テレビ情報
山下洋輔 拝
急な収録で、ジャムライスのホームページにのる時間が
あるかどうかわからないので、緊急連絡いたします。
フジテレビの夜の木村太郎氏と安藤優子さんのニュース・ジャパンで
月に一度、ポンタ率いるバンドが乱入する時間がありますが、
そこに3人ピアノの趣向で出ます。短い時間ですが、ポンタとデュオを
やります。放映が、明日の晩ということなので、ご連絡しました。
でも、YYOWSにもちゃんと載ってますよね。
新しいアルバム『FRAGMENTS 1999』にも収録されている「Brightness」が「博多の華」という焼酎のCM曲だということは皆さんご存知だと思います。このCM、なかなか素敵なのでぜひ見ていただきたいのですが、まだ見てない!という方も多いようなので、コツをお教えします。放映されるのは1日1回で、テレビ東京23:45ごろからの「スポーツ10」という番組後の時間帯。23:50から10分間録画していればとれるはずです。ただし、毎日ではなく隔日で、週によって月水金か火木土にわかれているようなので、二日間待機すれば万全ですね。年内で放映が終わってしまうかも……という噂も聞きました。お早めにどうぞ。
近日発売の「オール読物」10月号に、立松和平が「目玉」という小説?を書いていますが、これが麿赤児一派が山下トリオの「ダンシング古事記」というアルバムを作ったときの話です。参考文献に山下の「風雲ジャズ帖」が記されているという、相互乗り入れもの。是非ご一読を。
ちなみに、あのアルバム、いまでは希少価値で、一枚2万円のプレミアがついています。これを知ってお読みになると、余計面白いですよ。
9月21日頃発売の「オール讀物」10月号掲載の、立松和平さん「新庶民列伝・目玉」。目次には、「山下洋輔トリオの幻のライブ盤三千枚を売るため麿赤児が考えた秘策」とあります。
賀正
今年もよろしくお願いいたします
平成十一年 元旦
今年も、皆さまと方々でお目にかかりたいと願っております。
ところで、早速の鬼笑情報であります。
来年(西暦二千年)一月にオペラシティホールで、委嘱作品のピアノ協
奏曲を発表することになりました。慣れぬ譜面書き作業への集中のた
め、あるいは、おつきあい方面でさまざまな不義理が生じることにな
るやも知れません。
その折には何とぞご寛容ください。
山下さんからいただいた文章をそのまま載せます。お楽しみください。
近況リラックス報告。
とうとうフォーカスで密着されるなど、ベイスターズ狂躁日がようやく静まった今日この頃ですが、山下の趣味の近況をお伝えします。
(放送は12月30日です)
お相手が千寿五段、解説が片岡九段という豪華メンバーですが、本人は、勉強不足で迎える定期試験の心境を久々に思い出し、ブルいまくってしまいました。千寿先生もおおやけの場ですから、わざと易しい手ばかりを打つわけにはいかず、といって、山下が間違えたらそこでお終いになって番組の時間があまってどうにもならない。なによりもそのような弱いものを連れてきたということで恥をかく。などなどあって、大変なご苦労であったと思われます。
山下は、序盤に失敗をし、血の気が引きました。しかし、なんとか打ち進め、終盤では有望であったとのことです。しかし、ヨセで無意味な手を連発して、損をかさねました。そして、終わってみると、結果はなんと八十目対八十目の持碁、引き分けでありました。これは、千寿先生の完璧のワザとしか言い様がありません。
感激しっぱなしの山下は、その後、片岡、千寿、両先生、そして千寿先生のお友達で生徒の日テレアナ鷹西美佳嬢とともにルービなどを飲み、陶然となって帰宅したのでありました。
先日は、何年来の碁敵、文春の星さんに三連勝して白番を取り戻したばかリ、囲碁に関してはまずまず順調な日々であります。
7月31日の朝日新聞夕刊に掲載された「オフステージ」は、村上"ポンタ"秀一さんが連載するエッセイ(インタヴュー)の最終回でした。そこで取り上げられているのは、ずばり山下洋輔さん。パンジャ・スイング・オーケストラが誕生したいきさつ、第一印象が悪かったこと(燃えるピアノで頭にきたんですって)、でも会った瞬間にガラッとその印象が変わったことなどが書いてあって面白いです。ところで、ポンタさんってクラシックから入ったんですか? 知らなかったなあ。意外だなあ。勉強不足ですね。ごめんなさい。
ビッグニュース! 2000年1月9日、オペラシティ・ホールで、山下さん自作のピアノコンチェルト第一番を発表、初演することが決まりました!! 東京フィルハーモニー交響楽団で、指揮は佐渡裕さん。皆さん、今からしっかり予定を空けておきましょう。
7月3日にも京都で共演された指揮者の佐渡裕さんが『CDジャーナル』で連載されているエッセイ「ぼくが大人になったら」。7月号は「ラプソディ・イン・ブルーで山下洋輔と"他流試合"!」というタイトルで、今年3月のパリ公演からプライベートな集まりでのエピソード、マネージャの村松さんについて、と2ページ全部を使ってめいっぱい語ってくださっています。読んで嬉しくなるエッセイでした。ところで村松Gさん、本当にいろんな国に行くたびに、その国の言葉を勉強なさっているんですか?
