2004年4月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑



【2004年4月3日】

※葛西臨海公園(7:30〜16:00)
 到着時は既に東渚干潟が広がり始めているところであった。しかしながら、干潮の午前10時頃でも比較的潮位が高く、水路や沖合いの干潟は出現せず、午後3時頃には東渚干潟は再び冠水した。公園西側から探鳥を始め、その後鳥類園に回ったが、正午前後には西渚観察ポイントで探鳥し、午後3時頃にも西渚に回った。冬鳥の多くは数が少なくなっていたものの、まだ留まっており、夏鳥や旅鳥も目立つようになっていた。特に変わったものは見られなかったが、引き続き、ユリカモメ、スズガモの大群が見られた。また、汽水池にセイタカシギとともにオオハシシギが入るようになっていた。主なものは次のとおり。

○シロカモメ          1羽(成鳥。東渚など。正午前に沖合いから飛来し、東渚の水際で水浴したが、その後約120羽のセグロカモメ群中に入って休息した。午後2時半頃に干潟が冠水した後は東渚内の棒杭を移動したりしていたが、午後3時頃に西渚内の棒杭に移動して休息した)
○チュウヒ           1羽(午前9時前に東渚アシ原上を飛翔していたが、ハヤブサに追われる形となり、一時的に淡水池に進入した。しかし、その後再び東渚に戻った)
○ハヤブサ           1羽(成鳥。午前9時前に東渚上空に出現し、ユリカモメ群を追い、さらにチュウヒに絡んだが獲物は捕らえず、東渚舞浜側堤防付近に戻った)
○ツバメ             3羽(淡水池周辺など)
○イワツバメ           2羽(駅周辺。今季初認)
○クイナ             1羽(淡水池。午前9時前にアシ原から鳴き声がよく聞けたが姿を視認することはできなかった)
○コチドリ            5羽(汽水池)
○シロチドリ           4羽(東渚。正午頃のカウント数)
○ハマシギ          294羽(東渚。正午頃のカウント数)
○オオソリハシシギ        2羽(東渚。午前9時頃まではユリカモメ群付近にいたが、その後はハマシギ群中で見られた。今季初認)
○ホウロクシギ          2羽(東渚。鳴きながら飛翔したり、干潟内でカニを採取したりしているようであった。当地では今季初認) 
○タシギ             6羽(淡水池、汽水池で各3羽が見られた)
○セイタカシギ         18羽(汽水池に集結していた)
○オオハシシギ          2羽(汽水池。我々は午前中は見ることができなかったが、午後1時頃に擬岩付近で2羽が揃っているのを確認できた。夏羽への換羽が始まっていた)  
○ビンズイ            4羽(公園西側。マツ林の林床部で採餌していた)
○タヒバリ            1羽(水路付近)
○ジョウビタキ          1羽(♀タイプ。汽水池付近)
○アカハラ            1羽(公園西側) 
○シロハラ            1羽(公園西側)
○ツグミ          約18羽(公園西側、淡水池周辺など。ツグミ類は全体的に少なくなってきているようであった)
○ツリスガラ           3羽(又は5羽。淡水池。午前9時頃に南側アシ原で見られた。♂2羽も確認できたが、大きな群は見られなかった)
○オオジュリン       約16羽(淡水池周辺など。)
○カケス            1羽(午前10時半頃に汽水池南側のマツ林でジェーという鳴き声が数回聞けたが、姿は確認できなかった)

以上。


【2004年4月4日】

※葛西臨海公園(9:00〜15:00)
 到着時は干潟は既に広がっているところで、正午過ぎからは沖合いにも干潟が出現したが、午後3時頃には再び冠水した。最初に西渚観察ポイントで午前11時半頃まで探鳥し、その後公園西側を回って正午過ぎから鳥類園に向かった。北東風が吹き寒かったが、午後1時頃までは曇天であった。しかしながら、その後は降雨となった。基本的には昨日と大きくは変わらなかったが、夏鳥や旅鳥はさらに目立つようになっていた。渚周辺では10000羽を超えると思われるユリカモメが東京湾方面の海上などから大集結しており、その中にミツユビカモメ(成鳥)などを確認することができた。なお、本日もチュウヒが飛翔しているのが見られたとのことであったが、我々は見れなかった。主なものは次のとおり。

