2004年3月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑



【2004年3月7日】

※葛西臨海公園(6:30〜11:10)
 到着時は満潮。快晴であったが、北西の季節風がやや強かった。午前9時頃から東渚の干潟が出現し、午前11時頃には沖合いや水路側の干潟も出現した。鳥類園を中心に探鳥し、西渚観察ポイントからの探鳥は行わなかった。基本的にはこれまでと同様であったが、久しぶりにハマシギ群中にヨーロッパトウネンを確認することができた。なお、渚周辺のカンムリカイツブリ、ハジロカイツブリの大群は夏羽個体が多くなってきていた。また、ヒヨドリの群が花壇のパンジーの花を食害するのを目撃した。主なものは次のとおり。

○ミコアイサ          6羽(♀タイプ2羽は淡水池で見られたが、♂1羽♀3羽の小群は午前8時半頃に旧江戸川で見られた)
○トビ             2羽(午前10時半頃から東渚、水路、淡水池上空を旋回飛翔するのが見られた)
○ハヤブサ          1羽(成鳥。東渚。午前9時頃に東渚舞浜側堤防に休止しているのが見られたが、午前9時半頃には干潟周辺でハマシギ群を襲うのが見られた)
○チョウゲンボウ       1羽(公園中央部。午前11時過ぎに公園中央部上空を通過し、公園内のホテル・シーサイド屋上アンテナに休止した)
○ヨーロッパトウネン     1羽(渚橋東側護岸。午前7時頃に護岸に飛来したハマシギ群中に混じって採餌していた。距離約20mで観察できたことから特徴を確認することができた。当地ではハマシギ越冬群を近距離で観察する機会が少ないことから、ヨーロッパトウネンを確認したのは2002年2月17日に次いで2回目である)
○ハマシギ         32羽(東渚、水路護岸など。午前9時頃のカウント数。もっといたものと思われるがハヤブサの出現もあり、落ち着かなかった)
○タシギ           2羽(淡水池)
○セイタカシギ       12羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近で休息していたが、午前11時頃には水路側干潟に飛来した。いただいた情報によると、汽水池周辺では昨日オオタカが見られたとのことで、汽水池での採餌を避けているようである)
○タヒバリ           2羽(淡水池周辺)
○ジョウビタキ         3羽(♀タイプのみ。淡水池付近など)
○イソヒヨドリ         1羽(♂成鳥。旧江戸川京葉線鉄橋橋脚部)
○アカハラ           4羽(公園中央部、淡水池周辺など)
○シロハラ           5羽(公園中央部、淡水池周辺)
○ツグミ          約30羽(淡水池周辺など)
○ツリスガラ          11羽(淡水池アシ原。午前7時半頃から観察センター西側で鳴き声が聞かれたが、その際は強風のためか視認できなかった。その後、午前10時半頃に、群が観察センター西側の水族園側の水辺のアシ原で採餌しているのを視認できた。♂成鳥も3羽確認できた) 
○オオジュリン       約20羽(淡水池付近など)

(写真:ヨーロッパトウネン)
※谷津干潟(11:50〜15:50)
 到着時は、既に干潟が大きく広がり始めているところであった。探鳥開始後、まもなく、ズグロカモメが京葉線南側の通称三角干潟と呼ばれる干潟で見られているという情報をいただいたことから、午後1時過ぎまで三角干潟に回って探鳥した。シギ・チドリ類は午後2時頃から三番瀬方面からの群の飛来が見られたが多くはなく、ダイゼン群の飛来はなかった。天候は概ね晴天であったが、北西の季節風が相当強く、午後1時頃には一時的に雪が降り、寒かった。主なものは次のとおり。