関連情報で書いた梁石日氏山本周五郎賞祝いでのエピソードをお一つ。一昨年、梁氏が直木賞候補になったとき、山下さんはお仲間と集まり飲みながら発表を待っていたんですが、残念ながら結果は落選でした。それで、前回は自分が待機組みにいてダメだったから今回は加わらない、とゲンを担ぎ、発表までわざわざ一人別の場所で飲んでいて、決まってから合流したんだそうです。うーん、なんて優しい。素敵。今回そのおかげで受賞が決まったかどうかは定かではありませんが、山下さんのお人柄が感じられる話ですよね。そうそう、8月には梁氏の文庫本『断層海流』が幻冬舎から発刊されますが、解説は山下さんみたいですよ。
前回紹介した映画「カンゾー先生」。1月下旬で音楽の収録が終了しました。映画の公開は9月以降みたいですが、サウンドトラックCDの発売も決まっているそうで、それ用にセッションも行なったとか。発売は映画公開の後でしょうか。どちらも待ち遠しいですね。
話は変わりますが、今年はライブの数がいつもより少ないようですから、チャンスを逃さないようご注意ください。
車にハネられたりなんだりで更新がすっかり止まっていました。情報が間に合わなかったものも出てしまって申し訳なく思っています。さて、前回予告した「
新CD
情報」なんですが、実は山下さんがご自分でライナーノーツを書くことになり、内容がダブる恐れがあるということで中止になりました。で、今回は映画の話です。なんと今度、あの
今村昌平監督
の次作品「カンゾー先生」の音楽監督をすることになったそうです。
脚本が面白く、さらに実際に監督にお会いして大変心を動かされ、やることに決めました。少し前には岡山のロケ現場にでかけて、海辺での撮影を見学しました。30秒のシーンを一日ががかりで撮り、その費用はうん百万円というのですから、もう凄い世界です。ラッシュができてから、音楽録音まで2箇月もあるという日本映画には珍しい余裕で、これも安心の原因です。
と、おっしゃっています。原作は坂口安吾氏の「肝臓先生」、ただしかなり変えてあるとか。
ラストシーンにあっと驚く今村世界が出現します。
ということです。そこに山下さんの音楽がどう絡んでいくのかも楽しみですね。ところで、この作品に関する情報を調べているのですが、なかなか見つかりません。「うなぎ」関連は多いのですが・・。映画に詳しい方、ぜひ情報をお寄せください。お願いします。
お久しぶりの「こぼれ話」ですが、ネタがたまってまして、これから立て続けに更新されるかもしれません。例によって山下さんからの情報が盛りだくさんですので、どうかお見逃しなく。
ニューヨークトリオ・プラス・ラビ・コルトレーンは、横浜公演の後、急遽決定した韓国ジャズフェスへの参加で、韓国にいきました。当初くると言われていたハビー・ハンコックのグループはキャンセルとなってしまいましたが、サムルノリのリーダー、キムドクス氏のスタジオ見学や、記者会見など多忙かつ実りある時間を過ごしました。本番は、吠え声のような歓声に迎えられ、気持のよいツアー最後の夜でありました。打ち上げは、徹底的な焼き肉攻撃で、肉のだめなセシルはビピンパでしのいでおりましたが、大変気に入ったもようでした。
なるほど、山下さんはナマモノ、マクビー氏は肉がだめなんですね。しかし、
あの横浜公演
に続いてのライブです。ただですむわけがないと半ば期待しておりましたが、何事もなく大成功に終わったようでなによりです。横浜での停電事件は「J.G.Bird」に原因があるとのもっぱらの噂ですが、その話はまた後日。
記者会見ではラビが予想して嫌がっていた通りに、女性記者から父親とのことを聞かれました。これには大変慎重に答えておりました。ジャズは徹底して個人の表現であり、難しいが自分はそれに挑戦しているのだというような内容だったと思います。隣にいた私に「次の質問は決まっている。その楽器はお父さんのものですか?っていうんだよ」とささやいていましたが、その質問は出ませんでした。思わず「それで、そうなの?」と聞き返しそうになりましたが、これは最低なので我慢しました。方々でとくにヨーロッパではその観点で質問ぜめになるようで気の毒でもあります。名前だってラヴィ・シャンカールからですからね。大変です。
