AMON DUUL U YETI
このアルバムを初めて聞いたのは確か75年くらいですが、初めて見たときの第一印象が忘れられません。鎌を持ったサターンの使いのような男が写った表ジャケットと、何とも形容のし難い裏ジャケットのデザインが、サイケとか前衛とかいったものを通りこして、ただ単に無気味に思いました。
サウンドもそれまでよく聞いていたイギリスやアメリカのロックと違って、中近東や東欧をイメージさせるサウンドがすごく新鮮に思いました。ただヴォーカルは飛びまくっていてドラッグの匂いがプンプンしていますが。
このアルバムは2枚組みで、一枚目は比較的聞きやすい曲が多くて、ベルベットアンダーグランド風のSoup Shop Rockやレナ―テが伸び伸びと歌っているArchangels Thunderbird、東欧風の印象的なギターが延々と繰り返すCerberus、重いドラムビートの上を暗い音色のオルガンが流れるPale Galleryなどが聴きどころでしょう。
スタジオインプロヴィゼイションの2枚目はYetiとかYeti To Yogiという題名からしてヒマラヤやチベットをイメージさせるインプロヴィゼイションが延々と続き、特に東洋的なギターサウンドと雪男の声のようなオルガンのフレーズが印象的です。
このアルバムはアモンデュールUのセカンドアルバムで、この作品の後にTanz Der Lemmingeを発表しますが、アモンデユールUのサウンドはこの3作目までが素晴らしくて、4作目からは結構普通のプログレぽいサウンドになっているので、僕個人としてはこの3作目までをお勧めします。