タヌキの交通事故 2007/07/07




千葉県山武郡の道路を車で移動中、交通事故で命を落とした3頭のタヌキを目撃しました。
(刺激が強いので、小さい画像にしました)
この3頭は、わずか100mほどの狭い区間で次々と見つかりました。これまでにも何度かタヌキの交通事故を目撃していますが、これほど狭い範囲に3頭も集まっていたのは初めてです。
いずれの個体も体がまだ小さく、子どものようです。(中央の個体はやや大きいように思えます)

この道路は、2年ほど前に新しく開通しました。
曲がりくねって坂の多い旧道をバイパスするために、それまで何もなかった山中を真っ直ぐ縦断するように造られました。
わずか1.5kmほどの短い道路ですが、ここは、動物たちの交通事故の多発地点になっているようです。

同一地点で撮影したアナグマの交通事故

春に生まれたタヌキの子どもたちは、親と共に行動しながらその活動範囲を次第に広げていきます。
たまたま偶然に、同じような年齢の子タヌキたちが交通事故にあったのでしょうか。
それとも、この3頭は兄弟だったのでしょうか。
よくよく見てみると、一番左の個体は事故にあった直後のようです(恐らく昨夜でしょう)。中央と右の個体はそれより1日か2日前のものと思われます。
何か、この危険な現場へ来なければならないような必然があったのでしょうか。



動物たちの生活を守れ!と、人優先の発想で作られた現代社会や車社会を批判するのは簡単です。
しかし、私自身、車社会の恩恵にどっぷり浸かって生活しています。
仮に、私がマイカーに乗ることを放棄したとしても、私の生活を支えている社会構造そのものが、車の存在を前提に組みあがっています。
人も、荷物も、車によって運ばれています。
車のなかった昔に逆戻りすることはできません。



不幸な子タヌキたちの横を、次々と車が走り抜けていきます。おセンチな感情論だけではどうしようもない現実がここにはあります。(2007.07.07取材)

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