【2004年7月3日】
※船橋三番瀬海浜公園(7:20〜12:10)
到着時は干潟が広がり始めているところで、既にシギ・チドリ類などが干潟に飛来していた。午前9時を過ぎると沖合いにも干潟が広がり始めたが、本日の干潮時は潮位がマイナスまで下がることから、午前9時半過ぎからは沖合い干潟にも足を伸ばして探鳥を行った。特に変わったものは見られなかったが、越夏中と思われるシギ・チドリ類の他、ハジロクロハラアジサシ、アカアシアジサシを確認することができた。主なものは次のとおり。
○ハジロカイツブリ 2羽(夏羽個体。堤防内水面)
○ハジロクロハラアジサシ 2羽(いずれも若鳥で、第1回夏羽と思われた。1羽は午前8時半頃にコアジサシとともに正面干潟に飛来したが、その後沖合いに飛び去った。沖合い干潟では2羽が同時にコアジサシ群中で休息しているのが確認できた)
○アジサシ 52羽(堤防周辺。沖合い干潟にも舞い降りた。成鳥夏羽の他に若鳥も混じって、コアジサシとともに休息したり、沖合いから魚を捕らえて持ち帰ったりしていた。また、沖合い干潟では、亜種アカアシアジサシの成鳥夏羽2羽も見られた。この2羽は行動をともにしていることが多く、ペアと思われた)
○コアジサシ 1720羽(午前11時過ぎの沖合い干潟周辺でのカウント数。幼鳥も多く混じっていた。東京湾岸で繁殖した個体群を中心に集結しつつあるように思われた)
○ミヤコドリ 3羽(船橋港側堤防付近干潟)
○コチドリ 2羽(成鳥1羽、幼鳥1羽。干潟上)
○シロチドリ 12羽(干潟上)
○ダイゼン 8羽(干潟上。若鳥と思われる個体であった)
○トウネン 1羽(干潟上。成鳥夏羽個体ではなかった)
○オバシギ 1羽(干潟上。夏羽個体であった)
○ソリハシシギ 2羽(堤防上)
○キアシシギ 5羽(干潟上の他、堤防付近でも見られた)
○オオソリハシシギ 3羽(干潟上)
○チュウシャクシギ 8羽(到着時は堤防上で休息していたが、午前8時頃に干潟に移動した)
※葛西臨海公園(13:00〜16:10)
到着時は既に干潟が大きく広がり沖合いにも干潟が現れていた。午後3時頃から潮位が上がり、干潟が狭まり始めた。到着直後から西渚観察ポイントに回り、最後に淡水池で探鳥した。ズグロカモメ、カラシラサギを引き続き確認できたものの、他には特に変わったものは確認できなかった。主なものは次のとおり。
○カンムリカイツブリ 1羽(夏羽。東西渚間水路)
○ズグロカモメ 1羽(若鳥。東渚。干潟が狭まり始めた頃から時々飛翔するのが確認できた)
○コアジサシ 8羽(東西渚など。幼鳥も見られた)
○イワツバメ 8羽(淡水池周辺)
○カラシラサギ 1羽(東渚。夏羽個体。遠方であった)
○ミヤコドリ 8羽(東渚。越夏個体群)
○シロチドリ 4羽(東渚)
○ホウロクシギ 1羽(東渚。越夏個体と思われる)
以上。
【2004年7月4日】
※葛西臨海公園(7:20〜13:10)
到着時は干潟が広がり始めているところであった。本日も大潮で、午前10時頃からは東渚沖合いにも広大な干潟が広がった。初めに渚橋周辺で探鳥した後、鳥類園に回って探鳥したが、干潟が大きく広がって鳥も散らばってしまったこともあり、西渚観察ポイントからの探鳥は行わなかった。また、特に変わったものも見られなかった。なお、ユリカモメの越夏群は15羽程度見られたが、ズグロカモメは確認できなかった。主なものは次のとおり。
○カンムリカイツブリ 1羽(夏羽個体。東西渚間水路)
○コアジサシ 8羽(東渚周辺)
○ヒメアマツバメ 4羽(淡水池周辺で午前8時半頃に4羽が同時に見られたが、その後も周辺で1〜2羽が飛び回っていた)
○イワツバメ 8羽(駅周辺、淡水池)
○ヨシゴイ 2羽(淡水池周辺。午前8時過ぎに淡水池西側をアシ原に沿って飛翔するのが見られた他、午後1時前に東渚アシ原から淡水池南端部に飛来する個体も見られた。余り飛ばないようで、また淡水池内でもガマやアシにすぐ潜り込んでしまうようである)
