2003年11月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑


 
【2003年11月1日】

※葛西臨海公園(7:30〜15:00)
 到着時は干潮で、干潟はかなり大きく広がっていた。しかしながら、午前10時頃までは断続的に小雨が降った。公園中央部と鳥類園を中心に探鳥したが、午前9時頃からと、午後1時過ぎからの2回、西渚観察ポイントから渚周辺の探鳥を行った。特に変わったものは見られなかったが、汽水池のオオハシシギが2羽となっていた。沖合いのスズガモ群は3万羽を超えているとのことであり、多くのユリカモメ、ウミネコの中にセグロカモメ類も約70羽確認できた。また、小鳥類もいくらか見ることができた。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ    40羽(東渚周辺。冬羽個体が多かった)
○ミサゴ           1羽(午前中に沖杭で食事をしているのが見られた)
○チュウヒ          1羽(正午頃に東渚アシ原上空を舞った)
○クロツラヘラサギ      2羽(いずれも若鳥。午前10時頃に汽水池の棒杭で揃って休息しているのが見られたが、その後も正午過ぎまでは休息したままであった。このところ、汽水池の棒杭で休息することが、すっかり定着したようである。2羽となってから、まもなく4ケ月が経過することになる)
○クイナ           1羽(汽水池。午前10時半頃にアシ原沿いに出てきたのが見れた)
○シロチドリ      約100羽(東渚。きちんとカウントできなかった)
○ダイゼン          1羽(西渚護岸)
○ハマシギ      約600羽(東渚。午前10時頃のハマシギ・シロチドリ群のカウント数は715羽であった。なお、一時的に西渚にも飛来していた)
○ミユビシギ         3羽(東渚。ハマシギ群中)
○アオアシシギ        9羽(汽水池など)
○キアシシギ         1羽(東西渚護岸。幼羽から冬羽に換羽中と思われる個体であった)
○オオハシシギ        2羽(成鳥冬羽。汽水池。これまでも見られていた個体よりも、やや大きい個体が加わっていた)
○オオソリハシシギ      3羽(西渚)
○タシギ            4羽(汽水池3羽、淡水池1羽)
○セイタカシギ        12羽(汽水池)
○カワセミ           3羽(又は4羽。汽水池、淡水池、水路)
○タヒバリ           1羽(公園中央部)
○ジョウビタキ         5羽(♀タイプのみ。鳥類園、公園中央部)
○シロハラ           1羽(午前9時頃に淡水池付近で見れた。他にも、ツリーという鳴き声とともに移動する3〜4羽の群がいたが、判別できなかった) 
○クロジ            1羽(♀1羽。公園中央部)
○オオジュリン         2羽(汽水池アシ原周辺)     
○カケス            5羽(午前9時前には、淡水池北側でカケス3羽とモズが争うのが見られた。また、汽水池周辺でも飛翔するのが見られた)

以上
【2003年11月2日】

※谷津干潟(8:30〜11:00)
 到着時は干潮で、干潟は大きく広がっていた。シギ・チドリ類は主として、干潟中央部にやや散らばって群れていた。午後の満潮に向かって、集結するのを期待して探鳥したが、午前10時半頃に次々に干潟外に飛び出してしまった。ひととおりの種類は見られ、クイナやタゲリも見られたが、オバシギ、コオバシギは確認できなかった。なお、干潟の大部分は、再びアオサで覆われていた。主なものは次のとおり。

○チュウサギ       1羽(冬羽。サギ群中)
○クイナ          1羽(午前8時半頃に、南船橋側のアシ原から出てきてアシ原際で採餌しているのが見られた)
○ハジロコチドリ      1羽(午前9時過ぎに確認できた)
○シロチドリ       52羽(午前10時頃のカウント数)
○メダイチドリ       4羽(干潟東側)
○タゲリ          1羽(午前9時前に干潟東側で上空に舞い上がった個体が干潟上を西に飛んで、船橋競馬場上空に飛び去るのが見られた)
○ダイゼン        72羽(午前9時半頃のカウント数)
○トウネン         2羽(干潟東側)
○ハマシギ       887羽(午前9時半頃のカウント数)
○ミユビシギ        1羽(ハマシギ群中)
○アオアシシギ       1羽(南船橋側干潟で見られた)
○オグロシギ        1羽(干潟東側。幼羽から冬羽に換羽中であった)
○ダイシャクシギ      4羽(干潟中央部で採餌していることが多かった)
○セイタカシギ      10羽
○タヒバリ          1羽
○ジョウビタキ        2羽(♀タイプのみ)
○アカハラ          1羽(観察センター付近。今季初認)
○オオジュリン        2羽(鳴き声は比較的よく聞けたが、姿をきちんと視認することはできなかった。もっと、いたものと思われる)


