<2002年7月6日>
※船橋海浜公園(7:10〜9:00)
到着時は干潮。若潮のため潮位はそれほど低くなかったが、沖合いにも一部干潟が広がっていた。このため水鳥も散らばっており、また数もそう多くはなかった。このところ見られていたカラシラサギと4日に見られたというハシブトアジサシはいずれも確認できなかった。主なものは次のとおり。
○ハジロカイツブリ 2羽(夏羽、越夏個体)
○アジサシ 11羽(船橋港寄りの浅瀬で採餌していた)
○コアジサシ 約300羽(幼鳥が相当混じるようになってきていた)
○シロチドリ 3羽(正面干潟)
○ダイゼン 23羽(越夏個体群)
○コオバシギ 1羽(越夏のダイゼン群と行動をともにしている個体)
○キアシシギ 7羽(正面干潟など)
※葛西臨海公園(9:50〜12:50)
到着時は干潮を過ぎて潮が上がり始めているところであった。西渚の観察ポイントと鳥類園で探鳥したが、先週と比べて特段の変化はなく、ウミネコとカワウの大群が目立った。主なものは次のとおり。
○カンムリカイツブリ 1羽(夏羽、東渚水面)
○コアジサシ 約20羽(東西渚)
○ヒメアマツバメ 4羽(公園中央部・鳥類園周辺)
○イワツバメ 4羽(鳥類園淡水池周辺)
○コチドリ 2羽(鳥類園)
○シロチドリ 4羽(西渚)
○ミヤコドリ 8羽(越夏個体群。主として東渚。1羽は西渚にも飛来して採餌した)
以上。
<2002年7月7日>
※葛西臨海公園(6:20〜8:00)
到着時は干潮前。既に干潟はかなり広がっているところであった。前日からの南寄りの強風で海鳥を期待して渚周辺を中心に探鳥したが、特段変わったものは見られなかった。しかしながら、繁殖後の渡りと思われるシギ類が少しばかり見られた。なお、公園内駐車場の金属製筒状の車止めにシジュウカラが営巣しているのが観察できた。主なものは次のとおり。
○コアジサシ 約60羽(多くは西渚。渚周辺で行動していた。幼鳥も数羽含まれていた)
○イワツバメ 6羽(鳥類園・淡水池周辺と駅周辺)
○ミヤコドリ 6羽(東西渚。越夏個体群。1羽は西渚の砂浜で採餌していた)
○シロチドリ 4羽(西渚)
○アオアシシギ 1羽(東渚。チュウシャクシギ群と行動をともにしていた。また、水路周辺でも鳴き声が聞けたので、もう1羽いたのかもしれない)
○オオソリハシシギ 18羽(東渚。渚内の澪筋に散らばっていたが、午前7時過ぎに揃って三番瀬方面に飛び去った)
○ホウロクシギ 1羽(東渚。なお、遠方であったことと飛翔しているところを見れなかったことからダイシャクシギとの確実な識別はできなかった)
○チュウシャクシギ 15羽(東渚。干潟内に散らばって採餌していた)
以上。
<2002年7月13日>
※船橋海浜公園(7:10〜9:20)Torioのみ
到着時は満潮を過ぎて潮の引き始め。水鳥達の多くは堤防上にいたが、現れ始める干潟を求めて時折正面干潟に飛来していた。先日の台風の置き土産で夥しい数の流木などが漂着していた。特段の珍しいものは確認できなかったが、シギ・チドリ類の種類も多くなってきており、繁殖期後の渡りも本格的になってきているようであった。ウミネコにも本年生まれの幼鳥が確認できた。なお、カラシラサギは確認できなかった。主なものは次のとおり。
○ハジロカイツブリ 2羽(夏羽、越夏個体)
○アジサシ 4羽(船橋港寄りの棒杭上や堤防上でコアジサシとともに休息していたが、時折コアジサシを追飛して魚を横取りするような行動が見られた)
○コアジサシ 約440羽(堤防上など。幼鳥も相当含まれていた)
○シロチドリ 12羽(正面干潟など)
○メダイチドリ 5羽(正面干潟など)
○ダイゼン 24羽(堤防上。越夏個体群と思われるもの)
○オバシギ 1羽(近い堤防上で休息した)
○コオバシギ 1羽(堤防上。ダイゼン群と行動をともにしている越夏個体)
○ソリハシシギ 3羽(堤防上)
○キョウジョシギ 1羽(正面干潟)
○キアシシギ 8羽(正面干潟など)
○オオソリハシシギ 2羽(正面干潟など)
○ダイシャクシギ 1羽(堤防上)
○チュウシャクシギ 12羽(堤防上や正面干潟など)
※葛西臨海公園(10:40〜13:20)