○カラシラサギ 1羽(東渚。夏羽と思われる個体。午前9時頃に東渚西側干潟でサギ群中にいるのが確認できた。距離は約400mあったが、他のサギ類とも比較できた。なお、いただいた情報によると昨日は夕方になって東渚から淡水池に飛来したとのことであった。また、7月2日には当地から南西に約10Km離れた東京港野鳥公園で本種が記録されたとのことであるが、公表されている映像からは異なる個体のように思われる)
○ミヤコドリ 5羽(東渚。越夏個体群)
○コチドリ 2羽(午前9時過ぎに東渚方面から水路上空に飛来し、汽水池方面に移動するのが見られた)
○シロチドリ 12羽(東渚)
○ホウロクシギ 1羽(東渚。越夏個体)
○セイタカシギ 2羽(淡水池。午前8時半頃に揃って淡水池に飛来して採餌したが、まもなく汽水池方面に飛び去った)
以上。
【2004年7月10日】
※葛西臨海公園(7:30〜10:00)
到着時は干潟が狭まり始めているところであった。初めに渚橋周辺で探鳥した後淡水池に回り、午前9時頃からは西渚観察ポイントからの探鳥を行った。ズグロカモメは見れたものの、カラシラサギは確認できなかった。なお、今季初めてクマゼミの鳴き声を聞くことができた。主なものは次のとおり。
○ズグロカモメ 1羽(東渚など。一時的に西渚にも飛来した。ユリカモメの越夏群近くにいることもあるが、別行動をとっているようである)
○コアジサシ 2羽(東渚周辺。少なかった)
○イワツバメ 8羽(駅周辺、淡水池)
○ヨシゴイ 1羽(淡水池。午前8時頃にガマにつかまって魚を獲るのが観察できたが、その後は少し見えにくいところに移動して羽繕いなどをしていたが、その後飛び立って汽水池に移動した)
○ミヤコドリ 2羽(又は4羽。東渚。越夏個体群)
○シロチドリ 4羽(東渚など)
○ホウロクシギ 1羽(東渚。越夏個体。2回ほど飛翔した)
○チュウシャクシギ 2羽(東渚。午前9時半頃に揃って荒川河口方面に飛び去った)
※船橋三番瀬海浜公園(11:00〜11:30)
到着時は満潮であったが、本日は小潮でわずかに干潟は残っていた。しかしながら、南よりの風が強く、また人出も多かったことなどから、短時間で探鳥を切り上げ、谷津干潟に移動することとした。特に変わったものは見られなかったが、越夏中と思われるミヤコドリの主たる群が移動してきているようであった。主なものは次のとおり。
○アジサシ 6羽(正面干潟や堤防周辺)
○コアジサシ 412羽(午前11時過ぎの正面干潟や堤防付近でのカウント数。幼鳥も多く混じっていた。遠方堤防にも舞い降りている個体も多かったので、もっといたものと思われる)
○ミヤコドリ 11羽(又は13羽。正面干潟付近にいたが、その後貝殻島付近の堤防上に移動した)
○シロチドリ 2羽(干潟付近)
○チュウシャクシギ 4羽(干潟付近。市川方面に移動した)
※谷津干潟(12:30〜16:30)
到着時は潮位が上がっている時間帯であったが、小潮のため、いくらかの干潟が残っており、そこに水鳥達が集まっていた。湾岸部の強風のためか、コアジサシの集結数も多く、亜種アカアシアジサシを含むアジサシも飛来していた。また、運良く、ハジロクロハラアジサシの夏羽個体も見られた。なお、昨日確認されたカラシラサギは正午頃まで観察センター付近で見られていたとのことであったが、我々は見れなかった。主なものは次のとおり。
○ハジロクロハラアジサシ 2羽(成鳥夏羽と思われる個体と第1回夏羽と思われる個体が各1羽。午前中から時々飛来していたとのことであったが、我々の到着時は飛び去った後で、我々が見ることができたのは午後2時半頃であった。揃って観察ポイント前に干潟に飛来し水浴などを行ったが、約5分後に三番瀬方面に飛び去った)
