奥の細道の旅
 東京深川

草の戸も住替る代ぞひなの家
江東区芭蕉記念館にて
 永代橋のビジネスホテルを9時過ぎにチェックアウトして、まず芭蕉稲荷神社に向かいました。
 芭蕉庵は、幕末に消滅して正確な場所は判らないようですが、大正6年の大津波の後、この地から「芭蕉遺愛の石の蛙」が出土したところから、この地が庵の跡と定められて、地元の人々から芭蕉稲荷神社として祀られています。
 芭蕉稲荷神社境内にある蛙の石像。
 俳聖芭蕉は、杉山杉風に草庵の提供を受け、深川芭蕉庵と称して延宝八年から元禄七年大阪で病没するまでここを本拠としていたといました。
 有名な「古池や蛙飛びこむ水の音」の句もこの地で詠まれたと伝えられています。
 芭蕉稲荷神社の斜め向かいには、正木稲荷神社もありました。
 正木稲荷神社は、創立年代不詳だが、初代広重の錦絵や為永春水の挿絵にも描かれているという有名な神社だそうです。
 昔は「柾木」と書き、柾の葉が腫れ物に効くということから、滝沢馬琴の妻お百が腫れ物が治るよう祈願した記録も残っているそうです。
 正木観音の横の坂を上ると、そこが芭蕉庵史跡展望庭園で、庭内には芭蕉像や芭蕉庵のレリーフが配されていて、往時を偲ぶことができます。 
 芭蕉庵史跡展望庭園は、ちょうど隅田川と小名木川との合流点にあって、すごく見晴らしがよいところで、庭内からは、隅田川の架橋の中で一番美しいといわれる清洲橋や永代橋、新大橋が眺められます。
 芭蕉庵史跡展望庭園から眺めた新大橋。
 この後、江東区芭蕉記念館を見学してから次の目的地、千住へと向かいました。
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