○シロカモメ          1羽(成鳥。東渚。到着直後に干潟上で魚をついばんでいるのが見られた。その後水浴し、セグロカモメ群中で休息した。約150mの距離で見られた。なお、セグロカモメ類は約150羽がややまばらに集結していた)
○ミツユビカモメ        1羽(成鳥。冬羽から夏羽に換羽中と思われる個体。午前10時頃からユリカモメ群の一部が移動し、次々に西渚干潟にも舞い降りてきたが、その中に混じっていた。最短約20mで見られた。3月27日〜28日にも若鳥が見られているが、我々が湾岸フィールドで成鳥を確認したのは初めてであった)
○ズグロカモメ         1羽(若鳥。東渚。午後3時前に東渚の浅水域上をユリカモメ群と離れて飛翔している個体が見られた。遠方であったが、翼下面のパターンなどを確認できた。また、上面には褐色斑が多く、そのパターンから3月28日に三番瀬で観察した若鳥のうちの1羽と同一個体ではないかと思われた。なお、当地では、昨年12月28日にも東渚に一時的飛来した個体を目撃している)
○ツバメ            14羽(淡水池。午後1時過ぎに淡水池水面上を飛翔しているのが見られた。採餌していたものと思われる)
○コチドリ            5羽(汽水池など)
○シロチドリ          20羽(西渚など。午前9時半頃のカウント数)
○ムナグロ            1羽(夏羽。東渚)
○ハマシギ          610羽(東渚。午前9時半頃のカウント数。人出が少なかったこともあり、午前10時過ぎからは西渚にも多くの個体が飛来した)
○オバシギ            2羽(東渚。夏羽。午前10時頃にオオソリハシシギとともに行動しているのが見られた。今季初認)
○オオソリハシシギ        2羽(東渚)
○ホウロクシギ          2羽(東渚) 
○タシギ            12羽(淡水池で3羽、汽水池で9羽が見られた)
○セイタカシギ         20羽(汽水池)
○オオハシシギ          2羽(汽水池。午後2時頃に、採餌と休息を繰り返しているのが見れた。3〜4回ほど、ピッと鳴いては揃って飛び上がり、短距離を追飛するように飛んでは水辺に降り立つという行動が見られた)  
○ビンズイ            4羽(公園西側)
○タヒバリ            2羽(水路付近)
○アカハラ            5羽(公園西側など) 
○シロハラ            2羽(公園西側など)
○ツグミ          約30羽(公園西側、淡水池周辺など)
○オオジュリン       約10羽(淡水池、汽水池周辺など。鳴き声は比較的多く聞くことができたが、姿を視認できたのは2〜3羽であった)
○カケス            2羽(汽水池北側の木立の2ケ所でジェーという鳴き声が聞けたが、姿は1羽をわずかに視認できただけであった)

以上。



【2004年4月10日】

※船橋三番瀬海浜公園(7:40〜10:50)
 到着時は満潮。シギ・チドリ類やカモメ類は堤防上や棒杭上で休息していた。午前9時頃になって干潟が広がり始めるとともに、シギ・チドリ類が飛来し始めた。特に変わったものは見られなかったが、シギ・チドリ類も種類が多くなってきていた他、コアジサシも相当数が見られた。沖合いのスズガモ群は少なくなり、また堤防上のセグロカモメも約300羽に減少していた。なお、引き続き、ズグロカモメ(若鳥)が見られた。主なものは次のとおり。

