2004年11月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑


【2004年11月6日】

※葛西臨海公園(7:10〜15:20)
 本日は小潮で、到着時は干潮であったが干潟の広がりは大きくはなかった。最初に鳥類園をひと回りし、その後午前9時過ぎから約2時間西渚観察ポイントからの探鳥を行った。正午前に鳥類園に戻ってもうひと回りした後、午後2時頃から再度西渚観察ポイントから渚周辺の探鳥を行った。特段変わったものは見られなかったが、カラシラサギを比較的近距離で見ることができた他、猛禽類も比較的多く見られた。なお、ズグロカモメは本日は確認することができなかった。ツグミ類の声は比較的聞けたが視認できたのはわずかであった。また、午前11時頃に東渚干潟上でハシブトガラスの約20羽の集団が干潟上にいたオオセグロカモメを襲い採食するのを目撃した。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ     16羽(渚周辺。東西渚間水路でも見られた)
○ハジロカイツブリ      4羽(西渚周辺)
○ミサゴ           2羽(東渚など)
○チュウヒ          1羽(東渚。午後2時半過ぎに、アシ原から現れて干潟上に舞い降りたが、その後周囲を見渡した後、ハシブトガラスが食べ残したオオセグロカモメの死骸を採食していた。このところ見られている個体と思われた)
○オオタカ          2羽(いずれも若鳥。汽水池周辺のマツに休止したりしているのを見ることができたが、淡水池周辺にも移動していた。また、上空を帆翔したりするのが見れた)
○ハヤブサ          1羽(成鳥と思われる個体。午前11時頃に干潟に降りているのを教えていただき、見ることができた。既に狩りを行っていたのか、その後は干潟上で獲物の羽をむしっていた)
○チョウゲンボウ       1羽(渚周辺。午後2時頃に見られた)
○カラシラサギ        1羽(東西渚間水路。西渚観察ポイントから約80mの対岸の東渚堤防沿いを移動しては採餌行動を取っているのが終日見られた。嘴や脚の色調や冠羽などの様子から、10月31日まで汽水池で見られた個体と同一と思われた。我々がカラシラサギを目撃した時期としては最も遅い記録である。なお、午後2時半頃には採餌を止め、堤防上に集結したコサギ群とともに休息した)
○シロチドリ       約100羽(東渚。群が落ち着かず、きちんとカウントすることはできなかった。一部は西渚周辺にも飛来した)
○ハマシギ        約600羽(東渚。群が落ち着かず、きちんとカウントできなかった。もっといたものと思われる)
○ミユビシギ          2羽(東渚。ハマシギ・シロチドリ群中)
○コアオアシシギ       1羽(汽水池。幼鳥)
○アオアシシギ       10羽(汽水池など。東渚や水路でも見られ、引き続き広い範囲で移動しているようであった)
○オオハシシギ        2羽(汽水池)
○オオソリハシシギ      1羽(東渚) 
○ダイシャクシギ       1羽(東渚。午前11時頃にオオソリハシシギとともに干潟上で休息しているのが確認できた。腹部の色調から判断したが、飛翔する姿は見なかったことからホウロクシギとの確実な識別はできていない)
○セイタカシギ        8羽(東渚、水路周辺。オオタカのせいか、鳥類園から避難しているようであった)
○カワセミ           2羽(汽水池、淡水池)
○ビンズイ           2羽(汽水池南側)
○タヒバリ           2羽(水路周辺)
○ジョウビタキ         8羽(♂1羽、♀タイプ7羽。鳥類園など。個体数が増加しており、なわばりを巡る追い出し行動もよく見られた)
○シロハラ           1羽(鳥類園)
○イソヒヨドリ         1羽(♂成鳥。旧江戸川京葉線鉄橋橋脚部)
○アオジ            2羽(鳥類園など。鳴き声は多かったが、視認できたのはわずかであった)
○オオジュリン         3羽(汽水池周辺)