○アジサシ 8羽(午後1時頃から干潟上を飛翔したり、コアジサシ群に混じって干潟上で休息したりしていた。また、午後2時半頃からは亜種アカアシアジサシの成鳥夏羽個体1羽が棒杭上に休止するのが見られた)
○コアジサシ 275羽(到着直後のカウント数。幼鳥も多かった)
○チュウサギ 1羽(観察センター前のサギ群中)
○コチドリ 3羽(成鳥1羽、幼鳥2羽)
○シロチドリ 6羽(幼鳥も見られた)
○メダイチドリ 4羽(褪色してきている夏羽個体であった)
○ダイゼン 10羽(若鳥。越夏個体群)
○キアシシギ 8羽(越夏個体群と思われる)
○セイタカシギ 3羽(成鳥と思われる個体であった)
以上。
【2004年7月11日】
※谷津干潟(7:30〜12:40)
到着時は干潮で、干潟が大きく広がっていた。その後、正午過ぎの満潮に向かって潮位が徐々に上がり干潟が狭まってきたが、小潮のためゆっくりと冠水した。繁殖期後のわたりと思われるメダイチドリの群が見られたが、他のシギ・チドリ類はこれまでと同様で越夏個体群と思われた。昨日と同様にコアジサシの数は多く、ハジロクロハラアジサシの夏羽個体も引き続き見られた。正午過ぎから雷雲が上空を覆い始めたことから探鳥を切り上げた。主なものは次のとおり。
○ハジロクロハラアジサシ 2羽(成鳥夏羽と第1回夏羽と思われる個体が各1羽。午前9時過ぎに2羽が揃って飛来し、コアジサシ群に混じって水浴などを行ったが、約5分後に三番瀬方面に飛び去った。その後は、午前11時過ぎと正午頃の2回成鳥夏羽のみが飛来してコアジサシ群中で羽繕いや休息を行ったが、やはり5分程度の滞在で飛び去った)
○アジサシ 1羽(若鳥。午前9時前に単独で干潟上空に現れたが、舞い降りることはなく、いくらか飛翔した後三番瀬方面に飛び去った)
○コアジサシ 540羽(正午頃のカウント数。午前9時頃は50羽前後であったが、午前10時頃に100羽前後が集結した。その後、数が一時的に少なくなったが、午前11時頃から再び集結し、正午頃に最大となった。飛来してくる方向は三番瀬方面からが最も多いようで、茜浜方面からもいくらか飛来してくるようであった。また、午前11時頃からの集結では幼鳥も多かった)
○チュウサギ 4羽(干潟中央部で採餌している個体が多かった。なお、サギ類は約80羽が集結していた)
○コチドリ 5羽(成鳥3羽、幼鳥2羽)
○シロチドリ 8羽(幼鳥も見られた)
○メダイチドリ 11羽(褪色してきている夏羽個体であった。昨日よりも個体数が多くなっており、繁殖期後のわたりの個体ではないかと思われた)
○ダイゼン 8羽(若鳥。越夏個体群)
○ソリハシシギ 1羽(越夏個体と思われる)
○キアシシギ 5羽(越夏個体群と思われる)
○セイタカシギ 4羽(成鳥と思われる個体であった)
以上。
【2004年7月17日】
※船橋三番瀬海浜公園(8:00〜12:40)
到着時は干潟が既に広がっており、シギ・チドリ類などが干潟に飛来していた。午前9時を過ぎると沖合いにも干潟が広がり始めたが、本日の干潮時は潮位がかなり下がることから、午前10時頃からは沖合い干潟にも足を伸ばして探鳥を行った。潮干狩りの人出は引き続き多かった。特に変わったものは見られなかったが、いくらかのシギ・チドリ類の他、クロハラアジサシなどを確認することができた。なお、昨日見られたというコオバシギは確認できなかった。主なものは次のとおり。
○ハジロカイツブリ 2羽(夏羽個体。堤防内水面)
○クロハラアジサシ 5羽(夏羽と思われる個体。沖合い干潟のコアジサシ群中で休息していたが、西方面や南方面に飛び去る個体も見られた。比較的近くで観察できた個体では、胸から腹にかけて白い斑点が見られ、夏羽から冬羽への換羽が始まっているようであった)