○アメリカヒドリ         1羽(♂1羽。観察センター東側の干潟でヒドリガモとともにアオサを採食していた)
○ズグロカモメ         3羽(成鳥3羽。1羽は完全な夏羽となっていた。残り2羽のうち、1羽は前頭部に白色部がわずかに残るものの、ほぼ夏羽となっていたが、もう1羽は頭部がゴマシオ状であった。若鳥も1羽見られたとのことであったが、我々は確認できなかった。午後1時過ぎまでは、3羽ともに通称三角干潟で採餌しているのが見られたが、午後2時半頃には3羽とも観察センター西側干潟付近に舞い戻ってきていた。なお、いただいた情報によると、当地のズグロカモメは2月22日に確認された後、3月2日まで一時的に観察されなくなっていたが、3月3日から再び3〜4羽が見られるようになってきているとのことであった)
○シロチドリ         17羽(午後3時頃のカウント数)
○トウネン           6羽(午後3時頃のカウント数。距離もあり、観察条件も悪かったことから細部の観察はできなかった)
○ハマシギ         158羽(午後2時半頃のカウント数。その後、追加飛来があり、もう少し多くなったようであった)
○アオアシシギ         1羽(南船橋側で見られた。越冬個体)
○セイタカシギ         8羽(中央部から南船橋側にかけての干潟で6羽が見られたが、三角干潟でも2羽が見られた)
○コゲラ            1羽(観察センター付近)
○ジョウビタキ         2羽(♀タイプのみ。淡水池周辺)
○シロハラ           2羽(淡水池周辺、周回路)
○ツグミ            5羽(淡水池、周回路付近)
○オオジュリン       約10羽(観察センター付近のアシ原周辺)
○シメ             2羽(淡水池周辺。1羽は地上に降りて採餌していたが、他個体の進入に対する追い出し行動も見られた) 
 
以上。


【2004年3月14日】

※葛西臨海公園(6:30〜14:00)
 本日は小潮で、到着時は満潮近くであった。干潟は午前8時過ぎの満潮時に狭まったものの、正午過ぎからは大きく広がった。時折曇ったものの、晴天であったが、午後からは沖合いからの風がやや強かった。主として鳥類園で探鳥したが、午前9時から午後1時近くまで西渚の観察ポイントに回って探鳥した。西渚で再びワシカモメが見られたが、特に変わったものは見られなかった。渚周辺のカンムリカイツブリやハジロカイツブリは多くが夏羽となり、それぞれ1000羽以上と思われる数が留まっていた。主なものは次のとおり。

○ミコアイサ          3羽(又は4羽。淡水池、汽水池。♀タイプのみ。我々は見れなかったが、朝方♂1羽も見られたとのことであった)
○ワシカモメ          1羽(成鳥。西渚周辺。午前9時頃に西渚内棒杭上に休息しているのを見つけた。その後もほとんど休息していたが、午後1時前に羽田沖方面に飛び去った。2月11日に見られた個体と同一と思われた。なお、セグロカモメ類は、正午過ぎには東渚干潟上に約80羽が集結していたが、変わったものは確認できなかった)
○トビ             3羽(東渚など。午前7時頃に2羽が荒川河口方面から東渚上空に進入し、その後も東渚周辺などで行動していた。また、この2羽とは別に荒川河口上空を旋回している個体も見られた)
○チュウヒ           3羽(淡水池、東渚など。淡水池中央部のアシ原に舞い降りている1羽が見られた他、水路上空から汽水池上空に進入する個体などが見られた)
○ハヤブサ           1羽(成鳥。午前7時頃に東渚舞浜側堤防の流木上に休止しているのが見られたが、午前9時前には同堤防上で獲物の羽根をむしっているのが見られたので狩りを行ったものと思われた)
○チョウゲンボウ        1羽(荒川河口上空。午前9時過ぎにカラス4羽に追われて新木場方面に逃れる個体が見られた)
○クイナ            1羽(淡水池。午前8時頃に、観察センター西側のアシ原で鳴き声がよく聞けたが、姿を視認することはできなかった)
○コチドリ            1羽(淡水池湿地。今季初認)
○シロチドリ        約20羽(東渚。遠方のものはハマシギとの判別が困難であった)
○ハマシギ       約420羽(東渚など。一部は護岸や西渚にも飛来していた。午前10時半頃のカウント数。干潟が再び広がり始めた午前10時過ぎに荒川河口方面から飛来する群が目立った)
○タシギ             4羽(淡水池など)
○セイタカシギ         12羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近と水路側堤防でも休息していたが、依然として汽水池での採餌を避けているようである)
○オオハシシギ         2羽(舞浜側セイタカシギ群中)
○カワセミ            1羽(又は2羽。水路、汽水池など)
○タヒバリ            1羽(汽水池付近)
○ジョウビタキ          2羽(♀タイプのみ。淡水池付近など)
○シロハラ           4羽(淡水池付近など)
○ツグミ          約30羽(淡水池周辺など)
○ツリスガラ          3羽(淡水池アシ原。午前7時半頃に観察センター西側のアシ原から鳴き声が聞かれた。午前8時半頃には淡水池湿地付近のアシ原で、小群が採餌しているのを視認できた) 
○オオジュリン       約20羽(淡水池付近など)
○カケス            1羽(又は2羽。午前8時頃に汽水池南側の木立から飛び出して移動する1羽が見れた他、淡水池付近でも鳴き声が聞かれた)

