2002年6月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑

 

<2002年6月1日> Torikoのみ
 
※船橋海浜公園<8:10〜11:30)
 到着時は、わずかに潮が引き始めていた。堤防上などに休息していたアジサシ類やシギ・チドリ類は、干潟が広がるにつれ正面干潟に飛来した。特段、珍しいものはいなかったがハシボソミズナギドリが1羽沖合いに浮いていた。主なものは次のとおり。
 
○ハジロカイツブリ               2羽(夏羽)
○ハシボソミズナギドリ             1羽(9時20分頃、船橋港側の南北に伸びる堤防の先端から約100mの沖合いに浮いているのを発見。2回翼を広げて飛び立とうとするができないようで、その後は、嘴を体の中に入れて休息し、海上を漂っていた。このため黒いゴミのように見えた。)
○アジサシ類                  約400羽(多くは、船橋港側の堤防上で休息していたため遠く、アジサシとコアジサシ以外のアジサシがいたかどうか識別できなかった。正面干潟に降りたのは、コアジサシ約50羽とアジサシ2羽。その後干潟が広がっても正面干潟に降りてこず、船橋港側に広がった干潟に降りていた。)
○メダイチドリ                  3羽(夏羽)
○ダイゼン                    24羽(腹部が白もしくは白黒斑の個体のみ)
○コオバシギ                   1羽(喉から胸にかけて赤味を帯びた個体。ダイゼンと行動をともにしていた。)
○ソリハシシギ                  1羽(夏羽)
○キョウジョシギ                 1羽(片足が損傷していた個体)
○オオソリハシシギ               3羽(干潟に嘴を入れては、カニを取り出し、丸呑みにしていた。)
○チュウシャクシギ                7羽(堤防上に5羽休息。2羽が干潟に飛来。)
 
以上。 



<2002年6月15日>
 
※葛西臨海公園(9:20〜12:20)
 到着時は徐々に干潟が広がり始めているところであった。西渚の観察ポイントと鳥類園で探鳥した。鳥の数は多かったが種類は少なく、越夏個体が目立った。カモメ類はウミネコの若鳥を中心に、オオセグロカモメ、セグロカモメ、ユリカモメの計4種・2000羽以上が見られたが、特段変わったものは確認できなかった。越夏のカモ類3種(ホシハジロ、スズガモ、キンクロハジロ)も約60羽見られた。なお、ヨシゴイは確認できなかった。園内ではアジサイとともにネムノキの花が盛りであった。主なものは次のとおり。
 
○カンムリカイツブリ      1羽(夏羽、西渚水面) 
○コアジサシ         26羽(東渚周辺、干潟にも降りていた)
○チョウゲンボウ        1羽(成鳥♀、午前9時半頃に西渚草地上空でホバリングを繰り返していたが急降下して小鳥を捕らえた。その後、ウミネコ数羽に追われながらも獲物を抱えたままで荒川方面に飛び去った)
○ヒメアマツバメ        5羽(鳥類園周辺にイワツバメとの混群の形で出現。地上数メートルの高さも飛翔していた)
○イワツバメ          8羽(鳥類園周辺)
○ミヤコドリ          6羽(東渚周辺。当初、東渚内に分散して採餌していたが、午前11時頃に旧江戸川河口舞浜側に磯が出現するとともに揃って飛翔し、移動した)
○シロチドリ         10羽(東西渚)
○チュウシャクシギ      9羽(午前10時頃に舞浜方面から東渚干潟に飛来した。その後干潟内に散らばって採餌していたが、正午過ぎには沖合い干潟に移動するのが見られた)
○ヤマガラ           1羽(鳥類園周辺のマツの頂上部に休止しているのが見れた)
 