○ハジロクロハラアジサシ 4羽(又は5羽。成鳥夏羽と第2回夏羽と思われる個体が各1羽、第1回夏羽と思われる個体が2羽又は3羽。沖合い干潟のコアジサシ群中で見られた。余り落ち着かず、よく鳴いては上空を舞ったりしていた。成鳥1羽は前頭部が白くなってきていた。第2回夏羽と思われる個体は初列風切に黒褐色味があった。成鳥夏羽は換羽が始まっているようであったが、この個体が谷津干潟で断続的に観察されているものと同一個体と思われる)
○アジサシ 120羽(堤防周辺。沖合い干潟にも舞い降りた。成鳥夏羽の他に若鳥も混じっていた。また、沖合い干潟では、亜種アカアシアジサシの成鳥夏羽2羽も見られた。正面干潟に飛来したのは2羽のみであった)
○コアジサシ 約1600羽(午前11時過ぎの沖合い干潟周辺での一部カウントによる推計数。幼鳥も多く混じっていた。周辺の繁殖地と行き来しているようであった)
○ミヤコドリ 9羽(越夏個体群。正面干潟)
○シロチドリ 14羽(干潟上)
○メダイチドリ 14羽(干潟上。夏羽の褪色個体が多かった)
○ダイゼン 8羽(干潟上。若鳥と思われる個体であった)
○トウネン 1羽(干潟上。夏羽の褪色個体)
○ミユビシギ 3羽(干潟上。夏羽の褪色個体)
○ソリハシシギ 1羽(干潟上)
○キョウジョシギ 8羽(干潟上)
○キアシシギ 6羽(干潟上)
○オオソリハシシギ 1羽(干潟上。カニを採餌していた)
※谷津干潟(13:30〜16:00)
到着時は干潮で、干潟が大きく広がっていた。その後、徐々に潮位が上がり干潟が狭まってきた。繁殖期後のわたりと思われるシギ・チドリ類が見られたが、まだ多くはなかった。コアジサシの数は比較的多かったが、探鳥時間中にはハジロクロハラアジサシは飛来しなかった。なお、探鳥終了後、南船橋駅ホームより、近くの旧ザウス跡地を観察したところ、コアジサシ群中にハジロクロハラアジサシの夏羽2羽が休息しているのを確認することができた。旧ザウスは本年春に解体され、跡地は整地されているが、現在はコアジサシの繁殖地となっているようである。主なものは次のとおり。
○コアジサシ 140羽(午後2時過ぎのカウント数)
○チュウサギ 3羽(干潟内)
○コチドリ 3羽(成鳥2羽、幼鳥1羽)
○シロチドリ 8羽(幼鳥も見られた)
○メダイチドリ 13羽(褪色してきている夏羽個体であった)
○ダイゼン 11羽(若鳥。越夏個体群と思われる)
○ソリハシシギ 2羽(干潟内)
○キョウジョシギ 6羽(干潟内)
○キアシシギ 34羽(繁殖期後のわたりの個体が戻ってきたようで、数が多くなっていた)
○オオソリハシシギ 1羽(干潟内。三番瀬で見られた個体と同一と思われた)
○セイタカシギ 7羽(全て成鳥と思われる個体であった)
以上。

クロハラアジサシ(換羽中)
2004年7月17日
船橋三番瀬海浜公園
【2004年7月18日】
※船橋三番瀬海浜公園(7:30〜12:30)
到着時は干潟が広がり始めているころで、シギ・チドリ類などが干潟に飛来していた。午前9時過ぎまでは市川側干潟でシギ・チドリ類を観察した。種類、数ともに少しずつ多くなってきていているようで、オオメダイチドリが見られた。午前10時頃からは昨日と同様に、沖合い干潟にも足を伸ばしてアジサシ類を中心に探鳥を行ったが、昨日と同様であった。潮干狩りの人出は昨日よりも多かった。主なものは次のとおり。
○クロハラアジサシ 3羽(又は4羽。成鳥夏羽と思われる個体の他、若鳥と思われる個体も見られた。沖合い干潟のコアジサシ群中で休息していることが多かった。飛び立った個体は南方向に向かった)
○ハジロクロハラアジサシ 4羽(成鳥夏羽と第2回夏羽と思われる個体が各1羽、第1回夏羽と思われる個体が2羽。沖合い干潟のコアジサシ群中で見られた。成鳥夏羽個体は前頭部周辺の換羽が進んでいた)
○アジサシ 88羽(沖合い干潟周辺での午前10時半頃のカウント数。昨日よりも数は少なくなってきていたが、亜種アカアシアジサシの成鳥夏羽2羽も引き続き見られた)
