2004年2月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑


【2004年2月1日】

※葛西臨海公園(7:10〜15:50)
 本日は若潮で、正午過ぎまで潮位の変化が少なく、ある程度の干潟が広がっていた。鳥類園を中心に探鳥し、午後1時過ぎからは西渚観察ポイントからの渚周辺の探鳥も行った。いただいた情報により、昨シーズンに続いてオオホシハジロを確認することができた他、猛禽類も多かった。主なものは次のとおり。

○ミミカイツブリ        1羽(旧江戸川。船舶の往来などにより、一時的にハジロカイツブリ群に入ることがあったものの、単独で採餌していることが多かった)
○トモエガモ          1羽(♀1羽、淡水池。午後3時頃のホシハジロ群の飛び立ちに驚いて中央部のアシ原際から出てきたのが確認できた)
○オオホシハジロ       1羽(♂成鳥。淡水池。西渚で探鳥中に、近くで探鳥されていた方から目撃したとの情報をいただき、淡水池に急いで戻って、午後2時半頃に確認することができた。昨シーズンに引き続いての飛来となる。午後3時前からホシハジロ群が次々に東京湾方面に飛び立ったが、本個体も午後2時53分に飛び立った)
○ホオジロガモ         1羽(♂若鳥と思われる個体。東西渚間水路)
○ミコアイサ          7羽(淡水池など。♂成鳥1羽の他は♀タイプ。♂1羽は、ほぼ終日淡水池南端部付近で見られた)
○ミサゴ            1羽(到着直後は東渚内の棒杭上で休止していたが、その後水路上や旧江戸川河口上空を舞い、午後1時半頃には魚を捕らえ棒杭上で採食しているのが見られた)
○トビ             1羽(午前11時過ぎに水路周辺を舞った)
○ノスリ            1羽(又は2羽。午前10時過ぎに汽水池上空でカラスのモビングを受けて、淡水池北側のマツに逃れたが、その後も執拗なモビングが続いたことから、飛び出して帆翔して北西方向に飛び去った。また、午後2時過ぎに旧江戸川舞浜側護岸付近でカラスに追われながら東京デイズニーランド方面に逃れる個体も見られた)
○チュウヒ           2羽(東渚。アシ原上を飛翔するのが比較的よく見られた。午前8時頃には2羽が同時に飛翔しているのが確認できた)
○オオタカ           2羽(成鳥と若鳥が各1羽。成鳥は、正午前に汽水池上空を飛翔して擬岩付近のマツに休止したり、午後3時頃に淡水池北側のマツに休止したりするのが見れた。若鳥は午前中を中心に汽水池周囲のマツに休止しているのが見られた)
○ハヤブサ           1羽(成鳥。午前中から、東渚舞浜側堤防付近で見られ、時折ハマシギ群を追い立てていた。午後1時半頃には狩りを行い、干潟上で獲物を捕らえ採食した)
○チョウゲンボウ        1羽(♂成鳥。午前7時半頃に渚橋付近からカラスに追われ、水路内の竹杭上に休止するのが見られた。その後、水路内を旧江戸川方面に飛び去った)
○ヒメアマツバメ         2羽(午前10時頃に汽水池南側のマツ林周辺を飛翔するのが見られた)
○クイナ             1羽(淡水池。午後3時過ぎに観察センター西側の淡水池を鳴きながら低く飛んで、アシ原に入るのが見れた)
○シロチドリ        約40羽(東渚)
○ハマシギ       約600羽(東渚など。西渚や汽水池にも一部が飛来した。午後2時頃のシロチドリ・ハマシギ群のカウント数は636羽であった)
○ミユビシギ           2羽(東渚。ハマシギ群中)
○タシギ             3羽(淡水池、汽水池)
○セイタカシギ         8羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近にいたが、一部は水路内や淡水池に飛来した)
○オオハシシギ         1羽(セイタカシギ群中)
○タヒバリ           2羽(旧江戸川護岸、淡水池付近)
○ジョウビタキ         5羽(♂1羽の他は♀タイプ。淡水池付近など)
○イソヒヨドリ          1羽(♂成鳥。旧江戸川京葉線鉄橋付近)
○アカハラ           3羽(公園中央部、汽水池周辺など)
○シロハラ           4羽(公園中央部、淡水池周辺など)
○ツグミ          約30羽(公園中央部など)
○オオジュリン       約25羽(淡水池付近など。かなり夏羽への換羽が進んでいる個体も見られた)
○カケス            4羽(淡水池周辺。淡水池東側と北側でジェーという鳴き声がよく聞けた。午前8時半には4羽が次々に飛翔移動するのが見られた。引き続き、越冬中のようである)