○ウミアイサ          22羽(♂7羽、♀タイプ15羽)
○ズグロカモメ          2羽(若鳥2羽。浅瀬が現れ始めた午前9時頃に出現し、干潟上を東西に行き来しながら、浅水域に飛び込んで採餌したりしていた。ゴカイを採取しているのが目立った。また、干潟上でも休止した)
○コアジサシ         約30羽(到着直後から堤防上で休息している個体が見られた他、浅水域に飛び回っては、飛び込んで魚を捕らえる個体が見られた。干潟が広がってからは干潟上で休息する個体も多かった。本年は3月末くらいから見られていたようであるが、我々は今季初認である)
○ミヤコドリ          53羽(午前9時半頃のカウント数。遠方堤防上で休息していたが、午前9時半を過ぎて干潟が広がるとともに大きな声で鳴きながら群で飛来し、潮干狩り会場内で採餌した)
○シロチドリ           2羽(午前10時頃のカウント数)
○メダイチドリ         72羽(午前8時頃の堤防上でのカウント数。夏羽個体も多かった。今季初認)
○ダイゼン         152羽(午前10時頃のカウント数)
○トウネン           6羽(午前10時頃のカウント数。1羽のみ夏羽に近い個体が見られた)
○ヨーロッパトウネン      1羽(午前10時半頃に見られた。換羽が始まっているようであった)
○ハマシギ       約2300羽(午前9時過ぎの堤防上での推計数。夏羽個体が多くなってきていた)
○ミユビシギ         82羽(午前8時過ぎの堤防上でのカウント数)
○キョウジョシギ        5羽(午前10時頃のカウント数。今季初認) 
○オオソリハシシギ      22羽(午前9時頃のカウント数)
○チュウシャクシギ       2羽(堤防上で休息していたが、その後干潟に飛来した)
○タヒバリ            1羽(後背地)
○ツグミ             3羽(後背地)


※葛西臨海公園(12:00〜15:40)
 到着時は、かなり干潟が広がっているところで、正午過ぎからは水路内や沖合いにも干潟が広がった。最初に西渚観察ポイントに回って探鳥し、午後1時頃から公園西側を経由して鳥類園に回り、その後は鳥類園内で探鳥した。越冬群のカモ類やカイツブリ群はさらに数が少なくなってきていた。ユリカモメは引き続き大群が見られたが、数は少なくなってきていた。セグロカモメ類は約300羽が見られたが、遠方の沖合い干潟にも散らばっており、類似種との識別は困難であった。主なものは次のとおり。

○ズグロカモメ        1羽(若鳥と思われる個体。正午過ぎに東渚の澪筋上を飛びながら、2回ほど浅水域に飛び込むのが見られたが、その後は旧江戸川河口方面に向かって移動し、ユリカモメ群中に入ったことから見失ってしまった。午後3時過ぎになって、1羽のみ再び東渚のアシ原近くの澪筋に飛来し、浅瀬に何回か飛び込むのが確認できた。遠方であったが、翼下面のパターンも確認できた)
○ツバメ            4羽(淡水池付近など)
○イワツバメ          2羽(駅周辺)
○シロチドリ          4羽(東渚)
○メダイチドリ         3羽(東渚)
○ムナグロ           4羽(東渚)
○ハマシギ        534羽(東渚など。午後3時頃のカウント数)
○アオアシシギ         1羽(汽水池)
○オオハシシギ         2羽(汽水池。夏羽への換羽が進んでいた)
○セイタカシギ        34羽(汽水池)
○アカハラ           1羽(公園中央部) 
○シロハラ           2羽(公園中央部、淡水池北側)
○ツグミ            4羽(淡水池周辺など)
○オオジュリン         2羽(淡水池アシ原)

以上。



【2004年4月11日】

※葛西臨海公園(7:10〜12:50)
 到着時は満潮。本日は小潮であったが、満潮時の潮位は高く、東渚はほとんど冠水していた。午後3時の干潮に向かって、午前9時過ぎからゆっくりと干潟が広がり始めた。最初に公園西側を回った後、鳥類園で探鳥し、午前10時半頃からは西渚観察ポイントで探鳥した。正午を過ぎて、沖合いにも干潟が広がり水鳥が散らばり始めたことから切り上げた。三番瀬個体群と思われるミヤコドリが見られたが、昨日と大きくは変わらなかった。ユリカモメは頭部が黒くなった個体が多くなっていた。また、セッカやアオジのさえずりを数ケ所で聞くことができ、初夏の雰囲気であった。主なものは次のとおり。

