2004年12月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑

【2004年12月4日】

※葛西臨海公園(9:20〜15:00)
 到着時は既に潮位が上がり、干潟のほとんどが冠水していた。午前中は観察センター付近を中心に鳥類園で探鳥し、午後1時過ぎに西渚観察ポイントに回って渚周辺の探鳥を行った。特段変わったものは見られなかったが、引き続き猛禽類がよく出現した。しかしながら、ハヤブサが出現しなかったせいか、カモメ類やシギ・チドリ類は戻ってきているようであった。カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、カモ類は引き続き多かった。主なものは次のとおり。

○ミコアイサ           3羽(いずれも♀タイプ。淡水池で1羽が、旧江戸川護岸付近で2羽が見られた)
○ズグロカモメ          2羽(成鳥と若鳥が各1羽。若鳥は午前中から探鳥終了まで東渚周辺で見られた。成鳥は到着直後から干潟で採餌行動を取っていたが、干潟の冠水とともに飛び立ち、旧江戸川を遡行するのが確認できた。正午頃には東渚干潟に戻ってきていたが、午後には確認できなくなった。いただいた情報によると、成鳥は午前10時頃には汽水池で採餌行動を取っていたとのことであった。また、昨日は西渚干潟に2羽が揃って飛来しているのが見られたとのことであった。成鳥はやや広い範囲で行動しているものと思われる)
○ミサゴ             1羽(又は2羽。正午前に東渚沖杭に休止しているのが見られた他、午後2時頃には東渚干潟上空に飛来し、棒杭に休止したり、ダイビングを繰り返すのが見られたが、カラスのモビングでダイビングが妨害されたりしたことから荒川河口方面に飛び去った)
○ノスリ             2羽(東渚、鳥類園。本日もよく飛び回っていた) 
○チュウヒ            3羽(東渚、淡水池。本日もよく飛び回っているのが見られた。11月26日には淡水池でオオバンを捕らえるのが観察されたとのことで観察センターに写真が掲示されていた)
○オオタカ            2羽(いずれも若鳥。淡水池北側から汽水池にかけて、マツに休止したり、飛び回ったりしていた。淡水池ではカモを襲ったが失敗した。なお、いただいた情報によると、午後1時頃に汽水池でコガモを捕らえたのが観察されたとのことであった)
○シロチドリ       約300羽(東渚)
○ハマシギ        約700羽(東渚。久しぶりに多くの個体が飛来しており、午前9時過ぎのハマシギ・シロチドリ群のカウント数は992羽であった)
○ミユビシギ           3羽(東渚。ハマシギ・シロチドリ群中)
○オオハシシギ         1羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地)
○セイタカシギ          2羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地)
○カワセミ            1羽(淡水池)
○タヒバリ            2羽(西渚水路護岸)
○ジョウビタキ          4羽(♀タイプのみ。淡水池付近など)
○アカハラ            1羽(淡水池周辺)
○ツグミ             4羽(淡水池周辺、東渚)
○オオジュリン         12羽(淡水池周辺。よく飛び出してはアシ原に潜り込むのが見られたが、アシの上部にはなかなか出て来なかった。鳴き声は多かったので相当数が入っているものと思われる)


以上。


【2004年12月11日】

※葛西臨海公園(12:20〜16:00)
 午後からの探鳥となった。到着時は干潮を過ぎて徐々に潮位が上がり始めているところであった。最初に西渚観察ポイントに回って渚周辺の探鳥を行った。午後2時頃から鳥類園に回って探鳥した。ミコアイサ♂を今季初めてみることができた他、猛禽類も引き続き出現したが、ノスリは最近見られていないとのことであった。渚周辺はハヤブサが戻ったためか、カモメ類やシギ・チドリ類は少なめであった。カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、カモ類は引き続き多かった。なお、午後2時頃に淡水池南端部でツリスガラの声を聞いたが、視認することはできなかった。主なものは次のとおり。