以上。


【2004年2月7日】

※葛西臨海公園(7:10〜14:40)
 到着時は満潮。午前中は風も弱く、日差しもあったが、正午過ぎから寒気の流入により曇りがちとなり、風もやや強く吹いた。午後1時近くまで鳥類園で探鳥し、その後西渚観察ポイント、公園西側と回った。到着直後から午前10時過ぎまで、淡水池付近で東京湾方面から飛来するホシハジロ群をモニターしたが、オオホシハジロの飛来は確認できなかった。いただいた情報によると、1日に確認された後、目撃記録はないとのことであった。なお、旧江戸川では浚渫作業やシジミ漁が行われていた。主なものは次のとおり。

○ミミカイツブリ        1羽(東西渚間水路。午後1時半頃に、単独で採餌している個体が見られた。約30mの距離で見ることができた)
○ミコアイサ          5羽(淡水池。♂成鳥1羽の他は♀タイプ)
○ミサゴ            1羽(午後1時過ぎに、旧江戸川河口付近の棒杭上で魚を捕食しているのが見られた)
○トビ             2羽(いずれも午前中に、淡水池上空や水路周辺を通過する個体が見られた)
○ノスリ            1羽(到着時には、淡水池北側の棒杭上で休止していたが、午前8時半頃に近くのアシ原に降りた。視界がかなり遮られたものの、何かを捕食しているように見えた。正午過ぎには、再び淡水池北側の木立周辺に戻り休息した)
○チュウヒ           3羽(又は4羽。淡水池、東渚など。若鳥と思われる1羽は午前8時半頃に淡水池に進入し、淡水池北側の木立やアシ原内で休止しては淡水池周辺を舞うことを繰り返したが、正午過ぎに東渚方面に飛び去った。また、午後2時頃には東渚アシ原や干潟で同時に2羽が見られた他、午後2時半頃には公園西側上空を荒川河口方面に移動する個体が見られた)
○オオタカ           1羽(成鳥。汽水池周辺に潜んでいたようで、正午前に汽水池中央部付近から飛び出し、旧江戸川京葉線鉄橋上空付近を通過して上流方面に移動するのが見られた)
○シロチドリ        約40羽(東渚)
○ハマシギ       約600羽(東渚。きちんとしたカウントはできなかった)
○タシギ             3羽(淡水池、汽水池)
○セイタカシギ        12羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近や水路干潟で見られた)
○ビンズイ           1羽(公園西側。マツ林の林床部で採餌していた)
○タヒバリ           2羽(淡水池付近)
○ジョウビタキ         3羽(♀タイプのみ。淡水池付近など)
○アカハラ           2羽(公園中央部、汽水池周辺など)
○シロハラ           3羽(公園中央部、淡水池周辺など)
○ツグミ          約25羽(公園中央部など)
○ツリスガラ          14羽(淡水池。午前8時半頃から鳴き声が聞けたことから探したところ、午前9時頃に淡水池内のアシ原内を移動しながら採餌している群が確認できた。その後、観察センター西側のアシ原付近に移動してきたが、午前10時頃に鳴きながらいっせいに飛び立ち、東渚方面に移動した)
○オオジュリン       約40羽(淡水池、汽水池付近。午前中はアシ原で採餌する個体が多く見られた)
○シメ             1羽(正午前に観察センター付近で見られた)
○カケス            4羽(淡水池周辺。淡水池東側と北側でジェーという鳴き声がよく聞けた他、移動したりするのがよく見られた。また、ノスリにモビングも行った。同時に見れた最大羽数は4羽であったが、いただいた情報によると5羽が越冬中とのことであった)

以上。   

【2004年2月8日】

※葛西臨海公園(7:20〜15:50)
 到着時は満潮で、正午頃には大きく干潟が広がった。快晴で、午前中は風も弱かったが、午後1時頃からは渚周辺ではかなり強い風が吹いた。主として鳥類園で探鳥し、正午過ぎから西渚観察ポイントに回って探鳥したが、風が強まってきたことから午後1時半に切り上げて鳥類園に戻った。なお、オオホシハジロは本日も飛来しなかった。主なものは次のとおり。