※葛西臨海公園(11:40〜16:00)
 到着時は満潮近くで、干潟は一部を残して冠水していた。まず、西渚観察ポイントから渚周辺の探鳥を行い、その後、鳥類園、公園西側と回った。基本的には昨日と同様であったが、猛禽類のためか、渚周辺にはシギ・チドリ類はほとんど見られなかった。なお、ハジロカイツブリを今季初めて確認できた。また、西渚観察ポイントの堤防付近でホオジロ類と思われる小鳥が見られたが、篭脱け鳥の可能性もあり、現在までのところ、同定できていない。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ    12羽(東渚周辺)
○ハジロカイツブリ      2羽(東渚周辺。今季初認)
○ミサゴ           1羽(東渚内の棒杭に休止しているのが見られた)
○ハヤブサ         1羽(正午頃に東渚中央丘の西端部の岩上に休止しているのが見られた。西渚観察ポイントからは約300mで比較的観察しやすかった。羽繕いなどを行いながら狩りの機会をうかがっているようであったが、午後1時過ぎに狩りに失敗し、北方向に飛び去った。大きさからみて♀成鳥と思われた)
○クロツラヘラサギ      2羽(いずれも若鳥。午後3時頃に汽水池の棒杭で揃って休息しているのが見られた。いただいた情報によると、本日も一時的に汽水池内で移動したものの、ほとんど休息したままであったとのことであった)
○ハマシギ          1羽(西渚。午後1時頃に1羽のみ飛来した)
○アオアシシギ        8羽(汽水池)
○オオハシシギ        2羽(汽水池)
○タシギ            4羽(汽水池)
○ホウロクシギ         1羽(東渚)
○セイタカシギ        12羽(汽水池)
○カワセミ           1羽(淡水池)
○ジョウビタキ         3羽(♀タイプのみ。鳥類園、公園中央部)
○クロジ            4羽(♂3羽、♀1羽。公園西側)
○カケス            1羽(汽水池周辺で飛翔するのが見られたが、鳴き声は数ケ所で聞けたので、数羽が留まっているようである)

以上。


【2003年11月3日】

※葛西臨海公園(8:10〜13:30)
 到着時は干潮。初めに公園西側、西渚観察ポイントで探鳥し、午前10時過ぎから鳥類園で探鳥した。時折、小雨が降り、濃いもやのために視界が悪く、遠方のものは判別困難であった。昨日、西渚観察ポイント付近の堤防で見られたホオジロ類と思われる小鳥は、撮影した映像からサバンナシトドと判断した(補遺参照)が、本日も朝方から見られた。他は、基本的にこれまでと同様で、クロツラヘラサギも引き続き汽水池で休息していた。なお、ツグミ類もかなりの個体が入っているようであったが、きちんと視認できなかった。主なものは次のとおり。

○オシドリ          1羽(♂エクリプス個体。西渚内スズガモ群中に混じっていた。荒川河口に近いところであるが、海水面でオシドリを確認したのは初めて)
○ミサゴ           1羽(沖杭に休止していることが多かった)
○クロツラヘラサギ      2羽(いずれも若鳥。汽水池西側の棒杭で揃って休息しているのが見られた。時折、目覚めて羽繕いなどをしたが、ほとんど休んでいた)
○シロチドリ         2羽(西渚。東渚にはもっといたと思われるが、判別できなかった)
○ハマシギ         72羽(西渚。午前9時頃に西渚に飛来していた羽数。東渚には、ハマシギ・シロチドリ群が、午前9時半頃に527羽カウントできたが、視界などが悪く、遠方のものは計数できなかったので、もっといたものと思われた)
○アオアシシギ        6羽(汽水池)
○オオハシシギ        2羽(汽水池)
○オオソリハシシギ      1羽(西渚。幼鳥)
○ホウロクシギ        1羽(東渚)
○タシギ            5羽(汽水池)
○セイタカシギ        12羽(汽水池)
○カワセミ           3羽(汽水池、淡水池)
○タヒバリ           1羽(西渚)
○ジョウビタキ         6羽(1♂の他は♀タイプであった。鳥類園など)
○クロジ            3羽(♂2羽、♀1羽。公園西側)
○サバンナシトド       1羽(西渚観察ポイントの堤防付近)
○カケス            2羽(汽水池付近を飛翔するのが見られたが、鳴き声は数ケ所で聞けた)