○ズグロカモメ         1羽(若鳥。東渚。午前11時頃に東渚の干潟に飛来し、浅水域に飛び込んだり、地面すれすれまで急降下しては再上昇するといった採餌行動を繰り返していた。約400mの距離があったが、翼下面のパターンなどを確認できた他、上面には褐色斑が多いことも再確認できた。昨日、三番瀬で観察した若鳥のうちの1羽と同一個体と思われる)
○ツバメ            2羽(西渚。草地上を飛び回っていた)
○イワツバメ          2羽(駅周辺)
○ミヤコドリ          46羽(又は54羽。午前8時頃に東渚干潟の冠水していない部分で休息している4羽を見つけた。その後、午前9時を過ぎて干潟が広がるとともに干潟に群れて採餌し始めた。多くの個体は干潟西側に集結していたが、一部は散らばったことから視界が遮られ、カウント数が一定しなかった。この3年ほど、三番瀬個体群と思われるミヤコドリ群が4月下旬頃から葛西臨海公園に移動し、多くは渡去するものの、若鳥を中心に10羽前後の越夏個体が留まるという現象が見られている)
○コチドリ            1羽(汽水池)
○シロチドリ           5羽(東渚など)
○メダイチドリ          4羽(東渚)
○ムナグロ            7羽(又は11羽。東渚。午前10時過ぎに舞浜側に4羽が舞い降りているのが確認できたが、正午過ぎには7羽の群が沖合いから飛来した)
○ハマシギ         432羽(東渚など。午前10時頃のカウント数。午前8時頃には渚橋付近の護岸で休息する175羽の群が見られたが、東渚に移動したようであった)
○アオアシシギ          1羽(汽水池)
○タシギ             3羽(淡水池で2羽、汽水池で1羽が見られた)
○セイタカシギ         34羽(汽水池)
○タヒバリ             1羽(渚橋護岸付近)
○アカハラ             2羽(公園西側。広い芝生上で採餌していた) 
○ツグミ          約35羽(公園西側、西渚草地、淡水池周辺など)
○オオジュリン       約20羽(淡水池周辺など。風も弱く、姿もよく視認できたが、頭部の黒い個体は見られなかった)
○カケス            2羽(汽水池南側の木立で午前10時頃にやかましくジェーという鳴き声を出して騒いでいたが、1羽を視認できた)

以上。   


【2004年4月17日】

※葛西臨海公園(6:50〜12:10)
 到着時は既に干潟が広がっているところであった。最初に公園西側を歩き、午前9時頃から10時半頃まで西渚観察ポイントで探鳥した後、鳥類園で探鳥した。渚周辺はユリカモメの大群が留まっており、セグロカモメ類も約80羽見られたがオオセグロカモメの若鳥と思われる個体が目立った。また、引き続き、ミヤコドリやズグロカモメも見られた。なお、渡りの小鳥類は見ることができなかった。主なものは次のとおり。(写真:ズグロカモメ若鳥)

