HOLGERCZUKAY  ON THE WAY TO THE PEAK OF NORMAL 

ホルガ-・シューカイのソロ2作目のこのアルバムは、前作MOVIESのポップ風のカラーとは異なって、ラディカルな音空間の拡がりが感じられるアルバムで、ホルガ-の最高傑作ともいえるアルバムです。

アナログ盤A面全部を占める大作Ode to Perfume 50年代ロック風のトレモロのかかったギターで幕を開けます。ギターのシンプルなコードに、細切れに挿入された50年代風ロックのヴォイスが絡み、特徴的なディスト-ションギターでサウンドはピークを迎え、渋いフレンチホルンのソロやオルガンのサウンドが鳴り響き、印象的なヴォコーダのコーラスが延々と続いてゆきます。コーラスとディレイが効果的に使われていて、立体的な音空間を作り上げ、独特の浮遊感を持つ心地良い曲です。

確か発売当時のホルガ-のインタビューで、この曲はローラースケートなど動きながら聞いて欲しいと語っていましたが、実際にこの曲はドライブのBGMとして最適でしょう。でもこの曲を聴きながら夜の湾岸を走ると飛んでいってしまいそうで少々危ないかも知れませんが。

アナログ盤B面の4曲も独特のカラーを持つ曲が並んでいて、特にジャー・ウーブルのトリッキーなベースが聞けるHISSNLITHENなどが聴きどころでしょう。

ホルガ-・シューカイはこのアルバム発売の頃には、日本でも人気が大ブレークして、雑誌にインタビューが掲載されたり、サントリーやホンダのCMでもホルガ-の曲が使われていました。さすがに最近日本ではあまりニュースは聞かれなくなってしまいましたが、その頃から20年近く経った1999年にも、素晴らしいアルバムGood Morning Storyを発表し、老いてもなお盛んに活動するホルガ-に対しては、カンを聞いて育った僕としては思わず拍手せずにはいられません。

 

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