○ミコアイサ           1羽(淡水池南側。成鳥♂。アシ際で休息しており初めは見つけられなかったが、教えていただき見ることができた)
○ズグロカモメ          1羽(若鳥。到着直後から渚周辺での探鳥終了まで東渚周辺で見られた。2回ほど西渚干潟にも飛来しカニを採餌したりしたが、短時間の滞在であった。11月14日から見られている個体が留まっているものと思われる)
○ミサゴ             1羽(東西渚。到着直後は東渚内の棒杭に休止していたが、その後上空を帆翔したり、荒川河口方面などでダイビングを行い魚を捕らえては棒杭上で採食しているのが観察できた)
○チュウヒ            1羽(淡水池。午後4時前に淡水池付近を旋回しながら飛翔しているのを見ることができた)
○オオタカ            2羽(いずれも若鳥。淡水池北側と汽水池南側のマツに休止しているのが、ほぼ同時に見られた。淡水池の個体は午後3時半頃から狩りを行ったが成功しなかったようであった)
○ハヤブサ            1羽(成鳥。東渚。午後2時前後に舞浜側堤防上に休止しているのが確認できた)
○シロチドリ         約20羽(東渚。もっといたものと思われる。潮位上昇後は東渚中央丘の護岸部で休息していた)
○ハマシギ        約100羽(東渚)
○オオハシシギ         3羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。いただいた情報によると舞浜大橋からは比較的近距離で確認できたとのことであった)
○セイタカシギ         6羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近)
○タヒバリ            2羽(西渚)
○ジョウビタキ          2羽(♀タイプのみ。汽水池付近など)
○アカハラ            1羽(淡水池付近)
○シロハラ            1羽(淡水池付近)
○ツグミ             1羽(淡水池付近)
○オオジュリン        約10羽(淡水池周辺。よく飛び出してはアシ原に潜り込むのが見られた。鳴き声も多く聞けたので相当数が入っているものと思われる)


以上。




【2004年12月12日】

※葛西臨海公園(7:20〜13:10)
 到着時は満潮を過ぎて潮位が下がり始めているところであった。渚では現れ始めた干潟周辺をハマシギ・シロチドリ群が飛び回りはじめていた。初めに鳥類園で探鳥し、その後西渚観察ポイントに回る予定でいたが、午前9時過ぎから断続的に降雨となったことから鳥類園周辺に留まった。基本的には昨日と同様であったが、渚周辺の水鳥は多くなってきているようであった。大型カモメ類も午前10時過ぎには100羽を超える数が集結したが、セグロカモメ、オオセグロカモメ以外のものは見られなかった。また、昨日から汽水池で見られていた猛禽類の死骸が回収され、見せていただいた。ノスリかオオタカのようであったが判別できなかった。主なものは次のとおり。

○ホオジロガモ          3羽(東渚周辺。♂1羽、♀タイプ2羽。遠方にいたが今季初認であった)
○ミコアイサ           1羽(淡水池。♀タイプ)
○ウミアイサ           3羽(東渚周辺。全て♀タイプであった。遠方にいたが今季初認であった)
○ズグロカモメ          1羽(若鳥。午前中を中心に干潟周辺を飛翔しているのが見られ、シロチドリを追飛していることもあった)
○ミサゴ             1羽(東渚など。東渚内の棒杭に休止していたが、その後水路上空を帆翔したりしているのが見られた)
○チュウヒ            1羽(東渚。正午頃にアシ原上を飛翔しているのを見ることができた。干潟上にも進入し、カモメ群を飛ばしていた)
○オオタカ            2羽(又は3羽。いずれも若鳥。淡水池北側を中心として留まっていた個体は、近くのマツや淡水池内の棒杭に休止してはカモをねらって狩りを繰り返していた。1回は獲物を引っ掛けたようであったが、結果的には成功しなかった。他の1羽は汽水池北側のマツ周辺に留まっていたが、この他に葛西臨海水族園内からカラスに追われて飛び出した個体や、東渚・水路側堤防上の棒杭に休止している個体なども見られた)
○ハヤブサ            1羽(成鳥。東渚。午前8時半頃から正午頃にかけて舞浜側堤防上の流木や干潟内の漂着物に休止しては飛び出して狩りを行っていた。狩りは成功したようで、堤防上で獲物の羽をむしっているのが確認できた)
○シロチドリ        約200羽(東渚。午前8時頃の推計数。きちんとカウントできなかった)
○ハマシギ         約800羽(東渚。午前8時頃の一部カウントのうえでの推計数。落ち着かず、きちんとカウントできなかった)
○ミユビシギ            2羽(東渚。ハマシギ・シロチドリ群中)
○セイタカシギ           1羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近)
○フクロウ             1羽(鳥類園。11月末くらいから時々見られているとのことで、我々も教えていただいて運良く見ることができたが、短時間であった) 
○カワセミ              1羽(汽水池)
○タヒバリ              1羽(水路護岸付近)
○ジョウビタキ           2羽(♀タイプのみ。淡水池付近など)
○アカハラ             1羽(又は2羽。淡水池付近など)
○ツグミ              4羽(淡水池付近など)
○オオジュリン           2羽(淡水池周辺)