○シロカモメ          1羽(若鳥。東渚。午前10時過ぎに海上から飛来し、浅瀬で水浴などを行った後、ユリカモメ群中で休息した)
○ズグロカモメ         2羽(いずれも若鳥。東渚など。午前8時半頃に東渚干潟上を飛翔している個体が見られたが、午前9時頃には2羽が揃って西渚干潟に飛来した。その後も時折西渚に飛来したが、人出のため東渚に戻ることを繰り返した。浅水域に飛び込んだり、干潟に急降下してはカニを採取するといった採餌行動を繰り返していた。我々が西渚でズグロカモメを観察したのは初めてである)
○アジサシ           1羽(成鳥夏羽。東渚。ユリカモメ群近くの干潟に降りて休息していた。今季初認)
○コアジサシ       約140羽(東西渚。浅水域で採餌したり、棒杭上や干潟上で休息する個体が見られた)
○ツバメ            1羽(西渚)
○イワツバメ          2羽(駅周辺)
○ミヤコドリ          19羽(午前8時半頃のカウント数。午前9時頃には西渚に飛来している個体も見られたが、人出のために落ち着かなかった)
○コチドリ            4羽(汽水池)
○シロチドリ           6羽(東渚など)
○メダイチドリ          4羽(東渚など)
○ムナグロ           30羽(東渚。多かった)
○ハマシギ          674羽(東渚など。午前10時頃のカウント数。渚橋付近の護岸や西渚でも採餌する群が見られた他、汽水池にも入った)
○キョウジョシギ         2羽(西渚) 
○アオアシシギ          2羽(汽水池)
○オオソリハシシギ        2羽(東渚)
○ホウロクシギ          3羽(東渚など。いずれも時折飛翔したことや、2羽は一時的に西渚にも飛来したことから確認できた)
○タシギ             4羽(汽水池)
○オオハシシギ          2羽(汽水池。ほぼ夏羽となっていたが、アシ原際や視界が遮られる澪筋で採餌することが多かった) 
○セイタカシギ         42羽(汽水池)
○アカハラ             2羽(公園西側)
○シロハラ             1羽(公園西側) 
○ツグミ          約30羽(公園西側など)
○オオジュリン           2羽(淡水池周辺)


※谷津干潟(12:50〜15:10)
 到着時は、既に干潟が狭まり始めているところであった。久しぶりの訪問であったが、前回と同様に大量のアオサが干潟を覆っていた。カモ類はかなり少なくなっていたものの、シギ・チドリ類はかなりの数が見られた。特に変わったものは見られなかった。主なものは次のとおり。

○コアジサシ          4羽(干潟上で休息したり、澪筋で採餌する個体が見られた)
○ツバメ            2羽(干潟西側)
○シロチドリ          2羽
○メダイチドリ        98羽(午後2時半頃のカウント数)
○ムナグロ          12羽(午後1時頃のカウント数)
○ダイゼン         218羽(午後1時過ぎのカウント数。越冬群よりも数が多くなってきていることから、通過個体が加わってきているものと思われる)
○トウネン          12羽(午後1時過ぎのカウント数。夏羽個体も見られた)
○ハマシギ         826羽(午後1時半頃のカウント数)
○ミユビシギ          1羽(ほぼ冬羽の個体)
○キョウジョシギ       34羽(午後2時半頃のカウント数) 
○アオアシシギ         1羽(観察センター前)
○オオソリハシシギ      49羽(午後1時半頃のカウント数。夏羽個体も多かった)
○チュウシャクシギ       4羽(観察ポイント前干潟で揃って休息していた)
○セイタカシギ         8羽(観察センター前と干潟西側で見られた)
○ツグミ            2羽(干潟内、周回路付近)

以上。     

【2004年4月18日】

※葛西臨海公園(7:00〜14:30)
 到着時は既に干潟が広がっているところで、午前10時半頃の干潮時には沖合いにも干潟が現れた。最初にクリスタルビュー付近から渚周辺を見回した後、公園西側で探鳥したが、渡りの小鳥類は見ることができなかった。このため、午前9時頃から正午過ぎまで西渚観察ポイントで探鳥した後、鳥類園に回った。全体的には昨日と同様で、渚周辺は10000羽を超えると思われるユリカモメの大群が留まっていたが、久しぶりにミサゴが見られた他、ズグロカモメの成鳥も見られた。主なものは次のとおり。