○ミミカイツブリ        1羽(旧江戸川。ハジロカイツブリ群に入ることがあったものの、単独で採餌していることが多かった)
○ミコアイサ          5羽(淡水池。♂成鳥1羽の他は♀タイプ)
○シロカモメ          1羽(成鳥と思われる個体。東渚周辺。旧江戸川河口付近の干潟に集結していたセグロカモメ群中にいたようで、午後1時頃に東渚沖合い周辺で旋回したり、水面にダイビングしたりしながら、若洲海浜公園方面に飛び去った)
○ミサゴ            1羽(午前中は沖杭や東渚内の棒杭上で休止していたが、午後1時頃になって旧江戸川河口上空を舞ったが、その後魚を捕らえたようで、午後1時半頃には棒杭上で採食しているのが見られた)
○トビ             3羽(東渚。正午頃から渚周辺を舞うのがよく見られた。干潟上の餌をめぐって、トビ同士のみならず、チュウヒやカラスとも争った)
○ノスリ            1羽(又は2羽。到着時から淡水池北側棒杭上で休息していたが、執拗なカラスのモビングも受けた。また、午前11時頃には公園北側上空をカラスに追われながら北方向に逃れる個体が見られた)
○チュウヒ           3羽(又は4羽。淡水池、東渚など。午前11時頃までは東渚アシ原上を飛翔するのが見られた。その後、午前11時半頃と午後3時過ぎには、淡水池に進入する個体が見られ、アシ原上で休止したり、餌と思われるものを食べたりしていた。東渚干潟上でも、別個体が餌をめぐってトビなどと争った)
○オオタカ           1羽(成鳥。午後2時半頃に淡水池東側の木立付近に飛来したが、その後北側の木立に移動するのが見られた)
○ハヤブサ           1羽(成鳥。午後1時頃に東渚舞浜側堤防付近で流木上に休止しているのが見られた)
○チョウゲンボウ        1羽(正午過ぎに、東渚干潟上で、トビ3羽、チュウヒ1羽が餌をめぐって争っていたが、カラスに追われたチョウゲンボウが一時的に入り乱れる形となった)
○ヒメアマツバメ         1羽(午前10時頃に観察センター付近で見られた)
○クイナ             1羽(淡水池。午後3時過ぎに、近づいた我々に驚いて飛び出し、アシ原際を低く飛んで飛び去るのが見られた)
○シロチドリ        約40羽(東渚。一部は西渚にも飛来した)
○ハマシギ       約500羽(東渚など。一部は西渚にも飛来した。午後1時頃のシロチドリ・ハマシギ群のカウント数は542羽であった)
○タシギ             3羽(淡水池、汽水池)
○セイタカシギ         11羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近にいたが、午後には、2羽が淡水池に飛来した)
○カワセミ             1羽(淡水池) 
○タヒバリ            2羽(淡水池付近)
○ジョウビタキ          3羽(♀タイプのみ。淡水池付近など)
○アカハラ           2羽(淡水池付近など)
○シロハラ           2羽(淡水池付近など)
○ツグミ          約20羽(淡水池周辺など)
○ツリスガラ          8羽(淡水池南側アシ原。午前8時半頃からアシ原内やガマの群落で採餌しているのが見られた。採餌中の姿が同時に視認できたのは4〜5羽であったが、移動時には最大8羽が確認できた。正午過ぎには、3羽が淡水池南端部から東渚に移動するのが見られた) 
○オオジュリン       約50羽(淡水池付近など。数羽から最大20羽くらいまでの群がアシ原内で採餌しているのが見られた。換羽が進行中の個体もいくつか見られた)
○カケス            1羽(淡水池周辺。ジェーという鳴き声は汽水池付近でも聞けた。引き続き、数羽が無事に越冬中のようである)

以上


【2004年2月11日】

※葛西臨海公園(7:30〜15:10)
 到着時は満潮。到着直後は小雪が舞う天候であったが、その後回復し、正午頃には快晴となった。午前10時過ぎから西渚観察ポイントに回り、午後1時近くまで探鳥したが、それ以外の時間帯は鳥類園で探鳥した。西渚でワシカモメ成鳥が見られたが、その他はこれまでと同様であった。正午過ぎからは潮位が大きく下がり、東渚沖合いにも大きく干潟や浅瀬が広がった。また、渚周辺のカンムリカイツブリの大群には夏羽の個体が目立つようになっていた。なお、オオホシハジロについては、本日も淡水池への飛来は見られなかったが、いただいた情報によると、2月8日に当地から北東に約5Km離れた行徳野鳥保護区で♂♀各1羽が確認されたとのことであった。主なものは次のとおり。

