2005年3月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑

【2005年3月6日】

※谷津干潟(8:00〜12:00)
 到着時は干潮。しかし、本日は若潮のため潮位はそれほど下がらず、その後は正午過ぎの満潮に向かって、ゆっくりと潮位が上がった。北風がやや強く吹いて寒かった。干潟の広がりは限られていたものの、比較的多くの種類が見られた。特段変わったものは見られなかったが、ズグロカモメはまだ留まっていた。主なものは次のとおり。

○アメリカヒドリ        1羽(♂1羽。干潟東側のヒドリガモ群中に見られた。カモ類は個体数が多く1000羽を超えていると思われた)
○ズグロカモメ        3羽(成鳥3羽。1羽は完全な夏羽の個体であった。他の2個体も頭部が黒くなり始めていた。午前10時頃までは干潟内を飛び回っては舞い降りてカニを採食したりしていたが、その後は東側干潟に3羽が集まり、浅水域を歩き回ってゴカイを採食していた。夏羽個体はよく鳴いていた) 
○シロチドリ        24羽(午前8時過ぎに飛来した)
○ハマシギ         7羽(午前10時過ぎのカウント数)
○アオアシシギ        1羽(越冬個体。干潟西側で見られた)
○セイタカシギ        6羽(干潟西側で見られた)
○ジョウビタキ         1羽(♀タイプ。後背地)  
○アカハラ          1羽(観察センター付近)
○シロハラ          1羽(観察センター付近) 
○ツグミ            6羽(観察センター付近、後背地)
○オオジュリン      約10羽(干潟周辺のアシ原。夏羽に換羽中の個体も見られた)


※葛西臨海公園(12:40〜16:00)
 到着時は満潮であったが、潮位はそれほど高くなく、干潟は広がり始めているところであった。最初に公園西側を経由して午後1時過ぎから約1時間ほど西渚観察ポイントに回って探鳥した。しかしながら、北東風が引き続きやや強く吹いて寒かったことから、その後は鳥類園で探鳥した。特に変わったものは見られなかったが、多くの冬鳥がまだ留まっているようであった。主なものは次のとおり。

○ミコアイサ         1羽(♂成鳥1羽。午後3時頃に旧江戸川水面内の護岸から約30mくらいのところで休息しているのを見ることができたが、他の個体は確認できなかった)
○ウミアイサ         1羽(♀タイプ。東渚沖合いのスズガモ・カンムリカイツブリ混群中に見られた)
○シロカモメ         1羽(成鳥。東渚干潟上の大型カモメ群中で見られたが、堤防に視界が遮られて確認できなくなることもあった。水浴などを行ったり、時折移動したので判別することができた。集結した大型カモメ類は約50羽であった)
○ミサゴ           1羽(東渚周辺。午後1時半頃に舞浜沖から東渚上空付近に進入してきたが、その後は旧江戸川を上流方面に向かった)
○チュウヒ          1羽(汽水池。午後4時頃に汽水池アシ原上を低く飛んで、アシ原に舞い降りるのが見られた)
○ハヤブサ          1羽(成鳥。東渚周辺。午後1時半頃にハマシギ群が舞った後に干潟上に降りているのが見られた。その後も、中央丘の流木上や干潟内の棒杭に休止していたので、狩りを繰り返していたものと思われた)
○シロチドリ       約10羽(東渚。午後4時頃の推計数)
○ハマシギ       約440羽(東渚。午後2時頃のカウント数)
○タシギ            1羽(汽水池)
○セイタカシギ        5羽(汽水池など)
○タヒバリ          6羽(西渚護岸など)
○ジョウビタキ        3羽(♀タイプのみ。汽水池周辺など)
○イソヒヨドリ        1羽(♂成鳥。旧江戸川京葉線鉄橋橋脚部) 
○トラツグミ         2羽(汽水池北側の樹林内と淡水池付近で各1羽見られた。淡水池の個体は午後3時半頃に水際に飛来し、盛んに水呑みを行った)
○シロハラ          5羽(公園西側、汽水池周辺)
○ツグミ         約40羽(公園西側、淡水池周辺など)
○ヤマガラ          2羽(公園西側。シジュウカラなどの混群中に見られた)
○エナガ           1羽(公園西側。シジュウカラ、ヤマガラの混群中に見られた。当地では比較的珍しい)
○オオジュリン      約10羽(淡水池周辺など)