<追記>
 葛西臨海公園では、この4月から週末は鳥類園観察センターにレンジャーの方が駐在して観察の手伝いなどをしてくださっていますが、スタッフの方々によるホームページが作成されており、野鳥情報など参考になりますのでお知らせいたします。
 アドレスは、http://kasai.exblog.jp/  です。

以上。



【2004年12月19日】

※葛西臨海公園(7:20〜12:20)
 到着時は干潮を過ぎて干潟が狭まり始めているところであった。初めに、公園中央部から荒川河口堤防まで足を伸ばし、その後鳥類園に戻って探鳥したが、西渚観察ポイントからの探鳥は行わなかった。渚周辺の水鳥は、カンムリカイツブリを中心に多くなってきていた。特段変わったものは見られなかったが、猛禽類の出現は引き続き多かった。主なものは次のとおり。

○ミコアイサ           3羽(淡水池。♂成鳥1羽、♀タイプ2羽)
○ズグロカモメ          1羽(若鳥。東渚周辺)
○ミサゴ             1羽(又は2羽。午前8時過ぎに西渚内棒杭上に魚を捕らえた個体が飛来したのが見られた他、午前10時頃には東渚干潟上に舞い降りたり、東渚内の棒杭に休止したりするのが見られた)
○トビ              1羽(正午頃に荒川河口沖合いを舞っているのが見られた。中央防波堤内側埋立地方面には多数が飛翔しているのが見られた)
○チュウヒ            1羽(又は2羽。東渚、淡水池。午前8時半頃に干潟上に舞い降りている個体が見られたが、午前9時頃には1羽が淡水池上空に進入し、その後北側のマツの木やアシ原内に舞い降りたり、上空を旋回するのを繰り返すのを見ることができた)
○ハヤブサ            1羽(成鳥。東渚。午前10時頃から舞浜側堤防付近でほぼ連続的に見られた。干潟上に降りて獲物の羽をむしっているような行動もみられたので、狩りに成功していたものと思われた)
○シロチドリ        約200羽(東渚。午前8時頃の推計数)
○ダイゼン             1羽(東渚)
○ハマシギ         約800羽(東渚。午前8時頃の推計数)
○ミユビシギ            1羽(西渚)
○オオハシシギ          3羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地) 
○セイタカシギ           6羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近)
○タヒバリ              2羽(水路護岸付近)
○ジョウビタキ           3羽(♀タイプのみ。淡水池付近など)
○アカハラ             1羽(淡水池付近)
○ツグミ              6羽(公園中央部、淡水池付近など。朝方は芝生上で採餌している個体も見られた)
○オオジュリン           6羽(淡水池周辺)

以上。


【2004年12月23日】

※葛西臨海公園(7:40〜13:50)
 到着時は干潮。しかしながら中潮のため干潟は余り広がっておらず、正午過ぎにはほとんど冠水した。初めに、公園中央部から鳥類園内で探鳥し、正午過ぎから西渚観察ポイントに回ったが、干潟冠水後で北西の季節風も強かったことから早めに切り上げて探鳥を終了した。特段変わったものは見られなかったが、猛禽類は引き続き多かった。主なものは次のとおり。

○ミコアイサ           3羽(淡水池。♂成鳥1羽、♀タイプ2羽)
○ミサゴ             1羽(渚周辺。午前10時半頃に東渚内で大きな魚を捕らえ、西渚内棒杭上に移動した後、正午過ぎまで採食していた)
○トビ              1羽(正午前に荒川河口方面から渚周辺に飛来し、東渚や水路上空を舞っているのが見られた。なお、引き続き、中央防波堤内側埋立地方面には多数が飛翔しているのが見られた)
○チュウヒ            1羽(淡水池。探鳥終了直前に見られた)
○オオタカ            2羽(又は3羽。いずれも若鳥。淡水池、汽水池周辺の他、東渚アシ原付近を飛翔している個体も見られた。いただいた情報によると、淡水池北側では2羽が絡むのも見られたとのことであった。また、このところ、若鳥以外に成鳥も目撃されているとのことであった)
○ハヤブサ            1羽(成鳥。東渚。午前10時過ぎから舞浜側堤防付近に休止しているのが連続的に見られた。正午過ぎにはアシ原付近を飛翔していたオオタカを追い出すような行動も見られた)
○シロチドリ          約10羽(東渚。干潟が冠水した午前11時頃には中央丘付近でハマシギとともに休息しているようであった)
○ハマシギ         約200羽(東渚など。干潟が冠水した午前11時頃には中央丘付近で休息していた。また渚橋付近の護岸に飛来している11羽の群も見られた)
○セイタカシギ           3羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近)
○カワセミ              1羽(汽水池)
○タヒバリ              2羽(淡水池、水路護岸付近)
○ジョウビタキ           4羽(♂1羽、♀タイプ3羽。淡水池付近など)
○アカハラ             3羽(駅付近、淡水池付近など)
○シロハラ             2羽(観察センター付近)
○ツグミ              6羽(公園中央部、淡水池付近など)
○オオジュリン          10羽(淡水池周辺など。飛翔する個体はもっと見られたが、ホオジロなどとともにアシ原に潜り込む個体が多かった。)

