2002年9月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑


<2002年9月1日> 
 
※谷津干潟(6:20〜13:20)
昨日と同様に、到着時は干潮でシギ・チドリの群は散らばっていた。正午前の満潮に向けて集まるシギ・チドリ類を観察した。羽数の変動はあったものの、種類的には昨日と同様であった。なお、午前9時前に何かに驚いて、いくらかの群が干潟の外に飛び去り、また、午後0時40分頃にはハヤブサが出現し、かなりの群が干潟の外に飛び去るという形になった。主なものは次のとおり。
 
○ハヤブサ          1羽(若鳥。正午過ぎに干潟東側上空に出現し、メダイチドリと思われる標的を執拗に追いかけたが、狩りには失敗し西側上空に去った)
○チュウサギ         3羽(サギ群中:サギ類は約110羽)
○ハジロコチドリ       1羽(成鳥。このところ見られている個体)
○シロチドリ         18羽
○メダイチドリ        34羽(換羽中の成鳥の他、幼鳥も見られた)
○ダイゼン        約130羽(夏羽個体と越夏個体の両方が見られた)
○トウネン        約210羽(幼鳥が多かった)
○キリアイ           1羽(幼鳥。昨日と同一個体と思われる)
○ハマシギ           1羽(換羽中の成鳥) 
○オバシギ           7羽(成鳥換羽中個体2羽と幼鳥が5羽)
○コオバシギ          3羽(成鳥冬羽1羽と幼鳥が2羽。昨日より1羽多くなっていた。干潟東側で揃って採餌する傾向が見られた)
○ソリハシシギ       約10羽 
○キョウジョシギ        22羽
○アカアシシギ         1羽(幼鳥。このところ見られている個体) 
○アオアシシギ        12羽
○キアシシギ       約140羽
○オオソリハシシギ     18羽(幼鳥も4羽見られた)
○ダイシャクシギ        2羽(昨日より1羽多くなっており、足に障害のある個体も見られた)
○ホウロクシギ         1羽
○チュウシャクシギ      2羽
○セイタカシギ         1羽(成鳥)
 
以上。



<2002年9月7日> 
 
※葛西臨海公園(7:00〜10:20)
 到着時は満潮を過ぎて干潟が出現し始めているところであった。また雨模様のためか人出は少なかった。西渚の観察ポイントから渚周辺の探鳥に加えて、鳥類園、公園西側の探鳥も行った。アカアシシギの小群が見られたが、他は特に変わったものは見られなかった。なお、公園西側では小鳥類も見られ始めているとのことであったが、我々は確認できなかった。主なものは次のとおり。
○カンムリカイツブリ      1羽(東渚。越夏個体と思われる個体)
○アジサシ           14羽(東渚。午前8時過ぎに沖合いから飛来し、干潟上に降りたが、午前9時頃には飛び去ったようであった)
○コアジサシ           1羽(東渚。アジサシ群中)
○ミヤコドリ            5羽(渚周辺。越夏個体群と思われるもの。午前10時頃には揃って西渚に飛来した)
○シロチドリ          26羽(西渚)
○メダイチドリ         10羽(西渚)
○ムナグロ            2羽(東渚。ダイゼンと混群を形成していた)
○ダイゼン            5羽(東渚)
○ハマシギ           12羽(東渚)
○ソリハシシギ          5羽(西渚周辺)
○アカアシシギ          4羽(昨日から見られているということで、合計5羽飛来しているとのことである。我々は午前7時半頃に船着場近くのアシ原際の水溜りで、小群4羽を見たが、午前8時頃には東渚に飛び去った。我々が見たのは全て幼鳥であった)
○アオアシシギ         4羽(東渚)
○キアシシギ         12羽(東西渚、汐入池など)
○オオソリハシシギ      3羽(東渚)
○ダイシャクシギ        3羽(東渚)
○ホウロクシギ         1羽(東渚)
○セイタカシギ          1羽(汐入池)
○カワセミ            2羽(汐入池。午前9時過ぎに追飛行動を見ることができた)
○キセキレイ           1羽(汐入池。葛西では珍しいと思われる)
 