○ミミカイツブリ        1羽(旧江戸川。これまでと同様で、ハジロカイツブリ群とやや離れて単独で採餌していることが多かった)
○ミコアイサ          6羽(淡水池。♂成鳥1羽の他は♀タイプ)
○ワシカモメ          1羽(成鳥。西渚周辺。午前11時頃に西渚内棒杭上に休息しているのを見つけた。その後、正午過ぎに、大きな魚をカワウが呑み込めないでいるのを見て飛び立ち、西渚水面内で横取りして突付きはじめたが、セグロカモメに横取りされ、近くの水面で浮いたままセグロカモメに付きまとっていた。なお、大型カモメ類は、午前中は渚周辺に50羽くらいが見られたが、その後は旧江戸川河口付近に生じた干潟に集結したことから観察しづらかった)
○ミサゴ            1羽(東渚周辺。午前中は沖杭や渚内の棒杭上で休止していたが、正午頃には魚を捕らえ、干潟上で休止した後、舞浜側堤防南端付近の棒杭に移動して採食していた)
○トビ             1羽(東渚。午前中を中心に上空を舞った他、干潟に降りたり、棒杭に休止したりしていた)
○チュウヒ           3羽(又は4羽。淡水池、東渚など。到着直後に成鳥と思われる1羽が淡水池に進入し、その後採餌したり、アシ原内で休息しているのが見られたが、午前8時頃には別の2羽が東渚アシ原上や干潟上を飛翔するのが見られた他、干潟上で採餌する個体も見られた)
○ハヤブサ           1羽(成鳥。到着直後に淡水池上空を東渚方面に飛翔するのが見られたが、その後は東渚舞浜側堤防の流木上に休止した)
○ヒメアマツバメ        1羽(午後1時過ぎに観察センター付近で見られた)
○クイナ            3羽(又は4羽。淡水池。観察センター西側のアシ原で少なくとも3羽を視認し、午後2時頃には淡水池湿地で1羽を視認した。午前8時半頃には鳴き交わしと思われる声が聞けた)
○シロチドリ        約20羽(東渚。一部は西渚付近にも飛来した)
○ハマシギ       約300羽(東渚。一部は西渚にも飛来したが、猛禽類のためか落ち着かず、きちんとしたカウントはできなかった)
○タシギ             5羽(淡水池、汽水池)
○セイタカシギ         10羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近の他、水路内に生じた干潟にも飛来していた)
○ジョウビタキ          4羽(♀タイプのみ。淡水池付近など)
○イソヒヨドリ          1羽(旧江戸川京葉線鉄橋付近) 
○アカハラ            3羽(淡水池付近など)
○シロハラ           3羽(淡水池付近など)
○ツグミ          約20羽(淡水池周辺など)
○ツリスガラ         18羽(淡水池アシ原。到着直後から、観察センター西側のアシ原を中心に鳴き声が聞かれ、採餌している姿も視認できた。採餌中の姿が同時に視認できたのは最大8羽であったが、移動時には最大18羽が確認できた) 
○オオジュリン       約50羽(淡水池付近など。最大20羽くらいまでの群がアシ原内で採餌しているのが見られた。換羽が進行中の個体もいくつか見られた)
○カケス            3羽(又は5羽。淡水池周辺。午前7時半頃に淡水池西側の木立で2羽が見られたが、午後には淡水池東側で地上に降りて採餌したりしている3羽が見られた)

以上。   
 

【2004年2月14日】

※多摩川河口(9:50〜13:50)
 到着時は満潮。このところ、ケアシノスリが見られていることから、久しぶりに出かけた。正午前に遠方ながらケアシノスリを見ることができた。他には、ハジロカイツブリ、カンムリカイツブリ、カモ類、カモメ類など、ひととおりの種類が見られたが、鳥の数は多くはなく、シギ・チドリ類は見られなかった。主なものは次のとおり。

○ミサゴ           1羽(午前11時頃に上流から飛来し、河口の浅瀬付近で旋回を繰り返したが、ダイビングは行わず、上昇しながら東京湾方面に去った)
○トビ            2羽(午前10時半頃と正午過ぎに河口上空や羽田空港付近を舞っている個体が見られた)
○ケアシノスリ        1羽(遠方であったが、正午前くらいから、探鳥を終了するまで断続的に見られた。対岸の羽田空港用地上空を移動しながらホバリングを繰り返していた。観察できた範囲では、羽田空港西側の整地中の旧空港施設用地付近を行動範囲としているようであった。距離は最短でも約600m程度と推定されたが、順光下であったので、色合いなどはよく確認できた。いただいた情報によると、約1ケ月前が初認とのことであるが、我々が湾岸フィールドでケアシノスリを見たのは初めてであった)
○チュウヒ          1羽(又は2羽。ケアシノスリを観察中に、羽田空港用地付近を飛翔したり、旋回したりしている個体が確認できた。一時的にケアシノスリに絡む行動も見られた)
○チョウゲンボウ       1羽(又は2羽。♀と思われる1羽は、午前11時過ぎに、右岸のアシ原近くで採餌していたスズメ群を襲ったが、狩りに失敗し、河口水面上空で旋回を繰り返しながら上昇し、北方向に飛び去った。その後、正午過ぎからは、羽田空港用地内でケアシノスリに絡んだり、羽田側河岸付近を飛翔したりしている個体が見られた) 
○タヒバリ          4羽(河岸アシ原付近の草地や干潟など)
○ツグミ           8羽(河岸のアシ原付近や干潟など)
○オオジュリン      約50羽(河岸のアシ原付近。個体数は多く、風の弱かった午前中は採餌する姿がよく見られた。また、ホオジロもよく混じっていた)