以上。


【2004年12月25日】

※葛西臨海公園(10:10〜15:20)
 到着時は干潮。初めに西渚観察ポイントに向かい干潟が冠水する正午過ぎまで留まった。その後は鳥類園に回って探鳥した。特段珍しいものは見られなかったが、比較的多くの種類を見ることができた。特にアリスイは我々にとっては当地では初めて見ることができた。また、猛禽類の出現は引き続き多かった。主なものは次のとおり。

○アカエリカイツブリ       1羽(西渚水面内。午前11時頃に潜水を繰り返しているのを見ることができた。カンムリカイツブリやハジロカイツブリの群とは離れて単独で採餌行動を取っているようであった)
○ミミカイツブリ         1羽(西渚水面内。正午頃に潜水を繰り返して採餌しているのを見ることができた。当地では11月下旬に荒川河口付近で比較的頻繁に見られていたとのことであったが、我々は今季初認であった)  
○ミコアイサ           5羽(淡水池など。♂成鳥1羽、♀タイプ4羽。午後2時過ぎには♂♀各1羽は水路内に移動していた)
○ワシカモメ           1羽(西渚。成鳥冬羽と思われる個体。午前10時半頃に棒杭上に休止しているのを見つけた。午前11時頃にはセグロカモメに追い出されて棒杭を変えた。午前11時半過ぎに、舞浜沖海上方面に飛び去った。大型カモメ類は少なく約20羽が見られたのみであった)
○ズグロカモメ          1羽(渚周辺。若鳥。午前中を中心に東渚の干潟上を飛翔しているのを見ることができたが、西渚干潟にも2回ほど飛来した。また水路沿いを飛翔しているのも見られ、渚橋付近の護岸に舞い降りたりしていた)
○ミサゴ             2羽(渚周辺。到着直後は西渚内の棒杭に1羽が休止していた。正午頃に1羽が東渚上空に飛来しダイビングを繰り返したものの狩りには失敗した。その後、その個体は東渚上空で帆翔し高度を上げたが、さらにもう1羽が加わり、揃って帆翔しながら舞浜沖方面に飛び去った)
○トビ              1羽(午後1時頃に渚周辺に進入し、東渚や水路上空を舞っているのが見られた)
○チュウヒ            2羽(淡水池、東渚など。午後2時を過ぎてから頻繁に飛翔しているのを見ることができた。特に午後3時頃には、1羽が淡水池を舞って東渚に移動した後、別個体が淡水池に進入するのが見られた。また、東渚アシ原上を飛翔しているのも見ることができた)
○オオタカ            2羽(又は3羽。いずれも若鳥。淡水池周辺、東渚。淡水池北側のマツの木を中心に飛翔したり、休止したりするのが見られ、2羽が絡み合うような場面も見られた。また、東渚堤防の棒杭に休止している個体も見られた)
○クイナ             1羽(汽水池。午後1時頃に観察センター東側のアシ原から鳴き声が連続的に聞こえたが姿を視認することはできなかった)
○シロチドリ        約100羽(東渚など。午前10時半頃の推計数。西渚干潟にも2羽が飛来していた)
○ダイゼン             1羽(東渚)
○ハマシギ         約500羽(東渚など。午前10時半頃の推計数。西渚干潟にも6羽が飛来していた他、干潟冠水後の正午過ぎには西渚観察ポイント付近を通過して荒川河口方面に移動するハマシギ・シロチドリ群が見られた)
○ミユビシギ            3羽(東渚の他、西渚にも1羽が飛来していた)
○オオハシシギ          3羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近堤防) 
○セイタカシギ          4羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近堤防)
○カワセミ             1羽(淡水池、汽水池。いずれも♀であったことから同一個体と思われた)
○アリスイ             1羽(淡水池周辺。教えていただき見ることができた。草地に降りて盛んにアリを食べているようであった。アリスイは当地でも毎年のように目撃記録があり、本年も11月初旬から断続的に目撃されていたが、我々が当地でアリスイを見たのは初めてであった)
○タヒバリ             2羽(西渚護岸付近)
○ジョウビタキ           2羽(♀タイプのみ。淡水池付近など)
○アカハラ             1羽(淡水池付近)
○ツグミ              5羽(公園中央部、淡水池付近など)
○オオジュリン         約20羽(淡水池、汽水池。風が弱かったためか、アシ上に出てくる個体も見られ、これまでに比べて観察しやすかった。汽水池ではホオジロ4羽の小群と本種6羽くらいの群がアシ原で群れて採餌しているのが見られた)