※谷津干潟(11:30〜17:00)
 到着時は干潟が大きく広がっており、シギ・チドリの群もかなり散らばっていた。種類としては大きな変動はなかったが、アカアシシギ、キリアイ、トウネンなどが多くなってきていた。干潟が狭まってきた午後4時頃からは多くの種類が比較的近くで見れた。主なものは次のとおり。
○チュウサギ         2羽
○ハジロコチドリ       1羽(成鳥冬羽)
○シロチドリ         12羽
○メダイチドリ       約30羽(換羽中の成鳥の他、幼鳥も見られた)
○ムナグロ          1羽(成鳥、換羽中。ダイゼンに追い立てられたりしていた) 
○ダイゼン          68羽(換羽中個体と越夏個体と思われるものが両方見られた)
○トウネン        約350羽(個体数が、さらに多くなっていた。幼鳥が多かった)
○キリアイ           3羽(幼鳥)
○ハマシギ           6羽(幼鳥も1羽見られた) 
○オバシギ           5羽(成鳥換羽中個体が1羽で幼鳥が4羽であった)
○コオバシギ          1羽(幼鳥)
○ソリハシシギ         6羽 
○キョウジョシギ        6羽
○アカアシシギ         3羽(幼鳥) 
○アオアシシギ         6羽
○キアシシギ        約80羽
○オグロシギ          1羽(幼鳥)
○オオソリハシシギ      6羽(幼鳥も見られた)
○ダイシャクシギ        2羽
○ホウロクシギ         1羽
○セイタカシギ         5羽(幼鳥も見られた)
以上。



<2002年9月8日> 
 
※葛西臨海公園(7:10〜10:10)
 到着時は満潮を過ぎて干潟が出現し始めているところであったが、雨模様のため雨宿りをしながらの探鳥となった。船着場や西渚テント内から渚周辺の探鳥のみ行った。昨日に引き続いてのアカアシシギ小群の他、ミユビシギの幼鳥が見られたが、特に変わったものは見られなかった。なお、ホウロクシギ、ダイシャクシギを確認することはできなかった。主なものは次のとおり。
 
○アジサシ             8羽(東渚。午前8時頃に沖合いから飛来した)
○コアジサシ            2羽(東渚。午前8時頃にアジサシとともに飛来した)
○チョウゲンボウ          1羽(西渚)
○チュウサギ            1羽(東渚堤防上)  
○ミヤコドリ             6羽(東渚。越夏個体群と思われるもの。)
○シロチドリ           22羽(西渚周辺)
○メダイチドリ           7羽(西渚)
○ダイゼン             5羽(東渚)
○ハマシギ            18羽(東西渚)
○ミユビシギ            2羽(西渚。幼鳥)
○ソリハシシギ          6羽(西渚周辺)
○アカアシシギ          3羽(昨日同様、午前7時半頃に船着場近くのアシ原際の水溜りで幼鳥3羽を見た。午前8時頃には東渚に飛び去った)
○アオアシシギ          6羽(東渚)
○キアシシギ          17羽(西渚周辺)
○オオソリハシシギ      13羽(東渚。午前8時過ぎに沖合いから飛来した)
○チュウシャクシギ        1羽(東渚)
 
※谷津干潟(11:20〜17:30)

 雨が上がったことから谷津干潟に移動し始めていたところ、移動中の午前11時頃に谷津干潟でヘラシギ出現の情報をいただいた。到着時は干潟西側はまだ冠水していたが、東側は干潟が大きく広がり始めていた。これまでの種類に加えてヘラシギが見られるという記念すべき探鳥となった。なお、午後1時半頃にハヤブサ、午後3時過ぎにミサゴが出現し、かなりの水鳥達が飛び出した時もあったが、ヘラシギ(写真:ヘラシギ)
を含んだトウネン群は干潟が完全に冠水するまで留まってくれた。主なものは次のとおり。