以上。 


【2004年2月15日】

※葛西臨海公園(7:20〜14:10)
 到着時は満潮近くで、既に干潟は狭まっていた。昨日午後の南からの強風もおさまり、風も弱く快晴であったが、午後2時頃からはやや北西の季節風が強まった。午後1時頃から西渚観察ポイント、公園西側と回ったが、それまでは鳥類園で探鳥した。基本的には、これまでと同様で、特に変わったものは見られなかった。なお、いただいた情報によると、オオホシハジロ(♂)は昨日当地淡水池に飛来したとのことであったが、本日は飛来しなかった。また、昨日、クロツラヘラサギ(1羽)が汽水池付近から東渚方面に移動するのが目撃されたとのことであったが、本日確認することはできなかった。主なものは次のとおり。

○ミコアイサ          6羽(又は8羽。♂成鳥1羽の他は♀タイプ。午前中は、♂をふくむ群は旧江戸川で見られたが、正午頃に淡水池に移動してきた)
○ミサゴ            1羽(午前10時頃に舞浜沖方面から東渚に進入し、渚上空で旋回した後ダイビングした。視界が遮られたことから、狩りの成否は直接は確認できなかったが、正午過ぎには沖杭上で魚を採食しているのが見れた)
○トビ             3羽(又は5羽。東渚、鳥類園など。午前中を中心に鳥類園や公園中央部の上空を舞った他、干潟に降りたり、棒杭に休止したりしていた。鳥類園上空で、3羽が同時に帆翔したり、チュウヒとともに帆翔して高く舞い上がるのも見られた)
○チュウヒ           3羽(又は4羽。淡水池、東渚など。午前中を中心に淡水池上空に進入する個体が見られたが、東渚アシ原上や干潟上を飛翔する個体も2羽以上見られた。また、午後1時過ぎには、干潟上の魚と思われる獲物をカラス、アオサギ、セグロカモメと争う個体も見られた)
○クイナ            1羽(淡水池。正午過ぎに、観察センター西側のアシ原で鳴き声を確認したが、視認することはできなかった)
○シロチドリ          9羽(西渚。到着直後に砂浜上で休息しているのが確認できたが、その後は見られなかった)
○ハマシギ       約400羽(東渚など。到着直後に西渚の護岸部に3羽がいるのが見られた。その後は一時的に見られなくなったが、午後1時を過ぎて干潟が広がり始めたところで、荒川河口方面から群が飛来した。きちんとしたカウントはできなかった)
○タシギ             2羽(淡水池、汽水池)
○セイタカシギ         24羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近。これまでの観察からすると、セイタカシギが汽水池を中心に集結し始める時期であるが、オオタカが留まっていることから、汽水池に一時的に移動することはあっても定着はしないようである)
○オオハシシギ         2羽(セイタカシギ群中)
○カワセミ            2羽(淡水池、汽水池)
○ジョウビタキ          4羽(♀タイプのみ。淡水池付近など)
○イソヒヨドリ          1羽(♂成鳥。旧江戸川京葉線鉄橋付近)
○トラツグミ           2羽(汽水池周辺。常緑樹の木立周辺で1羽がもう1羽を追飛するのが見られた他、薄暗い木立内を歩きながら移動しているのも確認できた) 
○アカハラ            1羽(淡水池付近)
○シロハラ            5羽(公園中央部、淡水池付近など)
○ツグミ          約36羽(淡水池周辺、公園中央部など)
○ツリスガラ         14羽(淡水池アシ原。到着直後から、正午過ぎまで観察センター西側のアシ原を中心に鳴き声が聞かれ、採餌している姿も視認できた。採餌中の姿が同時に視認できたのは最大4羽であったが、午後1時前にアシ原からいっせいに舞い上がり東渚方面に移動した際には14羽がカウントできた) 
○オオジュリン       約40羽(淡水池付近など。午前中を中心に、多くの個体がアシ原内で採餌しているのが見られた)
○カケス            2羽(淡水池周辺。鳴き声は淡水池北側を中心に聞けた他、移動する個体を2羽視認することもできた)