自慢にもなりませんが、私などはお父様のことをあまりよく存じ上げないので、比較しようにもできません。ジャズを聴かない人でさえその名前を知っているという人が父親で、しかも同じ分野の音楽、楽器をやっているんですから、関心がそこに集まってしまうのはある程度仕方のないことかもしれません。でも、そのうち私のような先入観無く接する観客が増えてくるかもしれませんよ。ってなんか話がズレてますか?
彼は譜面を見るのが、スタジオミュージシャンのように速くはないのですが、いったん覚えると理解が深くどこまでも自分のものにしていきます。その才能は彼独自のもので素晴らしいものがあります。また再会するでしょう。
クエストでの「J.G.Bird」、横浜での「Soul Eyes」、恐らく一生忘れられません。もちろんラヴィ・コルトレーンも。
さて次回は新しいCD情報の予定です。乞うご期待。
5月19日〜22日まで行なわれた
平幹二郎さんのお芝居
、スケジュールを見て「これはなんだろう」と思っていたかたもいらっしゃると思います。私もそうだったのですが、この度(実はかなり前だったんですが・・)教えて頂きましたので、ご紹介します。
平幹二朗(これ完全一発変換ですよ!)
さんの一人芝居というのは、親鸞という坊さんについてその非運の息子が語るというもので、大変真面目で感動的です。
ここでなぜわざわざ名前の変換のことを強調しているのかということについては別の機会にお話しするかもしれません。ちなみにうちのパソコンも最近は一発変換します。
そもそもは広島のお坊さん連合が発案したもので、観客は信徒の人達であり、したがって半分クローズドな性格の芝居です。エンディングには志願の坊さんたちがでてきて念仏の大合唱となります。平さんもぼくも宗教には関係ありませんが、なぜか指名されたのですね。初演のときの坊さん主催者の中にジャズ仲間がいたのが原因だと思います。その後、平さんだけで何度か再演したそうですが、今回の北海道ツアーには是非またピアノ入りでというご希望で今回の再共演が実現しました。
ということで、なんと今回が初めての芝居ではなかったんですね。こんな面白そうなことだったら何かに書いてありそうな気がしますが、読んだ覚えがありません。
一時間十五分のノンストップ劇の間に、オープニングのソロを含めて、七箇所ほどその場で音を入れていきます。下手にピアノがあって、弾いていない時にもそこにずっといっぱなしという未経験の人前状態で、これが意外に難しい。台詞に聞きほれると出番を忘れそうになるし、といって台本をあっちこっちめくっていては邪魔になる。半眼陶酔男となってじっとしつつ、弾くところでは弾くという修業をさせてもらいました。
これはジャズのライブで、他の人のソロを気持ちよさそうに聴いている山下さんの姿が浮かびました。さすがに「イエーイ」とは言わないでしょうが。
平さんの演技はさすがで毎回楽しみ、感動しました。変な言い方ですが、プロらしい仕事をしたという満足感がのこりました。
うーん、観たかったなあ。でも北海道だし半分クローズドとなるとやっぱり難しいですね。どなたかご覧になった方はいらっしゃいますか?感想などお聞かせくださいませ。
今回は、以前
'97/04/13
で紹介した、ニューヨークの大学での講義についてです。
フェロンが迎えにきてくれて向かった学校は、7番街をそのまま下った右の一画にあるものです。生徒は、音楽のクラスと批評のクラスあわせて40人ほどが来ました。他に先生たちと、なぜか、教会関係という黒いおばさまがたがピアノの後ろに陣取っておられました。用意した英語のレジュメを読むのに正確を期す為に、フェロンに頼んで利発そうな白人女子学生を徴発し、彼女に読ませて山下が段落ごとコメントしました。ただしこの時の英語は我ながらひどい。日本の古い音楽の例として、もらったばかりの沖縄の新良君とサンデーのCDをかけてしまうという乱暴をやってしまいました。ピアノはまず「スワニー川」をやりましたが、これは受けて皆納得したようです。それから、おばさまがたの前ではありましたが、ブルーノートの講義をやり、ピアノの最後は「仙波山」でした。