到着時は干潟が大きく広がり始めているところであった。西渚の観察ポイントから渚周辺の探鳥のみ行った。ハジロクロハラアジサシ(若鳥)が見られたほか、アジサシ類の群が大きくなっていた。その他は先週と比べて大きな変化はなく、相変わらずウミネコとカワウの大群が目立った。また、渚橋たもとのハマボウの黄色い花が咲きそろいはじめた。主なものは次のとおり。
○カンムリカイツブリ 1羽(夏羽、東渚の干潟上で休息していた)
○ハジロクロハラアジサシ 2羽(いずれも第1回夏羽と考えられる個体。午前11時半頃に1羽が東西間水路に出現し、水路上を飛びながら荒川河口方向に飛び去った。水路上では虫をフライングキャッチするのを見ることができた。その後、正午過ぎに西渚干潟内のコアジサシ群中に、そろって舞い降りている2羽を確認することができた)
○アジサシ 3羽(東渚。コアジサシ群に混じっていた)
○コアジサシ 約270羽(東西渚。幼鳥も多く混じっていた)
○ヒメアマツバメ 2羽(公園中央部)
○イワツバメ 2羽(公園中央部)
○シロチドリ 3羽(東西渚)
○ミヤコドリ 7羽(東渚。越夏個体群)
○ダイゼン 2羽(東渚)
○ホウロクシギ 1羽(東渚)
○チュウシャクシギ 4羽(東渚)
以上。
<2002年7月14日>
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ハシブトアジサシ |
ハシブトアジサシ |
※葛西臨海公園(8:00〜15:50)
到着時は満潮を過ぎて潮が引き始めているところであったが、強い南風のため干潟が広がり始めたのは午前10時頃からであった。いつものように西渚の観察ポイントから渚周辺を中心に探鳥した。ハシブトアジサシを確認することができた。また、クロハラアジサシや繁殖後の渡りと思われるシギ類も見られた。主なものは次のとおり。
○ハシブトアジサシ 1羽(東渚。干潟の出現とともに、午前10時頃に東渚干潟中央部に出現した。特徴のある採餌方法で降下を繰り返していた。カニを採取していたものと思われる。距離的には観察ポイントから最短時で約100m、多くは200〜300mの遠方を飛翔していたので細部の確認は困難であった。しかし、種同定は問題ないと思われる。齢については頭頂部がゴマシオ状になっているようにも見えたものの断定するには情報不足と思われた。なお、午後2時頃からは飛翔する頻度が小さくなったが、探鳥を終了するまで干潟内に留まっているのを確認した。なお、我々が葛西臨海公園でハシブトアジサシを確認したのは、1999年7月4日、同7月20日に続いて3回目)
○クロハラアジサシ 1羽(第1回夏羽と考えられる個体。午前9時頃に西渚近くの水路に出現し、その後西渚周辺を舞ったのち旧江戸川河口方面に去った)
○コアジサシ 約350羽(東西渚。干潟上で休息している個体も多かったが、幼鳥に給餌する個体も多く見られた)
○ヒメアマツバメ 2羽(公園中央部)
○イワツバメ 2羽(公園中央部)
○ミヤコドリ 8羽(東西渚。越夏個体群。午前10時頃までは西渚内の砂浜にいた)
○シロチドリ 4羽(東西渚)
○コチドリ 1羽(西渚堤防上)
○オバシギ 2羽(東西渚。1羽は午前9時半頃に西渚にも飛来した)
○キョウジョシギ 1羽(西渚堤防)
○キアシシギ 2羽(東渚堤防)
○ホウロクシギ 1羽(東渚。干潟が出現するまで、東渚の西側堤防上でチュウシャクシギとともに休息していた)
○チュウシャクシギ 7羽(東渚堤防)
以上。
<2002年7月20日>
※谷津干潟(8:10〜13:30)Torikoのみ
到着時は干潮で干潟が大きく広がり、南船橋側に干潟の3分の1位の広さの水面がある状態であった。午後にかけて潮が上がるにつれて三番瀬方面からシギ・チドリ類が集まってくることを期待したが、期待はずれであった。昨日見られたというコアオアシシギも見られなかった。午後1時前には、干潟はほとんど冠水した。主なものは次のとおり。
○コアジサシ 10羽(干潟に降りていた。幼鳥も1羽見られた)
○シロチドリ 3羽
○メダイチドリ 5羽(夏羽個体)
○ダイゼン 17羽(越夏個体と思われる群)
○コオバシギ 1羽(正午頃に確認できた。わずかに胸のあたりが赤い個体。おそらく越夏中の個体)
○キョウジョシギ 8羽
○アオアシシギ 1羽(干潟中央部)
○キアシシギ 25羽