以上。



【2005年3月13日】

※葛西臨海公園(7:50〜14:50)
 到着時は満潮を過ぎて潮位が下がり始めているところであった。午前中は気温は低かったものの、快晴で風も弱かったが、午後からは北風が強まり、午後1時過ぎから約1時間はかなりの雪が舞った。探鳥は公園中央部から開始し、続いて公園西側に回り、午前9時から午前11時頃まで西渚観察ポイントからの渚周辺の探鳥を行った。その後は鳥類園周辺で探鳥した。特に変わったものは見られなかったが、1年振りに当地でヨーロッパトウネンを確認できた他、ホウロクシギが見られた。渚周辺のカンムリカイツブリは数が少なくなって約500羽となっていたが、ほとんどが夏羽個体となっていた。ハジロカイツブリも多くは夏羽となっていたが、まだ多数が留まっていた。なお、カモメ類も多くの個体が見られたが、大型カモメ群中には変わったものは確認できなかった。主なものは次のとおり。

○ミコアイサ           2羽(♀タイプのみ。淡水池)
○ウミアイサ           1羽(♀タイプ。東渚周辺)
○ズグロカモメ          1羽(若鳥。水路周辺など。正午過ぎに水路側に生じた干潟に飛来しているのを確認することができた。また、午後2時半頃には水路沿いに飛翔して水路側干潟に舞い降りた後、東渚方面に飛び去るのを見ることができた)
○トビ              1羽(鳥類園上空。正午過ぎに見られた)
○チュウヒ            1羽(又は2羽。東渚。午後1時半頃に小雪の舞うアシ原上を飛翔するのが見られた)
○ハヤブサ           1羽(成鳥。東渚周辺。午後2時頃に、雪の舞う中、舞浜側堤防上空付近でユリカモメ群かシギ・チドリ群を襲ったようであった)
○シロチドリ           8羽(東渚西渚側堤防上)
○トウネン            1羽(西渚砂浜上。ハマシギ群中)
○ヨーロッパトウネン       2羽(西渚砂浜上。ハマシギ群中。1羽は夏羽への換羽が始まっていた。当地でヨーロツパトウネンを確認したのは2002年2月17日、2004年3月7日に次いで3回目である)
○ハマシギ          640羽(西渚など。午前9時過ぎの西渚砂浜上のカウント数。ハマシギ群は午前10時近くまで西渚砂浜上で休息していた。トウネン類が混じっていたが、シロチドリは混じっておらず別の場所で休息していた。午前10時頃には東渚干潟に移動したが、正午過ぎからは沖合いに生じた干潟にも移動していた)
○ホウロクシギ          1羽(東渚干潟上。今季初認)
○セイタカシギ          9羽(水路側干潟など。午後2時過ぎには3羽が汽水池に飛来した)
○ビンズイ            4羽(公園西側。マツ林周辺)
○タヒバリ             2羽(水路護岸付近)
○ジョウビタキ           4羽(♀タイプのみ。淡水池周辺など)
○トラツグミ            1羽(公園中央部。ツグミとともに、芝生上で採餌していた)  
○アカハラ             3羽(公園中央部など)
○シロハラ             3羽(公園中央部など)
○ツグミ            約30羽(公園中央部、淡水池周辺など)
○ヤマガラ             2羽(公園中央部)
○オオジュリン         約10羽(淡水池、汽水池周辺)

以上。


ヨーロッパトウネン(換羽中)
2005年3月13日
葛西臨海公園(西渚砂浜上)