以上。



【2004年11月7日】

※葛西臨海公園(7:30〜14:00)
 到着時は干潮。最初に渚橋付近から渚周辺を見渡した後鳥類園に回り、午前10時過ぎから午後1時過ぎまで西渚観察ポイントからの探鳥を行った。渚周辺でカラシラサギを比較的近距離で見ることができた。渚周辺はユリカモメの数が1000羽を超え、ウミネコに加えてセグロカモメ類も多くなってきていたが、特段変わったものは見られなかった。なお、ズグロカモメは本日も確認することができなかった。ツグミ類の鳴き声は比較的聞けたが、視認できたのはわずかであった。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ     12羽(渚周辺。東西渚間水路でも見られた)
○ハジロカイツブリ      4羽(西渚周辺)
○ミサゴ            2羽(東渚など。午前中から西渚沖合いの棒杭に1羽が休止していた。正午頃には、別の1羽が東渚上空に現れ2回ほどダイビングして魚をとらえた後沖杭に移動し食事を行った)
○トビ            2羽(午後1時頃に、2羽が揃って水路上空に現れ、ゆるやかに旋回しながら荒川河口方面に飛び去った)
○オオタカ          2羽(成鳥又は亜成鳥と思われる個体と若鳥が各1羽。いずれも、午前9時半頃に汽水池周辺のマツに休止したりしているのを見ることができた)
○ハヤブサ          1羽(午前10時半頃に東渚上空に現れ、干潟上に急降下したりして水鳥を追いかけ回した。その後は余りに多くの水鳥が上空に舞い上がったこともあり見失ってしまった)
○カラシラサギ        1羽(東西渚間水路。午前10時過ぎから午後1時過ぎまでの間は、昨日と同様に西渚観察ポイント対岸の東渚西側堤防沿いを移動しては採餌行動を取っていた。これより前の午前8時頃には西渚干潟内にコサギとともにいるのが遠方から確認できた。成鳥冬羽個体と考えられるが、冠羽は短くなっているものの、逆立てたりした時には目立っていた。今後も留まるのかどうか注目したい)
○チュウサギ          1羽(淡水池。午前9時頃に見られた) 
○シロチドリ       約100羽(東渚など。一部カウントしたうえでの推計数。ハヤブサの出現により、午前10時半頃にはハマシギとともに飛び去ってしまった)
○ハマシギ        約900羽(東渚など。一部カウントしたうえでの推計数。午前8時頃には西渚干潟にも100羽近くが飛来していた。午前10時半頃にハヤブサに追いかけ回されたことにより、シロチドリ群とともに飛び去ってしまった)
○アオアシシギ       10羽(東渚など。汽水池でも最大4羽が見られたが、オオタカの出現もあり落ち着かず、東渚や水路周辺に移動している個体も多く見られた。午後1時頃には東渚干潟上に10羽が集結して休息しているのが確認できたが、約500mの距離があった。なお、この群近くにコアオアシシギではないかと思われる個体もいたが、遠方のため判別できなかった)
○オオハシシギ        1羽(汽水池。昨日見られた2羽のうち、より大型で嘴の長い方の個体が見られた)
○オオソリハシシギ      1羽(東渚。正午過ぎに見られた) 
○ダイシャクシギ       1羽(東渚。午前11時頃に干潟上を歩き回って採餌しているのが確認できた)
○セイタカシギ        6羽(東渚)
○カワセミ           2羽(汽水池、淡水池)
○タヒバリ           6羽(水路周辺、西渚観察ポイント付近)
○ジョウビタキ         9羽(♀タイプのみ。公園中央部や鳥類園では多くの鳴き声が聞け、また視認もできたが♂成鳥タイプは確認できなかった)
○アカハラ           1羽(汽水池付近。大型ツグミ類の声は比較的多く聞かれ、また飛翔する小群もよく見られた)
○シロハラ           1羽(汽水池付近)
○イソヒヨドリ         1羽(♂成鳥。旧江戸川京葉線鉄橋橋脚部)
○アオジ            2羽(汽水池周辺など)
○オオジュリン       約10羽(淡水池周辺など。アシ原内に潜んでいることが多く、視認できたのは飛翔移動する時がほとんどであった。鳴き声はよく聞けた他、午前9時半頃には東渚からと思われる20〜30羽の群が淡水池アシ原に飛来した)


