台風一過 2008/09/20




9月19日夜半から20日未明にかけて、房総半島南岸沖を台風13号が通過しました。千葉県内でも強い雨が降り、自主非難をした地域もあったと聞きます。
翌朝は台風一過。台風の名残りの低い雨雲と、所々顔をのぞかせる青空を見上げながら、東京湾岸を南下してみました。
写真は、富津市竹岡付近から見た東京湾です。
一見すると手前の茶色の部分が砂浜、その先の青い部分が海のように見えますが、実は両方とも海です。海水が沖合いではっきりと茶色と青色の二色に分かれています。もちろん、普段はこうした色の違いはありません。
この原因は何でしょうか。
答えは、混濁水(土砂の混ざった水、簡単に言ってしまうと、「泥水」)です。
台風13号に伴なう大雨で、大量の土砂が川に流れ込みました。土砂の混ざった水は、川の流れに乗って東京湾まで運ばれます。海は、川ほど流れが速くないので、土砂の混ざった水はしばらく海岸付近に滞留します。これが茶色の海の正体です。
やがてこれらの土砂は海底に沈み、堆積物になります。
こうした現象が、何百回、何千回と繰り返され、地層を作ります。土砂の中に埋まった生物や生物の遺骸は、いつか化石になるかもしれません。
この茶色の海は、こうした地層が形成される場なのです。



湊川の河口です。茶色い土砂の混ざった水が海に流れ込んでいる様子がわかります。
(2008.09.20取材)

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