【2005年3月20日】

※葛西臨海公園(7:30〜15:00)
 本日は若潮で、到着時は干潮であったが正午過ぎまで潮位の変化は少なく、やや狭い干潟が広がったままであった。風は弱かったものの雲が広がりかなり寒かった。公園中央部から公園西側に回った後、午前9時から約1時間ほど西渚観察ポイントからの渚周辺の探鳥を行った。その後は鳥類園周辺で探鳥した。特に変わったものは見られなかったが、久しぶりに当地でベニマシコが見られた他、トラツグミ、アオジといった冬鳥のさえずりを聞くことができた。また、渚周辺でもすっかり夏羽となったカンムリカイツブリ、ハジロカイツブリのデイスプレーを見ることができた。カンムリカイツブリは数がさらに少なくなって約300羽となっていた。カモメ類も多くの個体が見られたが、大型カモメ群中には変わったものは確認できなかった。ユリカモメ群中には頭部がほとんど黒くなっているものが見られた。主なものは次のとおり。

○ミコアイサ           6羽(♂1羽、♀タイプ5羽。♀タイプ2羽は旧江戸川で見られたが、午後3時前には淡水池に♂1羽♀タイプ3羽の群が戻ってきていた)
○ウミアイサ           1羽(♀タイプ。東渚周辺)
○ミサゴ             1羽(渚周辺。午後1時頃に舞浜沖方面から東渚上空に現れ、旧江戸川を遡行するように飛翔した。午後3時頃には旧江戸川河口内の棒杭上で休止しているのが確認できた)
○チュウヒ            1羽(東渚。午前10時半頃にアシ原上を飛翔するのが見られたのみであった)
○オオタカ            1羽(若鳥。汽水池西側のマツ周辺に休止しているのを見ることができた。午後2時前に飛び立ち樹林地内に入った)
○ハヤブサ           1羽(成鳥。東渚。到着直後は舞浜側堤防上で休止していたが、午前9時頃には干潟内の低い棒杭に休止してシギ・チドリ群をねらっているようであった)
○コチドリ            5羽(汽水池で4羽が見られた他、西渚でも1羽が確認できた。いただいた情報によると、3日ほど前から見られているとのことであった。我々は今季初認であった) 
○シロチドリ           4羽(西渚など。もっといたものと思われる)
○ハマシギ         約300羽(西渚など。午前8時過ぎの西渚干潟には約250羽が群れて採餌していた。トウネン類と思われる個体が1羽混じっていたが、渚橋入口からは遠方で判別できなかった。その後は東渚干潟に移動したりしていた)
○タシギ             7羽(淡水池)
○セイタカシギ          4羽(汽水池など。正午過ぎまでは、旧江戸川対岸や東渚堤防水路側で1〜3羽が見られただけであったが、午後2時頃には4羽が汽水池に飛来した)
○ビンズイ            4羽(又は5羽。公園西側。マツ林周辺)
○タヒバリ             5羽(西渚護岸付近など)
○ジョウビタキ           2羽(♀タイプのみ。公園中央部など)
○トラツグミ            1羽(公園中央部。芝生上で採餌しながら、時々ヒィーヒィーとさえずった。トラツグミが鳴くのを間近で見たのは初めてであった)  
○アカハラ             4羽(公園中央部、淡水池付近など)
○シロハラ             6羽(公園中央部、汽水池付近など)
○ツグミ            約30羽(公園中央部、淡水池周辺など)
○オオジュリン         約40羽(淡水池、汽水池周辺で、採餌している群がいくつか見られた他、東渚堤防の岩上で採餌している2羽も見られた)
○ベニマシコ            1羽(♀と思われる個体。午後2時半頃に汽水池南側のアシ原付近で見られた。時折、フィッフィッと鳴きながら、盛んにセイタカアワダチソウの実を食べていた。当地では珍しく、我々が当地で見たのは2003年1月4日以来で、3回目である)

以上。



【2005年3月27日】

※船橋三番瀬海浜公園(7:50〜9:50)
 到着時は、既に干潟が広がり始めているところで、シギ・チドリ類やカモメ類が干潟に飛来していた。また、堤防水面内にも多くのカモ類が休息していた。春の渡りと思われる種類も見られたが、ミヤコドリの群もまだ留まっていた。また、例年のようにウミアイサの集結も見られた。カモメ類はカモメとユリカモメが多く、大型カモメ類の群は見られなかった。主なものは次のとおり。