以上。   
【2004年2月21日】

※船橋三番瀬海浜公園(7:30〜9:50)
 到着時は満潮を過ぎて干潟が広がり始めているところであった。午前8時を過ぎてシギ・チドリ類が本格的に飛来し始めたが、基本的にはこれまでと同様であった。午前9時半を過ぎて、船橋港側遠方にも干潟が広がり始め水鳥達も散らばったことから切り上げた。なお、本日も干潟が広がってもミヤコドリの飛来はなかった。いただいた情報によると、このところ茜浜・幕張地域に留まっていることが多いとのことであった。また、セグロカモメ類は、堤防上で休息していた群が、午前8時半過ぎに干潟に約500羽舞い降りてくれたが、変わったものは見られなかった。主なものは次のとおり。

○ホオジロガモ        34羽(♂12羽、♀タイプ22羽。堤防内水面など)
○ウミアイサ          14羽(♂4羽、♀タイプ10羽。沖合い水面など。市川側沖合いでは、交尾しているペアが見られた)
○ハジロコチドリ        2羽(成鳥冬羽。干潟東側に飛来した)
○シロチドリ         72羽(午前9時頃のカウント数)
○ダイゼン         158羽(午前8時半頃のカウント数)
○トウネン           5羽(午前8時頃から干潟東側に飛来した)
○ヨーロッパトウネン      1羽(トウネン群中)
○ハマシギ      約2400羽(午前8時半頃のカウント数。きちんとカウントできなかったことから、一部推計した)
○ミユビシギ         62羽(午前8時半頃のカウント数)
○タヒバリ            2羽(後背地などで見られた)
○ジョウビタキ          3羽(♂成鳥1羽の他は♀タイプ。後背地など)
○アカハラ            1羽(後背地公園内)
○ツグミ             3羽(後背地アシ原周辺など)
○オオジュリン          4羽(後背地アシ原。ホオジロも混じっていた)


※谷津干潟(10:40〜15:40)
 到着時は、既に干潟が広がり、午後1時過ぎの干潮に向かって大きく広がり始めているところであった。ズグロカモメが目立ったものの、シギ・チドリ類は三番瀬方面からの大きな群の飛来はなかった。また、カモ類については、アメリカヒドリのハイブリッドと思われるものが2個体見られたが、典型的な個体は確認できなかった。主なものは次のとおり。

○ズグロカモメ         4羽(成鳥3羽、若鳥1羽。成鳥は、冬羽個体のものが1羽見られたが、他の2羽は換羽中であった。換羽中の個体のうち、1羽は前頭部を除いてかなり黒くなっていたが、もう1羽は頭部がゴマシオ状であった。干潟中央部から東側を中心に飛び回り、互いに鳴き交わしたり、餌を採取した成鳥を若鳥が追いかけたりするのが見られた。今年に入って、最大6羽が確認されているということで、近年にない多くの飛来数である)
○ハヤブサ           1羽(若鳥と思われる個体。午後2時頃に干潟東側上空に出現し、北側に回り込んだが船橋競馬場方面に去った)
○クイナ            1羽(午後3時半頃に、南船橋側のアシ原西端部で見られた。水浴していたが、まもなくアシ原に入った)
○シロチドリ         38羽(正午前のカウント数。午後には観察センター東側の干潟でトウネン群とともに採餌していた)
○トウネン           5羽(正午前は、シロチドリとともに通称ドラム缶付近の干潟に群れていたが、その後観察センター東側の観察ポイント前に飛来した)
○ヨーロッパトウネン      1羽(シロチドリ・トウネン混群中)
○ハマシギ           1羽(シロチドリ群に混じっていた)
○アオアシシギ         1羽(到着直後に南船橋側で見られた。越冬中の個体と思われる)
○タシギ            1羽(淡水池)
○セイタカシギ         7羽(主として、南船橋側干潟で見られた)
○ジョウビタキ         2羽(♀タイプのみ。周回路、後背地)
○アカハラ           1羽(淡水池周辺)
○シロハラ           2羽(淡水池周辺、周回路)
○ツグミ            4羽(淡水池、周回路付近)
○オオジュリン       約10羽(アシ原周辺。もっといたものと思われる) 
 
以上。
     

【2004年2月22日】

※幕張海浜公園・人工海浜幕張の浜(7:30〜10:30)
 昨日いただいた情報もあり、久しぶりに出かけた。到着時は満潮。このため、多くの水鳥達は堤防上などで休息していた。ミヤコドリ、ダイシャクシギが見られた他、遠方であったが海ガモ類も確認できた。また、カモメ類も多く、600羽を超えるセグロカモメ群が見られたが、冬季東京湾岸では比較的珍しいウミネコ(成鳥2羽)が見られたくらいで、特に変わったものは見られなかった。午前10時頃から南風が強まったが、それまでの間にホオジロやヒバリのさえずりが聞けた。主なものは次のとおり。