<補遺>
 昨日、西渚観察ポイントの堤防付近で見られたホオジロ類と思われる小鳥はサバンナシトドと判断した(写真3枚撮影11/02:サバンナシトド)。色調や特徴から見て同定には問題はないと思われ、これまで我が国で記録されている個体とも似ていると思われる。なお、篭脱けなどの可能性については判断できなかった。なお、発見当日(11月2日)の状況は次のとおり。 


 正午過ぎに、1羽の小鳥が堤防上の岩の上に休止しているのに気付いた。すぐに、岩と岩の隙間にもぐりこんでしまったが、その後も岩上に姿を見せた。数分後、堤防付近にいた釣り人などに驚いて、水路を越えて東渚の堤防に移動したが、約20分後に、再び西渚堤防に戻ってきた。
 西渚堤防に戻ってからも、時折、堤防上の岩の上に顔を出しては、すぐに岩と岩の隙間に入り込むことを繰り返した。地上に落ちている種子を採餌しているものと思われたが、イネ科植物の種子を直接しごいて食べているのも観察できた。午後1時頃からは、好天だったこともあり、西渚周辺は相当な人出となり、堤防上も多くの人が通行した。このことから、落ち着かなくなり、頻繁に移動するようになり、いつのまにか、どこにもぐり込んだのかわからなくなり、午後1時過ぎに見失ってしまった。

 以上




















【2003年11月8日】

※葛西臨海公園(7:40〜11:00)
 到着時は干潟が広がり始めているところであった。都合により、探鳥時間が限られていたことから、鳥類園でのみ探鳥した。また、渚周辺は濃いもやのために視界が悪かった。チュウヒが2羽確認できたが、基本的にこれまでと同様で、クロツラヘラサギも引き続き汽水池で休息していた。なお、探鳥終了の頃にいただいた情報によると、西渚堤防付近で見られていたサバンナシトドは、昨日夕方までは見られたものの、本日はまだ確認されていないとのことであった。主なものは次のとおり。

○ミサゴ           1羽(東渚干潟内棒杭に休止していた)
○チュウヒ          2羽(午前10時頃には2羽が揃って、東渚アシ原上を飛翔しているのが見られた。なお、これより前の午前9時過ぎには、1羽が東渚上空でカラスと絡んだ後、淡水池に飛来した。中央部のアシ原に舞い降り、午前9時半頃にはカモ類を襲ったが失敗した)
○クロツラヘラサギ      2羽(いずれも若鳥。汽水池西側の棒杭で揃って休息しているのが見られた。ほとんど休んでいた)
○ダイゼン          2羽(東渚) 
○ハマシギ        415羽(東渚。午前8時頃のハマシギ・シロチドリ群のカウント数。シロチドリとの判別はできなかった。もやで視界が悪く、また視界が遮られた干潟にも散らばっていたので、もっといたものと思われた)
○アオアシシギ        7羽(汽水池)
○オオハシシギ        1羽(汽水池。コガモ群中で休息していた)
○タシギ          約10羽(汽水池。午前10時過ぎに、揃ってアシ原上を飛翔して移動するのが見られた)
○セイタカシギ        8羽(汽水池)
○カワセミ           3羽(汽水池、淡水池)
○タヒバリ           1羽(汽水池)
○ジョウビタキ         6羽(全て♀タイプであった。鳥類園)
○ツグミ            1羽(淡水池付近。ツグミ類と思われる地鳴きや警戒音は数ケ所で聞けたので相当数が入っているものと思われたが、視認できたのは1羽であった。今季初認)
○オオジュリン         2羽(淡水池。なお、オオジュリン以外のホオジロ類としてホオジロ、アオジも見られた)
○カケス            3羽(又は4羽。淡水池周辺を飛翔したり、集まって騒いだりするのが見られた。鳴き声は数ケ所で聞けた)

