THE BEATLES  THE BEATLES(WHITE ALBAM)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は61年生まれだからビートルズの現役時代というものは知りません。

でもビートルズの残り火というのはまだ残っていて、メンバ‐の各人のソロがヒットチャートを賑していたし(ジョンの真夜中をぶっ飛ばそうとかポールのジェット、リンゴのオンリーユー、ジョージのデイン・ドンなど)、またFMではよくビートルズの曲がかかっていた。中学生の時には、真面目な人はカーペンターズ、そうでない人はビートルズというように別れていたように思います。

僕が本格的に最初にビートルズを聞いたのは、友達から借りた赤盤(1962〜1966)でその次がLET IT BEでした。以来25年以上ずっと彼らのアルバムを聞きつづけています。

僕は現在のすべてのロックミュージック、いや全てのポピュラーミュージックはビートルズから始まったと思います。

ビートルズのアルバムは全て素晴らしく、その中で一枚ベストのアルバムを選ぶのは難しいのですが、その中でもこのホワイトアルバムを推薦します。リボルバーや、S.G.T、ABBEYROADのように完成度は高くないですが、僕はビートルズが自分たちの意志で作った事実上のラストアルバムでビートルズサウンドの集大成だと思います。ビートルズはこの次のGET BACKセッションで事実上解体し、その後に作成されたABBY ROADは当時アップルの経営が苦しく、その経営難を救うためにやむなく作られたいわばおまけのアルバムで、過去のアルバムセッションで未完成だった曲や出来の悪い曲を再アレンジして作られたもので、一曲一曲のクオリテイはけして高くないように思います。録音技術が進歩し、各人の演奏技術が向上し、またジョージマーチンの素晴らしいオーケストラアレンジにより、アルバムとしては完成度が高くなっていますが。

このアルバムでのビートルズのサウンドは、前作のSGTやMMTのサイケデリック調のポップとは違って、BACK IN THE U.S.S.RやI’M SO TIRED、REVOLUTION1ようなシンプルなロックンロール、WHILEMY GUITAR GENTLY WEEPSやBIRTHDAY、YER BLUES、HELTERSKELTERのようなヘビーなロック、IWILLやJULIA、BLACK BIRDのようなアコーステイクなフォークソング、MARTHA MY DEARやMOTHER NATURE’S SONなどのポールの小佳曲、これぞレノンの世界という不思議なHAPPINESS IS A WARM GUN、リンゴやジョージの個性的なナンバーDON’T PASS ME BY、PIGGIES、SAVOYTRUFFLE、レゲエ調のOB-LA-DI,OB-LA-DA、ミュージックコンクリートのREVOLUTION 9など多彩なサウンドをプレイしています。またこのセッションでHEY JUDEも録音されており、いわばこの時期はビートルズサウンドの完成期といってもいいでしょう。

2枚組アルバムなので、収録曲が多く、また実質セルフプロデュースなので自分たちの好きなように演奏、録音したせいか曲の完成度はあまり高くなく、散漫なイメージも受けますが、逆にそれがこのアルバムのワイルドさにつながっていると思います。

またこのアルバムはちょうど4トラック録音と8トラックのマルチトラック録音との過渡期に製作されているので、4トラックで録音されたものは何度もダビングしたせいか音質はあまりよくありません。個人的にはイエローサブマリンソングトラックのようにリミックスして発売してほしいと思うのですが。

僕がこのアルバムで一番好きな曲は、MOTHER NATURE’S SONです。ビートルズレコーデイングセッションによると、ビートルズがこの曲をレコーデイングしている時、1968年8月20日にソ連軍がチェコスロバキアに侵攻したそうです。時代を感じさせます。

 

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