以上。


【2004年11月13日】

※船橋三番瀬海浜公園(7:40〜10:50)
 到着時はようやく干潟が広がり始めているところであった。既にハマシギ群は汀線沿いに飛来し始めていたが、ミヤコドリや他の水鳥の多くは堤防上などで休息していた。汀線付近はアオサが大量に堆積していた。午前9時半を過ぎてミヤコドリも飛来し始め、干潟は多くのシギ・チドリ類などで賑わったが、間もなく船橋港よりの干潟にも散らばり始めた。特に変わったものは見られなかったが、冬鳥が集結しつつあるようであった。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ      5羽(堤防内水面など)
○ハジロカイツブリ       8羽(堤防内水面)
○アメリカヒドリ         1羽(♂1羽。堤防内水面のヒドリガモ群中。護岸付近でアオサを食べていた。なお、♀と思われる個体も近くに見られたが、腋羽まで確認することはできなかったことから確実な判別はできなかった)
○ミサゴ            1羽(午前10時頃に干潟上空付近に飛来して、船橋港方面に去った)
○ミヤコドリ         88羽(到着時は堤防上で休息していたが、その後正面干潟を中心に飛来した。午前9時頃の堤防上で休息時のカウント数)
○シロチドリ         22羽
○メダイチドリ         2羽(冬羽個体)
○ダイゼン         112羽(午前8時頃のカウント数)
○トウネン           2羽(冬羽個体。ハマシギ群中)
○ヨーロッパトウネン      2羽(冬羽個体。ハマシギ群中)
○ハマシギ        2640羽(午前8時頃のカウント数)
○ミユビシギ         76羽(午前8時頃のカウント数)
○オバシギ           1羽(幼羽から換羽中の個体と思われた)
○オオソリハシシギ       2羽(いずれも幼鳥と思われる個体)
○ダイシャクシギ        1羽(若鳥と思われる個体)
○タヒバリ           16羽(アオサ堆積地に集まっていた)
○ジョウビタキ          1羽(♀タイプ。後背地)
○オオジュリン          3羽(後背地アシ原から飛び出して移動した)
     

※葛西臨海公園(11:50〜15:00)
 到着時は干潮。最初に鳥類園周辺を回り、午後2時頃から約1時間ほど西渚観察ポイントからの渚周辺の探鳥を行った。鳥類園、渚周辺ともに猛禽類の出現のため、水鳥類は少なく、特にハマシギを中心とした越冬群は飛び去った後のようで見られなかった。特段変わったものは見られなかった。なお、カラシラサギは、午後2時半頃に東渚アシ原沿いでコサギとともに採餌する、それらしき個体が見られたが断定するには遠距離であった。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ    235羽(渚周辺。数が多くなってきていた)
○ハジロカイツブリ      12羽(西渚周辺。水路周辺に多かった)
○ミサゴ            1羽(午後2時頃に沖杭で食事を行っているのが確認できた)
○トビ             3羽(正午過ぎに、若洲海浜公園よりの荒川河口付近上空を舞っているのが見られた。なお、中央防波堤埋立地方面では多くの個体が舞っているのが確認できた)
○チュウヒ           1羽(又は2羽。到着直後から、東渚アシ原上を飛翔しているのがよく見られた)
○オオタカ           1羽(若鳥。正午過ぎから午後2時頃までに、汽水池周辺のマツに休止したり、汽水池上空で旋回を繰り返すのが見られた)
○ハヤブサ          1羽(成鳥と思われる個体。正午過ぎに干潟上に休止しているのを見つけた。その後は、飛び立って舞浜側堤防付近に潜み、獲物を捕らえたようで堤防付近の干潟上で羽をむしっているのが見られた)
○アオアシシギ        3羽(東渚。汽水池では見られなかった)
○オオソリハシシギ      1羽(東渚。午後2時半頃に見られた) 
○セイタカシギ        8羽(東渚など。一時的に水路付近でも見られた)
○カワセミ           1羽(淡水池)
○タヒバリ           2羽(水路周辺、西渚観察ポイント付近)
○ジョウビタキ         1羽(♀タイプ。鳥類園)
○アオジ            2羽(汽水池周辺など)
○オオジュリン         2羽(汽水池周辺)