以上。


【2003年11月9日】

※船橋三番瀬海浜公園(7:10〜10:10)
 到着時は満潮を過ぎていたが、干潟が広がり始めたのは午前8時頃からであった。しかしながら、岸辺には大量のアオサが打ち寄せられて堆積しており、シギ・チドリ類の中には、堆積アオサから生じた浮遊物上で休息しているものも多く見られた。特に変わったものは見られなかったが、水鳥の種類・数ともに多くなってきており、淡水性のシギ類も見られた。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ     2羽(冬羽)
○ハジロカイツブリ     20羽(冬羽。堤防内水面に多かった)
○ホオジロガモ        1羽(成鳥♀、堤防内水面のスズガモ群中)
○シノリガモ         1羽(成鳥♀、堤防内水面で見られた。8月2日に確認した個体と同一と思われ、越夏した個体と思われる)
○ミサゴ            2羽(1羽は潮干狩り場内の棒杭に休止していたが、午前8時半頃には2羽が揃って帆翔するのが見られた)
○ミヤコドリ         67羽(比較的早く、干潟が広がる前の午前7時半頃から次々に飛来した。午前7時半頃のカウント数。飛来前は、堤防上で休息していた)
○ハジロコチドリ       2羽(冬羽。午前7時半頃に確認できた)
○シロチドリ        68羽(午前9時頃のカウント数)
○メダイチドリ        4羽(冬羽個体)
○ムナグロ          1羽(幼鳥。船橋側干潟で見られた)
○ダイゼン        106羽(午前8時頃のカウント数。棒杭上で休息しているものが多かった。なお、幼鳥と思われる個体も見られた)
○トウネン          4羽(冬羽)
○ヨーロッパトウネン     2羽(いずれも冬羽と思われる個体)
○ウズラシギ         1羽(幼鳥。アオサの堆積物付近に好んで飛来していた)
○ハマシギ      約2000羽(午前8時半頃の推計数。きちんとカウントできなかった。最も市川側の干潟で754羽が群れていた)
○ミユビシギ        103羽(午前7時半頃のカウント数)
○タカブシギ          1羽(到着直後に、ウズラシギ、トウネンなどとともにアオサの打ち寄せる岸辺で採餌しているのが見られた。しかし、午前7時半過ぎに大きく鳴いて飛び立ち、谷津干潟方面に去った)
○キアシシギ          1羽(幼鳥から冬羽に換羽中と思われる個体)
○オオソリハシシギ       1羽(幼鳥)
○ダイシャクシギ        1羽(市川側干潟)
○タヒバリ           12羽(アオサの堆積したところや後背地に多かった)
○オオジュリン          2羽(後背地アシ原。きちんと視認することはできなかったが、鳴き声は比較的よく聞こえた)

   

※葛西臨海公園(11:20〜13:50)
 到着時は干潮。最初に西渚観察ポイントから渚周辺の探鳥を行ったが、北東風が強く寒かった。このため、正午頃には渚での探鳥を切り上げ、鳥類園で探鳥した。基本的には昨日と同様であった。西渚堤防付近で見られていたサバンナシトドは、本日も見られず、7日夕方が終認となったようである。なお、淡水池のホシハジロの数は300羽を超え、急に多くなってきていた。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ     24羽(冬羽。東渚周辺)
○ハジロカイツブリ       2羽(冬羽。東渚周辺) 
○ヨシガモ           3羽(淡水池。エクリプス個体)
○ミサゴ            1羽(沖杭で休息していたが、午後1時前に東渚内に進入してくるのが見られた)
○チュウヒ           1羽(正午過ぎに東渚アシ原上を飛翔しているのが見られた)
○クロツラヘラサギ      2羽(いずれも若鳥。午後1時前に汽水池を飛び立ち、東渚方面に飛び去るのが見られた。いただいた情報によると、本日は正午頃に汽水池で揃って採餌したとのことであった)
○ハマシギ        643羽(東渚。正午頃のハマシギ・シロチドリ群のカウント数。シロチドリとの判別は、きちんとできなかった)
○アオアシシギ        8羽(汽水池)
○オオハシシギ        1羽(汽水池。成鳥冬羽)
○ホウロクシギ        1羽(東渚) 
○タシギ           2羽(汽水池)
○セイタカシギ       11羽(汽水池)
○カワセミ           1羽(淡水池)
○ジョウビタキ         2羽(1♂1♀。公園西側、鳥類園)
○カケス            2羽(汽水池周辺)

以上。
【2003年11月15日】

※葛西臨海公園(6:30〜14:10)
 本日は小潮で、到着時は潮位が上がり始めているところであった。主として、鳥類園で探鳥したが、午前9時過ぎからは西渚観察ポイント付近での探鳥も行った。いただいた情報により、ヒメウを見ることができた他、3羽となったオオハシシギを確認することもできた。渚周辺は、数万羽のスズガモに加えて、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリともに500羽を超えていた。クロツラヘラサギが1羽しか確認できなかったが、全般的には種類数、個体数ともに多くなっており、淡水池のホシハジロも1000羽を超えていた。主なものは次のとおり。