○オオソリハシシギ 4羽(夏羽個体も混じっていた)
○チュウシャクシギ 9羽
以上。
※葛西臨海公園(6:00〜9:50)
到着時は干潮前。既に干潟はかなり広がっているところであった。渚周辺と西渚の探鳥ポイントから東渚を探鳥した。シギ・チドリ類は多くなってきているように思われたが、特段変わったものは見られなかった。厳しい暑さとなってきたこともあり、早めに切り上げた。主なものは次のとおり。
○カンムリカイツブリ 1羽(東渚、夏羽の越夏個体。干潟上で休息していた)
○コアジサシ 約130羽(東西渚周辺で行動していた。干潟に降りて休息も行っていた。幼鳥もかなり含まれていた)
○チョウゲンボウ 2羽(いずれも若鳥。午前7時過ぎに、ほぼ同時に西渚草地上空に出現した。ハシボソガラスにモビングされながらも、風乗りやホバリングを繰り返しながら、時々地上に舞い降り、狩りの練習を行っているようであった。約30分後に鳥類園方向に飛び去った)
○イワツバメ 4羽(駅周辺)
○ミヤコドリ 6羽(東西渚。越夏個体群。2羽は午前9時前に一時的に西渚の砂浜にも飛来した)
○コチドリ 1羽(西渚、幼鳥)
○シロチドリ 9羽(東西渚)
○メダイチドリ 4羽(東西渚)
○ダイゼン 2羽(東渚)
○ソリハシシギ 1羽(東渚)
○アオアシシギ 1羽(東渚。渚内の水溜りで盛んに採餌行動を取っていた)
○キアシシギ 2羽(東西渚)
○オオソリハシシギ 1羽(東渚)
○ホウロクシギ 3羽(東渚。なお、1羽はやや遠方であったことと飛翔しているところを見れなかったことからダイシャクシギとの確実な識別はできなかった)
○チュウシャクシギ 8羽(東渚)
以上。
<2002年7月26日>
※船橋海浜公園(7:00〜11:10)
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ベニアジサシ |
到着時は満潮を過ぎて潮が引き始めているところであったが、干潟はまだ出現しておらず、水鳥達は主として船橋港寄りの堤防上で休息していた。特にコアジサシは例年のように集結中で大群となりつつあったが、その群中にベニアジサシを確認することができた。午前8時半頃には干潟も広がった。シギ・チドリ類も徐々に多くなってきているようであったが、特段変わったものは見られなかった。主なものは次のとおり。
○ハジロカイツブリ 2羽(夏羽、越夏個体)
○アジサシ 12羽(干潟にも舞い降りたが、数は多くなかった)
○コアジサシ 約2000羽(一部カウントのうえで推計した少なめの数。例年のように集結中である)
○ベニアジサシ 1羽(成鳥夏羽。午前7時半頃に堤防上のコアジサシ群中にいるのを確認できた。干潟出現後は、コアジサシとともに干潟にも舞い降りた。我々が三番瀬でベニアジサシを確認したのは、この3年間は連続)
○シロチドリ 16羽(幼鳥も混じっていた)
○メダイチドリ 32羽(換羽中個体が多い)
○ダイゼン 12羽(越夏個体群と思われる集団)
○ミユビシギ 6羽(換羽中個体)
○コオバシギ 1羽(胸がわずかに赤味を帯びた越夏中と思われる個体)
○キョウジョシギ 14羽(夏羽個体)
○アオアシシギ 1羽(換羽個体。三番瀬では最近は比較的珍しい)
○キアシシギ 14羽(夏羽個体)
○オオソリハシシギ 1羽
○チュウシャクシギ 5羽(午前9時頃に群で飛来した)
※葛西臨海公園(12:30〜15:10)
到着時は干潮で、沖合いにも大きく干潟が広がっていた。西渚の観察ポイントから渚周辺を探鳥した。午後2時前頃から潮が満ち始め東渚周辺に水鳥が集結し始めたが、特段変わったものは確認できなかった。主なものは次のとおり。
○カンムリカイツブリ 1羽(夏羽、越夏個体。澪筋を走り回ったりしていた)
○コアジサシ 約500羽(東西渚。一部をカウントして推計した数。もっといたものと思われる。汀線沿いに採餌したり、干潟上で休息したりしていた)
○ミヤコドリ 8羽(東西渚。越夏個体群。1羽は午後2時頃まで西渚内の干潟にいた)
○シロチドリ 8羽(東西渚)
○ダイゼン 2羽(東渚内、ほぼ夏羽と思われる個体であった)
○キョウジョシギ 3羽(東西渚)
○アオアシシギ 1羽(東渚内)
○キアシシギ 6羽(東西渚)
○オオソリハシシギ 2羽(東渚内)