○ズグロカモメ         4羽(成鳥夏羽1羽、若鳥3羽。東渚など。午前8時半頃に東渚干潟上を飛翔したり、干潟に降りている若鳥が確認できたが、西渚観察ポイントに回って観察したところ、成鳥夏羽も確認することができた。成鳥と若鳥2羽は、観察ポイント付近を通過して、一時的に西渚干潟にも飛来したが、人出のため落ち着かず東渚に戻った。これまでと同様に、干潟に急降下したりしてカニを採取しているようであった。我々が成鳥を見た時期としては最も遅い記録となる)
○コアジサシ        約64羽(東西渚。正午頃のカウント数)
○ミサゴ             2羽(1羽は午前10時半頃に舞浜沖から東渚上空に現れ、浅水域にダイビングを行った。2回目のダイビングで魚を捕らえた後、西渚内棒杭上に休止し食事を始めたが、その後間もなく2羽目が現れて、近くの棒杭に休止した)
○チョウゲンボウ         1羽(♀成鳥と思われる個体。正午過ぎに荒川河口方面から水路上空に進入し、鳥類園上空方面に飛び去った)
○ツバメ             1羽(鳥類園)
○イワツバメ           2羽(又は4羽。駅周辺)
○ミヤコドリ          56羽(東渚。午前8時頃のカウント数)
○コチドリ            4羽(汽水池)
○シロチドリ           8羽(東渚など)
○メダイチドリ          4羽(東渚など。遠方のものは識別困難であった)
○ムナグロ           14羽(東渚など。なお、午後1時頃に3羽が汽水池で見られたが、移動したものと思われた)
○ダイゼン            1羽(西渚)
○ハマシギ          943羽(東渚など。午前7時過ぎのカウント数)
○キョウジョシギ         12羽(東渚など) 
○アオアシシギ          1羽(汽水池)
○オオソリハシシギ        2羽(東渚)
○ホウロクシギ          2羽(東渚)
○チュウシャクシギ       19羽(東渚など。午前11時頃には渚周辺を移動する14羽の群が見られた)
○タシギ              7羽(汽水池)
○オオハシシギ          2羽(汽水池) 
○セイタカシギ         26羽(汽水池)
○アカハラ             1羽(公園中央部)
○ツグミ          約30羽(公園西側など)

以上。   

【2004年4月24日】

※葛西臨海公園(6:00〜15:20)
 到着時は満潮。午前9時頃から干潟が広がり始め、午後1次過ぎの干潮時には沖合いにも干潟が現れた。最初に公園西側を見回した後、鳥類園で探鳥し、午前9時半頃からと午後2時頃からの2回ほど西渚で探鳥した。渚周辺はユリカモメの大集結が続いていた。また、アジサシ類が多くなっていた。なお、渡りの小鳥類はあまり見られなかったが、オオヨシキリがアシ原に到着していた。園内はキリ、ニセアカシア、ハコネウツギなどの初夏の花も咲き始めていた。主なものは次のとおり。

○ズグロカモメ         2羽(いずれも若鳥。東渚など。午前中を中心に東渚干潟上のアシ原沿いを飛翔したり、干潟に急降下して採餌しているのが見られた。西渚干潟にも4回ほど飛来し、チゴガニを採取した。近くで観察できた1羽は頭部が全体的にうすく黒ずんだようになってきていた)
○アジサシ        約180羽(夏羽。東西渚。午前中は、コアジサシとともに東渚干潟上で休息している個体が多かったが、午後には西渚内の干潟でも群が休息した)
○コアジサシ       約400羽(東西渚。午前10時頃のカウント数)
○ヒメアマツバメ        2羽(淡水池周辺。一時的にツバメ群に混じった) 
○ツバメ          約30羽(鳥類園、公園中央部、西渚周辺など)
○イワツバメ           2羽(淡水池周辺)
○ミヤコドリ          40羽(東渚など。午前中は確認できなかったが、午後になって東渚沖合い干潟に群れているのが確認できた。午後1時頃のカウント数)
○コチドリ            2羽(汽水池、水路護岸)
○シロチドリ           6羽(西渚など)
○ムナグロ           10羽(西渚など。午前中はハマシギ群に混じって西渚で採餌していたが、その後ムナグロ群のみ東渚に移動した)
○ハマシギ          670羽(西渚など。午後2時半頃のカウント数)
○キョウジョシギ         4羽(西渚。ハマシギ群中) 
○アオアシシギ          3羽(汽水池)
○ホウロクシギ          1羽(東渚)
○チュウシャクシギ       38羽(旧江戸川河口周辺など)
○タシギ              2羽(汽水池)
○オオハシシギ          2羽(汽水池。ほぼ夏羽となっていた) 
○セイタカシギ         26羽(汽水池)
○ビンズイ            4羽(公園中央部)
○ツグミ           約10羽(公園西側など)
○エゾムシクイ          2羽(汽水池南側木立付近。声はよく聞けたが、茂った場所のために姿を視認することはできなかった)
○クロジ              1羽(公園中央部。ビンズイ群と行動をともにしていた。♂若鳥であった)