○ヒメウ           1羽(若鳥と思われる個体。東西渚間水路。11月13日には2羽が確認されたとのこと。午前9時半頃に東渚西側堤防のテトラポット上で、カワウとともに休息しているのを見つけた。羽繕いなどを行った後、午前10時過ぎから東西渚間水路内を遡行しながら採餌行動を取ったが、水路のT字路に差し掛かったところで水上バイクが接近してきたことから飛び立ち、東渚舞浜側堤防に移動してしまった。我々が湾岸フィールドでヒメウを見たのは初めて) 
○ミサゴ           1羽(東渚干潟内棒杭に休止していた)
○チュウヒ          1羽(比較的よく東渚アシ原上を飛翔していた)
○オオタカ          1羽(正午前に鳥類園上空で旋回している個体を見ることができたが、北方向に飛び去った)
○クロツラヘラサギ      1羽(若鳥。到着直後に東渚干潟内に1羽がいるのが見られた。その後、午前8時半頃に1羽が東渚から汽水池西側の棒杭に飛来して休息したが、同一個体と思われた。いただいた情報によると、昨日からは2羽が揃っているのが確認されていないとのことであった)
○クイナ           1羽(淡水池湿地)
○シロチドリ       約80羽(東渚)
○タゲリ           2羽(東渚。午前10時半頃に、東渚干潟中央部付近を飛翔していた。舞浜方面に飛び去った)   
○ハマシギ       約520羽(東渚。正午頃のハマシギ・シロチドリ群のカウント数は598羽であった)
○アオアシシギ        6羽(汽水池)
○オオソリハシシギ      1羽(東渚。ハマシギ群中)
○オオハシシギ        3羽(汽水池。揃って、アシ原際で採餌していた)
○タシギ           4羽(汽水池)
○セイタカシギ       10羽(汽水池)
○コミミズク          1羽(午後1時前に、観察センターから、旧江戸川沿いをゆるやかに飛翔しているのが見られたが、木立に視界が遮られじっくりと見ることはできなかった)
○カワセミ           2羽(汽水池、淡水池)
○タヒバリ           4羽(公園中央部、西渚など)
○ジョウビタキ         5羽(1♂4♀タイプ。鳥類園など)
○イソヒヨドリ         1羽(♀、旧江戸川京葉線鉄橋橋脚部)
○アカハラ           2羽(汽水池周辺)
○シロハラ           2羽(汽水池周辺)
○ツグミ            5羽(淡水池、汽水池付近。ツグミ類と思われる地鳴きや警戒音はかなり聞けたので相当数が入っているものと思われたが、視認できた個体数は多くなかった)
○オオジュリン         4羽(淡水池)
○カケス            3羽(淡水池周辺で3羽の飛翔が見られたが、鳴き声は数ケ所で聞けた。引き続き留まっているようである)

以上。


【2003年11月16日】

※葛西臨海公園(7:30〜12:20)
 本日も小潮で、到着時は潮位が上がり始めているところであった。夜半の雨も上がり快晴となったが、午前9時頃からは突風を伴う南からの強風が吹いて、渚周辺は荒れ模様であった。このため、もっぱら鳥類園で探鳥し、西渚観察ポイントからの探鳥は行わなかった。特に変わったものは見られなかった。また、クロツラヘラサギは本日は、我々の探鳥時間中は鳥類園への飛来はなく、東渚にもそれらしい姿は確認できなかった。主なものは次のとおり。

○ヨシガモ          1羽(淡水池。♀1羽のみ。午前10時過ぎに、観察センターよりの淡水池を横切り、水門近くのアシ原に入っていくのを見ることができた)     
○トビ            3羽(荒川河口、鳥類園周辺など)
○チョウゲンボウ       1羽(若鳥と思われる個体。午前8時前に西渚草地上空でホバリングと急降下を繰り返しているのを見ることができた)
○ハマシギ         18羽(船着場付近。午前8時頃に一時的に飛来した。なお、東渚にもハマシギ・シロチドリ群と思われるものが見られたが、観察条件が悪くカウントできなかった)
○アオアシシギ        4羽(汽水池)
○オオハシシギ        3羽(汽水池。揃って採餌したり休息したりしていた。なお、2羽は成鳥冬羽と思われたが、1羽は幼鳥羽が残っているようであった)
○タシギ            1羽(汽水池)
○セイタカシギ       10羽(汽水池)
○カワセミ           2羽(淡水池湿地。追飛も見られた)
○タヒバリ           1羽(船着場付近)
○ジョウビタキ         4羽(♀タイプのみ。鳥類園など)
○アカハラ           1羽(汽水池周辺)
○ツグミ            1羽(汽水池周辺)
○カケス            2羽(汽水池周辺で2羽の飛翔が見られた)