○ミサゴ            1羽(午後3時過ぎに干潟西側上空に出現したが、狩りなどは行わずに三番瀬方面に飛び去った)
○ハヤブサ          1羽(午後1時半過ぎに干潟中央部に出現し狩りを行った)
○チュウサギ         1羽
○ハジロコチドリ       1羽(成鳥冬羽)
○シロチドリ        約10羽
○メダイチドリ       約30羽
○ダイゼン         約30羽
○トウネン        約180羽(午後3時半頃にカウントした数。もっといたものと思われる。幼鳥が多かった)
○キリアイ           3羽(又は4羽。幼鳥)
○ハマシギ           4羽(幼鳥も見られた) 
○オバシギ           2羽(幼鳥)
○ヘラシギ           1羽(幼鳥。我々は午前11時半頃から見ることができた。午前10時半頃の干潟出現とともに、トウネン、キリアイとともに飛来したとのことで、その後干潟内をトウネン群とともに移動しながら採餌、休息、水浴・羽繕いなどを行った。午後5時20分頃にトウネン群とともに三番瀬方面に飛び去った。フラッグが付けられた個体であった。我々が湾岸フィールドでヘラシギを見たのは初めて)
 
○ソリハシシギ         4羽 
○キョウジョシギ        6羽
○アカアシシギ         2羽(幼鳥) 
○アオアシシギ         6羽
○キアシシギ        約50羽
○オグロシギ          1羽(又は2羽。幼鳥)
○オオソリハシシギ      11羽(幼鳥も見られた)
○ダイシャクシギ        1羽
○セイタカシギ         7羽(幼鳥も見られた)
 
以上。 


<2002年9月16日> 
 
※京浜島・昭和島・呑川河口干潟周辺(6:20〜9:30)
 大田区昭和島と京浜島を結ぶ京和橋付近でワライカモメが出現しているとの情報をいただいたことから出かけた。以前より、羽田空港と昭和島、京浜島に囲まれたところに小さな干潟が出現し、地元で保護運動をされている方もおられるということは聞いていたが、我々が当地に、本格的探鳥に出かけるのは初めてであった。
 また、当地は、本年リトルターンプロジェクト(コアジサシの営巣地整備のために、東京都下水道局森ケ崎水処理センター屋上が大々的に整備された)で注目された同水処理センターの東・南側に位置するところである。京浜島の西側緑道沿いから観察した。
 ワライカモメは京和橋南側の水処理センターの排水口付近に集まるユリカモメ群中に見られた。また、到着時は干潮で呑川河口干潟が出現しており、サギ類、カモメ類(ユリカモメ、ウミネコ、オオセグロカモメで計約430羽)、シギ・チドリ類なども見られた。羽田空港が沖合展開する中で、小さな干潟の大切さを実感した探鳥であった。主なものは次のとおり。

                                                          
○ワライカモメ          1羽(成鳥冬羽と思われる個体。以前から目撃されていたとのことであるが、14日から連続して確認されているとのこと。初列風切はまだ伸長中のようであった)
○ミサゴ              1羽(午前8時前に干潟周辺で魚を捕らえ、羽田空港東沖方向に飛び去った)
○トビ               1羽
○チョウゲンボウ        1羽(成鳥♂、午前6時半頃に森ケ崎水処理センター護岸付近にいたハクセキレイを襲ったが狩りに失敗し、京浜島側のビルの窓枠に止まった)
○ヒメアマツバメ         2羽(京和橋上空)
○シロチドリ           18羽(干潟)
○ハマシギ            1羽(干潟)
○キョウジョシギ         4羽(水処理センター東岸)
○アオアシシギ          1羽(干潟)
○キアシシギ           1羽(周辺護岸)
○オオソリハシシギ       6羽(干潟)
 
 
※東京港野鳥公園(10:00〜13:10)
 京浜島での探鳥終了後、北へ約1Kmのところにある東京港野鳥公園に向かい探鳥した。
到着後間もなく降雨となったことから、ネイチャーセンターからの探鳥のみとなった。到着時は干潮で干潟が広がっており、潮位の上昇とともに徐々にシギ・チドリ類も集まったが、それほど多くはなかった。比較的珍しいものとして、シマアジ、ヨシゴイ、イソヒヨドリが見られた。主なものは次のとおり。
 