以上。   

【2004年4月25日】

※葛西臨海公園(7:00〜12:40)
 到着時は満潮。午前9時頃から干潟が広がり始め、正午過ぎには沖合いにも浅瀬が現れ始めた。最初に公園西側を見回した後、午前9時頃から午前11時近くまで西渚で探鳥した。晴天であったが、渚周辺は北西風が強く、また人出が多かったことから、西渚干潟への水鳥達の飛来は少なかった。基本的には昨日と同様であったが、東渚のシギ・チドリ類は少なかった。主なものは次のとおり。

○ズグロカモメ         2羽(いずれも若鳥。東渚など。午前10時過ぎには西渚干潟上にも揃って飛来したが、干潟周辺を飛び回ったものの舞い降りることはなく東渚へ引き返した)
○アジサシ        約240羽(夏羽。東渚など。コアジサシとともに東渚干潟上で休息している個体が多く、きちんとカウントできなかったが、昨日よりは数が多くなってきているようであった。一部は西渚内棒杭や干潟上にも飛来した)
○コアジサシ       約200羽(東西渚。東渚干潟上で休息している個体が多く、きちんとカウントできなかった。一部は西渚内棒杭や干潟上で休息した)
○ヒメアマツバメ         1羽(公園中央部) 
○ツバメ          約20羽(鳥類園、公園中央部、西渚周辺など)
○イワツバメ           2羽(公園中央部)
○コチドリ            2羽(西渚、汽水池)
○ハマシギ          約80羽(西渚など。荒川河口方面から西渚周辺を通過して東渚に移動する群がいくらか見られたが、少なかった)
○アオアシシギ          1羽(汽水池)
○チュウシャクシギ      204羽(例年のように、旧江戸川河口付近に生じる岩礁に集結し採餌していた。遠方であったが、正午前のカウントは203羽であった。この他、汽水池でも見られた)
○タシギ             10羽(汽水池で4羽、淡水池で6羽が見られた)
○オオハシシギ          2羽(汽水池。夏羽個体) 
○セイタカシギ         19羽(汽水池など)
○ビンズイ            4羽(公園中央部。コナラ、ヒノキ、メタセコイアの混じった木立内で、樹木上を移動したり地上に降りて採餌したりしていた。また、よくさえずっていた)
○アカハラ            2羽(公園中央部。ツリーという鳴き声を出しながら樹林内を移動するのが確認できた。この他にもツグミ類と思われる声は聞けたが、樹林内を速やかに移動していたので識別できないものが多かった)
○シロハラ            2羽(公園中央部)
○ツグミ              6羽(公園中央部など)

以上。      

【2004年4月29日】

※葛西臨海公園(7:00〜10:30)
 到着時は干潮であったが、本日は若潮で、探鳥中は潮位の変化はほとんどなかった。東渚干潟はある程度広がったままであったが、シギ・チドリ類は余り見られなかった。少なくなったとはいえ、まだ5000羽を超えると思われるユリカモメが集結していた。最初に公園西側を見回した後、午前8時頃から鳥類園で探鳥した。基本的にはこれまでと同様で、特に変わったものは見られなかった。また、本日もミヤコドリは確認できなかった。主なものは次のとおり。