以上。

      

【2004年3月20日】

※葛西臨海公園(7:20〜13:00)
 到着時は満潮を過ぎ、干潟が広がりつつあり、ハマシギ・シロチドリ群が飛来し始めていた。しかしながら、到着後まもなく降雨となり、北東からの風も強まって困難な雨中探鳥となった。このため、船着場、観察センターからの探鳥がほとんどとなった。セグロカモメ群中にシロカモメを確認できたが、観察条件も悪く、特に変わったものは見られなかった。なお、渚周辺のカンムリカイツブリやハジロカイツブリは、まだ、それぞれ1000羽前後が留まっていたが、淡水池のホシハジロ群や沖合いのスズガモ群はかなり少なくなっていた。また、ユリカモメ群中には夏羽への換羽が進んでいる個体がかなりみられた。主なものは次のとおり。

○ウミアイサ          1羽(♀タイプ。東渚周辺)
○シロカモメ          1羽(成鳥。東渚など。到着時は東西渚間水路南端部の棒杭上に休止していたが、干潟が広がった午前9時頃に干潟に移動し、澪筋で魚に食いついていた。距離は約400mあったが、飛翔したり、魚をセグロカモメと争ったりしたことから特徴を確認できた。かなり大型の個体であった。なお、渚周辺には約60羽のセグロカモメ類が集結していた)
○チュウヒ           2羽(淡水池、東渚。淡水池中央部のアシ原に舞い降りている1羽の他、東渚アシ原上を飛翔する個体が見られた)
○ハヤブサ           1羽(成鳥。東渚舞浜側堤防の流木上や岩上に休止しているのが見られた。小雨の中を2〜3回飛び立ち、狩りを行っているように思われたが成功しなかった)
○シロチドリ        約20羽(東渚。遠方のものはハマシギとの判別が困難であった)
○ハマシギ       約220羽(東渚など。水路干潟や西渚にも移動しているのが見られた)
○タシギ             2羽(淡水池、汽水池で各1羽)
○セイタカシギ         13羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近と水路側堤防で休息していたが、正午頃には鳥類園南側の水路内に生じた干潟に飛来し採餌していた。なお、いただいた情報によるとオオハシシギもセイタカシギとともに水路干潟に飛来することもあるとのことであったが、本日は確認できなかった)
○ジョウビタキ          1羽(♀タイプ。淡水池付近)
○アカハラ            1羽(成鳥♂、公園中央部)
○シロハラ           1羽(淡水池付近)
○ツグミ          約30羽(公園中央部、淡水池周辺など。芝生上などで、ゆるやかな群を形成し採餌する個体が目立った)
○オオジュリン        約4羽(淡水池付近など)
○カケス             1羽(淡水池付近で鳴き声が聞かれたが視認することはできなかった)

以上。   

【2004年3月21日】

※葛西臨海公園(7:00〜14:20)
 到着時は満潮を過ぎ、干潟が広がりつつあった。ハマシギ・シロチドリ群の多くは西渚砂浜上で休息していたが、午前8時頃から次々に東渚に移動し始めた。快晴となったが、北寄りの風がやや強かった。いただいた情報により、シマアジのペアが見れた。また、天候が回復したこともあり、昨日確認できなかった種類も確認できた。午後1時前から西渚の観察ポイントに回って探鳥したが、渚周辺のカンムリカイツブリやハジロカイツブリの夏羽が美しかった。なお、カンムリカイツブリをカウントしたところ、約1940羽であった。主なものは次のとおり。

