野鳥の本 bP


「高原の野鳥物語」 恒文社 著者 手塚 宗求/写真 宮崎 学 定価2,800円
野鳥との因縁にからめ自己の人生を語ったものであろう。その時々によって野鳥は手塚さんの孤独な友であったりまた深い回想を呼び起こすシグナルであったりもする。その意味で野鳥たちの声がこの本の基調低音をなしているように思う。私はこの全文を一読して改めて著者の優しさに打たれると共に、文学的な香気の高い佳品として結晶している幾篇かを発見した。
(序文より 色川 大吉)
「高原の花物語」もあります。

「鳥の手帳」 小学館毛利梅園の肉筆の画集/解説浦本昌紀   2,010円
美しい細密画と身近な鳥141種類の生態写真を加えた鳥のガイドブック季語、文献例文、地方名等鳥の歳時記




「オーデュボン伝」 平凡社著者 コンスタンス・ルーアク
翻訳 大西 直樹アメリカの鳥類を出版したジョン・ジェームズ・オーデュボンの伝記小説
−彼女の描くオーデュボンの人間像はその肉声を聞くようないきいきとした描写が続き、現在の研究書でもかえって示すことのできない人間くささを伝えるところがあり、それこそこの本の長所といえるだろう。 (大西 直樹)




「野鳥の名随筆」 作品社 草野 心平 編集  1,800円
学者、文学者、随筆家など広い分野から36人の鳥に関する随筆を集めたもの。岡本太郎、平野伸明、齋藤茂吉、などそれぞれの人たちの鳥との関わりが個性的でおもしろい。
特に野上彌生子さんの随筆が好きです。



「野鳥の生活」 築地書館 羽田 健三 監修
この本は野鳥の生活について、小学校や中学校の先生方が種類ごとに分担して書かれてたものです。みな私の研究室の卒業生です。在学中卒業研究として一人一種の生活を研究し先生になられてからもずっと続けています。それは一生涯続くことでしょう。
それぞれの小鳥の生活が興味津々として極まりなく、また尽きることのない泉のように次々と新しい問題が無限に出てくるからです。また先生方のこの学研態度はあくことのない自己開拓の精神を生徒たちに自然に移し植えることに大きく役立っています。 (まえがきより)

「雁平野」 同時代社 文 田辺 一雄/写真 堺 博
ラムサール条約の登録地、伊豆沼を舞台にそこに飛来する雁たちと周辺に住む人たちの関わり、又沼と人々との関わりを取材して、証言を軸にして、テーマによって物語風に、又レポートやエッセイにしたり座談会式にまとめたり・・。
−取材して痛感したことがひとつある。かかわりについて語るときの人々は輝いてみえることである。自然とかかわりを持った人々、人々とかかわりをもった自然。どちらも豊かな活力に満ちている。だから輝いてみえるのだろう。(プロローグから)


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