○コアジサシ 約1400羽(午前11時過ぎの沖合い干潟周辺での一部カウントによる推計数。幼鳥も多く混じっていた)
○ミヤコドリ 13羽(越夏個体群。正面干潟)
○コチドリ 1羽(幼鳥。沖合い干潟)
○シロチドリ 10羽(干潟上)
○メダイチドリ 44羽(干潟上。夏羽の褪色個体が多かった)
○オオメダイチドリ 1羽(若鳥と思われる個体。メダイチドリ群中。胸はわずかに橙色を帯びているくらいで、ほぼ冬羽のように見えた。時期的にみて成鳥夏羽の褪色ではなく、昨年生まれの若鳥と思われた)
○ダイゼン 7羽(干潟上)
○トウネン 12羽(干潟上)
○ミユビシギ 4羽(干潟上)
○ソリハシシギ 4羽(干潟上)
○キョウジョシギ 7羽(干潟上)
○キアシシギ 6羽(干潟上)
○オオソリハシシギ 2羽(干潟上)
○チュウシャクシギ 2羽(干潟上)
以上。

オオメダイチドリ
2004年7月18日
船橋三番瀬海浜公園
【2004年7月19日】
※葛西臨海公園(7:30〜12:30)
到着時は干潟が広がり始めているところであった。本日も干潮時の潮位は低く、正午前後には東渚沖合いにも干潟が広がった。初めに渚橋周辺で探鳥した後、鳥類園に回って探鳥し、午前9時半頃からは西渚観察ポイントからの探鳥を行った。東渚はカワウとウミネコの大群に加え、引き続きオオセグロカモメ、ユリカモメの越夏群が目立った他、シギ・チドリ類も多くなってきているようであった。特に変わったものも見られなかったが、ズグロカモメ、カラシラサギを再び確認することができた他、いくらかのシギ・チドリ類も見られた。主なものは次のとおり。
○ズグロカモメ 1羽(若鳥。東渚。干潟が広がった午前10時頃に上空を舞っては干潟に舞い降りて採餌してたが、その後はユリカモメ群とは離れて干潟上で休息していた。引き続き越夏しているものと思われる)
○アジサシ 2羽(成鳥夏羽と思われる個体。午前11時過ぎにコアジサシとともに干潟に舞い降りたり、飛び立ったりしているのを見ることができた)
○コアジサシ 126羽(東渚の干潟上で休息していたりしたが、西渚や東西渚間水路でも採餌していた。幼鳥も混じっていた。)
○ヒメアマツバメ 2羽(駅周辺と淡水池周辺で各1羽)
○イワツバメ 4羽(駅周辺、淡水池)
○カラシラサギ 2羽(東渚。いずれも成鳥夏羽と思われる個体。午前10時頃に干潟の澪筋に集まったサギの集団に加わるように2羽が相次いで飛来するのが確認できた。その後はサギの集団とは離れて汀線付近に2羽が揃って移動し、波打ち際で一緒に採餌していた。距離は約200mであった。我々が、本種を同時に2羽確認したのは2003年8月3日に船橋三番瀬海浜公園で観察して以来で2回目である)
○チュウサギ 1羽(東渚)
○ミヤコドリ 2羽(東渚。越夏個体と思われる)
○コチドリ 2羽(汽水池)
○シロチドリ 12羽(東渚など)
○メダイチドリ 8羽(東渚。もっといたものと思われるが、シギ・チドリ類の小型の個体は遠方のものは識別困難であった)
○コオバシギ 1羽(東渚。夏羽と思われる個体。約300mの距離があったが、飛翔時に胸の赤味が確認できたりしたことから同定できた。7月16日に三番瀬で目撃された個体と同一かもしれない)
○キョウジョシギ 2羽(東渚。もっといたものと思われる)
○アオアシシギ 2羽(東渚。いただいた情報によると、数日前から4羽が飛来しているとのことで、満潮時には汽水池で休息するとのことであった)
○キアシシギ 2羽(東渚。鳴き声もよく聞こえた)
○オオソリハシシギ 1羽(東渚。単独で行動していた)
○ダイシャクシギ 1羽(東渚。羽繕いを行っている時に背中の白色部を確認することができた)
○ホウロクシギ 1羽(東渚。越夏個体と思われる)
○チュウシャクシギ 3羽(東渚)
以上。
【2004年7月24日】
※葛西臨海公園(8:30〜12:20)
