。これまで東渚で見られていた個体と同一と思われる。いただいた情報によると、数日前から汽水池、淡水池に入ることが多くなってきているとのことであった)
○シロチドリ            18羽(東渚)
○ハマシギ              2羽(東渚)
○ミユビシギ             1羽(東渚)  
○アオアシシギ            8羽(汽水池)
○オグロシギ             1羽(淡水池。午後は汽水池に移動した。幼鳥であった)
○ダイシャクシギ           2羽(東渚)   
○ホウロクシギ            1羽(東渚)
○オオハシシギ            1羽(汽水池。幼羽の個体であった) 
○セイタカシギ           16羽(淡水池、汽水池。正午を過ぎて汽水池の潮位が下がるとともに汽水池に移動する個体が多かった)
○カワセミ              1羽(淡水池)
○キビタキ              1羽(公園西側。比較的よく鳴いていた)

以上。



【2005年10月10日】

※葛西臨海公園(10:50〜14:50)
 到着時はまだ霧雨が残っていたが、まもなく雨は上がり曇天となった。潮は満潮であったが、小潮のため干潟は残っており、午後2時過ぎの干潮時も潮位の変化はわずかであった。一昨日と変わって北よりの風がやや強く吹いた。最初に鳥類園で探鳥し、その後西渚に回る予定でいたが、午後2時頃より再び降雨となったことから、西渚観察ポイントからの探鳥は行わず、切り上げた。クロツラヘラサギは引き続き鳥類園内の淡水池に留まっていた。他は特に変わったものは見られなかったが、渚沖合いには数千羽に達すると思われるスズガモの大群が到着していた他、ヒヨドリの群飛も目だった。主なものは次のとおり。

○ミサゴ              3羽(渚周辺。午前11時頃に2羽が東渚周辺を飛翔しているのが見られた。午後1時頃には旧江戸川河口から東渚沖合いにかけての3つの棒杭で、それぞれ捕らえた魚を採食しているのが見られた)
○チュウヒ             1羽(鳥類園内。午後2時過ぎに淡水池上空に進入し、その後北東側湿地上空を経て汽水池方面に去った。間近で見られた)
○チョウゲンボウ          1羽(渚周辺。午前11時過ぎに東渚上空を旋回しているのが見られたが、その後降下しながら荒川河口方面に去った) 
○アマサギ             3羽(淡水池周辺)
○チュウサギ            3羽(淡水池、汽水池)
○クロツラヘラサギ         1羽(淡水池。若鳥。淡水池北側の浅水域を中心に動き回って採餌行動を取っていることが多かった。いただいた情報によると、ここ2〜3日は終日淡水池に留まっているとのことであった)
○シロチドリ           32羽(東渚)
○ハマシギ             4羽(東渚)
○アオアシシギ           6羽(汽水池。淡水池にも飛来した)
○オグロシギ            1羽(汽水池。幼鳥)
○オオソリハシシギ         2羽(東渚。午後2時頃に確認できた。汀線沿いで採餌していた。いずれも幼鳥のように思われた)
○ホウロクシギ           1羽(東渚)
○オオハシシギ           2羽(汽水池。擬岩付近で揃って休息していた。成鳥と幼鳥が各1羽であった)
○タシギ              4羽(淡水池、汽水池で各2羽)  
○セイタカシギ          20羽(汽水池。擬岩付近に集結していた)
○キセキレイ            2羽(淡水池、汽水池。活発に湿地を動き回っているようであった。2羽を3ケ所で見たが、移動していたものと思われる。キセキレイは当地では渡りの時期に見られるのみで比較的珍しい)
○カワセミ              2羽(又は3羽。淡水池、汽水池)

以上。



【2005年10月16日】

※葛西臨海公園(7:40〜13:40)
 昨夜からの雨が上がったことから出かけたが、到着時は再び降雨となり、午前10時頃から約1時間は本降りの雨となった。潮は大潮で午前10時半頃には沖合いにも浅瀬が出現した。最初に渚橋周辺で探鳥した後、鳥類園に回った。その後は降雨もあり、正午過ぎまで鳥類園観察センター付近で探鳥した。午後も霧雨が続いたことから、西渚観察ポイントからの探鳥は行わず、公園西側を回って切り上げた。クロツラヘラサギは午前中に東渚から鳥類園に戻ってきてくれた。他には特に変わったものは見られなかった。渚周辺のカモメ類の多さが目立っていた。主なものは次のとおり。

