2002年5月 Torio&Torikoのフィールドノート 目次に戻る  top↑

 

<2002年5月6日>
 
※谷津干潟(10:50〜14:20)
 本日は小潮で、潮位の変動はわずかで到着時は満潮間近であったが、かなり干潟が広がっていた。ハマシギの群は1000羽以上が飛来していたほか、例年の種類はほぼ揃っていた。なお、ヨーロッパトウネン(注)についても確認できたが、やや遠方で短時間観察できただけであった。主なものは次のとおり。
 
○コアジサシ             48羽(主として干潟西側の澪筋で採餌行動を取っていたが干潟上で休息する個体も多かった)
○メダイチドリ             81羽(夏羽個体が多く干潟東側に多かった。昨日はもっと多く、約300羽が確認されたとのことであった)
○ダイゼン              103羽(成鳥夏羽個体も多い。昨日は約200羽が確認されたとのことであった)
○トウネン               56羽(夏羽個体が多かった。昨日は約100羽が確認されたとのことであった)
○コオバシギ              1羽(冬羽個体。わずかに赤色を帯びている部分が見られるが、夏羽への換羽はほとんど進んでいないので三番瀬周辺で越冬した若鳥と思われる)
○ソリハシシギ             1羽(南船橋側干潟で見られた)
○キョウジョシギ           33羽(昨日は約200羽が確認されたとのことであった)
○アオアシシギ             1羽(午後2時頃に干潟中央部に入っているのを確認できた)
○キアシシギ             47羽(干潟全体に分散していた。昨日は約80羽が確認されたとのこと。)
○オオソリハシシギ        181羽(干潟西側。午前11時過ぎにかなりの個体が干潟外に飛び出したが、その前にカウントした数)
○チュウシャクシギ          6羽(干潟東側に多かった)
○オオヨシキリ            2羽(干潟周辺。今日は余り鳴かなかった)
 
(注:これまで「ニシトウネン」の和名を用いていたが、標準和名が「ヨーロッパトウネン」に統一されているとのことですので、今後は後者を用いることにいたします)
 
 
※葛西臨海公園(15:10〜17:00)
 到着時は満潮を過ぎて徐々に潮位が下がり干潟が広がっているところであった。時間の関係もあり、鳥類園周辺および鳥類園からの東渚探鳥のみを行った。シギ・チドリ類やアジサシ類が見られた。主なものは次のとおり。
 
○カンムリカイツブリ          1羽(夏羽、東渚干潟に上がり不恰好な姿で身繕いしていた)
○アジサシ            約1200羽(東渚。午後3時半頃には東渚で休息していた)
○コアジサシ             約20羽(東渚周辺)
○ミヤコドリ               14羽(東渚。午後3時半頃には東渚東端部に集結していた。羽数に変動はあるものの、このところ連続して確認されているとのこと)
○コチドリ                2羽(汐入池)
○メダイチドリ              4羽(汐入池)
○キョウジョシギ            2羽(汐入池)
○ウズラシギ              1羽(汐入池)  
○アオアシシギ             3羽(汐入池)
○キアシシギ             14羽(汐入池)
○オオソリハシシギ          1羽(東渚)
○ホウロクシギ             2羽(東渚)
○チュウシャクシギ           4羽(汐入池周辺。東渚にも数個体見られた)
○タシギ                 8羽(汐入池。夏羽となっていた) 
○オオヨシキリ            約8羽(鳥類園周辺)
 
以上。


<2002年5月11日>

※葛西臨海公園(8:40〜14:00)
 到着時は徐々に潮位が下がり干潟が広がっているところであった。主として、鳥類園周辺および西渚の観察ポイントからの東渚周辺の探鳥を行った。ハマシギ(約350羽)を初め、かなりの種類のシギ・チドリ類やアジサシ類が見られた。沖合のスズガモ群は約120羽となっていた。主なものは次のとおり。