○シマアジ           2羽(♂1羽、♀1羽。淡水池。我々は午前9時頃に見ることができた。アシ原際で採餌や休息を行っていることが多く、時折、ひらけた水面に出てきていた。♂はほぼ完全な夏羽で、首を伸ばしたり奇妙な声で鳴いているのも観察できたが、♀を呼んでいたものと思われた。昨年は♂1羽が3月29日に初認されているが、ペアが見られたのは初めてと思われる)
○ミコアイサ          4羽(又は6羽。淡水池、水路。♀タイプのみ。淡水池でも2〜3羽が見られたが、水路内で4羽の群も確認できた)
○シロカモメ          1羽(成鳥。東渚干潟上。午後1時を過ぎて、沖合いの干潟が冠水するとともに、東渚干潟上にカモメ類が集結してきたが、本種は午後1時半過ぎに飛来した。かなり大型の個体であった。なお、午後2時に集結したセグロカモメ類は約130羽であった)
○トビ             4羽(東渚など。午前8時頃から東渚周辺を帆翔したりしている個体が見られたが、午前11時頃には4羽が小さなタカ柱を作っていた。なお、その後も干潟上に休止している個体が見られた)
○チュウヒ           2羽(淡水池、東渚。淡水池中央部のアシ原に舞い降りている1羽の他、午前8時過ぎには東渚上を飛び回ってカモメ類を飛び立たせている別個体も見られた)
○ハヤブサ           1羽(成鳥。午前8時過ぎに東渚舞浜側堤防の流木上に休止しているのが見られた。なお、西渚観察ポイントで観察中の午後2時頃に、頭上から堤防を越えて急降下してきた同一個体と思われるハヤブサが見られたが、視界が遮られ狩りを行ったのかどうかは確認できなかった)
○クイナ            1羽(淡水池。午後1時前に視認することができた)
○コチドリ            2羽(船着場付近護岸)
○シロチドリ        約40羽(西渚など)
○ハマシギ       約590羽(西渚など。午前8時頃のカウント数)
○タシギ             9羽(淡水池8羽、汽水池1羽)
○セイタカシギ         16羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近で休息していたが、午前10時半頃には一部が水路干潟に飛来した)
○オオハシシギ         2羽(舞浜側セイタカシギ群中)
○ジョウビタキ          3羽(♀タイプのみ。淡水池付近など)
○イソヒヨドリ          1羽(成鳥♂、旧江戸川京葉線鉄橋橋脚部)
○シロハラ           1羽(淡水池付近)
○ツグミ          約20羽(公園中央部、淡水池周辺など)
○ツリスガラ          1羽(淡水池アシ原。午前9時頃から時々鳴き声が聞かれたが、視認できたのは1羽のみであった。いただいた情報によると、引き続き留まっているものの、数羽以上の群は見られなくなってきているとのことであった) 
○オオジュリン       約20羽(淡水池付近など)
○カケス            1羽(淡水池付近で鳴き声が聞けたが、視認はできなかった)

以上。

【2004年3月27日】

※葛西臨海公園(6:50〜14:20)
 本日は小潮で、到着時は満潮であったが干潟はいくらか残っていた。ハマシギ・シロチドリ群は西渚砂浜で休息していた。午前9時頃から干潟が広がり始め、午後2時頃には沖合いにも広がった。最初に公園西側を歩き、鳥類園に回って探鳥したが、午前10時半頃から正午過ぎまでは西渚観察ポイントに回って探鳥した。渚周辺はカンムリカイツブリが約300羽と少なくなっていたが、夏羽のハジロカイツブリの大きな群はまだ留まっていた。また、カモメ類が多くなってきており、セグロカモメ類も正午頃には100羽を超える数が集結していた。特に変わったものは見られなかったが、汽水池にカモ類やセイタカシギが入るようになり、鳥類園内のオオシマザクラも開花し始めていた。主なものは次のとおり。