質問コーナーではさまざまものが飛び交いましたが、大体いい加減に答えておきました。なぜバンドマンになったかという質問に、最初の仕事でもらった金の額に驚いたからだと言うと、これが大受けの大納得。やはりアメリカですね。終わったら教授たちを含めてみなが握手にきてくれ、教会関係だというおばさまの一人からは「チャーチミュージックはやらないのか」と聞かれました。
企画したフェロンの知り合いの女史(日本人顔)も喜んでおり、後味は大変よいです。「これからは大学レクチャーツアーだ」とフェロンと共に盛り上がっております。
そういえば私は山下さんの講義というものは一度も聴いたことがありません。日本ではやってくださらないのでしょうか。もちろん講師をなさっていますから、学生向けにはなさっているんでしょうけど、一般の人もOKのいわゆる講演会をぜひ一度聴いてみたいです。もしかすると日本でのほうがやりづらいのかしら。
山下さんが
ASAHIネットの221情報局
(筒井康隆さんのファンクラブ)に書いた松井守男さんの絵についての文を転載します。
とりあえずは、九州別府の「杉乃井ホテル」にいくと専用のギャラリーがあります。あとは京セラの重役会議室、札幌空港の国際線VIP待合室など個人コレクションがほとんどです。ちなみに、CDアルバムにつかった大作二つはヤノピ家にあります。これを言うとまずいのでCDアルバムにも所蔵場所を書かなかったのですが、221ですから言ってしまいます。どうも絵というものは最後には持っていることを言い触らしたくなるものですね。ヤノピ家にはあと筒井伸輔の大作もあります。 なお松井守男の日本での個展は、多分数年内に実現すると思います。その前にモナコである予定です。
(97/01/22)
ソロのCDアルバムのライナーの中で、フェッシュ美術館を「ルーヴルにつぐフランス第二の格式をもつ」と書いたのですが、これは、正しくは「イタリア絵画においては」です。そちら方面に詳しく、はてなと思われた方々にお断わり申し上げます。
だんだんコルシカびいきになっているので、どうしてもその立場からの対フランス的、あるときにはアンチ・フランス的態度、を背景にした恣意的解釈に寛容になってしまうのでした。
(97/01/22)
以前
'97/04/06
で書いた西郷さんの肖像画のテレビは「神がみのいたずら」でした。詳細は
こちら
。
山下さんがニューヨークの「コミュニティカレッジ」というところで講義をします。NYトリオのフェロン・アクラフ氏の紹介だとか。講義といってもピアノを弾くわけですが、
いちおうアメリカ人に何事かを分からせなければと思い、「ポンニチのわしがジャズをやることになったそもそもの原因はペリー提督の来襲からじゃ」というような概略をのべたい
と現在レジュメを作っているそうです。これが奥深くきりがないと苦労されているようですが、
そんなことしても「コミュニティカレッジ」の実体は、実は、保釈中の不良少年が義務で聴講するものだったりして、3人位の凶暴そうなやつがいやそうに椅子にのたくってこっちをじっと見ているだけだったりして、そうだったらどうしようなどと、例によって妄想をふくらませておりますが、はたしてどうなりますか。
と余計なこと考えて楽しんでるから進まないんだったりして。ああ、ほとんどそのまま使ってしまいました。ごめんなさい。
そして今回はお祝い事が一つ。先日、山下さんが囲碁の大会で準優勝されたそうです!! おめでとうございます。ハンデ戦とは言うものの4戦4勝。全勝ながら惜しくも準優勝になったのは同率者3名の抽選の結果だとか。囲碁に詳しい方のために、ちなみにどういう大会かといいますと、片岡聡九段の紹介で参加したお師匠さんの榊原先生の大会だったそうです。