以上。

 【2003年11月23日】

※葛西臨海公園(6:40〜11:20)
 到着時は満潮を過ぎて潮位が下がり始めているところであった。主として、鳥類園で探鳥したが、午前9時過ぎからは西渚観察ポイント付近での探鳥も行った。特に変わったものは見られなかったが、冬鳥の数は着実に多くなっているようであった。また、クロツラヘラサギは見ることができなかった。いただいた情報によると、2羽が揃って確認されたのは11月13日までで、それ以降は1羽が東渚を中心に留まっており、時折汽水池に飛来するとのことであった。主なものは次のとおり。

○ウミアイサ         5羽(水路内。午前7時頃に揃って潜水を繰り返して採餌しているのが見られたが、その後、旧江戸川上流方向に飛び去った。全て♀タイプであった) 
○ミサゴ           1羽(又は2羽。午前7時頃に東渚干潟内棒杭に休止している個体が見られたが、午前10時過ぎには荒川河口方面から東渚上空に飛来した個体が見られた)
○チュウヒ          3羽(比較的よく飛翔した。午前10時半過ぎには、同時に2羽が東渚アシ原上空を飛翔した。また、この2羽とは別に頭部の白い個体が午前11時過ぎに鳥類園上空に出現したが、帆翔しながら高度を上げ北東方向に飛び去った)
○ハヤブサ          1羽(成鳥。午前10時半過ぎに東渚舞浜側堤防に休止しているのを見ることができた。渚内を飛翔するチュウヒに対して3回ほど追い出し行動を取った)
○シロチドリ       約80羽(東渚)
○ハマシギ       約670羽(東渚。午前10時頃のハマシギ・シロチドリ群のカウント数は748羽であった)
○オオハシシギ        1羽(汽水池。アシ原際で採餌していた。いただいた情報によると、このところ3羽が揃っているのは見られていないとのことであった)
○タシギ           1羽(汽水池)
○セイタカシギ       10羽(汽水池)
○タヒバリ           1羽(鳥類園)
○ジョウビタキ         6羽(1♂5♀タイプ。鳥類園など)
○アカハラ           5羽(公園中央部、汽水池周辺など)
○シロハラ           1羽(公園中央部)
○ツグミ            8羽(公園中央部、淡水池、汽水池付近。公園中央部では芝生上に降りて採餌している個体が4羽見られたが、鳥類園付近では、樹上に休止する個体が見られた)
○オオジュリン         2羽(汽水池から淡水池に移動するのが見られた)
○カケス            2羽(汽水池周辺で飛翔が見られた)


※谷津干潟(12:00〜15:00)
 到着時は干潮で、干潟は大きく広がっていた。シギ・チドリ類は多くはなかったが、干潟内にやや散らばって群れていた。午後の満潮に向かって、三番瀬方面からの飛来個体を期待したが、いただいた情報によると、午前中にハマシギ1000羽以上が飛来していたものの、正午前に干潟外に飛び出してしまったということであった。その後も猛禽類の出現などもあり、水鳥達は落ち着かなかった。特に変わったものは見られなかった。なお、干潟のほぼ全体が大量のアオサで覆われてきたことから除去作業が行われていた。主なものは次のとおり。

○ミサゴ          1羽(午後1時半頃に干潟上空に飛来し、澪筋に急降下してダイビングを行ったものの、獲物を捕らえられず、茜浜方面に飛び去った。また、午後2時半過ぎにも同一と思われる個体が飛来し、干潟東端部でダイビングしたが獲物を捕らえることはできず、カラスのモビングを受けて南船橋方面に飛び去った)
○オオタカ         1羽(若鳥。観察センター周辺などを動き回っているようであったが、我々は午後3時前に干潟北西側のサクラに休止しているのを見ることができた)
○シロチドリ       64羽(午後2時頃のカウント数。北東側に集まっていた)
○ダイゼン        26羽(午後2時頃のカウント数)
○トウネン         5羽(干潟北東側のシロチドリ群周辺に、トウネン類7羽が集まって採餌していた)
○ヨーロッパトウネン    2羽(干潟北東側のシロチドリ群中に見られた7羽のうち、2羽はヨーロッパトウネンの特徴を備えていると判断した)
○ハマシギ       362羽(正午過ぎのカウント数)
○ダイシャクシギ      4羽(猛禽類の出現で飛び回ることも多かった)
○セイタカシギ       4羽
○シロハラ         1羽(観察センター付近)