○アメリカヒドリ        1羽(♂1羽。堤防内水面のヒドリガモ群中)
○ホオジロガモ        8羽(♀タイプのみ)
○ウミアイサ        87羽(沖合い水面など。♂20羽、♀タイプ67羽。澪筋や浅瀬にも進入してきていた。例年のように集結しているようである)
○ミサゴ           1羽(到着直後に、浅瀬で大きな魚を捕らえ干潟内の棒杭に休止するのが見られた。ユリカモメが盛んにモビングを行った)
○イワツバメ         1羽(後背地内グラウンド上を飛び回っていた。今季初認) 
○ミヤコドリ         95羽(午前9時頃の正面干潟に飛来した群のカウント数。到着時6〜7羽が干潟に飛来して採餌していたが、午前8時半過ぎに船橋港遠方堤防〜茜浜方面から大きな群が飛来した)
○コチドリ           1羽(後背地)
○シロチドリ          8羽(午前9時半頃のカウント数)
○メダイチドリ         2羽(換羽中の個体。今季初認)
○ダイゼン          78羽(午前9時半頃のカウント数)
○ヨーロツパトウネン      2羽(冬羽。午前9時過ぎに、干潟内の浅く水のついた周辺で、2羽が揃って採餌しているのが見られた。いずれも換羽が始まりかけているようであったが、3月13日に葛西臨海公園で確認した個体とは別個体であった) 
○ハマシギ      約1200羽(午前9時過ぎの推計数)
○ミユビシギ         64羽(午前8時過ぎのカウント数。もっといたものと思われるが、きちんとカウントできなかった)
○ダイシャクシギ        1羽(午前9時過ぎに見られた)
○ホウロクシギ         2羽(干潟で盛んに採餌していたが、午前9時半頃に飛び立って、谷津干潟方面に去った) 
○タヒバリ          10羽(アオサ堆積地付近に多かった)
○ツグミ           11羽(後背地など。グラウンドに群れていた) 


※谷津干潟(10:50〜15:20)
 到着時は徐々に干潟が広がっているところであったが、正午過ぎにかけてさらに大きく広がった。到着直後はシギ・チドリ類は多くはなかったが、正午過ぎにかけて、三番瀬方面から徐々に飛来した。ズグロカモメがまだ留まっていた他、シマアジを見ることができた。オオタカが出現した午後1時過ぎからは、900羽を超えるカモ類が南船橋側の澪筋に集結した。主なものは次のとおり。

○シマアジ           1羽(夏羽♂1羽。干潟西側で見られた。いただいた情報によると、朝方は観察センター付近の淡水池に入っていたとのことで、その後谷津バラ園側に移動したとのことであった。我々は午前11時過ぎに谷津バラ園側で休息しているのを見つけたが、その後見失い、午後1時半頃に干潟西側のカモ群中にいるのを再び見ることができた)
○ズグロカモメ         1羽(成鳥夏羽。探鳥時間中は干潟内を飛び回っては舞い降りてカニを採食したりしていた。ダイゼンが捕らえたゴカイを横取りしたりするのも見られた。午後3時頃には澪筋内で水浴した)
○オオタカ           1羽(成鳥と思われる個体。午後1時過ぎに干潟上空に現れたが、その後観察センター付近の樹林地に入った)
○コチドリ           2羽(干潟西側で見られた) 
○シロチドリ        13羽(正午頃のカウント数)
○メダイチドリ        2羽(正午頃に見られた。三番瀬から移動してきた個体と思われる)
○ダイゼン         106羽(午後1時頃のカウント数)
○ハマシギ      約1000羽(午後1時頃のカウント数は約500羽であったが、その後徐々に飛来数が多くなってきた。午後3時頃の推計数)
○アオアシシギ        1羽(越冬個体。干潟西側で見られた)
○オオソリハシシギ      1羽(干潟東側で見られた)
○ホウロクシギ        2羽(干潟東側で採餌していることが多かった。また、よく2羽が争って飛翔するのが見られた) 
○セイタカシギ        7羽(干潟西側で見られた)
○アカハラ          1羽(後背地)
○シロハラ          1羽(後背地)
○ツグミ            2羽(観察センター付近、後背地)
○オオジュリン         1羽(干潟周辺のアシ原)

以上。