また、横浜ベイスターズの熱狂的ファンで有名な山下さんですが、最近は二軍戦の試合観戦にハマっているそうです。画家の松井守男さんのお知り合いの選手がいるのがきっかけだそうですが、その方が先日の カザルスホールのコンサートにいらっしゃっていました。ポジションをうかがうの忘れてしまいましたが、岩本さん、頑張ってくださいね。さて、一軍、二軍ともに今年のベイスターズはどんな結果を出すでしょうか。野球をあまり知らない私もなんだか楽しみです
。
山下さんが
ASAHIネットの221情報局
(筒井康隆さんのファンクラブ)に書いたコルシカについての文を転載します。
松井守男のフェッシュ美術館での個展のオープンセレモニーに出席してきました。いやはや盛大なものでした。続いて行われた市庁舎での歓迎パーティでは、松井氏と並んで名前を呼ばれ、なんと、アジャクシオ市長から大きなメダルを授与されました。名誉市民ということらしいのですが、メダル以外に賞状などはないので、いったいどういうことなのかよく分かりません。これからゆっくり調べます。それにしても、コルシカ永住を決めたマツイは当然としても、こっちはすごいイモズルであります。近作のソロピアノアルバムでコルシカとその音楽を世界に紹介したということが理由になっているようですが、これはマツイのサシガネにちがいありません。彼と一緒にいるとかならずこういうダイナミックな騒動が起きます。
オンナは送りこまれてきませんでしたが、毎日必ず、これを断るとやばいという状況がいつのまにかセッティングされ、気がつくとピアノを弾きまくっておりました。
コルシカの人にはコワくて聞けませんでしたが、あそこのマフィアは、小説などではユニオン・コルスというのではなかったですかね。道端に爆破された家などが放置してありますが、誰も気にしないという感じです。たしかフレデリック・フォーサイスがいくつかの作品でコルシカ人を書いていますが、結構格好よい。あれ何かシンパシーがあるのかな。
ついに巻き込まれたか ヤノピ
(97/01/22)
「コルシカの方たちは(Arr.by Y.Yamahita)や(from Corsican Folksong )を聴いて、なんの曲か判ったみたいでした?」という質問に対して。
市庁舎で、「チャント・オン・D」(タイトルは山下が勝手につけた)を弾いたときに、メロディ部分でハミングの合唱が起きていたそうです。何だか分かったわけですね。このタイトルは無難ですが、他に「ララバイ・オブ・バスチア」とこれまた勝手に名づけたメロディがありまして、それについてはは心配です。アジャクシオ、バスチア、カルヴィといった市がそれぞれ別の親分の元に張り合っているという事情があるので、バスチアはよいでしょうが、他のところが「あれはうちのほうのメロディだ」と言ってきたりするとコワいわけです。ちなみに、市庁舎に用意されていたのはクラヴィノーヴァだったので、いよいよ最後に「弾け」という儀式になった時に、残念ながら松井氏を通じて「弾けない」と言ってもらうことにしました。松井氏が彼らのプライドを傷つけないように「ヤマシタは肘打ちをやるのでこのピアノだと壊してしまう。よって、ご遠慮させてもらう」と言いますと、市長以下、わっと色めきたって「そうか、じゃあ、どう壊すのか見せてもらおうじゃないか」と、ドスをきかされてしまいました。足の踏み場もない満員の人達がわあわあとはやし、これでやらなければコロされる状況ですよね。それで、「ディヴェルティメント・イン・F」からぶちかましたわけです。これは一緒にハミングする余裕を与えない演奏をしましたが、大受けとなり、次もやらざるを得なくなって前述の曲へと移行したわけです。終わったあと、このクラヴィノーヴァを運んできてくれたコルシカ唯一の録音スタジオの社長が挨拶に来て、目に涙をうかべながら黙って手を握ってくれました。弾いてよかった!断わっていたらこの人のプライドは取り返しがつかず、どういうコルシカ物語が生じていたか分からないところです。
帰国直後概基地 平にご容赦 ヤノピ
(97/01/22)
この前で書いたテレビの「神々の指紋」というのは本だったみたいですね。じゃあ「神々の遺産」だったかな。でも、あれってそういう内容やるんでしたっけ・・。