○カンムリカイツブリ          1羽(夏羽、午後1時頃には東渚干潟上にいた)
○アジサシ            約2100羽(東渚。到着時から東渚で休息しており、時折ユリカモメやコアジサシとともに舞い上がり群飛していた)
○コアジサシ            約270羽(東西渚周辺。荒川河口や旧江戸川河口付近でも群飛していた)
○ミヤコドリ               18羽(東渚。午前中は東渚のみならず、旧江戸川河口付近に現れた干潟や磯でも採餌していたが、午後は東渚に集結してきた。このところ連続して確認されているようである)
○コチドリ                2羽(汐入池)
○メダイチドリ              7羽(汐入池、東西渚でも見られた)
○ダイゼン                5羽(東渚。1羽は西渚にも飛来した)
○トウネン                16羽(東渚。観察ポイントに近い干潟に群れていた。遠方干潟にもいたと思われる)
○ミユビシギ              5羽(東渚。観察ポイントに近い干潟で確認できた羽数。2羽は西渚にも飛来した。ほぼ夏羽の個体も見られた)
○オバシギ               2羽(東渚。観察ポイント近くには寄らず、相当遠方であった)
○コオバシギ              1羽(東渚。観察ポイント近くには寄らなかったが、赤色が目立ち、飛翔した際に夏羽であることが確認できた。三番瀬周辺で越冬した個体とは別個体と思われる)
○タカブシギ               1羽(旧江戸川寄り水路干潟。午前10時頃にアオアシシギ、キアシシギなどとともに水路干潟に飛来したが、落ち着かず、よく鳴いていた。午前10時半頃に上空高く舞い上がり北方向に飛び去った。葛西ではタカブシギは珍しい)
○キョウジョシギ            6羽(東西渚)
○アオアシシギ            10羽(汐入池、東渚、水路干潟)
○キアシシギ             58羽(汐入池、東西渚、水路干潟)
○オオソリハシシギ          1羽(東渚)
○ホウロクシギ             2羽(東渚)
○チュウシャクシギ          16羽(東渚周辺。汐入池でも1羽見られた)
○タシギ                 1羽(汐入池)
○アカハラ                1羽(鳥類園北側。午前10時前にツリーという鳴き声とともに、枯死したマツに飛来し、樹皮に飛びつくことを数回繰り返した。樹皮にいた虫を採っていたものと思われた。目の後方に淡い眉斑があった) 
○オオヨシキリ           約10羽(鳥類園周辺)
○コイカル                1羽(公園西側。さえずりを聞いたのみ)

※習志野市茜浜(15:00〜16:30)
 本年もメリケンキアシシギが飛来したとの情報をいただいたことから、習志野市茜
浜の観察ポイント(菊田川河口から南西方向に延伸した堤防付近)で探鳥した。
 メリケンキアシシギは堤防突端部手前のテトラポット上で5羽確認できた。主なも
のは次のとおり。

○コアジサシ              12羽(堤防沿いを飛翔し、採餌行動を取っていた)
○コチドリ                 1羽(後背地)
○キョウジョシギ             1羽(堤防付近)
○キアシシギ               5羽(堤防付近)
○メリケンキアシシギ          5羽(堤防テトラポット上で見られた。
フナムシを盛んに採食していた。観察した範囲では2羽と3羽の群に分かれて行動しているように見えた)
○チュウシャクシギ           2羽(堤防付近)
  
以上。


<2002年5月12日>
 
※船橋海浜公園(7:10〜8:40)
 到着時は満潮を過ぎた潮の引き始めで、既にいくらかの干潟が広がっており、堤防上や沖合棒杭などで休息していたと思われるシギ・チドリ類が次々と舞い降りてきていた。全般的には前回探鳥時(4月29日)と同様で、鳥の数は多かったものの特段珍しい種類は見られなかった。潮干狩りの人出も多くなったことから午前9時前に切り上げた。主なものは次のとおり。
 
○アジサシ             約170羽(正面干潟に降りて休息していた数。沖合棒杭上や周辺海上も飛翔していたので、もっといたものと思われる)
○コアジサシ              24羽(正面干潟に降りて休息していた数。周辺海上をかなり飛翔していたので、もっといたものと思われる)
○メダイチドリ             37羽(個体数がかなり減少していた)
○ダイゼン              166羽(成鳥夏羽個体が多かった)
○トウネン              約140羽(夏羽個体が多かった)
○ヨーロッパトウネン           1羽(夏羽個体。トウネン群中やその近くで採餌。このところ確認されている個体と同一と思われる) 
○ミユビシギ             114羽(夏羽個体多くなってきていた)
○オバシギ               5羽(夏羽個体。ハマシギ群中で採餌していた)
○コオバシギ              1羽(ほとんど冬羽の個体。ハマシギ群中で採餌していた。三番瀬周辺で越冬した個体と思われる)
○ソリハシシギ             1羽(夏羽個体。カニを採取していた)           
○キョウジョシギ           約100羽(もっといたものと思われる)
○キアシシギ             約20羽(もっといたものと思われる)
○オオソリハシシギ         181羽(夏羽個体も多かった)
○チュウシャクシギ           2羽(ハマシギ群近くで休息していた)
 
