【2004年3月28日】
※船橋三番瀬海浜公園(7:10〜10:50)
到着時は満潮。小潮のため、わずかに干潟は残っていたが、シギ・チドリ類は堤防上で休息していた。午前10時頃になって、干潟がさらに広がるとともに、シギ・チドリ類が飛来し始めたが、人出が多く落ち着かなかった。ズグロカモメが見られた他、当地では珍しいミツユビカモメを久しぶりに確認することができた。シギ・チドリ類ではホウロクシギが見られたものの、留まっている越冬群には余り変化がなかった。ウミアイサは例年のように多数が集結しており、カモメ類もセグロカモメが1000羽を超えるなど多かった。なお、ミヤコドリは堤防上で休息していた。主なものは次のとおり。
○ホオジロガモ 8羽(♂2羽、♀タイプ6羽。堤防内水面など)
○ウミアイサ 82羽(♂18羽、♀タイプ64羽。沖合い水面などに群れていた。♂のデイスプレーが目立った。毎年3月下旬には集結し、これまでも40羽前後の群を毎年のように見ているが、これほどの数を確認したのは初めてであった)
○ズグロカモメ 4羽(成鳥夏羽2羽、若鳥2羽。干潟上を行き来しながら、鳴き交わしたり、浅水域に飛び込んで採餌したりしていた。干潟上でも休止したが、堤防上にもよく飛来し、午前8時頃の満潮時には堤防上に4羽が揃った。なお、成鳥夏羽1羽は左脚を損傷しているようで、3月中旬まで谷津干潟で見られた個体と同一と思われた)
○ミツユビカモメ 1羽(第1回冬羽と思われる個体。午前10時頃に堤防上から飛び出したカモメにM字斑が見られたことから確認したところ、ミツユビカモメであった。干潟の汀線から50m程度離れた沖合いを西に向かって飛翔し、市川塩浜・新浦安方面に向かった。我々が湾岸フィールドで、ミツユビカモメを確認したのは1997年5月4日に若鳥1羽を確認して以来で、2回目である)
○ミヤコドリ 72羽(午前9時半頃のカウント数。堤防上の比較的近いところで休息しており、距離約150m程度で見られたが、午前10時頃に堤防上にヒトが立ち入ったことから、貝殻島付近の堤防に移動した)
○シロチドリ 28羽(午前10時頃のカウント数)
○ダイゼン 158羽(午前9時過ぎのカウント数)
○ハマシギ 約2000羽(午前9時過ぎの推計数。きちんとカウントできなかった)
○ミユビシギ 96羽(午前10時過ぎのカウント数)
○ダイシャクシギ 2羽(堤防上で休息していた)
○ホウロクシギ 2羽(堤防上で休息していたが、午前9時頃に干潟に飛来して採餌した)
○タヒバリ 1羽(後背地)
○ツグミ 3羽(後背地)
※葛西臨海公園(12:00〜16:40)
到着時は、かなり干潟が広がっているところで、午後1時過ぎからは水路内や沖合いにも干潟が広がった。最初に西渚観察ポイントに回って探鳥し、午後1時半頃から鳥類園南側の水路内に生じた干潟に回り、その後鳥類園内で探鳥した。渚周辺の水鳥は昨日と同様であったが、セグロカモメ類は約40羽と少なかった。しかしながら、ユリカモメは昨日よりもさらに大群となっており、その群中にミツユビカモメを再確認することができた。また、アオジのさえずりが聞けた。なお、午前中を中心に公園西側や鳥類園内でマヒワの群などが見られたとのことであったが、我々は見れなかった。主なものは次のとおり。

○ミツユビカモメ 1羽(第1回冬羽から第1回夏羽に換羽中と思われる個体。到着直後に東渚干潟上のユリカモメ群上を飛翔しているのを見つけた。その後群中で休息したようで見失ったが、午後1時頃に飛び立って旧江戸川河口方面に移動するのが見れた。そこで、水路干潟に回ってみたところ、干潟周辺のユリカモメ群中にいるのが再確認できた。午後2時半頃には、船舶の通行に驚いて河口方面に去ったが、午後4時頃には再び水路干潟のユリカモメ群中に戻ってきていた。最短約30mで見ることができたが、嘴の黒色部が先端部分のみとなっているなど、第1回夏羽へ換羽中と思われた。葛西臨海公園では、2001年11月に東渚で確認された情報をいただいているが、我々が当地で見たのは初めてであった。なお、本日午前中に三番瀬で目撃した個体と同一の可能性も高いと思われた写真:ミツユビカモメ)
○トビ 1羽(正午頃に公園中央部上空を舞いながら、鳥類園上空に移動する個体が見られた。カラスのモビングを受けていた)
○ツバメ 1羽(東西渚間水路付近)
○コチドリ 1羽(汽水池)
○シロチドリ 約10羽(東渚)
○ハマシギ 約500羽(東渚など。午後1時頃のカウント数)
○タシギ 6羽(淡水池)
○セイタカシギ 11羽(水路側干潟、汽水池)
○ビンズイ 3羽(鳥類園内)
○タヒバリ 1羽(東西渚間水路堤防)
○ジョウビタキ 1羽(♀タイプ。汽水池)
○アカハラ 1羽(観察センター付近)
○シロハラ 1羽(淡水池北側)
○ツグミ 2羽(淡水池周辺)
○オオジュリン 約10羽(汽水池周辺など)
○カケス 1羽(又は2羽。汽水池南側のマツ林や擬岩付近で鳴き声が聞けたが、姿は確認できなかった)
以上。