「カンゾー先生」 staff & cast profile


柄本 明 AKIRA EMOTO (赤城風雨)

「開業医は足だ!」という先代の遺訓を守って、雨の日も風の日も診療鞄を抱えて町中を年中走り回っている。通称、カンゾー先生。蔓延しつつある肝臓炎を、なんとか撲滅しようと奮闘するが、戦時という時局で困難がたちはだかる。

1948年11月3日、東京都生まれ。自由劇場を経て77年東京乾電池を結成。特異なキャラクターで舞台、映画、TVと幅広く活躍。主な出演作は『疑惑』(82年)『二代目はクリスチャン』(85年)『木村家の人々』(88年)『Shall we ダンス?』(96年)。『空がこんなに青いわけがない』(92年)では監督業にも進出している。今村作品には『うなぎ』に続いての出演となる。10月からは、NHK朝の連続テレビ小説『やんちゃくれ』に出演。


麻生久美子 KUMIKO ASOU (万波ソノ子)

村でも稀な美人だが少々とろいところがある。セックスに対する観念は大らかだが、相手の男からは、しっかり金は取る。そんなことをやめさせるために赤城医院の見習い看護婦をやらされる。漁師の娘だったので一本釣りは名人級、いつか鯨を仕留めてやると本気で思っている。

1978年6月17日、千葉県生まれ。95年『第6回YJ女子高生制服コレクション(週刊ヤングジャンプ)』でグランプリを受賞し、同年あいかわ翔の第1回監督作品『BAD GUY BEACH−悪人海岸探偵局−』で女優デビュー。以降、NHK BSドラマ『ご就職』(98年)に出演。99年には『ニンゲン合格!(仮題)』(黒沢 清監督)の公開が控えている。


ジャック・ガンブラン JACQUES GAMBLIN (ピート)

オランダ兵の俘虜。スパイ容疑で拷問を受けたが、スキを見て収容所を脱走。酷い怪我で苦しんでいるところをソノ子に助けられ、赤城医院に入院する。赤城の親切に感謝して顕微鏡作りの手助けをするが、憲兵に見つかり連れ戻される。戦争と日本兵を徹底的に憎悪している。

1957年、フランス・ノルマンディ地方グランヴィル生まれ。76年9月に劇団に入り、翌年レンヌの劇場でカフカ原作『城』のK役で舞台デビューを果たす。以後舞台を中心に活躍していたが、最近は映画でも『レ・ミゼラブル』(95年)『パリのレストラン』(95年)『ペダル・ドュース』(96年)等出演があいついでおり、フランスでは現在最も旬である俳優の一人となっている。


世良公則 MASANORI SERA (鳥海)

赤城の友人で外科医。商売物のモルヒネを打ちすぎてすっかり中毒になっている。赤城達と脱走兵ピートをかばった事から軍部に連行され、拷問をうけ命より大事なモルヒネを全部憲兵に踏み潰される。禁断症状に狂い、薬を盗もうと兵舎に忍び込み兵隊達に射殺される。

1955年12月14日、広島県生まれ。77年『あんたのバラード』で第14回ポプコングランプリと第8回世界歌謡祭グランプリを獲得し、“世良公則&ツイスト”でプロデビュー。連続ヒットをとばす。81年解散後は、ソロボーカリストとして音楽活動を続ける一方で、俳優としても頭角を現わす。映画では、『Wの悲劇』(84年)『極道の妻たち』(86年)『鬼平犯科長』(95年)等に出演している。


唐 十郎 JUROU KARA (梅本)

赤城の友人の一人。延命寺の住職だが酒と女にはまったく目がないかなりの生臭坊主。それがもとで四人目の妻にも逃げられる。兵器の原料にと寺の梵鐘を軍部に取られた為、兵隊達には強い反感を抱いている。

1940年、東京都生まれ。63年、劇団状況劇場を


松坂慶子 KEIKO MATSUZAKA (トミ子)

料亭紫雲閣の女将。40を過ぎているが、後家さん特有の色気があり、言い寄る男も多い。昔から赤城に惚れているが、相手はカンゾーにのめりこんでいるのでラチがあかない。根は好き者だが他人の面倒見はいい。

1952年7月20日、東京都生まれ。72年に松竹に入社。78年『事件』で注目を集め、『青春の門』(81年)『道頓堀川』(82年)『蒲田行進曲』(82年)と軒並み主演を果たし、映画女優として不動の地位を築く。『死の棘』(90年)では、従来のイメージとは正反対の地味な主婦役を見事に演じ、映画各賞を受賞。最近の映画出演作では、『新・居酒屋ゆうれい』(96年)、『卓球温泉』(98年)がある。


音楽/山下洋輔 YOSUKE YAMASHITA

1942年、東京都生まれ。69年、山下洋輔トリオとして活動をスタート。83年に解散後、ソロ・ピアノを始め、オーケストラや和太鼓との共演など、国内外を問わず演奏活動を展開。世界中のジャズ・ファンから圧倒的な支持を受ける、日本の誇るナンバーワン・ジャズ・ピアニストの一人である。「この映像に、ジャズを組み合わせたい」という今村監督からの熱望で、今回のジョイントが実現した。
※『カンゾー先生 オリジナル・サウンドトラック』、ポリドールより発売中。(POCJ-1416)

監督/今村昌平 SHOUHEI IMAMURA

1926年、東京大塚の開業医の三男として生まれる。51年に松竹大船撮影所に入社、小津安二郎や川島雄三のもとで助監督につく。54年に日活へ移り、脚本家の山内久と共に『幕末太陽伝』(56年川島雄三監督)のシナリオを担当。58年、『盗まれた欲情』で監督デビュー。『赤い殺意』(64年)『神々の深き欲望』(68年)など、一貫して“人間の性(さが)”を追求する。66年には(株)今村プロダクションを設立。70年代に入るとTVドキュメンタリーの形で自身のテーマの完成を試み、数年にわたる未帰還兵問題追求に対して74年にテレビガイド特別賞を受賞。同じく74年、横浜放送映画専門学院を設立、学院長に就任する。『復讐するは我にあり』(79年)『黒い雨』(89年)等で国内の賞を総ナメにする。97年には『うなぎ』で『楢山節考』(83年)以来2度目のカンヌ国際映画祭パルムドール賞を獲得した。

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