○ダイシャクシギ 1羽(東渚内)
○ホウロクシギ 1羽(東渚内)
○チュウシャクシギ 4羽(東渚内)
以上。
<2002年7月27日>
※葛西臨海公園(6:30〜9:00)
到着時は満潮。ほとんどの干潟は冠水している状態であった。渚周辺を探鳥した。昨日は思ったよりもコアジサシが多かったが、到着時はほとんど見られなかった。今季初めてヨシゴイを確認できたが、特段変わったものは見られなかった。厳しい暑さとなってきたこともあり、早めに切り上げた。主なものは次のとおり。
○コアジサシ 約60羽(到着時はほとんど見られなかったが、潮位が低くなり始めた午前8時頃から東西渚周辺に出現した。昨日に比べると数的には減少していたので三番瀬方面に移動しているのかもしれない)
○ヒメアマツバメ 1羽(公園中央部)
○イワツバメ 2羽(鳥類園周辺)
○ヨシゴイ 1羽(♂と思われる個体。東渚アシ原上を比較的頻繁に飛翔していた)
○ミヤコドリ 6羽(東渚。越夏個体群。到着時は東渚中央丘で休息していたが、干潟が出現し始めた午前8時過ぎ頃からは採餌のための飛翔が見られた)
○シロチドリ 6羽(東西渚)
○メダイチドリ 8羽(渚周辺を群で飛翔した)
○キョウジョシギ 3羽(渚周辺)
○アオアシシギ 5羽(午前8時前に渚周辺を群で飛翔した)
○キアシシギ 6羽(渚周辺)
○ダイシャクシギ 1羽(東渚)
○ホウロクシギ 1羽(東渚)
○チュウシャクシギ 3羽(東渚)
以上。
<2002年7月28日>
※船橋海浜公園(7:10〜11:40)
到着時は満潮を過ぎて潮が引き始めているところであったが、干潟はまだ出現していなかった。水鳥達は主として船橋港寄りの堤防上で休息していたが、ほとんどは4000羽を超えると思われる数のウミネコであった。午前9時過ぎから干潟も広がってきたが、シギ・チドリ類やアジサシ類が舞い降りてきたのは午前10時頃からで、市川寄り干潟のみであった。特段変わったものは見られず、ベニアジサシも確認できなかった。主なものは次のとおり。
○ハジロカイツブリ 2羽(夏羽、越夏個体。堤防外側にいた)
○アジサシ 約40羽(数羽単位で干潟にも舞い降りたりしたが、沖合いを飛び回る個体が目立った)
○コアジサシ 約2000羽(到着時は数十羽が沖合いを飛び回っていたが、午前7時半頃から8時頃まで船橋港堤防に次々に舞い降りる群が見られ、大群となった。その後は大半が再度沖合いに去ったようであった。全般的に落ち着かない動きであった)
○シロチドリ 24羽(幼鳥も混じっていた)
○メダイチドリ 54羽(換羽中個体が多い)
○ダイゼン 16羽(越夏個体群と思われる集団に換羽中個体が数羽混じっていた)
○トウネン 18羽(干潟が出現する前の午前8時過ぎに堤防付近に飛来したが谷津干潟・茜浜方面に飛び去った)
○ミユビシギ 3羽(換羽中個体)
○コオバシギ 1羽(午前10時半頃にダイゼン群とともに干潟に飛来したが、貝採取のヒトに驚いて飛び去り戻らなかった。三番瀬周辺で越夏中と思われる個体)
○ソリハシシギ 1羽
○キョウジョシギ 48羽
○キアシシギ 36羽
※葛西臨海公園(13:00〜16:20)
到着時は干潮で、東渚の干潟は大きく広がっていた。西渚の観察ポイントから渚周辺を探鳥するとともに鳥類園で探鳥した。午後2時過ぎから潮が満ち始め水鳥が集結し始めた。4000羽を超えると思われるウミネコと3000羽近いカワウが相変わらず目立ったが、コアジサシも集結中であった。ただし、特段変わったものは確認できなかった。浜辺ではハマユウ、ハマゴウの花が盛りとなっていた。主なものは次のとおり。
○アジサシ 1羽(東渚、コアジサシ群中)
○コアジサシ 約1100羽(渚周辺。採餌したり、干潟上で休息したりしていた)
○ミヤコドリ 6羽(東渚。越夏個体群)
○コチドリ 5羽(鳥類園・汐入池)
○シロチドリ 6羽(東渚)
○メダイチドリ 8羽(東渚の他、1羽は汐入池)
○ダイゼン 10羽(東渚)
○ソリハシシギ 1羽(東渚)
○キョウジョシギ 3羽(東渚)
○アオアシシギ 2羽(東渚、汐入池)
○キアシシギ 12羽(東西渚)
○オオソリハシシギ 3羽(東渚)
○ダイシャクシギ 1羽(東渚)
○ホウロクシギ 1羽(東渚)
○チュウシャクシギ 5羽(東渚)
以上。