○ワシカモメ          2羽(いずれも若鳥。東渚。正午頃に東渚干潟上でセグロカモメとともに休息したり、魚をつついたりしているのが見られた。距離が約300m程度あったが、水浴したり、飛翔したことから翼上面のパターンなども確認することができた)
○シロカモメ          1羽(若鳥。東渚干潟上のセグロカモメ群中。旧江戸川河口に近い棒杭で休息していたが、その後干潟に飛来し、水浴などを行ったことから判別することができた。約400mの距離があった)
○ミサゴ            1羽(午前7時半頃に、東渚上空を舞っているのが見られたが、その後移動してしまったようであった)
○トビ             2羽(午前7時頃に2羽が荒川河口方面から若洲海浜公園付近にかけて舞っているのが見られたが、渚周辺への進入はなかった)
○オオタカ           1羽(若鳥。午前8時半頃に、カラスの群に追われて淡水池北側の木立に逃れるのが見られたが、その後は姿は確認できなかった) 
○ハヤブサ           1羽(成鳥。午前7時半頃に東渚舞浜側堤防の流木上に休止しているのが見られた)
○ツバメ             6羽(淡水池、渚周辺。我々は今季初認であったが、いただいた情報によると10日くらい前から確認されているとのことであった)
○コチドリ            6羽(汽水池。しきりに鳴き交わしていた)
○シロチドリ        約10羽(東西渚。ハマシギ・シロチドリの越冬群中のシロチドリの数が急速に少なくなってきていることから、移動しているものと思われる)
○ハマシギ       約490羽(東渚など。西渚で休息していたが、午前9時頃から東渚に移動して採餌していた。午前11時頃のカウント数)
○タシギ             6羽(淡水池、汽水池で各3羽が見られた)
○セイタカシギ         16羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近で休息していたが、その後水路側干潟や汽水池干潟にも飛来して採餌していた)
○ビンズイ            1羽(公園西側。時折、ジッと鳴きながら、マツ林の林床部で採餌していた)
○タヒバリ            1羽(汽水池)
○ジョウビタキ          2羽(♀タイプのみ。淡水池付近など)
○アカハラ           3羽(公園西側など。さえずりと思われる鳴き声も聞けた) 
○シロハラ           1羽(公園西側)
○ツグミ          約30羽(公園西側、淡水池周辺など)
○オオジュリン       約10羽(淡水池周辺など)
○カケス            1羽(午前9時頃に汽水池擬岩付近でジェーという鳴き声が聞けたが、姿は確認できなかった。いただいた情報によると、まだ少なくとも2羽が留まっているとのことであった)

以上。   


【2004年3月28日】

※船橋三番瀬海浜公園(7:10〜10:50)
 到着時は満潮。小潮のため、わずかに干潟は残っていたが、シギ・チドリ類は堤防上で休息していた。午前10時頃になって、干潟がさらに広がるとともに、シギ・チドリ類が飛来し始めたが、人出が多く落ち着かなかった。ズグロカモメが見られた他、当地では珍しいミツユビカモメを久しぶりに確認することができた。シギ・チドリ類ではホウロクシギが見られたものの、留まっている越冬群には余り変化がなかった。ウミアイサは例年のように多数が集結しており、カモメ類もセグロカモメが1000羽を超えるなど多かった。なお、ミヤコドリは堤防上で休息していた。主なものは次のとおり。