○ミサゴ              3羽(渚周辺、鳥類園など。2羽は2回ほど鳥類園上空に揃って進入した他、1羽が汽水池北側のマツに休止したりした。また、水路周辺もよく飛び回り、魚を捕らえて採食する姿も見られた)
○ハヤブサ             1羽(成鳥。午前10時半頃に東渚舞浜側堤防の流木上に休止しているのが見られた。その後は、保護区看板上で羽繕いを行っていた)
○チュウサギ            5羽(淡水池4羽、汽水池1羽)
○クロツラヘラサギ         1羽(東渚、汽水池、淡水池。若鳥。午前10時頃に東渚内の澪筋で採餌しているのを教えていただいた。その後、引き続き観察センターから観察していたところ、午前11時半頃になって東渚を飛び立ち汽水池に入った。汽水池では水門付近や擬岩付近などを歩き回ったが、正午過ぎには淡水池に移動して休息した)
○シロチドリ           32羽(東渚。群飛時のカウント数)
○ダイゼン             1羽(東渚) 
○ハマシギ             2羽(東渚)
○ミユビシギ            2羽(東渚)
○アオアシシギ           7羽(汽水池。午前10時頃までは4羽であったが、その後東渚から3羽が追加飛来した)
○オオソリハシシギ         1羽(東渚。正午過ぎに確認できた)
○オオハシシギ           2羽(汽水池)
○タシギ              4羽(淡水池1羽、汽水池3羽)  
○セイタカシギ          18羽(汽水池など。一時的に淡水池や水路干潟に飛来する個体も見られた)
○カワセミ              3羽(又は4羽。淡水池、汽水池)
○ノビタキ              1羽(公園西側。コスモス植栽地)
○イソヒヨドリ            1羽(成鳥♂と思われる個体。京葉線旧江戸川鉄橋橋脚部)
○キビタキ              1羽(♀と思われる個体。公園西側)
○ヤマガラ              2羽(公園西側。シジュウカラ、エナガと混群を形成していた)
○エナガ               3羽(公園西側)

以上。



【2005年10月30日】

※葛西臨海公園(7:20〜13:20)
 到着時は干潮に向かって干潟がかなり広がっているところであった。最初に渚橋周辺で探鳥した後、鳥類園に回った。午前11時頃からは西渚観察ポイントに回り探鳥を行った。久しぶりの探鳥であったが、カモ類はホシハジロが100羽を超えるなど多くなってきており、沖合いのスズガモ群も1万羽は超えていると思われたが、カンムリカイツブリ群はまだ確認できなかった。引き続き、クロツラヘラサギが留まってくれていた他、猛禽類が目立った。また、アオジやウグイスなどの地鳴きも聞こえたが、特に変わったものは見られなかった。主なものは次のとおり。

○ミサゴ              3羽(渚周辺。到着直後から旧江戸川河口付近に1羽が見られたが、その後午前9時頃には2羽が並んで旧江戸川河口付近や東渚内の棒杭上に休止するのが見られた。正午前には西渚内の棒杭にも1羽が見られ、同時に3羽が確認できた。正午過ぎには、頻繁にダイビングを繰り返し、魚を捕らえて採食するのも見られた)
○チュウヒ             1羽(東渚。午前11時頃にアシ原上を飛翔しているのが見られた。余り飛ばなかった)
○オオタカ             1羽(鳥類園。若鳥。午前8時頃には汽水池北側のマツに休止していたが、午前9時頃には淡水池北側のマツに移動していた。なお、いただいた情報によると成鳥も見られているとのことであったが、我々は見れなかった)
○ハヤブサ             2羽(成鳥1羽と若鳥1羽。到着直後から成鳥が東渚舞浜側堤防付近や干潟上を飛び回っているのが見られた。シギ・チドリ類を追いかけているようであった。午前11時頃には若鳥が進入してきたようで、東西渚間水路上空付近で2羽が絡んだが、若鳥は追い出される形となり西渚上空から観覧車西側を通過して荒川上流方面へと飛び去った)
○ヨシゴイ             1羽(淡水池。若鳥。午前10時頃に短距離を飛翔したことから気付いた。アシ原沿いに水門付近を移動した。ここ1ケ月くらい時折若鳥2羽が観察されていたが、我々が今秋確認したのは初めてであった)
○クロツラヘラサギ         1羽(東渚。若鳥。西渚観察ポイントから東渚内の澪筋で採餌しているのを確認できた。午後1時頃には中央丘の岩上に移動して羽繕いを行った後休息した。いただいた情報によると、このところ東渚内にいることが多く、まれに淡水池に飛来するということであった。9月18日から見られている個体と思われる)
○シロチドリ           42羽(東渚。一時的に西渚周辺にも飛来した)
○ハマシギ           387羽(東渚。正午頃のカウント数)
○アオアシシギ           4羽(汽水池など)
○オオソリハシシギ         3羽(西渚など。幼鳥)
○セイタカシギ          16羽(淡水池など。オオタカの出現のせいか、旧江戸川対岸の舞浜側アシ原育成地付近にも10羽が見られた。なお、行動をともにすることの多いオオハシシギは確認できなかった)
○カワセミ              1羽(汽水池)
○ジョウビタキ            2羽(鳥類園と公園西側で各1羽。先週あたりから見られているとのことであったが、我々は今季初認であった)
○イソヒヨドリ            1羽(成鳥♂と思われる個体。京葉線旧江戸川鉄橋橋脚部)

以上。