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リストマーク 東北6県の民教連・民教協代表が
連名でアピール(2006.10)

◇◇ 東北民教連アピール ◇◇
   教育基本法改悪を阻止し、
      教育基本法を守り生かす実践と運動を

 政府は今年4月28日、国会に教育基本法「改正」法案を提出しましたが、衆議院特別委員会では審議未了により継続審議となりました。しかし、新しく誕生した安倍内閣は、「教育再生」の名の下に、教育を戦前のような「国家のための教育」に変えようと、臨時国会では教育基本法「改正」法案を最重要法案として「早期成立を期す」と明言しました。
 教育基本法は、いま最大の危機を迎えています。

◆◆ 生活綴り方運動と教育基本法 ◆◆
 戦前・戦中、東北の教師たちは、治安維持法違反で逮捕・投獄されるという過酷な弾圧の中で、子どもたちに地域と生活の現実をリアルに見つめさせながら「綴り方」を書かせ、一人ひとりの子どもの人間性をほりおこすという「生活綴り方運動」を展開しました。それはまさに「個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成」(教育基本法前文)そのものの教育実践であり、教育の条理と教師の良心を守ってたたかう困難な教育実践の創造でもありました。
 そして、この「生活綴り方運動」は、「真理・真実のみに忠実に、人類が到達した科学と文化をわかりやすく伝え、すべての子どもに主権者としてふさわしい能力を身につけさせる」という東北民間教育研究団体合同研究集会(略称:東北民教研)に結集する教師たちの共通の思想となって現在に引き継がれています。

◆◆ 東北民教研運動と教育基本法 ◆◆
 東北民教研は、朝鮮戦争さなかの1952年、かつて教え子を戦場へおくった教師たちがその過ちを再びくりかえさないために、第1回東北教科研集会として発足します。以来、東北民教研は毎年東北各県持ち回りで開催され、今年で55回を数えました。
 私たちは、どんなに困難な中にあっても、子どもの生活台、地域の現実をリアルにとらえながら、一人ひとりの子どもたちに豊かなものの見方・考え方・感じ方、そして生き方を育てていこうと、常に「なんのために」「なにを」「いつ、どのような状況のもとで」「どのように」という視点を大事にした教育研究・教育実践につとめてきました。「子どもをどんな人間に育てるのか」「子どもにどんな力をつけてやるのか」「そのために教科の果たす役割はなにか」「そのためにはどんな教材を選ぶべきか」「子どもの発達にあわせて、いつ教えるのか」といった視点を抜きにしたり、また世界や日本の状況、地域や生活の現実を無視して「どう教えるのか」という矮小化された教育技術の研究だけに陥ってはならないと自らを戒めてきました。
 それは、「教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して・・・・」(教育基本法第1条・教育の目的)、「教育の目的を達成するためには、学問の自由を尊重し、実際生活に即し、自発的精神を養い・・・・」(教育基本法第2条・教育の方針)という、まさに日本国憲法と教育基本法の理念を追求する教育研究運動・教育実践運動そのものとして展開する努力でもあります。

◆◆ 9.21東京地裁判決と教育基本法「改正」案 ◆◆
 今、画策されている教育基本法「改正」案の内容は、『真理と平和を希求する人間の育成』を『国家や社会の形成者たる国民の育成』に教育の目的を変えようとしています。また、『国民全体に対し直接責任を負って行われる』(教育基本法第10条・教育行政)という規定を取りはらい、政府による『教育振興計画の策定』などを加えて「国民のための教育」を「国家のための教育」へと変えようとしています。そこでは、公教育を空洞化して教育の競争や格差を拡大し、国民を「勝ち組・負け組」に振り分ける学校制度・教育制度にしようとしています。「権力が教育を支配したり、教育に介入してはならない」という原則は、戦前の教育が時の権力に支配され、「お国のために死ぬ」という愛国心教育が押しつけられ、無謀な侵略戦争に国民をかりたてたことへの深い反省にたってつくられた教育基本法の大原則です。
 去る9月21日、東京地裁は、学校で「君が代」「日の丸」を強制し、従わない教職員を処罰する東京都教育委員会の通達と指導は、「思想・良心の自由」を定めた憲法19条違反であり、「教育への不当な支配」を排除した教育基本法10条に反すると、明快な判決をくだしました。この東京地裁の判決によって、教育基本法「改正」案は、現行の教育基本法の根本原則・理念を覆し、個人の尊厳、国民の教育権、思想・良心の自由を保障した日本国憲法と子どもの権利条約違反であることが明確にされました。

◆◆ 教育基本法改悪に反対し、教育基本法を守り生かした実践と運動を ◆◆
 教育基本法の改悪は、子どもや学校だけの問題ではありません。これからの日本がどうなるかという大事な問題です。憲法9条の改悪による「戦争する国づくり」と一体の「戦争する人づくり」をねらうものです。
 東北民教研に結集する私たちは、今、主権者としての生き方、子どもたちの前に立つ教師としての生き方が問われています。私たちは、教育基本法「改正」法案を廃案にするために全力をつくすとともに、どの子にも「学ぶ喜び、生きる希望を育む」ために、教育基本法を守り生かした実践と運動を、いっそう強めていかなければなりません。そのために、私たちは、東北の民教研運動の充実をさらにはかりながら、より多くの東北の教職員、父母、県民の方々に、東北民教研の集会と各県の民教研集会への参加を呼びかける努力をする決意です。
 東北のすべての教職員のみなさん、そして東北各県の父母・県民のみなさん。
私たちは、教育基本法改悪に反対し、教育基本法を守り生かした実践と運動への参加を呼びかけるものです。子どもたちを、青年たちを、再び戦場に送らないために。

               2006年10月
東北民間教育研究団体連絡協議会
(略称:東北民教連)
 青森県民間教育研究団体協議会
 (略称:青森民教協)
委員長 寅 谷   正
 秋田県民間教育研究団体連絡協議会
 (略称:秋田民教連)
代 表  塩 谷 啓 一
 岩手県民間教育研究団体連絡協議会
 (略称:岩手民教連)委員長 小野寺 武男
 宮城県民間教育研究団体連絡協議会
 (略称:宮城民教連)代 表  菅 井   仁
 山形県民間教育研究団体連絡協議会
 (略称:山形県民教連)会 長  植 松 保 信
 福島県民間教育研究団体協議会
 (略称:福島民教協) 代 表  遠 藤 愼 一
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