以上。



【2004年11月14日】

※葛西臨海公園(7:30〜12:40)
 到着時は満潮。最初に渚橋付近から渚周辺を見渡した後、鳥類園に回って探鳥した。午前9時頃から干潟が広がり始め、西渚砂浜上で休息していたハマシギ・シロチドリ越冬群は次々に東渚干潟に移動した。雲が厚く、北風もやや強く寒かったことから、西渚観察ポイントからの探鳥は行わなかった。猛禽類がよく出現した他、ズグロカモメ(若鳥)も確認することができた。また、淡水池は例年どおり1000羽を超えるホシハジロ群が羽を休めるようになってきていた。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ    108羽(渚周辺。水路内にも進入していた)
○ハジロカイツブリ      24羽(水路周辺など)
○ズグロカモメ         1羽(東渚。若鳥。午前9時過ぎに東渚干潟上を飛翔しているのを見つけた。その後も正午過ぎまで、ユリカモメ群とは離れて干潟上を単独で飛翔したり、急降下したりして採餌行動を取っているのが確認できた。近距離で観察することはできなかったが、上面には黒褐色斑が目立ったことから本年生まれの個体と思われた。当地では、10月31日まで越夏個体が見られていたが、その個体とは異なる個体が新たに飛来したものと思われる)
○ミサゴ            1羽(又は2羽。午前10時半頃と正午頃に東渚上空を旋回しながら飛翔し、ダイビングを繰り返すのが見られた)
○トビ             1羽(午前8時頃に西渚上空から東渚上空を経て舞浜方面に飛び去る個体が見られた)
○チュウヒ           2羽(東渚アシ原上を飛翔するのが、比較的頻繁に見られた)
○オオタカ           2羽(いずれも若鳥と思われる個体。汽水池周辺で見られた個体は褐色味が強く、本年生まれの幼鳥と思われた。汽水池北側のマツに休止し、アシ原際に降下して狩りを行ったが成功しなかった。もう1羽は淡水池北側のマツに休止していることが多く、午前9時頃にはゴイサギ若鳥を襲ったが、ゴイサギが水面に逃れた)
○ハイタカ           1羽(午前11時半頃に淡水池北西側でカラスに追われて上空に飛び出し、葛西臨海水族園上空で旋回を繰り返しながら高度を上げ公園西側方向に飛び去った。最短でも200m程度の距離があり、近距離で観察することはできなかった)
○ハヤブサ          1羽(成鳥と思われる個体。午前10時頃から東渚舞浜側堤防上で休止しているのが見られた。時折、飛び立っては休止位置を変えていたが、狩りは行わなかったようであった)
○シロチドリ       約190羽(東渚など。午前8時半頃までは西渚内で休息していたが、東渚干潟が広がるとともに移動した。午前9時過ぎのカウント数)
○タゲリ            1羽(正午頃に東渚上空を舞っているのが見られたが、その後は東渚中央丘付近に降りていた)
○ハマシギ        約460羽(東渚など。午前8時半頃までは西渚内で休息していたが、東渚干潟が広がるとともに移動した。午前9時過ぎのカウント数であるが、視界が遮られる部分にも多くの個体が散らばっていたので、もっといたものと思われる)
○ミユビシギ          2羽(西渚。ハマシギ群中で休息してた) 
○アオアシシギ         2羽(東渚など。午前11時半頃に東渚から汽水池に移動して来るのが見られた)
○セイタカシギ        12羽(東渚水路側堤防で休息していた)
○カワセミ            1羽(又は2羽。淡水池)
○タヒバリ            4羽(公園中央部など)
○ジョウビタキ          2羽(♀タイプのみ。鳥類園など)
○アカハラ            4羽(淡水池、汽水池付近。大型ツグミ類の声は比較的多く聞かれ飛翔する小群も見られたが、視認できたのはいずれもアカハラであった)
○ツグミ             1羽(公園中央部。我々は今季初認であった)
○アオジ             2羽(汽水池周辺など)
○オオジュリン          4羽(淡水池周辺)