最近、テレビやラジオに出演されている山下さんですが、この後もいくつか予定があるようです。まず衛星放送では沖縄9日間のロケを行い、その様々なアーティストとの対決の模様を放映。もう一つは「西郷隆盛の肖像画の真相」というような内容で「神々のなんとか」という番組だそうですが、これは「神々の指紋」でしょうか・・。詳細がわかったら
関連情報に載せます。
それからちょっと先の話ですが、クラシック関係の予定を少し。今年11月に新日フィルでラプソディ・イン・ブルーをやるそうです。指揮は井上道義さん。そしてなんと来年3月にはパリの伝統あるオーケストラ、ラムルー交響楽団で同じくラプソディをやるそうです。これはアメリカ音楽週間ということで、指揮の佐渡裕さんの推薦で出演することになったそうです。その楽団の年間パンフレットに載せるためのアンケートの内容を教えて頂きましたので、紹介します。
エッセイなどに書かれていたので、山下さんが免許を取ってベンツに乗っているというのは皆さんご存知だと思いますが、このたび(といってもずいぶん前ですが)車を新しくしたそうです。そのいきさつがまた面白い。今まで乗っていた子ベンツが壊れ(エンジンがバラバラになったとおっしゃっていた気がしますが、それってかなり恐い)、修理に出したんだそうです。そのとき代車で来たのが同じベンツでもものすごいパワーのあるやつ。それに乗った山下さんはすっかり魅せられてしまい、なんとそのままその代車を購入してしまったとか。周りの「代車なんて一番よくないものが来るんだからそれを買うのは馬鹿だ」という言葉もなんのその。そんなに気に入ったのはスピードなんでしょうか、安定感でなんでしょうか。車に詳しくないので、なんというモデルにしたのかは忘れてしまいました。エッセイで、ベンツは人格を変えるというのがありましたが、山下さんはハンドルを握るとどうなるのでしょう。ちょっと興味があります。でも私たちはピアノの前に座ったとたんジャガーチェンジする山下さんを目の当たりにしてますからね。
今回はいろいろ。まず、トリオのドラマーだった小山彰太さんの初リーダーアルバム「一期一会」のライナーノーツを書いたそうです。発売は10月下旬、オフノーツより。それから、山下さんがプロデュースした林栄一さんのアルバムの録音が終了しました。たしかスタンダードのみのはずです。素晴らしい出来とのことでした。山下さんは3曲参加。タイトルは未定で発売は来年4月以降になるそうです。最後にライブ情報です。12月28・29日、新宿ピットインで山下洋輔ツーデイズがあります。1日目はソロ、2日目はなんと、林栄一さんのCDで組んだバンドのお披露目があります。バンド名は「ウエスト・ゴースト」の予定とか。お見逃しなく。
関連本の情報。「ある警視総監日記」(吉野準著 新潮社)定価1500円。もと警視総監の日記とエッセイですが、著者は「風雲ジャズ帖の逆襲」の警視庁コンサートに出てくる、あの好野警視総監です。というわけで、この本にはそのコンサートの様子などが書かれていて、別角度からの貴重な報告になっています。ぜひご一読を。P242です。他の部分もなかなか興味深いです。ところで、警視総監って誰が任命するか知ってました?答えはP11を。
コマーシャル(もちろんMOVE)がらみの業界話。第三弾で使ったピアニカは、ホーナーという外国製品(マウスピースはサキソフォーン製)でした。ところがヤマハにおいてあるそのピアニカがどんどん売れて店頭からなくなってしまい、「なんでヤマハを使ってくれなかったんだ」とこぼしているらしいです。また、楽譜売り場には「あの曲の楽譜はないか」との問い合わせがあったとか。「SPIDER」の楽譜ならCDについてるけど・・・。なおこのCMは契約が一年間で、今月いっぱいで終わる予定だそうです。
おととい帰国。今回のツアーは、チェコのプラハでの筑豊青少年交響楽団との共演(金沢明子レポートで福岡テレビで放送予定)、コルシカ島でのソロレコーディング( NYトリオの発売 の次の月に 連続発売 )、バスク地方のサン・セバスチャン.ジャズフェスティヴァル(ベルリンジャズフェスに次ぐ三十年の伝統を持つジャズフェスだそうです)に、ソロ一日、高瀬アキとのピアノデュオ一日という日程。