○シマアジ             1羽(汐入池。午後1時頃に左手アシ原際にカルガモとともに浮かんでいるのを確認したが、落ち着かず、間もなくカルガモ1羽とともに飛び立って、高く舞い上がり前浜干潟上空から多摩川方面に飛び去った。飛翔時のパターンからは雨覆の青灰色が明瞭であったので♂エクリプスと思われる。なお、カモ類はカルガモの他に、オナガガモ、ヒドリガモ、コガモが見られた)
○ヨシゴイ             1羽(汐入池。午後0時半頃に観察センター前の干潟上を右から左に飛んでアシ原に入った)
○シロチドリ            1羽(汐入池)
○メダイチドリ          10羽(汐入池)
○ソリハシシギ          3羽(汐入池)
○アオアシシギ          3羽(汐入池)
○キアシシギ           2羽(汐入池)
○オグロシギ           8羽(汐入池。全て幼鳥と思われた)
○オオソリハシシギ       6羽(汐入池。成鳥と幼鳥)
○タシギ              1羽(汐入池。降雨後、アシ原際に出てきて採餌していた)
○セイタカシギ          4羽(汐入池)
○カワセミ             2羽(汐入池。時折追飛するのが見られた)
○イソヒヨドリ           1羽(汐入池。成鳥♂と思われる個体。午前11時過ぎに汐入池に飛来し、手前側の棒杭付近を飛び回り休止しようとしたが、最終的には休止せず前浜干潟方向に飛び去った)
 
以上。 


<2002年9月21日> 
 
※葛西臨海公園(7:20〜10:40)
 到着時は満潮を過ぎて干潟が広がり始めているところであった。公園西側を含めひととおり探鳥したが、東渚にはシギ・チドリ類は全く見られず、汐入池に集まっていた。引き続き、アカアシシギが見られたが、他は特に変わったものは見られなかった。なお、公園西側での小鳥類もまだ少ないようであった。主なものは次のとおり。
 
○アジサシ            7羽(東渚。午前10時頃に小群が沖合いから飛来したが、干潟上に降りたのは1羽のみで、他の個体は飛び去った)
○ミサゴ              1羽(午前8時20分頃に東渚周辺で魚を捕らえ、東渚沖杭に休止して食事をした)
○ヨシゴイ             2羽(淡水池。午前9時前後にアシ原を飛翔した)
○アカアシシギ          3羽(又は4羽。汐入池の擬岩周辺で見られた。アシ原際で採餌していた)
○アオアシシギ          7羽(汐入池。冬羽の個体が多くなってきていた)
○タシギ              1羽(汐入池)
○セイタカシギ          5羽(汐入池)
○カワセミ             1羽(又は2羽。汐入池と淡水池で見られた)
○キビタキ             2羽(公園西側。♀タイプのみ)
※谷津干潟(12:10〜17:00)
到着時は干潮で干潟は大きく広がっていた。満潮に向かって三番瀬方面から集まるシギ・チドリ類を期待して探鳥した。しかし、シギ・チドリ類の個体数は少ないままで推移した。アカアシシギ、キリアイが引き続き見られた他、カモ類(オナガガモ、ヒドリガモ、コガモ)の個体数が多くなってきていたのが目ぼしいところであった。主なものは次のとおり。
○チュウサギ         3羽(約90羽のサギ群中)
○メダイチドリ        3羽(幼鳥のみ)
○ダイゼン           3羽(幼鳥が2羽見られた)
○トウネン        約190羽(ほとんどが幼鳥であった)
○キリアイ           4羽(幼鳥。トウネン群中で見られた。午後4時頃からは観察センター西側に生じたアオサの堆積場所にトウネンとともに群れたことから近距離で観察することができた)
○ハマシギ           4羽(換羽中個体も見られた) 
○アカアシシギ         2羽(幼鳥)
○オグロシギ          1羽(幼鳥。正午過ぎに南船橋寄り干潟に飛来した)
○オオソリハシシギ       4羽(幼鳥。正午過ぎから午後3時にかけて飛来した)
○ダイシャクシギ        2羽
○ホウロクシギ         1羽
○チュウシャクシギ       1羽
○セイタカシギ        14羽(幼鳥も見られた)
 