以上。


【2003年11月24日】

※葛西臨海公園(7:30〜13:10)
 本日は満潮を過ぎて潮位が下がり、干潟が広がり始めているところであった。主として鳥類園で探鳥したが、午前11時過ぎからは西渚観察ポイント付近での探鳥も行った。ヒメウを再度確認することができた他、猛禽類も目立ったが、特に変わったものは見られなかった。なお、我々は本日もクロツラヘラサギを確認することができなかった。主なものは次のとおり。

○ヒメウ           1羽(幼鳥と思われる個体。東西渚間水路。午前11時半頃に東渚西側堤防のテトラポット上で、カワウとともに休息しているのを見つけた。羽繕いなどを行った後、正午前から東西渚間水路内に入り、単独で採餌行動を取った) 
○ホオジロガモ       1羽(♀成鳥。旧江戸川河口付近)
○ミサゴ           2羽(渚周辺を飛翔するのが頻繁に見られた。午前10時頃と午前10時半過ぎには、2羽が揃って東渚周辺を舞った。その後、1羽は東渚内棒杭に休止していたが、もう1羽は午前11時半頃に荒川河口を越えて新木場方面に飛び去った)
○チュウヒ          1羽(又は2羽。比較的よく東渚アシ原上を飛翔していた)
○ハヤブサ          1羽(成鳥。東渚舞浜側堤防を中心に、午前8時頃から、休止しては飛び立ってシギ・チドリ類を追いかけ、狩りを行うことを繰り返したが、なかなか成功しないようであった)
○チョウゲンボウ       1羽(午前10時過ぎに、水路上空を西から旧江戸川方面に通過する個体が見られた)
○シロチドリ      約100羽(東渚など。一部は西渚周辺にも飛来した)
○ハマシギ       約560羽(東渚。午前8時過ぎのハマシギ・シロチドリ群のカウント数は664羽であった)
○ミユビシギ         1羽(東渚。ハマシギ群中) 
○オオハシシギ        1羽(汽水池。北側のアシ原際で採餌していた)
○タシギ           2羽(淡水池湿地、汽水池)
○セイタカシギ        8羽(汽水池)
○カワセミ           2羽(汽水池、淡水池)
○ジョウビタキ         4羽(♀タイプのみ。鳥類園など)
○アカハラ           2羽(船着場付近、汽水池周辺)
○シロハラ           1羽(公園中央部)
○ツグミ            8羽(公園中央部、鳥類園。朝方は芝生上で採餌している個体も見られた)
○オオジュリン         1羽(淡水池)
○カケス            2羽(淡水池、汽水池周辺でジェーという鳴き声が聞けたが、姿をきちんと確認することはできなかった)

以上。 


【2003年11月29日】

※葛西臨海公園(8:20〜11:30)
 本日は小潮で、到着時は干潟がわずかに広がり始めているところであった。しかしながら、午前9時前から本格的降雨となり、北からの比較的強い風もあり、寒い中での雨中探鳥となった。このため、船着場や観察センターなどからの探鳥が主となった。オオハシシギが2羽となっていた他には、特に変わったものは見られなかった。また、東渚内干潟にはいくらかのシギ・チドリ類が見られたが、観察条件が悪く、識別などが困難であった。なお、いただいた情報によると、クロツラヘラサギについては、ここ数日確実な目撃情報がないとのことであり、残っていた1羽も移動してしまった可能性があるとのことであった。主なものは次のとおり。

○チュウヒ          2羽(比較的よく東渚アシ原上を飛翔していた他、汽水池上空にも進入してきた)
○ハヤブサ          1羽(成鳥。東渚舞浜側堤防に休止していた)
○オオハシシギ        2羽(汽水池。北側のアシ原際で採餌していた。いずれも冬羽であった)
○タシギ           5羽(汽水池)
○セイタカシギ        8羽(汽水池)
○ジョウビタキ         4羽(♀タイプのみ。鳥類園など。雨中に水溜りで水浴している個体が見られた)
○アカハラ           1羽(♂成鳥。淡水池湿地のピラカンサの実を盛んに食べているのが見られた)
○シロハラ           3羽(鳥類園)
○ツグミ           10羽(公園中央部、鳥類園。芝生上で採餌している個体も多かった)
○カケス            1羽(擬岩付近の汽水池周辺で、ジェーという鳴き声が頻繁に聞けたが、姿をきちんと確認することはできなかった)