○ヨシガモ            1羽(♂1羽。午前9時頃に浜田川河口に飛来したヒドリガモ群中に混じっていた。約30分後に、船が接近したことから飛び去った)
○ホオジロガモ         7羽(♂3羽、♀タイプ4羽。浜田川河口と茜浜地域の中間部の立入禁止区域の海上で見られた。約400mの距離があった)
○クロガモ            3羽(♂1羽、♀タイプ2羽。スズガモやホオジロガモとともに行動しているようであった)
○ビロードキンクロ       10羽(若鳥の群と思われた。遠方で、約400mの距離があった。スズガモ群と離れて、群で潜水を繰り返していた。これまで観察に訪れていた茜浜では、96年3月24日に若鳥21羽の群を観察したことがあるが、多くの場合は見られても数羽であった)
○ミヤコドリ           73羽(浜田川河口西側堤防で休息していたが、午前10時頃から浜田川河口と茜浜地域の中間部の砂浜に次々と移動した。当地では12月14日にも27羽を見ているが、採餌場所が三番瀬周辺から茜浜・幕張地域に変わり、当地で休息する個体数も多くなってきているものと思われる)
○ダイシャクシギ         7羽(浜田川河口西側堤防上で休息していた。越冬個体群)
○タヒバリ             1羽(浜田川河口堤防付近)
○ツグミ              3羽(浜田川河口堤防付近など)     
 

※葛西臨海公園(11:10〜14:10)
 到着時は干潮近くで、既に干潟は大きく広がっていた。しかしながら、日差しはあったものの、南からの強風が吹き荒れる天候となった。このため、西渚観察ポイントには回らず、鳥類園でのみ探鳥した。基本的には、これまでと同様で、特に変わったものは見られなかった。なお、いただいた情報によると、オオホシハジロ(♂)は、20日、21日と連続して当地淡水池に飛来したとのことであったが、本日は飛来しなかった。主なものは次のとおり。

○ミコアイサ          5羽(♂1羽の他は♀タイプ。♀1羽を旧江戸川で見たが、他は淡水池で見られた)
○チュウヒ           1羽(到着時に汽水池上空を舞って、旧江戸川方面に移動する個体が見られたが、その後は強風もあり確認できなかった)
○タシギ            2羽(汽水池)
○セイタカシギ         3羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近)
○カワセミ            1羽(淡水池)
○ジョウビタキ          2羽(♀タイプのみ。淡水池付近など)
○シロハラ            1羽(淡水池付近)
○ツグミ          約10羽(淡水池周辺など)
○ツリスガラ         12羽(汽水池アシ原。観察センター東側のアシ原から鳴き声が聞かれたが、その後採餌している姿も確認できた。採餌中の姿が視認できたのは最大12羽であったが、移動時に舞い上がった際には20羽近くの羽数と思われた。強風のため、淡水池周辺から竹林の風下のアシ原に移動したものと思われた) 
○オオジュリン       約10羽(淡水池、汽水池付近など)
○カケス            2羽(淡水池周辺)

以上。   

【2004年2月28日】

※葛西臨海公園(6:30〜16:20)Torioのみ
 本日は小潮で、到着時は満潮に向けて干潟が狭まりつつあった。午前中は、風も弱く好天であったが、午後は雲が多くなり、南風もやや強まった。いつものように、鳥類園を中心に探鳥したが、午前と午後の2回ほど西渚観察ポイントからの探鳥も行った。淡水池でオオホシハジロが見られたが、一時的であった。渚周辺には多くの水鳥が集結していたが、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリの大群中には夏羽個体も目立った。また、ユリカモメも約2000羽が集結中であった。セグロカモメ類は約40羽で、変わったものは確認できなかった。なお、ウグイスの初鳴きが聞けた。主なものは次のとおり。