以上。


 
<2002年9月22日> 
 
※多摩川河口周辺(7:40〜11:40)
<大師橋下流川崎市側干潟、大師橋上流大田区側六郷干潟>
 昨日午前中に多摩川河口で、ヘラシギ(谷津干潟・三番瀬個体が移動したと推定されている個体)とワライカモメが同時に見られたとのことで、久しぶりに多摩川河口に出かけた。昨日出現したという大師橋下流で待ったが、いずれも現れず、午前10時頃になってワライカモメのみ六郷干潟にいるとの情報をいただき、移動して探鳥した。ワライカモメは午前11時半頃まで六郷干潟に留まってくれた。いただいた情報によると、その後大師橋下流に出現し、さらに午後には京和橋付近にも現れたとのことであった。また、ヘラシギについては、約10日ぶりに谷津干潟に舞い戻ったとのことであった。主なものは次のとおり。
                                                          
○ワライカモメ          1羽(成鳥冬羽。オオセグロカモメ、ウミネコ、ユリカモメとともに六郷干潟上で休息していた。午前11時半過ぎにユリカモメ8羽とともに舞い上がり下流に向かって飛び去った)
○トビ               1羽(午前9時過ぎにカラスにモビングされながら上空通過)
○メダイチドリ          16羽(多くは幼鳥であった)
○ハマシギ            1羽
○ソリハシシギ          5羽 
○アオアシシギ          5羽
○セイタカシギ          1羽(六郷干潟)
 
 
※東京港野鳥公園(13:20〜15:10)
 六郷干潟での探鳥終了後、東京港野鳥公園に向かい探鳥した。ネイチャーセンターから汐入池の探鳥のみ行った。到着時は干潮で干潟が広がっており、潮位の上昇とともに徐々にシギ・チドリ類も集まったが、数は多くはなかった。比較的珍しいものとして、キリアイが見られた。主なものは次のとおり。
 
○ダイゼン            1羽(汐入池。幼鳥。到着時はいなかったが、午後2時過ぎにアオアシシギ2羽とともに飛来した) 
○キリアイ             1羽(汐入池。幼鳥。比較的アシ原際で採餌していた)
○ソリハシシギ          3羽(汐入池)
○アオアシシギ          6羽(汐入池。到着時は1羽のみであったが潮位の上昇とともに飛来してきた)
○オグロシギ           8羽(汐入池。全て幼鳥と思われた)
○オオソリハシシギ       9羽(汐入池。成鳥と幼鳥)
○タシギ              2羽(汐入池。アシ原際に出てきて採餌していた)
○セイタカシギ          6羽(汐入池)
○カワセミ             1羽(汐入池)
 
以上。  
 




<2002年9月23日>
 
※船橋海浜公園(7:10〜10:10)
到着時は満潮を過ぎて潮位が下がり始めているところで、汀線沿いにはアオサが打ち上げられていた。このアオサの周囲にトウネンとミユビシギが群がっており、ヘラシギも確認できた。また、午前8時半頃より干潟が広がり始めるとともに、他の水鳥達も舞い降り、個体数も多かった。午前10時頃からは干潟が大きく広がったことや人出もあり、水鳥達は散らばってしまった。主なものは次のとおり。
○ミヤコドリ         15羽(午前8時過ぎから飛来した。葛西臨海公園で確認されていた越夏個体群は最大9羽であったが、このところ葛西では見られなくなっていることから、三番瀬に移動したうえで越冬個体群が加わり始めたものと思われる)
○ハジロコチドリ       2羽(いずれも成鳥冬羽)
○シロチドリ         46羽
○メダイチドリ        31羽(成鳥換羽中の個体も見られたが、幼鳥が多かった)
○ダイゼン         126羽(干潟が広がるにつれて次々に飛来した。幼鳥も見られた)
○トウネン        約130羽(ほとんどが幼鳥であった。もっといたものと思われる)
○キリアイ           2羽(幼鳥。トウネン群中で見られた)
○ハマシギ          45羽(成鳥換羽中個体の他に幼鳥も見られた) 
○ミユビシギ         63羽(幼鳥も見られた)
○オバシギ          12羽(成鳥2羽、幼鳥10羽)
○コオバシギ          2羽(成鳥冬羽1羽、幼鳥1羽)
○ヘラシギ           1羽(幼鳥。谷津干潟・三番瀬周辺に、昨日から舞い戻ったと思われる個体。フラッグ・足環が付けられていた)
○ソリハシシギ         1羽
○アオアシシギ         1羽 
○オグロシギ          1羽(幼鳥)
○オオソリハシシギ     42羽(成鳥と幼鳥)
○ダイシャクシギ        1羽
  