以上。


【2004年11月20日】

※葛西臨海公園(11:40〜15:40)
 正午前頃からの探鳥となった。到着時は満潮直前で、干潟はほとんど冠水してしまっていた。最初に鳥類園で探鳥した後、午後2時過ぎから西渚観察ポイントに回って探鳥した。特に変わったものは見られなかったが、今季ミコアイサを初めてみることができた他、冬鳥類が次第に多くなってきているようであった。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ    642羽(渚周辺。午後3時頃のカウント数。視界が遮られる水面にも散らばっていたことから、もっといたものと思われた)
○ハジロカイツブリ     168羽(渚周辺。午後3時頃のカウント数。西渚水面内にも40〜50羽の群が進入してきていた)
○ビロードキンクロ       1羽(東渚沖合い。スズガモ群から少し離れて潜水を繰り返して採餌行動を取っていた。約400mの距離があったが、順光下で、大きさをスズガモと比較することができ、飛翔時に次列風切の白が目立った。ビロードキンクロは湾岸フィールドで毎年のように見ているが、当地では2002年1月〜2月に小群を見て以来である)
○ミコアイサ          2羽(淡水池、東渚水面内で各1羽。いずれも♀タイプ。淡水池の個体はアシ原際で休息していた。また、東渚水面内のオナガガモ群中にも1羽が確認できた。今季初認。いただいた情報によると17日から見られているとのことであった)
○ミサゴ            1羽(午後2時半頃に東渚沖杭上に見られた)
○トビ             1羽(正午頃に荒川河口付近を舞っている個体が見られた。なお、若洲海浜公園から中央防波堤埋立地方面には例年のように100羽を超えると思われるトビが集結し上空を舞っているのが見られた)
○チュウヒ           2羽(正午過ぎに淡水池付近で1羽が見られた他、東渚アシ原上を飛翔したり、干潟上に舞い降りているのも見られた。いただいた情報によると最大3羽が同時に確認されているとのことであった)
○ハヤブサ          1羽(成鳥♀と思われる個体。正午過ぎから東渚舞浜側堤防上で休止しているのが見られた。狩りは行わなかった)
○シロチドリ         2羽(東渚。午後3時頃に飛来し始めた)
○ハマシギ       約60羽(東渚。干潟が再び広がり始めた午後3時頃から飛来したが、落ち着かなかった)
○オオハシシギ        2羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地のセイタカシギ群中)
○セイタカシギ        10羽(午後2時頃に、旧江戸川舞浜側アシ原育成地に集結して休息しているのが確認できたが、これより前には水路上を4羽が群飛するのも見られた。例年のように、旧江戸川の対岸に移動してオオタカなどから避難しているものと思われる)
○カワセミ            2羽(淡水池、汽水池)
○タヒバリ            1羽(西渚護岸)
○ジョウビタキ          1羽(♀タイプ。淡水池付近)
○イソヒヨドリ          1羽(♂成鳥。旧江戸川右岸から鉄橋橋脚に飛翔移動するのが見られた)
○アカハラ            1羽(淡水池付近)
○アオジ             2羽(汽水池周辺など)
○オオジュリン          2羽(淡水池周辺。声はもっと聞かれた)


以上。




【2004年11月21日】

※葛西臨海公園(7:10〜14:30)
 到着時は干潮。最初に渚橋付近から渚周辺を見渡した後、鳥類園に回って探鳥した。午前9時半頃から西渚観察ポイントに回り、干潟が冠水する午後1時過ぎまで渚周辺で探鳥し、その後再び鳥類園に戻った。特段変わったものは見られなかったが、沖合いのカンムリカイツブリはさらに多くなっていた。またカモメ類も100羽を超えるセグロカモメ類を含め多数見られたが、ズグロカモメの他には変わったものは見られなかった。なお、いただいた情報によると、正午頃に鳥類園上空でオオタカ3羽が揃って帆翔するのが見られたとのことであった。また、本日は淡水池へのホシハジロ群の飛来は極めて少なかった。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ    1134羽(渚周辺。正午過ぎのカウント数。西渚水面内や水路内にも進入していた)
○ハジロカイツブリ    約300羽(渚周辺。午前中には西渚水面内に約200羽の群が進入し、盛んに採餌していた)
○ミコアイサ           1羽(♀タイプ。水路内。午後2時過ぎに淡水池から飛び出して水路に移動し潜水を繰り返すのが見られた)
○ズグロカモメ          2羽(東渚など。若鳥と成鳥が各1羽。若鳥は午前10時頃からほぼ連続して見られた。東渚干潟上空を単独で飛翔しては、急降下したりして採餌行動を取っていた。成鳥が見られたのは午後1時頃で、東渚干潟上から西渚観察ポイント上空を通過して荒川河口方面に向かった。この時、成鳥に呼応するように若鳥が合流したが、互いに鳴き交わしているのが確認できた。間もなく若鳥は東渚に戻ってきたが、成鳥は戻らなかった。断定はできないが、若鳥は11月14日に見られた個体と同一と思われる)
○ミサゴ             2羽(渚周辺。荒川河口や旧江戸川河口付近上空を旋回しながら飛翔するのが見られ、魚を捕らえているのも確認できた)
○トビ              1羽(午前10時半頃に公園中央部上空を帆翔しているのが見られた)
○ノスリ             1羽(午前8時頃に東渚アシ原内の棒杭に休止しているのが見られたが、その後は渚側の流木付近で見られた。数日前にも見られているとのことであったが、我々は今季初認であった) 
○チュウヒ            1羽(午前8時頃に東渚アシ原上を飛翔するのが見られた)
○オオタカ            1羽(成鳥。午後2時半頃に西方向から上空を滑空するように飛来し、淡水池北側のマツ付近に潜り込むのが見られた。正午頃に帆翔した個体の1羽が戻ってきたものと思われた)
○チョウゲンボウ         2羽(午前11時頃に西渚荒川側堤防上空付近を2羽が旋回しながら高度を上げているのが見られた。荒川上流方向に飛び去ったようであった)
○クイナ             1羽(淡水池。午前8時半頃にアシ原際から鳴き声が聞けたが、姿を視認することはできなかった)
○シロチドリ       約180羽(東渚など。午前8時頃のカウント数。猛禽類のせいか、午前10時頃にはほとんど飛び去ってしまっていた)
○ハマシギ        約600羽(東渚など。午前8時過ぎの推計数。視界が遮られる部分も多くきちんとカウントできなかった)
○オオハシシギ         2羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地。セイタカシギ群中で休息していた)
○タシギ            1羽(淡水池) 
○セイタカシギ         9羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地。午前9時頃にオオハシシギとともに休息しているのが確認できた。汽水池の干潟は広がっていたが、オオタカから避難していたものと思われる)
○カワセミ            1羽(又は2羽。汽水池、淡水池)
○タヒバリ            2羽(淡水池、西渚)
○ジョウビタキ          3羽(1♂2♀タイプ。鳥類園など)
○アカハラ            2羽(公園中央部)
○シロハラ            1羽(公園中央部)
○アオジ             1羽(汽水池周辺など。鳴き声は多かった)
○オオジュリン          2羽(淡水池周辺。鳴き声は多かった)