以上。


ワシカモメ(成鳥冬羽)
2004年12月25日
葛西臨海公園(西渚)




【2004年12月26日】

※葛西臨海公園(8:10〜13:40)
 到着時は潮位が下がり干潟が広がり始めているところであった。初めに公園中央部から公園西側を回り、午前9時頃に西渚観察ポイントに向かい、渚周辺の探鳥を行った。西渚砂浜上にはハマシギ・シロチドリ越冬群のかなりの部分が休息しており、近距離で観察できたが変わったものは確認できなかった。また、昨日と異なり渚周辺は北西の風が強く寒かったことから約1時間で切り上げ、午前10時頃からは鳥類園で探鳥した。特に変わったものは見られなかったが、ツグミ類が多くなってきているようであった。猛禽類は今日も多かった。主なものは次のとおり。

○ホオジロガモ         1羽(汽水池。♀若鳥と思われる個体)
○コオリガモ           1羽(西渚水面内のスズガモ群中。♂若鳥と思われる個体。我々としては、当地でのコオリガモは1998年2月に旧江戸川河口付近で見た♂若鳥個体以来となる)   
○ミコアイサ           4羽(淡水池。♂成鳥1羽、♀タイプ3羽)
○ズグロカモメ          1羽(渚周辺。若鳥。午前中を中心に活発に飛翔しているのを見ることができたが、西渚干潟や水路沿いも飛翔していた。特に午前10時前には、餌付けされたユリカモメ群に混じって渚橋付近の護岸に飛来しているのが見られた他、午前11時頃には鳥類園南側の水路護岸にも飛来しているのが確認できた。ズグロカモメがパン等の餌に飛来するのを見たのは初めてであった)
○ミサゴ             1羽(又は2羽。渚周辺。午前9時過ぎに西渚内の棒杭に1羽が休止しているのが見られた他、午後1時前には東渚上空に飛来してダイビングを繰り返す個体が見られた)
○チュウヒ            1羽(又は2羽。汽水池、東渚など。東渚アシ原上を飛翔する個体も見られたが、正午過ぎには1羽が汽水池上空に飛来し、一時的にアシ原内に舞い降りたり旋回したりした。この個体は午後1時前に帆翔して高度を上げ舞浜方面に飛び去った)
○オオタカ            2羽(いずれも若鳥。淡水池、汽水池で各1羽)
○ハヤブサ           2羽(成鳥と若鳥。若鳥は午前8時半頃に公園中央部上空を海岸部から観覧車方面に向かう形で通過した。成鳥は東渚舞浜側堤防上の構造物に休止して獲物をねらっているのが、探鳥終了時まで見られた) 
○シロチドリ         約40羽(西渚など。午前9時過ぎの西渚砂浜上で休息していた個体群のカウント数)
○ハマシギ         約500羽(西渚など。午前9時過ぎの西渚砂浜上で休息していた個体群のカウント数。干潟が広がった後は、東渚干潟に移動したが、猛禽類の出現もあり落ち着かなかった)
○ミユビシギ            5羽(西渚)
○タシギ              1羽(汽水池。久しぶりに見られた) 
○セイタカシギ          2羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近堤防。本日は朝方釣り人が立ち入ったことから、午後1時頃になってようやく確認できた)
○カワセミ             1羽(汽水池)
○タヒバリ             4羽(西渚)
○ジョウビタキ           5羽(♀タイプのみ。淡水池付近など)
○アカハラ             2羽(公園中央部、淡水池付近)
○シロハラ             6羽(公園中央部、淡水池付近)
○ツグミ             14羽(公園中央部、淡水池付近など)
○ヤマガラ             2羽(公園中央部)
○オオジュリン         約10羽(淡水池、汽水池。風が強かったためか、昨日よりは観察しづらかった)