以上。


【2003年11月30日】

※葛西臨海公園(12:20〜16:00)Torioのみ
 本日も小潮で、到着時は満潮を過ぎて潮位が下がり始めているところであった。午後1時過ぎから、いくらか干潟も広がった。まず、西渚観察ポイント付近での探鳥を行い、その後鳥類園で探鳥した。特に変わったものは見られなかったが、昨日からの雨がようやく上がったせいか、鳥の動きは活発なように思われた。また、午後4時頃には、ユリカモメが旧江戸川や荒川上流から戻って集まり、大群になりつつあるのが見られた。なお、いただいた情報を総合すると、クロツラヘラサギは11月19日(又は23日)が終認と考えられた(補遺参照)。主なものは次のとおり。

○ウミアイサ         3羽(西渚水面。午後1時前に堤防近くで採餌していたが、その後飛び立ち、堤防を越えて東渚側に移動してしまった。全て♀タイプであった) 
○ミサゴ           2羽(1羽は旧江戸川河口付近の竹杭上に休止し、午後3時半頃には東渚上空に飛来したが、ダイビングは行わず東渚内棒杭に休止した。もう1羽は、午後1時過ぎに東渚上空に飛来したが、そのまま西渚上空、荒川河口上空を通過して新木場方面に飛び去った)
○チュウヒ          2羽(東渚。比較的よく飛翔した)
○ハヤブサ          1羽(成鳥。東渚舞浜側堤防に休止しているのを見ることができた。いただいた情報によると、正午前に雨中で狩りを行い、ユリカモメを捕食したとのことであった)
○シロチドリ       約80羽(東渚)
○ハマシギ       約460羽(東渚。午後1時半頃のハマシギ・シロチドリ群のカウント数は約550羽であった。ミユビシギ、ダイゼンも混じっていたようであった)
○オオハシシギ        1羽(汽水池。一時的にセイタカシギの近くに飛来したものの、すぐにアシ原際に移動して見えなくなってしまった)
○タシギ            3羽(汽水池)
○セイタカシギ        10羽(汽水池)
○カワセミ           2羽(淡水池、汽水池)
○ジョウビタキ         4羽(1♂3♀タイプ。鳥類園など)
○アカハラ           2羽(淡水池、汽水池周辺など)
○シロハラ           2羽(淡水池、汽水池周辺)
○ツグミ           13羽(公園中央部、淡水池、汽水池付近。汽水池周辺は個体数が多く、干潟に降りている個体も多く見られた)
○オオジュリン         2羽(淡水池湿地付近)
○カケス            2羽(汽水池周辺で鳴き声もよく聞かれた他、飛翔も数回見られた)


<補遺>
※葛西臨海公園におけるクロツラヘラサギの滞在記録(2003年6月〜11月)
 (*は、いただいた情報、又はいただいた情報を含むもの)

 6月29日 1羽確認(東渚)
 7月10日 2羽確認(東渚)*
 8月 9日 2羽確認(東渚にいたが、高波などのためか、鳥類園付近に飛来。
        その後、1羽は旧江戸川を越えて行徳野鳥保護区に移動したものと
        推定された)
 9月 7日 2羽確認(東渚。ただし、旧江戸川河口干潟付近に移動することが
        多かった)
 9月21日 2羽確認(一時的に西渚にも飛来)
 9月23日 1羽確認(一時的に鳥類園汽水池に飛来)
 9月27日 1羽確認(2羽が同時に確認できない日が数日続く)
10月 1日 2羽確認(汽水池に飛来)*
10月 4日 2羽確認(汽水池に定着傾向)
10月19日 2羽確認(汽水池の他、淡水池にも飛来)*
10月25日 2羽確認(汽水池の他、渚間水路干潟にも飛来)
10月26日 2羽確認(汽水池に定着傾向)
11月15日 1羽確認(汽水池。2羽が確認されたのは13日まで)*
11月19日 1羽確認(正午過ぎに1羽のみ東渚から汽水池に飛来し、夕方まで                    
        汽水池西側棒杭で休息していたとのこと)*
11月23日 1羽確認(午前6時半頃に1羽のみ汽水池西側棒杭で休息してい 
        たとのこと)*     

以上。