以上。 

<2002年5月18日>
 
※葛西臨海公園(10:30〜13:50)Torioのみ
 到着時は徐々に潮位が下がり干潟が広がっているところであった。西渚の観察ポイントからの東渚周辺の探鳥と鳥類園周辺の探鳥を行った他、公園西側も回った。シギ・チドリ類やアジサシ類は先週と同様であった。通過の小鳥類は全く見られなかった。居残りのカモメ類も若鳥のみとなった。正午前にはハヤブサが出現したとのことで、また、その後は沖合にも干潟が出現し、水鳥達は広範囲に散らばった。主なものは次のとおり。
 
○カンムリカイツブリ          2羽(夏羽、東渚周辺)
○アジサシ            約2000羽(主として東渚。西渚でも約80羽が干潟上で休息していた。時折カモメ類やコアジサシとともに舞い上がり群飛していた)
○コアジサシ            約270羽(東西渚周辺。東渚内の澪筋で採餌している個体群も目立ったが、西渚の砂浜上で約180羽が休息していた)
○ミヤコドリ                6羽(東渚。旧江戸川河口付近に現れた干潟や磯でも採餌していた。連続して見られているようであるが、個体数は相当減少したようである)
○コチドリ                2羽(汐入池)
○メダイチドリ              1羽(汐入池)
○ダイゼン                2羽(東渚と西渚で各1羽)
○ムナグロ                1羽(西渚内の草地で休息していた)
○トウネン               14羽(東渚。観察ポイントに近い干潟に群れていた。遠方干潟にもいたと思われる)
○ミユビシギ             18羽(東渚と西渚。観察ポイントに近い干潟で確認できた羽数。西渚にも5羽飛来した。夏羽の個体も見られた)
○オバシギ               2羽(東渚。相当遠方であった)
○コオバシギ              1羽(東渚。相当遠方であったが、赤色が目立ち、夏羽であることが確認できた。他の方によると、この個体以外に赤味の少ない別個体も見られ、2羽確認できたとのことであった)
○ソリハシシギ             2羽(西渚と汐入池で各1羽) 
○キョウジョシギ           24羽(東西渚)
○アオアシシギ            10羽(汐入池、東渚でも見られたが、午後1時頃には水路干潟に7羽が揃って飛来した)
○キアシシギ             52羽(汐入池、東西渚、水路干潟)
○オオソリハシシギ          3羽(東渚)
○ホウロクシギ             2羽(東渚)
○チュウシャクシギ          16羽(東渚周辺)
 
以上。
 



<2002年5月19日>
 
※葛西臨海公園(12:20〜16:30)
 到着時は徐々に干潟が広がっているところであった。西渚の観察ポイントからの東渚周辺の探鳥と鳥類園周辺の探鳥を行った。アジサシの数は多くなっており相当な大群となっていたが、変わった種類を見つけることはできず、シギ・チドリ類、アジサシ類ともに昨日と同様であった。午後2時頃からは沖合にも干潟が出現し、水鳥達は広範囲に散らばった。主なものは次のとおり。
 
○カンムリカイツブリ          1羽(夏羽、東渚周辺)
○アジサシ            約4800羽(主として東渚。午後1時頃のカウント数。午後2時頃からは旧江戸川河口寄りに出現した干潟にも降りて休息していた。時折カモメ類やコアジサシとともに舞い上がり群飛していた)
○コアジサシ            約200羽(東西渚周辺。もっといたものと思われる。求愛給餌や交尾を行っている個体もかなり見られた)
○ミヤコドリ                7羽(東渚。旧江戸川河口付近に現れた干潟や磯でも採餌していた)
○コチドリ                4羽(汐入池)
○メダイチドリ              1羽(汐入池)
○ダイゼン                3羽(東渚)
○トウネン               12羽(東渚。観察ポイントに近い干潟に群れていた数)
○ミユビシギ              6羽(東渚。観察ポイントに近い干潟で確認できた数)
○オバシギ               1羽(東渚。相当遠方であった)
○コオバシギ              1羽(東渚。夏羽個体。相当遠方であった)
○ソリハシシギ             2羽(西渚と汐入池で各1羽) 
○キョウジョシギ            8羽(東西渚。昨日に比べると数が減少していた)
○アオアシシギ             7羽(東渚)
○キアシシギ            約60羽(汐入池、東西渚、水路干潟)
○オオソリハシシギ          2羽(東渚)
○ホウロクシギ             2羽(東渚)
○チュウシャクシギ         約50羽(汐入池、東渚、水路干潟)
○タシギ                  3羽(汐入池。午後4時前には2羽が揃って汐入池上空を飛び回った。次列風切の白色部が確認できた)
 