○ホオジロガモ         8羽(♂2羽、♀タイプ6羽。堤防内水面など)
○ウミアイサ          82羽(♂18羽、♀タイプ64羽。沖合い水面などに群れていた。♂のデイスプレーが目立った。毎年3月下旬には集結し、これまでも40羽前後の群を毎年のように見ているが、これほどの数を確認したのは初めてであった)
○ズグロカモメ          4羽(成鳥夏羽2羽、若鳥2羽。干潟上を行き来しながら、鳴き交わしたり、浅水域に飛び込んで採餌したりしていた。干潟上でも休止したが、堤防上にもよく飛来し、午前8時頃の満潮時には堤防上に4羽が揃った。なお、成鳥夏羽1羽は左脚を損傷しているようで、3月中旬まで谷津干潟で見られた個体と同一と思われた)
○ミツユビカモメ         1羽(第1回冬羽と思われる個体。午前10時頃に堤防上から飛び出したカモメにM字斑が見られたことから確認したところ、ミツユビカモメであった。干潟の汀線から50m程度離れた沖合いを西に向かって飛翔し、市川塩浜・新浦安方面に向かった。我々が湾岸フィールドで、ミツユビカモメを確認したのは1997年5月4日に若鳥1羽を確認して以来で、2回目である)
○ミヤコドリ          72羽(午前9時半頃のカウント数。堤防上の比較的近いところで休息しており、距離約150m程度で見られたが、午前10時頃に堤防上にヒトが立ち入ったことから、貝殻島付近の堤防に移動した)
○シロチドリ         28羽(午前10時頃のカウント数)
○ダイゼン         158羽(午前9時過ぎのカウント数)
○ハマシギ      約2000羽(午前9時過ぎの推計数。きちんとカウントできなかった)
○ミユビシギ         96羽(午前10時過ぎのカウント数)
○ダイシャクシギ        2羽(堤防上で休息していた)
○ホウロクシギ         2羽(堤防上で休息していたが、午前9時頃に干潟に飛来して採餌した)
○タヒバリ            1羽(後背地)
○ツグミ             3羽(後背地)


※葛西臨海公園(12:00〜16:40)
 到着時は、かなり干潟が広がっているところで、午後1時過ぎからは水路内や沖合いにも干潟が広がった。最初に西渚観察ポイントに回って探鳥し、午後1時半頃から鳥類園南側の水路内に生じた干潟に回り、その後鳥類園内で探鳥した。渚周辺の水鳥は昨日と同様であったが、セグロカモメ類は約40羽と少なかった。しかしながら、ユリカモメは昨日よりもさらに大群となっており、その群中にミツユビカモメを再確認することができた。また、アオジのさえずりが聞けた。なお、午前中を中心に公園西側や鳥類園内でマヒワの群などが見られたとのことであったが、我々は見れなかった。主なものは次のとおり。

○ミツユビカモメ        1羽(第1回冬羽から第1回夏羽に換羽中と思われる個体。到着直後に東渚干潟上のユリカモメ群上を飛翔しているのを見つけた。その後群中で休息したようで見失ったが、午後1時頃に飛び立って旧江戸川河口方面に移動するのが見れた。そこで、水路干潟に回ってみたところ、干潟周辺のユリカモメ群中にいるのが再確認できた。午後2時半頃には、船舶の通行に驚いて河口方面に去ったが、午後4時頃には再び水路干潟のユリカモメ群中に戻ってきていた。最短約30mで見ることができたが、嘴の黒色部が先端部分のみとなっているなど、第1回夏羽へ換羽中と思われた。葛西臨海公園では、2001年11月に東渚で確認された情報をいただいているが、我々が当地で見たのは初めてであった。なお、本日午前中に三番瀬で目撃した個体と同一の可能性も高いと思われた写真:ミツユビカモメ)
○トビ             1羽(正午頃に公園中央部上空を舞いながら、鳥類園上空に移動する個体が見られた。カラスのモビングを受けていた)
○ツバメ            1羽(東西渚間水路付近)
○コチドリ           1羽(汽水池)
○シロチドリ        約10羽(東渚)
○ハマシギ       約500羽(東渚など。午後1時頃のカウント数)
○タシギ            6羽(淡水池)
○セイタカシギ        11羽(水路側干潟、汽水池)
○ビンズイ           3羽(鳥類園内)
○タヒバリ           1羽(東西渚間水路堤防)
○ジョウビタキ         1羽(♀タイプ。汽水池)
○アカハラ           1羽(観察センター付近) 
○シロハラ           1羽(淡水池北側)
○ツグミ            2羽(淡水池周辺)
○オオジュリン       約10羽(汽水池周辺など)
○カケス            1羽(又は2羽。汽水池南側のマツ林や擬岩付近で鳴き声が聞けたが、姿は確認できなかった)

以上。