○ズグロカモメ         1羽(若鳥。東渚など。干潟周辺を飛び回っているのが遠方から確認できた。クリスタルビュー付近からの観察で、午前7時半頃には西渚にも飛来しているのが確認できた)
○アジサシ          62羽(夏羽。東渚など。午前8時過ぎのカウント数)
○コアジサシ         76羽(東西渚。午前8時過ぎのカウント数。散らばって採餌している個体も多く、きちんとカウントできなかった)
○ヒメアマツバメ         6羽(淡水池周辺。午前9時半頃に2羽が、午前10時過ぎには4羽が、上空を公園西側から舞浜方面に向けて通過した) 
○ツバメ          約20羽(鳥類園、公園中央部など)
○イワツバメ           6羽(淡水池周辺。午前10時過ぎに群が飛翔しているのが見られた)
○コチドリ            2羽(汽水池)
○ダイゼン            5羽(東渚)
○ハマシギ           8羽(東渚。少なかった)
○アオアシシギ          7羽(汽水池)
○キアシシギ           4羽(汽水池。数日前から見られているとのことであったが、我々は今季初認であった)
○チュウシャクシギ       72羽(汽水池で10羽が、カニを採餌しているのが見られた。潮位が高く、旧江戸川河口付近の岩礁が冠水していたことから、東渚堤防上で休息したりしている個体が多かった。午前10時過ぎのカウント数)
○タシギ              3羽(汽水池で1羽、淡水池で2羽が見られた)
○オオハシシギ          2羽(汽水池。夏羽個体) 
○セイタカシギ         44羽(汽水池擬岩付近を中心に多くの個体が休息していた)
○ビンズイ            2羽(公園中央部。地上に降りて採餌していた)
○アカハラ            1羽(公園中央部)
○ツグミ             3羽(公園中央部)
○センダイムシクイ        1羽(船着場付近の低木の植込みで鳴き声が2〜3回聞けたが、姿を視認することはできなかった)
○ヤマガラ            1羽(公園中央部)


※谷津干潟(11:10〜15:30)
 到着時は満潮前であったが、長潮のため潮位は余り上昇せず、干潟はかなり広がったままで、午後1時頃からは再び大きく広がり始めた。特に変わったものは見られなかったが、シギ・チドリ類が集結しており、数も多くなってきていた。主なものは次のとおり。

○コガモ              1羽(亜種アメリカコガモとのハイブリッドと思われる個体。教えていただき見ることができた。肩羽の白線は確認できなかったが、側胸の白線はかなり細い個体であった。なお、コガモはまだ80羽以上が留まっていた)
○コアジサシ           22羽(正午前のカウント数)
○ツバメ              2羽(干潟周辺)
○シロチドリ            1羽(盛んにカニを採餌していた)
○メダイチドリ          85羽(正午過ぎのカウント数)
○ダイゼン           146羽(正午過ぎのカウント数)
○トウネン            41羽(正午過ぎのカウント数)
○ヨーロッパトウネン        1羽(ほぼ夏羽の個体。午後1時頃から干潟東側観察ポイント前に時折飛来しているのが見られた。余り落ち着かなかったが、午後3時頃には観察センター東側でハマシギ・トウネン群に混じって採餌しているのが近距離で観察できた)
○ハマシギ          663羽(正午過ぎのカウント数)
○キョウジョシギ         50羽(正午過ぎのカウント数)
○アオアシシギ          2羽(夏羽換羽中の個体)
○キアシシギ          23羽(正午過ぎのカウント数)
○オオソリハシシギ      172羽(正午過ぎには146羽のカウントであったが、午後2時前に三番瀬方面から追加飛来があった)
○チュウシャクシギ       12羽(正午過ぎのカウント数)
○セイタカシギ          6羽

以上。