以上。
 


 <2002年5月25日>
 
※葛西臨海公園(6:00〜8:10)
 到着時は徐々に干潟が広がっているところであった。渚橋近くの観察ポイントからと鳥類園で東西渚周辺も含めた探鳥を行った。先週に比べて、シギ・チドリ類、アジサシ類ともに減少傾向で、特にコアジサシとシギ・チドリ類の大部分はどこかに移動してしまったものと思われ、ハマシギは汐入池で2羽を確認できたのみであった。主なものは次のとおり。
 
○カンムリカイツブリ          1羽(夏羽、東渚)
○アジサシ            約3000羽(主として東渚。先週までと異なり、落ち着かず、頻繁に舞い上がりカモメ類とともに群飛していた。午前6時過ぎの一部分のカウント数からの推計では約3000羽であったが、午後8時頃のカウントでは約2000羽であった)
○コアジサシ              約6羽(東西渚周辺。先週に比べると激減した)
○ミヤコドリ                2羽(東渚)
○ダイゼン                2羽(東渚)
○ソリハシシギ             2羽(汐入池) 
○アオアシシギ             3羽(東渚)
○キアシシギ            約30羽(汐入池、東西渚)
○ホウロクシギ             1羽(東渚)
○チュウシャクシギ           2羽(東渚)
 
以上。
 
   

<2002年5月26日>
 
※谷津干潟(11:30〜16:10)
 到着時は干潮を過ぎて、潮位が徐々に上がり始めているところであった。午後2時頃から、三番瀬方面のシギ・チドリ類の谷津干潟への移動が見られたものの数的には少なく、シギ・チドリ類は全ての種類で減少してきているように思われた。コオバシギが見られたが、成鳥夏羽ではなかった。主なものは次のとおり。
 
○コアジサシ            約20羽(出入りは激しかったが、午後2時頃には、干潟西側の澪筋で採餌行動を取る群が見られた)
○チョウゲンボウ           1羽(午後3時過ぎに東側干潟上空に出現した。狩りは行わなかったが、シギ・チドリ類をかなり飛ばした)
○イワツバメ             3羽(干潟西側。谷津干潟周辺では比較的珍しいと思われる) 
○コチドリ               1羽(干潟西側)
○シロチドリ              6羽(干潟東側) 
○メダイチドリ             2羽(夏羽。午後2時半頃に干潟東側に舞い降りているのを見ることができた)
○ダイゼン               28羽(成鳥夏羽個体は見られなかった。若鳥を中心とした越夏個体群になってきたものと思われる)
○トウネン               41羽(夏羽個体がほとんどであった。正午前は西側干潟に群れていた。その後干潟中央から東側に広がって採餌していた)
○ハマシギ               6羽(午後3時過ぎに干潟中央と西側で採餌しているのを見ることができた。急激に減少したことになる。冬羽個体1羽の他は夏羽であった)
○オバシギ               8羽(夏羽個体。午後2時過ぎに干潟東側に舞い降りてきていたが、午後3時過ぎのチョウゲンボウの出現で干潟外に飛び去った)
○コオバシギ              1羽(のどの部分のみ赤色味を帯びた個体。越冬後も三番瀬周辺に留まっている若鳥個体と思われる。午後2時過ぎにオバシギ群とともに干潟東側に舞い降りてきていたが、午後3時過ぎからはダイゼン群と行動をともにしていた)
○ソリハシシギ             1羽(干潟東側)
○キョウジョシギ           15羽(干潟東側)
○キアシシギ             92羽(干潟全体に分散していた。午後4時頃に干潟東側に多くの個体が集結した)
○オオソリハシシギ          8羽(干潟中央部。午後2時半頃にダイゼン数羽とともに干潟外に飛び出し戻らなかった)
○オオヨシキリ            4羽(干潟周辺)
 
以上。