以上。



【2004年11月27日】

※谷津干潟(8:30〜10:00)
 昨日、コハクチョウが飛来したとの情報で出かけた。コハクチョウは東京湾岸でも毎年のように一時的に飛来したり、上空通過の情報があるが、我々は湾岸フィールドで見たことはない。しかしながら、今回も滞在は1日のみであったようで、本日は見られなかった。到着時は満潮で、観察センター前を除いて干潟は冠水しており鳥は少なかった。カモ類は約400羽が見られたが、特に変わったものは確認できなかった。主なものは次のとおり。

○アオアシシギ         1羽(冬羽。淡水池で採餌していた。午前9時半頃に、アシ刈り作業の人達に驚いて干潟西側に移動した)
○ダイシャクシギ        3羽(観察センター前で休息していた。越冬個体群と思われる)
○セイタカシギ         5羽(淡水池で採餌している個体が多かった。その後4羽は干潟西側に移動した)
○アカハラ           1羽(淡水池周辺。きちんと視認することはできなかった)
○オオジュリン         2羽(観察センター前アシ原)
 

※葛西臨海公園(10:50〜15:00)
 到着時は干潮。最初に鳥類園に回って探鳥した。午後1時半頃から西渚観察ポイントに回り、干潟が冠水する午後3時まで渚周辺で探鳥した。特段変わったものは見られなかったが、渚周辺のカンムリカイツブリ、ハジロカイツブリはさらに多くなっているようであった。しかしながら、猛禽類のせいか、カモメ類やシギ・チドリ類は非常に少なかった。主なものは次のとおり。

○ミコアイサ           1羽(♀タイプ。午後1時頃に水路内で見られた)
○ズグロカモメ          1羽(東渚。若鳥。正午過ぎに東渚干潟上空を単独で飛翔しているのが見られたが、一時的で、落ち着かない様子であった。11月14日に見られた個体が引き続き留まっているものと思われる)
○ミサゴ             2羽(渚周辺。荒川河口付近や東渚付近)
○トビ              2羽(到着直後と午後1時過ぎに公園中央部上空を舞いながら移動しているのが見られた)
○ノスリ             1羽(到着直後から、東渚アシ原内の低木や棒杭上に休止してはホバリングを繰り返すのが見られた) 
○チュウヒ            2羽(到着直後は2羽が揃って干潟に降りて、1羽は採餌していた。その後も、2羽が揃って東渚アシ原上を飛翔するのが見られた)
○オオタカ            1羽(若鳥。午前11時頃に淡水池北側のマツに休止しているのが見られた。その後飛び立って移動し、最後には汽水池南側付近の木立に潜り込んでしまったようであった。小さめの個体であった)
○ハヤブサ            1羽(若鳥。午後1時半頃に東渚中央丘の岩上に休止しているのが見られた。時折羽繕いをしたりしていたが、狩りは行わなかった。大きさからみて♀と思われた。これまで見られていた成鳥は確認できなかった)
○シロチドリ           5羽(東渚。午前11時頃に確認できた。猛禽類のせいか、午後は全く見られず飛び去ってしまったものと思われた)
○ハマシギ           12羽(東渚。午前11時頃に確認できた。午後は全く見られなかった)
○カワセミ            1羽(汽水池)
○ジョウビタキ          1羽(♀タイプ。汽水池南側)
○オオジュリン          8羽(淡水池周辺。アシ原から飛び出して東渚に移動したりするのが見られた)