到着時は満潮で、渚周辺の鳥達は堤防上などで休息していた。その後、午前10時頃から干潟が広がり始めた。初めに渚橋周辺で探鳥した後、鳥類園に回って探鳥し、午前9時半頃からは西渚観察ポイントからの探鳥を行った。東渚はカワウとウミネコの大群に加え、引き続きオオセグロカモメ、ユリカモメの越夏群が目立った。シギ・チドリ類も午前11時頃から飛来し始めたが、観察条件が悪く多くの個体は確実な識別が困難であった。特に変わったものは見られなかったが、ズグロカモメを引き続き確認することができた。主なものは次のとおり。
○ズグロカモメ 1羽(若鳥。東渚。到着時は見られなかったが、干潟が広がり始めた午前11時過ぎに荒川河口方面から観察ポイント近くを通過して東渚干潟上に飛来した。しばらくユリカモメ群近くの干潟上で休息していたが、正午過ぎから採餌行動を取った。引き続き越夏しているものと思われる)
○コアジサシ 4羽(午前10時過ぎに西渚周辺に小群が飛来した。幼鳥も混じっていた。)
○イワツバメ 4羽(駅周辺、淡水池)
○ミヤコドリ 2羽(東渚。越夏個体と思われる)
○シロチドリ 4羽(西渚周辺など)
○メダイチドリ 32羽(東渚付近。午前10時過ぎ頃に新木場方面から飛来したが、いちどは引き帰したりした。もっといたものと思われるが、小型の個体で遠方のものは識別困難であった)
○ダイゼン 5羽(東渚。もっといたものと思われる)
○ソリハシシギ 1羽(渚周辺。メダイチドリ群に混じって飛来した)
○アオアシシギ 6羽(汽水池。午前9時頃の満潮時に棒杭上で休息しているのが見れた)
○キアシシギ 9羽(汽水池、東渚)
○ダイシャクシギ 1羽(東渚。ホウロクシギと並んで休息していた)
○ホウロクシギ 1羽(東渚)
○チュウシャクシギ 1羽(東渚)
以上。
【2004年7月25日】
※谷津干潟・旧ザウス跡地周辺(7:20〜15:40)
到着時は干潮を過ぎて、徐々に潮位が上がり干潟が狭まってきているところであった。まず、旧ザウス跡地に回り北側道路から短時間観察を行った。その後、午前8時頃から谷津干潟に移動して探鳥した。本日は小潮であったが、満潮時の潮位はやや高く、午前11時から正午過ぎまで干潟はほぼ全て冠水した。シギ・チドリ類は種類、数ともに多くなってきていたが、特に変わったものは見られなかった。アジサシ類はコアジサシの数は引き続き多く、旧ザウス跡地でハジロクロハラアジサシも再確認できた。主なものは次のとおり。
○ハジロクロハラアジサシ 2羽(成鳥夏羽と第1回夏羽と思われる個体が各1羽。コアジサシの集団繁殖地となっている旧ザウス跡地内にいるのが見られた。コアジサシに追飛されたり、棒杭や野草上に休止したりしていた。いただいた情報によると、最近は谷津干潟への飛来は見られないとのことであるが、ザウス跡地と谷津干潟は1Kmも離れていない。なお、成鳥夏羽個体は前頭部がさらに白くなっていた)
○アジサシ 3羽(午前中にコアジサシに混じる形で1〜2羽が干潟内に進入したり、干潟に舞い降りたりしていた。午前10時頃には2羽が飛来したが、うち1羽は亜種アカアシアジサシの成鳥であった)
○コアジサシ 514羽(谷津干潟内に飛来したカウントの最大数。午後2時頃に最も多く飛来した。この他に、旧ザウス跡地でも繁殖中の大きな群が見られた。引き続き幼鳥も多かった)
○イワツバメ 3羽(干潟西側アシ原周辺)
○チュウサギ 4羽(観察センター前で休息している個体が多かった。なお、サギ類は約140羽が集結していた)
○コチドリ 5羽(成鳥4羽、幼鳥1羽)
○シロチドリ 6羽(幼鳥も見られた)
○メダイチドリ 46羽(褪色してきている夏羽個体であった)
○ダイゼン 11羽(褪色してきている夏羽個体とともに、越夏と思われる若鳥も見られた)
○トウネン 3羽(いずれも夏羽から換羽中の個体であった)
○ソリハシシギ 9羽(観察センター前でキアシシギとともに休息している個体が多かった)