○オオホシハジロ       1羽(♂成鳥。淡水池。飛来時刻を正確に確認することはできなかったが、午前7時過ぎにはホシハジロ群とともに東京湾方面から淡水池に飛来したようで、午前8時過ぎまで淡水池中央部から観察センター前水面で見られた。その後、水面内を移動して午前8時半頃には淡水池南端部に移動したのを確認したが、その後確認されなかったとのことであった。いただいた情報によると、26日にも飛来したものの、午前9時頃に飛び去ったとのことで、昨年に比べると出現はかなり不規則である) 
○ホオジロガモ        1羽(若鳥。東西渚間水路内)
○ミコアイサ          3羽(♀タイプのみ。水路内で見られた)
○ミサゴ            1羽(又は2羽。午前10時前に旧江戸川河口の棒杭上で採食している個体が見られた。また、午後2時過ぎには、1羽が東渚上空に進入し、旋回を繰り返しながらダイビングを2回ほど行ったが、獲物を捕らえることはできず、西渚上空を経て荒川河口方面に飛び去った)
○チュウヒ           3羽(淡水池、東渚など。淡水池に進入し、休息する個体が見られた他、午前7時頃には東渚アシ原上を2羽が同時に舞うのが見られた)
○ハヤブサ           1羽(成鳥。東渚周辺。午前7時過ぎに、チュウヒ1羽が舞浜側堤防に接近したことから、追い出しのために飛び出し、旧江戸川河口内の竹杭上に休止した。その後は、舞浜側堤防の流木上などにいたが、午後3時前には獲物を採食しているのが見られた)
○クイナ            1羽(淡水池。正午過ぎに、観察センター西側のアシ原でよく鳴いていたが、視認することはできなかった)
○シロチドリ          8羽(西渚など。きちんとカウントできなかった)
○ハマシギ       約540羽(東西渚。午前7時頃のカウント数。西渚の護岸部で休息している個体も見られた他、午後には西渚干潟にも200〜300羽の群れが飛来した)
○タシギ             2羽(淡水池)
○セイタカシギ         12羽(午後3時過ぎに、水路内干潟で採餌しているのが見られた)
○カワセミ            1羽(汽水池)
○タヒバリ            4羽(西渚、淡水池周辺)
○ジョウビタキ          3羽(♀タイプのみ。淡水池付近など)
○アカハラ            2羽(公園中央部など)
○シロハラ            6羽(公園中央部、淡水池付近など)
○ツグミ          約30羽(淡水池周辺、公園中央部など)
○ツリスガラ         16羽(淡水池アシ原など。到着直後から、観察センター西側のアシ原で鳴き声が聞かれ、採餌している姿も視認できた。その後は、いっせいに舞い上がっては、汽水池アシ原などにも移動していた) 
○オオジュリン       約50羽(淡水池付近など)
○カケス            1羽(淡水池周辺)

以上。


【2004年2月29日】

※葛西臨海公園(6:40〜14:50)
 本日は長潮で、潮位の変化は少なく、いくらかの干潟はいつも出現していた。到着直後から時折小雨が降ったが、午前9時過ぎからは、かなり強い南風が吹き始めた。このため、鳥類園を中心に公園西側まで探鳥し、西渚観察ポイントからの探鳥は行わなかった。基本的には昨日と同様であったが、河口付近や沖合いで群飛しているユリカモメの大群が目立った。なお、午前8時過ぎまで、東京湾方面から淡水池に次々に飛来するホシハジロ群をモニターしたが、オオホシハジロの飛来は確認できなかった。主なものは次のとおり。

○ミミカイツブリ        1羽(冬羽個体。午前9時半頃に確認することができた。旧江戸川に進入してきたハジロカイツブリ群中に見られた。旧江戸川水面内だけでもハジロカイツブリの数は500羽を超えており、また群がよく潜水したことや強風で波立ってきたことから視認までに時間がかかった)
○ホオジロガモ        1羽(若鳥と思われる個体。旧江戸川河口付近)
○ミコアイサ          2羽(♂1羽、♀1羽。淡水池。午前中は確認できなかったが、午後1時過ぎにはペアで飛来し休息していた)
○ミサゴ            1羽(午前7時半頃に東渚上空に進入し、旋回を繰り返しながらダイビングも行った)
○チュウヒ           2羽(淡水池、東渚。1羽は到着時から淡水池内に舞い降りており、時折飛び立っては淡水池上空を旋回したり、棒杭上に休止したりしていた)
○ハマシギ        656羽(東渚。午前7時過ぎのカウント数。遠方であったせいもあるが、シロチドリは確認できなかった)
○タシギ           10羽(汽水池6羽、淡水池4羽)
○セイタカシギ         6羽(旧江戸川舞浜側アシ原育成地付近)
○タヒバリ           2羽(旧江戸川護岸付近、淡水池周辺)
○ジョウビタキ         6羽(♂1羽の他は♀タイプ。公園西側、淡水池付近など)
○トラツグミ           1羽(汽水池周辺)
○アカハラ            3羽(淡水池周辺など)
○シロハラ            6羽(公園中央部、淡水池付近)
○ツグミ          約50羽(淡水池周辺など)
○ツリスガラ           8羽(淡水池アシ原。午前8時頃に観察センター西側のアシ原で鳴き声が聞かれたが、その際は視認できなかった。その後、風が強くなったせいか、午前11時頃に淡水池北東側のアシ原で採餌しているのを確認できた。いただいた情報によると、観察センター西側アシ原などでも見られたとのことであった) 
○オオジュリン       約30羽(淡水池付近など)
○カケス            2羽(淡水池周辺)

以上。