以上。



【2004年11月28日】

※葛西臨海公園(7:40〜14:00)
 到着時は満潮。最初に渚橋付近から渚周辺を見渡した後、鳥類園に回って探鳥した。午前9時頃から西渚に回り、いつもの観察ポイント以外の荒川河口方面にも足を伸ばして午前10時半頃まで西渚に留まった。その後は再び鳥類園に戻った。特段変わったものは見られなかったが、昨日同様、猛禽類がよく出現した。このためか、カモメ類やシギ・チドリ類は非常に少なく、本日はズグロカモメも確認できなかった。また、旧江戸川舞浜側アシ原育成地に避難していたセイタカシギ、オオハシシギ群も昨日同様確認できなかった。なお、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、カモ類は引き続き多かった。主なものは次のとおり。

○ミコアイサ           2羽(又は3羽。いずれも♀タイプ。午前8時半頃に1羽が水路から淡水池に飛来するのが見られた。この個体はその後ホシハジロ群中で休息していたがアシ際にいることが多くいつのまにか確認できなくなった。これとは別に午後1時半頃に旧江戸川で2羽が護岸近くを上流に向けて移動しているのが見られた)
○ミサゴ             1羽(午後2時頃に東渚沖杭に休止しているのが見られた)
○トビ              2羽(又は3羽。午前11時頃に荒川河口付近を舞っている1羽が見られたが、午前11時半頃には2羽が旋回しながら水路上空に達し、1羽は淡水池上空を舞った)
○ノスリ             2羽(午前8時頃に東渚アシ原付近でチュウヒに追われているのが見られたが、その後は流木上に休止したりアシ原上をホバリングしたりしていた。その後正午前に2羽がほぼ同時に淡水池北側のマツ周辺に現れ、汽水池方面でホバリングしたり、ノスリ同士で争ったりした。その後、カラスの執拗なモビングを受けて帆翔し上空から東渚方面に逃れたが戻って来た) 
○チュウヒ            2羽(又は3羽。午前8時頃から東渚アシ原上を飛翔するのが見られ、時々2羽が絡んでいた。また、干潟に降りたりもしていたが、午前11時半頃と午後2時頃にはそれぞれ別個体が淡水池上空に進入し周辺を舞った)
○オオタカ            2羽(いずれも若鳥。午前11時過ぎに淡水池北側から飛び出して葛西臨海水族園上空で帆翔する個体が見られた。小さめの個体であったが、褐色味が強く下尾筒の白が目立ったことからオオタカと判断した。また、これとは別に午後1時頃に淡水池北側のマツに休止している個体も見られた)
○ハヤブサ           1羽(成鳥。午前9時過ぎに東渚舞浜側堤防に舞い降りて岩上に休止するのが見られた。休止位置などからみて、これまでも見られていた成鳥が戻ったものと思われた)
○シロチドリ         72羽(西渚など。午前8時頃に砂浜で休息していた個体数。このところ少なくなっている。午前9時過ぎには東渚干潟に移動したが、落ち着かず、どこかに飛び去ってしまった)
○ハマシギ          12羽(東渚。午前9時過ぎに、一時的に東渚干潟に飛来した数。落ち着かず、どこかに飛び去ってしまい戻らなかった)
○カワセミ            2羽(淡水池)
○タヒバリ            6羽(水路護岸、西渚)
○ジョウビタキ          2羽(♀タイプのみ。淡水池付近など)
○トラツグミ           1羽(午前8時半頃に、観察センター北側通路を横切るのが見られた)
○オオジュリン          2羽(淡水池周辺。鳴き声は多かった)


以上。