○キョウジョシギ 36羽(夏羽個体が多かったが、褪色してきているようであった)
○アオアシシギ 1羽(夏羽個体であったが、換羽が始まっているようであった)
○キアシシギ 92羽(観察センター前などに集結して休息していた。数が多くなってきていた)
○オオソリハシシギ 1羽(夏羽個体。午前中に見られた)
○セイタカシギ 7羽(成鳥5羽と幼鳥2羽。繁殖に成功したと思われるペアが幼鳥2羽を連れて飛来していた。幼鳥は我々は今季初認であった)
以上。

ハジロクロハラアジサシ(成鳥夏羽から冬羽に換羽中)
2004年7月25日
船橋市旧ザウス跡地(北側道路から)
【2004年7月31日】
※葛西臨海公園(7:20〜9:40)
到着時は潮位が下がり、干潟が広がり始めているところであった。初めに渚橋周辺で探鳥した後、鳥類園に回って探鳥したが、午前9時半頃からは沖合いにも広大な干潟が広がり始めたことから切り上げた。東渚は遠距離からの観察となり、視界も遮られることもあったが、シギ・チドリ類がかなり飛来しているようであった。特に変わったものは見られなかった。なお、園内はクマゼミが多く、至るところでにぎやかな鳴き声が聞かれた。主なものは次のとおり。
○ズグロカモメ 1羽(若鳥、越夏個体。東渚)
○アジサシ 3羽(コアジサシとともに東渚に飛来した)
○コアジサシ 42羽(東渚およびその周辺。干潟上で休息した)
○ヒメアマツバメ 3羽(淡水池周辺。午前8時半頃に見られた)
○イワツバメ 3羽(駅周辺、淡水池)
○ミヤコドリ 1羽(東渚。越夏個体)
○シロチドリ 2羽(東渚。もっといたものと思われるが、遠距離のものは識別困難であった)
○メダイチドリ 32羽(東渚)
○ムナグロ 1羽(東渚)
○ダイゼン 12羽(東渚)
○ハマシギ 2羽(東渚。夏羽個体と思われた)
○オバシギ 2羽(東渚)
○キョウジョシギ 4羽(東渚)
○アオアシシギ 6羽(東渚、汽水池)
○キアシシギ 6羽(東渚など)
○オオソリハシシギ 6羽(東渚)
○ダイシャクシギ 1羽(東渚)
○チュウシャクシギ 14羽(東渚など)
※谷津干潟(10:20〜16:20)
到着時は干潮で大きく干潟が広がっていたが、午後2時頃から徐々に潮位が上がり干潟が狭まった。シギ・チドリ類は種類、数ともに多くなってきており、オバシギも近くで見ることができた。なお、谷津干潟での探鳥終了後、旧ザウス跡地に回りコアジサシの営巣地を観察したが、コアジサシの数も少なくなってきており、ハジロクロハラアジサシも確認することはできなかった。主なものは次のとおり。
○アジサシ 3羽(午後4時前に、3羽が揃って干潟内に進入し、観察ポイント前でホバリングなども行ったが、干潟には降りなかった)
○コアジサシ 約50羽(午後3時頃から2回ほど約50羽の群が干潟に飛来し、茜浜方面に飛び去ったが、それ以外の時間帯は4〜8羽の小群が見られただけであった)
○チョウゲンボウ 1羽(午後3時頃に干潟東端部上空に出現し、旋回やホバリングを行ったりしたが、高度を上げながら北方面に去った)
○チュウサギ 8羽(干潟内。サギ類は約110羽が集結していた)
○コチドリ 3羽(幼鳥のみ)
○シロチドリ 2羽
○メダイチドリ 52羽(換羽中個体)
○ダイゼン 22羽(換羽中個体と若鳥)
○トウネン 5羽(換羽中個体)
○ミユビシギ 7羽(換羽中個体。午前11時頃にトウネン群とともに、観察ポイント前に飛来した)
○オバシギ 2羽(換羽中個体)
○ソリハシシギ 5羽
○キョウジョシギ 52羽(換羽中個体が多かった)
○アオアシシギ 2羽(換羽中個体)
○キアシシギ 143羽(午後3時半頃のカウント数。午後3時頃からは集結して休息した。数が多くなってきていた)
○オオソリハシシギ 5羽(夏羽個体も混じっていた。正午前後に飛来した)
○セイタカシギ 6羽(成鳥4羽、幼鳥2羽)
以上。