 
 
※葛西臨海公園(11:20〜16:40)
 到着時は干潮。公園西側を含めひととおり探鳥した。汐入池でシギ類が見られたものの、東渚干潟上にはハヤブサが舞い降りており、シギ・チドリ類はほとんど見られなかった。猛禽類が揃い始めた感じであったが、特に変わったものは見られなかった。なお、カモメ類はウミネコの大群が目立っていたが、オオセグロカモメに加えてセグロカモメもいくらか混じるようになってきていた。カモ類はマガモとオナガガモが飛来してきているようであった。また、公園西側での小鳥類もまだ多くはないようであった。主なものは次のとおり。
 
○ミサゴ              1羽(東渚堤防近くの竹杭に休止していたが、午後2時頃には魚を捕らえ沖杭に休止して食事をしていた)
○チュウヒ             1羽(東渚アシ原。午後1時頃にはアシ原や干潟上空を舞った。19日に初認されたとのことであったが、我々は今季初めて確認した)
○ハヤブサ            1羽(若鳥。正午過ぎに東渚干潟上で休止しているのを発見。その後飛び立ち、上空を数回旋回した後南東方向に飛び去った)
○シロチドリ          約90羽(ハヤブサが飛び立った際に、東渚からシロチドリの群と思われるものが西渚上空を通過して飛び去った。全てがシロチドリかどうかは確認できていない) 
○アカアシシギ          2羽(汐入池・擬岩周辺のアシ原際で採餌していた)
○アオアシシギ          8羽(汐入池)
○キアシシギ           1羽(汐入池。幼鳥であった)
○セイタカシギ          6羽(汐入池。淡水池でも見られた)
○ヤブサメ             1羽(公園西側)
○センダイムシクイ        2羽(公園西側。茂みの中で時々追飛したりしていた)
○キビタキ             1羽(公園西側。♀タイプ)
 
以上。 
 
   


<2002年9月28日>
 
※谷津干潟(8:50〜16:20)
到着時は満潮前で干潟はほとんど冠水していた。正午頃までは断続的に降雨もあり、観察センターからの探鳥となった。正午前後から三番瀬方面から飛来するシギ・チドリ類が多くなった。なお、ヘラシギは本日も見られた。いただいた情報によると午前中は三番瀬で見られたとのことで正午頃に谷津干潟に移動したようである。カモ類(オナガガモ、ヒドリガモ、コガモなど)の個体数はさらに多くなってきていた。主なものは次のとおり。
 
○アカツクシガモ       1羽(時折谷津干潟周辺で見られている個体。「篭脱け」個体ではないかといわれているが、ほぼ終日オナガガモなどとともに採餌するのが見られた)
○ヨシゴイ           1羽(午前11時過ぎに観察センター西側のアシ原を飛翔した)
○チュウサギ         2羽(約40羽のサギ群中)
○シロチドリ          4羽
○メダイチドリ        2羽(幼鳥のみ)
○ムナグロ          2羽(幼鳥。午後1時過ぎにダイゼン群近くにいるのが見れた) 
○ダイゼン          48羽(成鳥換羽中個体と幼鳥)
○トウネン        約350羽(午後1時頃のカウント数。午前11時頃より飛来し始め、正午頃には100羽を超えた。ほとんどが幼鳥であった)
○キリアイ           2羽(幼鳥。トウネン群中で見られた)
○ハマシギ          67羽(成鳥換羽中個体と幼鳥) 
○ミユビシギ          2羽(幼鳥。午前11時頃にトウネン群とともに飛来)
○オバシギ          12羽(成鳥2羽と幼鳥10羽)
○コオバシギ          6羽(成鳥冬羽1羽で、残りの5羽は幼鳥と思われた。5羽以上を確認したのは、最近では1995年10月7日谷津干潟で6羽を確認して以来)
○ヘラシギ            1羽(幼鳥。9月8日に初認された個体。22日以降は連日谷津干潟で確認されており、三番瀬と行き来しているとのこと)
○ソリハシシギ         2羽(幼鳥。満潮時も谷津干潟内に留まっていた)
○アオアシシギ         1羽(幼鳥)
○オグロシギ          1羽(幼鳥。正午過ぎに飛来した)
○オオソリハシシギ      16羽(成鳥と幼鳥。正午過ぎから飛来した)
○ダイシャクシギ        4羽(満潮時も3羽は谷津干潟内に留まっていた)
○ホウロクシギ         1羽(満潮時から見られた)
○チュウシャクシギ       1羽(満潮時から見られた)
○タシギ             2羽(降雨中アシ原周辺を飛び回ったり、観察センター前のアシ原際で採餌したりしていた) 
○セイタカシギ         8羽(幼鳥も見られた)
 