以上。



<2002年6月16日>
 
※船橋海浜公園(8:10〜9:50)
 到着時は満潮。カモメ・アジサシ類とシギ・チドリ類は堤防上などで休息していた。この時期にしては比較的多くの種類が見られたが、基本的には越夏個体が中心で、特段変わったものは見られなかった。ウミネコは若鳥のみと思われたが800羽以上が集結していた。また、例年見られるミヤコドリの越夏個体群は確認できなかった。午前9時半過ぎからは正面干潟が出現したが、潮干狩りの人出のせいかシギ・チドリ類は飛来しなかった。主なものは次のとおり。
 
○ハジロカイツブリ       2羽(夏羽、越夏個体と思われる。スズガモの越夏個体群と行動をほぼともにしていた)
○ウミアイサ           1羽(成鳥♂、到着時は貝殻島で休息していたが、漁船の接岸とともに手前に移動してきた。潜水を繰り返して採餌行動を取っていたが、風切羽に損傷があるようで飛べないようであった)
○アジサシ            8羽(到着時は沖合いを飛び交っていたが、午前9時過ぎ頃から手前の堤防上でコアジサシとともに休息する個体が見られた)
○コアジサシ         約60羽(周辺海上を飛び交っていたが、堤防上でよく休息した)
○シロチドリ            4羽(堤防上)
○メダイチドリ           3羽(堤防上)
○ダイゼン            22羽(堤防上。いずれの個体も胸の黒味は全くなく、若鳥からなる越夏個体群と思われる)
○コオバシギ            1羽(堤防上。のどから胸にかけてわずかに赤色味を帯びた個体。午前9時過ぎに手前側の堤防にダイゼン6羽とともに飛来した。三番瀬周辺で越冬した若鳥が、ダイゼン群とともに引き続き越夏しているものと思われる)
○ソリハシシギ           3羽(堤防上)
○キョウジョシギ          1羽(堤防上、♀と思われる個体であった)  
○キアシシギ            6羽(堤防上)
○チュウシャクシギ        8羽(到着時は遠方堤防にいたが、午前9時頃に群で手前堤防上空を通過した)
 
 
※葛西臨海公園(11:10〜13:10)
 到着時は徐々に干潟が広がり始めているところであった。西渚の観察ポイントと鳥類園で探鳥した。昨日と同様に東渚にはカワウとウミネコの大群が見られたが、昨日と異なりコアジサシの飛び交う姿は見られなかった。ミヤコドリは本日も確認できた。このことから、本年は、東京湾最奥部のミヤコドリは葛西周辺で越夏しているものと思われる。鳥類園の淡水池ではカイツブリ、カルガモのヒナ連れは例年どおり見られたものの、水質悪化のせいかオオバンのヒナ連れは見られなかった。主なものは次のとおり。
 
○カンムリカイツブリ      1羽(夏羽、東渚) 
○ヒメアマツバメ        1羽(午後1時前に鳥類園周辺を飛翔した)
○イワツバメ          2羽(葛西臨海公園駅周辺)
○ミヤコドリ          8羽(東渚)
○シロチドリ          2羽(東渚)
○チュウシャクシギ      9羽(東渚)
 
以上。
 

<2002年6月22日> 
ミヤコドリ
※葛西臨海公園(10:10〜12:20)
 到着時は干潮を過ぎて潮が上がり始め、干潟が狭まってきているところであった。西渚の観察ポイントと鳥類園で探鳥した。基本的には先週と同様であったが、北東気流の影響で天候が悪かったせいか人出が少なく、ミヤコドリなどが西渚で見られた。東渚はカワウとウミネコ(若鳥)の大群が見られ、特にカワウは一部をカウントして推計した数が3000羽以上であった。ハマナスの果実が色づいてきていた。主なものは次のとおり。