以上。

【2004年12月30日】

※葛西臨海公園(7:30〜15:10)
 到着時は満潮。快晴であったが、芝生上には昨日降った雪が残っていた。初めに鳥類園で探鳥し、午前11時頃から西渚観察ポイントに向かったが、北西の季節風が冷たく短時間で切り上げ、午後は公園西側を経由して鳥類園に戻った。再びアリスイを見ることができた他、猛禽類の出現も多かった。また、ツリスガラの声も聞けたが、視認することはできなかった。なお、渚周辺のカンムリカイツブリはさらに多くなってきているようであった。主なものは次のとおり。

○ホオジロガモ         1羽(汽水池。♀若鳥と思われる個体)  
○ミコアイサ           6羽(淡水池。♀タイプのみ。午後2時頃には5羽が集結して休息していた)
○ズグロカモメ          2羽(若鳥と成鳥が各1羽。若鳥は東渚周辺に定着していると思われる個体で、本日も東渚の干潟上を飛翔したり、ハマシギ群中に舞い降りているのを見ることができた。午後1時過ぎには一時的に船着場付近の護岸にも飛来した。成鳥は通過個体と思われ、午後2時頃に水路上空から淡水池上空に進入し、そのまま荒川方面に飛び去った)
○ミサゴ             1羽(渚周辺。午前8時頃に西渚内の棒杭に大きな魚を捕らえた1羽が休止し、午前11時過ぎまで留まって採食しているのが見られた。その後は沖杭に移動したようであった)
○トビ              1羽(又は2羽。渚周辺。午前11時頃から午後2時頃まで東渚上空を舞ったりしているのが見られた。チュウヒやハヤブサの追い出し行動を受けていた)
○ノスリ             1羽(午後2時頃にカラスに追い出されて汽水池上空に現れたが、その後水路上空から舞浜方面に逃れた)
○チュウヒ            2羽(又は3羽。淡水池、東渚。午前中から頻繁に飛翔しているのを見ることができ、2羽が同時に東渚アシ原上を舞っているのも見られた。1羽は午前8時過ぎから淡水池に進入した)
○オオタカ            2羽(いずれも若鳥。淡水池、汽水池。汽水池では、午前9時半頃に南側のマツ周辺で褐色味のある個体が見られたが、北側の繁みに移動したようであった。淡水池では、午後2時頃になって北側のマツの木周辺に灰色味のある個体が現れ、狩りも行ったが成功しなかった)
○ハヤブサ            1羽(成鳥。東渚舞浜側堤防周辺。午前11時過ぎから堤防周辺を飛び回っては休止位置を変えていた。狩りを見ることはできなかったが、午後1時半頃には接近したトビに対して追い出し行動を取った)
○シロチドリ        約100羽(東渚など。午前11時頃の推計数。午前9時過ぎまでは西渚砂浜で休息している個体群も見られた)
○ハマシギ         約500羽(東渚など。午前11時頃の推計数。午前9時過ぎまでは水路護岸で休息している小群も見られた)
○ミユビシギ            1羽(東渚。ハマシギ・シロチドリ群中)
○オオハシシギ          3羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地)
○タシギ              1羽(淡水池。午後2時半頃にオオタカに追い出されて現れ、鳴きながら汽水池方面に逃れた) 
○セイタカシギ          6羽(又は8羽。旧江戸川舞浜側アシ原育成地に6羽が休息しているのを確認したが、午後には2羽が東渚水路付近でも見られた)
○アリスイ             1羽(観察センター西側淡水池アシ原際。午前8時過ぎにサクラの若木周辺にいるのを見つけた。地面に降りて羽繕いなども行ったが、サクラの樹皮を突付いては樹液をなめているような行動も見られた。鳥類園周辺で越冬しているものと思われる)
○ビンズイ             5羽(公園西側。マツの林床部で盛んに採餌していた)
○タヒバリ             3羽(西渚草地や護岸など)
○ジョウビタキ           5羽(♀タイプのみ。淡水池付近など)
○アカハラ             1羽(公園中央部)
○シロハラ             7羽(公園中央部、公園西側など)
○ツグミ             14羽(公園中央部、淡水池付近など)
○オオジュリン         約20羽(淡水池、汽水池)

以上。


アリスイ
2004年12月30日
葛西臨海公園(鳥類園)