以上。 

 
<2002年9月29日>
 
※谷津干潟(6:20〜9:10)Torioのみ
到着時は干潟が大きく広がっていたが、その後潮位が上がり始めるとともに干潟も狭まり始めた。午前7時20分頃に、水鳥の群が何かに驚いて飛び立ち、中型種(ダイゼン、オバシギなど)は干潟外に飛び去ったが、ヘラシギを含むトウネン類は留まってくれた。午前7時半頃からはトウネン群が南船橋寄り歩道のフェンス近くの干潟に群れたが、午前9時頃には干潟がさらに狭まったこともあり、群のほとんどが干潟外に飛び去ってしまった。なお、カモ類の個体数は約260羽であった。主なものは次のとおり。
 
○アカツクシガモ       1羽(昨日に続いて見られた)
○チュウサギ         4羽(南船橋寄り干潟。約60羽のサギ群中)
○ダイゼン          57羽(成鳥換羽中個体と幼鳥。午前7時頃のカウント数。もっといたと思われるが、干潟外に飛び去った)
○トウネン        約250羽(午前8時頃のカウント数。ほとんどが幼鳥であった)
○キリアイ           1羽(幼鳥。トウネン群中で見られた)
○ハマシギ          12羽(成鳥換羽中個体と幼鳥。午前7時頃のカウント数。もっといたと思われるが干潟外に飛び去った)
○ヘラシギ            1羽(幼鳥。昨日に続いてトウネン群中で見られた。時折、鳴いているのが確認できた。)
○オグロシギ          1羽(幼鳥。南船橋寄り干潟で採餌し、休息していた)
○オオソリハシシギ      32羽(成鳥は1羽で残りは幼鳥であった)
○ダイシャクシギ        3羽
○ホウロクシギ         1羽
○チュウシャクシギ       1羽
○セイタカシギ         4羽(幼鳥も見られた)
○コゲラ             1羽(歩道沿いの木立で見られた)
 
 
※葛西臨海公園(10:00〜15:00)
 到着時は満潮。東渚は相変わらずハヤブサの出現により、シギ・チドリ類は見られないとのことから鳥類園周辺のみで探鳥した。通過の小鳥類がいくらか見られたものの、小鳥類もまだ個体数は少ないようであった。ウグイスの地鳴きを今季初確認した。主なものは次のとおり。
 
○ミサゴ              1羽(午後1時頃に狩りのために定位置の沖杭を離れたが、概ね休止していた)
○チュウヒ             1羽(東渚アシ原。正午過ぎにアシ原上を飛翔した)
○ヨシゴイ             1羽(淡水池。午後2時頃にガマ群落近くを飛翔するのが見れた) 
○アカアシシギ          3羽(又は4羽。いずれも幼鳥。汐入池のアシ原際で採餌していた)
○アオアシシギ          7羽(汐入池)
○ソリハシシギ          1羽(汐入池)
○キアシシギ           1羽(汐入池。幼鳥)
○タシギ              1羽(汐入池。尾羽を広げて水浴・休息した)
○セイタカシギ          9羽(汐入池)
○ツツドリ             1羽(暗色型と思われる個体。観察センター近くのサクラで枝移りするのが見れたが、じっくりとは観察できなかった)
○サンショウクイ         1羽(午前10時過ぎに鳥類園北側の木立から飛び出し、かなり高いところを飛翔しながら西に向かった)
○キビタキ             1羽(成鳥♂)
 
以上。