 
○カンムリカイツブリ      1羽(夏羽、西渚水面) 
○コアジサシ         18羽(西渚。群で行動していた。干潟にも降りたが、汀線沿いに採餌飛翔も行っていた)
○イワツバメ          8羽(鳥類園・淡水池周辺と駅周辺)
○ミヤコドリ          8羽(東西渚。越夏個体群。到着時には、西渚の砂浜に6羽が群れて採餌していた。比較的近くから観察することができ、マテガイと思われるものを掘り出して食べているのが確認できた。また、横取りしようとするウミネコと争ったりしていた。なお、6羽中5羽はクチバシ先端が黒く、目の赤味も認められず、若鳥と考えられた)
○シロチドリ          1羽(西渚)
○チュウシャクシギ     10羽(東渚)
 
以上。
 


<2002年6月23日>
 
※船橋海浜公園(9:10〜11:40)
カラシラサギ
カラシラサギ
 到着時は干潮。干潟は既に大きく広がり、水鳥も散らばっていた。昨日から見られているというカラシラサギが見れたが、全体的には先週よりも種類としては少なめであった。なお、死後かなりの期間が経過していると思われるハシボソミズナギドリの漂着個体(1羽)が見られた。当地でのカラシラサギは、昨年は6月30日に初認(終認は9月6日)となっている。主なものは次のとおり。
 
○ハジロカイツブリ       2羽(夏羽、越夏個体。スズガモの越夏個体群と行動をほぼともにしていた)
○ウミアイサ           1羽(損傷していると思われる越夏個体。水浴を行っていた)
○コアジサシ          62羽(汀線沿いを飛び交っていたが、干潟に降りて休息した)
○カラシラサギ          1羽(成鳥夏羽。潮干狩り会場内の澪筋でハゼなどの小魚を捕食していた。時折、他のサギ類と一緒になったものの、基本的には単独行動で、採餌行動後は干潟上や棒杭上で休息していた。なお、冠毛を逆立てる行動が数回見られた)
○シロチドリ            9羽(正面干潟)
○メダイチドリ           2羽(越夏個体と思われる)
○ダイゼン            15羽(越夏個体群)
○ソリハシシギ           1羽(正面干潟)
○キアシシギ            3羽(正面干潟など)
○チュウシャクシギ        3羽(正面干潟など)
 
 
※葛西臨海公園(13:10〜14:40)
 到着時は干潮を過ぎて潮が上がり始め、干潟が狭まってきているところであった。主として西渚の観察ポイントで探鳥したが、昨日と比べて特段の変化はなく、珍しいものは見られなかった。淡水池周辺では、早くもハギの花が見られた。主なものは次のとおり。
 
○カンムリカイツブリ      2羽(夏羽、東渚水面) 
○コアジサシ          2羽(東西渚)
○ヒメアマツバメ        2羽(公園中央部)
○イワツバメ          4羽(鳥類園淡水池周辺)
○ミヤコドリ          7羽(東渚。越夏個体群)
○ダイゼン           1羽(東渚)
○チュウシャクシギ      3羽(東渚)
 
以上。


<2002年6月30日>
 
※葛西臨海公園(7:30〜9:20)
 到着時は満潮。満潮を過ぎて徐々に広がる干潟に集まる水鳥を期待して、渚橋付近からと鳥類園で探鳥した。しかしながら、基本的には先週までとほとんど変化はなく、越夏個体群が中心であった。なお、ウミネコの数は、到着時西渚で休息していた約1200羽を含め、全体では2000羽を超える大群となり、成鳥〜亜成鳥も相当混じるようになってきていた。主なものは次のとおり。
 
○カンムリカイツブリ      1羽(夏羽、東渚水面) 
○コアジサシ          6羽(西渚。小群で行動し、汀線沿いに採餌飛翔を行っていた)
○ヒメアマツバメ        3羽(鳥類園・淡水池周辺)
○イワツバメ          6羽(鳥類園・淡水池周辺と駅周辺)
○ミヤコドリ          5羽(東渚。越夏個体群)
○シロチドリ          3羽(西渚)
○チュウシャクシギ      5羽(東渚)
○コイカル           1羽(公園中央部、久しぶりにさえずりの声が聞けたが、姿は確認できなかった) 
 
以上。